社労士資格で副業する方法|労務相談・コンサルの案件と収入


この記事のポイント
- ✓社会保険労務士(社労士)の資格を活かして副業する方法を解説
- ✓労務相談・コンサルティング・助成金申請支援など具体的な案件と収入相場を紹介します
社会保険労務士(社労士)は、労働法や社会保険に関する唯一の国家資格です。働き方改革やハラスメント対策の義務化を背景に、中小企業からの労務相談ニーズは増える一方です。
社労士として登録していれば、本業を持ちながらでも副業として労務コンサルティングを行うことができます。企業の人事部門で10年間勤務しながら社労士の副業を続けてきた経験から、具体的な方法と収入の実態をお伝えします。
社労士が副業できる法的な位置づけ
社労士として業務を行うには、全国社会保険労務士会連合会への登録が必要です。登録形態には「開業」と「勤務」の2種類があり、副業として社労士業務を行う場合は「開業登録」を選択します。
勤務先の就業規則で副業が禁止されていないことを確認した上で、開業届を提出し、社労士事務所を開設する形になります。登録には費用がかかりますが(入会金・年会費で年間10〜15万円程度)、副業収入で十分回収できる投資です。
ただし、1号業務(労働・社会保険の手続き代行)と2号業務(帳簿作成)は社労士の独占業務であり、登録なしに行うことはできません。3号業務(コンサルティング)については、資格がなくても行えますが、社労士の肩書きがあることで信頼性が格段に向上します。
社労士の独占業務を副業として行う際は、報酬の受け取り方や税務処理にも注意が必要です。開業届と合わせて、青色申告の届出も行っておくと、経費計上や所得控除の面で有利になります。
社労士の副業ジャンルと収入
1. 労務相談・顧問契約
中小企業の労務顧問として、日常的な労務相談に応じる仕事です。
| 企業規模 | 月額顧問料の目安 | 相談頻度の目安 |
|---|---|---|
| 1〜9名 | 2〜3万円 | 月2〜3回 |
| 10〜29名 | 3〜5万円 | 月3〜5回 |
| 30〜49名 | 5〜8万円 | 月5〜8回 |
| 50名以上 | 8〜15万円 | 月8回以上 |
副業であれば2〜3社の顧問契約で月5〜15万円が現実的なラインです。労務相談はメールやチャットベースで対応できるため、本業の合間に進められます。
よくある相談内容は、「従業員を解雇したいが手続きは?」「残業代の計算が合っているか確認してほしい」「パワハラの相談があったがどう対応すべきか」「育児休業の取得者が出たが手続きは?」といったものです。これらの相談に的確に回答し、リスクを未然に防ぐのが労務顧問の仕事です。
2. 就業規則の作成・改定
法改正に伴う就業規則の改定ニーズは常にあります。1件あたり15〜30万円が相場で、年に2〜3件受注できれば大きな副業収入になります。
2024年以降は、育児・介護休業法の改正やフリーランス新法の施行など、就業規則の改定が必要な場面が増えており、需要は旺盛です。
就業規則の作成は、単にテンプレートを渡すだけでは不十分です。企業の実態に合わせたカスタマイズが必要で、経営者や人事担当者とのヒアリングを通じて最適なルールを設計します。この「企業に寄り添ったオーダーメイドの就業規則」が、副業社労士の付加価値になります。
3. 助成金申請サポート
キャリアアップ助成金、働き方改革推進支援助成金など、企業が受給できる助成金の申請を代行する業務です。
助成金は企業にとって「もらえるお金」であるため、提案しやすく感謝もされやすい仕事です。報酬は受給額の10〜20%が相場で、1件あたり5〜30万円の報酬になることもあります。
助成金の申請は書類作成の手間が大きく、企業の担当者だけでは対応しきれないケースが多いです。社労士として申請要件の確認から書類作成、提出、事後報告まで一貫してサポートすることで、高い報酬を得られます。
ただし、助成金の制度は頻繁に改廃されるため、常に最新情報をキャッチアップする必要があります。厚生労働省のサイトや社労士会の研修で情報収集を欠かさないようにしましょう。
4. セミナー・研修講師
企業向けの労務管理セミナーやハラスメント防止研修の講師も、社労士の副業として人気があります。
1回2〜3時間のセミナーで5〜15万円が相場です。オンライン開催であれば移動時間もなく効率的です。ハラスメント防止研修は法律で義務化されているため、安定した需要があります。
労務管理の基礎研修、メンタルヘルス対策研修、管理職向けの労働時間管理研修など、テーマは多岐にわたります。一度カリキュラムを作成すれば、複数の企業で繰り返し使えるため、効率的な副業です。
5. 記事執筆・監修
労務関連メディアでの記事執筆や、Web記事の専門家監修も社労士ならではの副業です。
1記事あたり1〜5万円で、「社会保険労務士監修」の肩書きがつくことで記事の信頼性が高まるため、メディア側からの需要も高いです。監修のみであれば1記事5,000〜1万円で、内容を確認してコメントを返すだけなので、時間効率が非常に良い副業です。
副業社労士の始め方
ステップ1:社労士登録
まだ登録していない場合は、開業登録の手続きを行います。事務所の所在地は自宅で問題ありません。登録後は都道府県の社労士会に所属し、研修や交流会に参加して人脈を広げましょう。
社労士会のイベントは同業者との情報交換だけでなく、経営者との出会いの場にもなります。副業の案件は人脈から生まれることが多いので、積極的に参加することをおすすめします。
ステップ2:専門分野を決める
社労士業務は範囲が広いため、得意分野を絞ると案件を獲得しやすくなります。
- ハラスメント対策:法改正で需要急増
- 助成金申請:成果報酬型で営業しやすい
- テレワーク導入支援:現代的なニーズ
- 外国人雇用:専門性が高く競合が少ない
- メンタルヘルス対策:ストレスチェック義務化に伴い需要増
ステップ3:オンラインで集客する
自分のWebサイトやSNSで情報発信を始めましょう。労務関連の豆知識や法改正情報を発信することで、見込み客からの問い合わせにつながります。
@SOHOなどのクラウドソーシングでは、労務相談やコンサルティングの案件も掲載されています。オンラインでの集客チャネルを複数持っておくことが安定収入の鍵です。
関連資格との組み合わせ
社労士の知識に別の資格を掛け合わせると、独自のポジションを築けます。
FP(ファイナンシャルプランナー)を取得すれば、従業員向けのライフプラン研修やDC(確定拠出年金)の導入支援ができ、顧問業務の幅が広がります。
中小企業診断士との組み合わせは、経営と人事の両面からコンサルティングできる強力な武器になります。「経営コンサル×労務コンサル」のダブルライセンスは中小企業にとって非常に心強い存在です。
経理面のサポートもできるよう簿記の知識を持っておくと、バックオフィス全般をカバーする総合コンサルタントとしてのポジショニングが可能です。
副業社労士の収入シミュレーション
社労士副業の具体的な収入をシミュレーションしてみましょう。
パターン1:顧問契約中心 小規模企業2社(各月額3万円)+中規模企業1社(月額5万円)→ 月11万円。日常的な労務相談はメールやチャットで対応でき、月の稼働時間は15〜20時間程度です。
パターン2:スポット案件中心 就業規則作成(年3件×20万円)+助成金申請サポート(年4件×10万円)→ 年間100万円(月平均8.3万円)。繁忙期と閑散期の波がありますが、年間で見れば安定した収入になります。
社労士副業の注意点
社労士には守秘義務があり、クライアントの情報管理は厳格に行う必要があります。在宅で副業する場合も、書類の保管やデータの取り扱いに注意してください。クラウドストレージの暗号化やパスワード管理の徹底は必須です。
また、本業との利益相反にも気をつけましょう。本業の勤務先と競合する企業の顧問を引き受けるなど、トラブルの種になる行動は避けるべきです。
社労士業務には損害賠償のリスクもあるため、社労士賠償責任保険への加入も検討してください。年間数万円の保険料で、万が一のリスクに備えられます。
よくある質問
Q. 副業禁止の会社に勤めていますが、匿名で活動することは可能ですか?
ビザスクでは、実名を伏せてイニシャルやニックネームで活動することが可能です。ま た、顔写真の代わりにイラストなどを使用することもできます。ただし、実名を公開し ているアドバイザーの方が、クライアントからの信頼を得やすく、指名案件(公募され ない特別な案件)が届きやすくなるというメリットもあります。
Q. 本業の守秘義務違反にならないか心配です。どこまで話してもいいのでしょうか?
所属先の機密情報や未公開プロジェクト、具体的な顧客名などを話すのは厳禁です。ス ポットコンサルで求められるのは、あくまであなたの経験に基づいた「業界の一般的な 動向」や「実務の進め方のヒント」です。相談中に踏み込んだ質問を受けた際も「その 点は守秘義務の関係でお答えできません」と明確に断るのがマナーであり、プロとして の正しい対応です。
Q. 案件を探す際に注意すべき点はありますか?
依頼内容が曖昧な案件には注意が必要です。事前に「どこまでがコンサルの範囲か」を明確に定義し、工数が見合わない場合は追加費用を交渉するなどの対策が必要です。@SOHOのようなプラットフォームで、過去の案件例を参考に相場感を養っておくことをおすすめします。
Q. 副業としてどれくらいの時間を割く必要がありますか?
案件の関わり方によりますが、月額顧問形式であれば週に2〜3時間、集中して規程を作成する時期でも週に5〜8時間程度で回せる案件が多いです。本業とのバランスを調整しやすいのも、この副業のメリットです。
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この記事を書いた人
高橋 慎太郎
公認会計士→独立コンサルタント
大手監査法人で12年間勤務した後、フリーランスの経営コンサルタントとして独立。簿記・FP・税理士の資格を活かし、フリーランスの会計・税務・資金管理に関する記事を執筆しています。
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