65歳超雇用推進助成金2026|シニア活用で人手不足と資金課題を解決


この記事のポイント
- ✓2026年最新の「65歳超雇用推進助成金」について
- ✓対象となるコースを分かりやすく解説します
- ✓シニア人材の活用は人手不足解消だけでなく
2026年現在、多くの企業が直面している深刻な人手不足を解消する一手として、「65歳超 雇用推進助成金」がこれまで以上に注目を集めています。シニア世代の豊富な経験と専門スキルを組織の最前線に取り入れながら、制度活用による多額の資金獲得も実現できる本助成金の仕組みや申請ポイントについて、実務的な視点から詳しく解説します。
65歳超雇用推進助成金とは?2026年の制度概要と目的
65歳超雇用推進助成金は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が管轄し、厚生労働省の政策と連動して支給される公的な助成金制度です。急速な少子高齢化に伴い、国内の生産年齢人口は減少の一途を辿っており、労働力の確保はあらゆる規模の企業にとって喫緊の経営課題となっています。この制度は、意欲と能力のある高年齢者が年齢に関わりなく働き続けられる社会の実現を目指し、定年の引き上げや定年の廃止、継続雇用制度の導入を行う企業に対して、その経費の一部を助成するものです。
令和5年版高齢社会白書によると、65歳以上の人口割合は29.0%に達し、今後も上昇が続くと予測されています。労働力不足を補うためには、意欲ある高年齢者が能力を発揮できる環境整備が急務です。
— 出典: 内閣府「令和5年版高齢社会白書」
具体的には、従業員が65歳以上になっても継続して働ける環境を整備した事業主に対して支給されます。日本政府は「生涯現役社会」の構築を推進しており、高年齢者雇用安定法の改正によって、企業には70歳までの就業機会を確保することが努力義務として課されるようになりました。この法的な流れに対応するためにも、本助成金を活用して社内制度をアップデートすることは、財務的にもコンプライアンス的にも非常に理にかなった経営判断と言えます。
企業が得られるメリットは単なる助成金の受給にとどまりません。長年培われた熟練の技術や顧客ネットワークを持つシニア層を引き留めることで、若手社員への技術継承がスムーズに行われ、採用コストや教育コストを大幅に削減することが可能になります。また、定年廃止や延長を公表することで、「社員を大切にする安定した企業」という社外的な評価が高まり、結果として新卒や中途の採用活動にもポジティブな影響をもたらします。
助成金を受給するための3つのコースと支給額の詳細
65歳超雇用推進助成金には、企業の取り組み内容に応じて3つの主要なコースが用意されています。それぞれのコースの目的と、2026年現在の支給額の目安について詳しく見ていきます。
1. 65歳超継続雇用促進コース
このコースは、就業規則や労働協約を改定し、定年の引き上げ、定年の廃止、あるいは希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度のいずれかを導入した事業主に対して支給されます。支給額は、対象となる取り組みの内容と、企業に在籍する60歳以上の雇用保険被保険者の人数によって細かく区分されています。
例えば、定年を65歳から70歳に引き上げ、かつ対象となるシニア従業員が10人以上いる規模の企業の場合、最大で160万円の助成金が支給されるケースがあります。一方で、対象従業員が1〜2名の小規模企業であっても、定年の廃止を行えば40万円程度が支給されるため、規模を問わず活用しやすい設計になっています。制度を改定する際には、社会保険労務士などの専門家に依頼する就業規則の改定費用等も経費として計上できるため、実質的な持ち出しをほぼゼロにして人事制度の近代化を図ることができます。
2. 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
シニア人材がモチベーション高く働き続けるためには、年齢ではなく役割や成果に応じた正当な評価制度と賃金制度が不可欠です。このコースは、高年齢者の雇用管理制度(賃金制度、評価制度、研修制度、専門職制度など)の整備や見直しを行った事業主に対して、その導入にかかった経費の一部を助成します。
コンサルティング費用や人事システムの改修費用などが対象となり、支給率は対象経費の60%(中小企業の場合)です。さらに、生産性要件という国が定める基準を満たした場合は、支給率が75%まで引き上げられます。例えば、人事コンサルタントに100万円を支払ってシニア向けの新しい等級制度を構築した場合、最大で75万円が国から補填されることになり、経営者の投資負担を劇的に軽減します。
3. 高年齢者無期雇用転換コース
50歳以上かつ定年年齢未満の有期雇用労働者(契約社員やパートタイム労働者など)を、無期雇用契約に転換させた事業主に対する助成です。シニア層の雇用不安を取り除き、長く安心して働ける環境を提供することを目的としています。
中小企業の場合、対象者1人につき48万円(生産性要件を満たした場合は60万円)が支給されます。1事業所あたり年間で最大10人まで申請可能なため、パートタイムのシニア従業員を多く抱える小売業やサービス業、介護事業所などにとっては、最大で600万円もの大規模な資金還流を見込める非常に魅力的なコースとなっています。
申請の必須条件と対象となる事業主の要件
助成金を受給するためには、国が定める厳格な要件をすべてクリアする必要があります。公金を原資としているため、労働関連法規を遵守している優良な企業であることが大前提となります。
まず基本的な要件として、雇用保険の適用事業所であり、保険料を過去にわたって滞納していないことが求められます。また、申請を行う前の6ヶ月間において、会社都合による従業員の解雇や退職勧奨を行っていないこと(事業主都合解雇の禁止要件)も必須です。労働基準法違反や最低賃金法違反など、重大な労働関係法令の違反で送検されていないことも確認されます。
中小企業として申請する場合、資本金または出資の総額と、常時雇用する労働者の人数のいずれかが、業種ごとに定められた基準を下回っている必要があります。例えば、製造業や建設業であれば「資本金3億円以下または従業員300人以下」、小売業であれば「資本金5,000万円以下または従業員50人以下」という基準が設定されています。
さらに、制度の導入にあたっては、単に社内で発表するだけでなく、労働基準監督署に正式に届け出た「就業規則」に定年の延長や廃止が明記されていなければなりません。就業規則の変更には、従業員の過半数代表者の意見書を添付する必要があり、社内での適切なプロセスを経ていることが審査の重要なポイントになります。
2026年度の審査傾向と実務上注意すべき落とし穴
助成金の審査は年々厳格化の傾向にあり、2026年度も例外ではありません。書類上の制度改定だけでなく、実態としてシニア従業員が適切に勤務しているかどうかが厳しくチェックされます。
特によくある失敗例が、出勤簿やタイムカードなどの労働時間管理の不備です。助成金の審査では、対象となるシニア従業員の過去6ヶ月分以上のタイムカードや賃金台帳の提出が求められますが、ここで残業代の未払いや、法定労働時間を超える過重労働が発覚した場合、助成金は不支給となるばかりか、労働基準監督署の指導対象となるリスクがあります。申請前に、自社の労務管理が適法に行われているかを社会保険労務士と入念に監査することが不可欠です。
また、「65歳超継続雇用促進コース」を申請する場合、制度を改定した日よりも前に、すでに対象となるシニア従業員が雇用保険の被保険者として1年以上継続して雇用されている実績が必要です。制度を変えてから急いでシニアを採用しても、その従業員をカウントして助成金を受給することはできないため、計画的なスケジュール管理が求められます。
助成金は予算の上限に達すると、年度の途中であっても受付が早期終了する可能性があります。2026年度も国の予算配分状況によっては秋頃に締め切られるケースも想定されるため、要件を満たせる企業は新年度が始まってから可能な限り早いタイミングで準備に着手することが成功の秘訣です。
堀内和也の体験談:シニア活用がもたらす組織への好影響
私はこれまでに経営コンサルタントとして、数多くの中小企業の組織改善と助成金申請のサポートを行ってきました。その中で、65歳超雇用推進助成金の活用が、単なる資金調達以上の劇的な効果を組織にもたらした事例をいくつも目の当たりにしています。
ある地方の部品製造メーカー(従業員数45名)の事例をご紹介します。この企業は長年、若手技術者の採用難と、ベテラン職人の高齢化という板挟みに悩んでいました。社長は60歳定年制を維持していましたが、従業員のモチベーション低下を防ぐため、思い切って定年を65歳まで引き上げ、さらに希望者は70歳まで継続雇用する就業規則の改定に踏み切りました。
この取り組みにより、同社は「65歳超継続雇用促進コース」で120万円の助成金を受給することに成功しました。しかし、本当の成果はその後から現れました。受給した資金を元手に、シニア従業員の体力的負担を軽減するためのアシストスーツや最新の昇降機能付き作業台を導入したのです。結果として、熟練工の離職はピタリと止まり、彼らが若手社員の専属メンターとして技術指導に注力できる体制が整いました。
ベテランの安定したサポートにより、新入社員の3年以内離職率は以前の30%から10%未満へと劇的に改善しました。シニア人材のプライドを尊重し、制度と設備の両面から働きやすさを提供したことが、世代間のシナジーを生み出し、会社の生産性向上という最大の利益をもたらしたのです。助成金は、こうした前向きな組織改革の背中を押してくれる強力な起爆剤になると私は確信しています。
よくある質問
Q. すでに65歳を超えて働いている従業員がいる場合でも申請できますか?
: 申請できる可能性があります。重要なのは「現在の就業規則で定年が何歳に設定されているか」です。実態として65歳以上の人が働いていても、就業規則上の定年が60歳であり、それを今回新たに引き上げる(または廃止する)のであれば、助成金の対象となります。
Q. 助成金は後で返済する必要がありますか?融資との違いは何ですか?
: 助成金は国からの返済不要の交付金であるため、金融機関からの借入(融資)とは異なり、後から返済する義務は一切ありません。企業の純利益として計上できるため、設備投資や従業員への還元など、会社の成長のために自由に活用することができます。
Q. 申請手続きを社会保険労務士に代行してもらうことは可能ですか?
: はい、可能です。むしろ、労働法令の専門知識が必要となるため、多くの企業が社会保険労務士に依頼しています。「高年齢者評価制度等雇用管理改善コース」を利用する場合は、専門家へのコンサルティング費用や就業規則の作成費用そのものを助成対象経費として申請できるため、専門家を活用するメリットは非常に大きいです。
Q. 複数の助成金を同時に受け取ることはできますか?
: 原則として、同じ従業員や同じ取り組みに対して、国や自治体の他の助成金を重複して受給すること(併給)は禁止されています。ただし、対象となる取り組みや対象者が完全に独立している別の助成金(例:IT導入補助金やキャリアアップ助成金の別コースなど)であれば、同時に申請・受給することは可能です。事前の確認が必須です。
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この記事を書いた人
堀内 和也
介護テック・福祉DXコンサルタント
介護施設の運営管理者を経て、介護施設向けのICT導入コンサルタントとして独立。介護テック・福祉DX・ヘルスケアIT系の記事を執筆しています。
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