情報セキュリティマネジメント試験の勉強時間|合格までの目安と難易度 2026

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
情報セキュリティマネジメント試験の勉強時間|合格までの目安と難易度 2026

この記事のポイント

  • 情報セキュリティマネジメント試験の勉強時間は
  • IT経験者で約30時間
  • 初学者なら80〜100時間が目安です

結論から言います。情報セキュリティマネジメント試験に必要な勉強時間は、前提知識によって30〜100時間の幅に収まります。そして難易度そのものは、国家資格の中では「比較的やさしい部類」です。合格率は70%前後で推移しており、IT系の国家試験としてはトップクラスに受かりやすい。「セキュリティ」という言葉の響きから身構える人が多いのですが、実態とイメージには大きなギャップがあります。

この記事を読んでいるあなたは、おそらく「情報セキュリティマネジメント試験 勉強時間」と検索して、こんなことを知りたいのではないでしょうか。「自分の今の知識なら何時間必要なのか」「1日どれくらいのペースで、いつ受験できるのか」「そもそも取って意味があるのか、特に在宅ワークや副業で役立つのか」。この記事では、IPA(情報処理推進機構)の公開情報や他試験との比較を軸に、その3つの疑問へまっすぐ答えます。時間の数字だけでなく、その時間をどう配分すれば最短で合格に届くのか、取得後にどう活かすのかという出口まで含めて整理していきます。

情報セキュリティマネジメント試験の勉強時間はどれくらい必要か

必要な勉強時間の目安は、IT実務の経験がある人で30時間前後、ITパスポート程度の基礎がある人で50時間前後、完全な初学者で80〜100時間です。1日1時間のペースなら、初学者でもおよそ3か月で合格圏に届く計算になります。合格率が70%前後と高いため、この時間をきちんと確保して過去問中心に回せば、独学でも十分に到達可能な試験です。

逆に言えば、時間が読みにくくなる原因はほぼ一つに絞られます。テキストの通読に時間をかけすぎることです。この試験は「深さで挫折する試験」ではなく「広さで時間を取られる試験」なので、インプットを短く切り上げて演習に移れるかどうかで、総学習時間が倍近く変わります。以下、前提知識別の内訳と、時間を無駄にしない配分の考え方を順に見ていきます。

前提知識別の勉強時間モデル

同じ試験でも、スタート地点によって必要な時間はまったく違います。自分がどのタイプに当てはまるかを先に決めてから、学習計画を組み立ててください。

IT業務の経験がある人:30時間前後

社内の情報システム担当、IT企業の事務職や営業職、SaaSのカスタマーサポートなど、業務の中でIT用語やセキュリティルールに日常的に触れている人であれば、30時間程度の学習でも合格圏に入るケースがあります。すでに知っている用語が多く、知識の穴埋めと問題演習に集中できるためです。

このタイプの人がやるべきなのは、テキストの精読ではなく「知らない用語の洗い出し」です。まず過去問を1回分解いてみて、間違えた箇所だけをテキストで拾う。それだけで学習範囲がかなり絞り込めます。1日1時間なら1か月、休日にまとめて取るなら3〜4週で仕上がります。

ITパスポート取得済みなど基礎がある人:50時間前後

ITパスポートを取得済み、あるいは情報系の授業を受けた経験がある人の場合は50時間前後が一つの目安になります。1日1時間なら約2か月、1日2時間なら1か月弱というペースです。

ITパスポートとは出題範囲の土台(テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の枠組み)が共通しているため、知識の再利用が強く効きます。追加で覚えるのは、リスクマネジメントの手順、情報セキュリティポリシーの構成、関連法規の細部といったセキュリティ寄りの論点です。ITパスポートの記憶が新しいうちに続けて受けると、体感の負荷はさらに下がります。

完全な初学者:80〜100時間

ITの基礎用語からスタートする人の場合は80〜100時間を見ておくと安心です。専門用語に慣れるまでの初速が遅くなるためで、ここで焦らずインプットの土台を作ることが、結果的に近道になります。

配分の目安としては、最初の20時間で用語と全体像をざっくり掴み、残りの60〜80時間を過去問演習と復習に充てる形が現実的です。1日1時間なら約3か月、1日2時間なら1か月半。通年でいつでも受験できる方式なので、学習が仕上がったタイミングで申し込めばよく、試験日から逆算して無理に詰め込む必要はありません。

これらはあくまで合格を目標とした最低ラインの目安です。深く理解して実務に活かしたいなら、もう少し上乗せして取り組む価値があります。

学習が長引きやすい人の共通点

学習が予定より長引いてしまう人には、いくつか共通点があります。最も多いのが、前述したテキストの通読に時間をかけすぎるパターンです。

セキュリティ用語は似たものが多く、たとえば「リスク移転」「リスク回避」「リスク低減」「リスク保有」の4つの区別など、文字を眺めているだけでは定着しません。手を動かして過去問を解き、間違えながら覚える方がはるかに速い。インプット偏重は、難易度の低い試験を自分で難しくしてしまう典型的な失敗です。

もう一つ多いのが、学習の間隔が空きすぎるパターンです。週末だけまとめて5時間、というやり方は、次に開いたときに前回の内容を忘れていて復習に時間を取られます。合計時間が同じなら、毎日30分ずつの方が総学習時間は短く済みます。

情報セキュリティマネジメント試験の難易度は本当に高いのか

勉強時間の目安が短めなのは、そもそも試験の難易度が高くないからです。世間のイメージと実データのギャップから見ていきます。

「セキュリティの国家資格」と聞くと、専門エンジニア向けの難しい試験を想像する人が多い。しかし、この試験はそもそもエンジニア向けではありません。IPAが「情報セキュリティマネジメント試験」を設計した狙いは、ITの専門家ではない一般の社員、つまり情報を扱うすべての職種の人が、自部門のセキュリティを守れるようにすることにあります。試験の対象者像や出題範囲はIPAの情報セキュリティマネジメント試験のページで公開されており、位置づけが「利用者・管理者寄り」であることが明記されています。プログラミングやネットワークの深い実装知識は問われません。

難易度を語るうえで最も信頼できるのは合格率です。IPAが公表している統計資料では、情報セキュリティマネジメント試験の合格率は70%前後で推移しており、これはほかのIT系国家資格と比べても非常に高い水準です。IT分野の経験者はもちろん、初学者にとっても受かりやすい試験だと言えます。

正直なところ、合格率70%前後という数字は、国家試験としては相当に高いです。たとえば日商簿記2級が20〜30%台、宅地建物取引士が15〜17%程度で推移していることを考えれば、その差は歴然としています。3人受けたら2人は受かる、という感覚に近い。

合格率の数字をどう読むべきか

ただし、合格率が高いからといって「勉強せずに受かる」と受け取るのは危険です。ここには2つの注意点があります。

1つ目は、受験者層のバイアスです。この試験を受けるのは、業務でセキュリティに関わる人、IT企業の社員、情報系の学生など、もともとある程度の素地がある層が中心です。完全に無関係な人が記念受験するタイプの試験ではないため、合格率の数字は「ITに多少触れている人の中での合格率」と読むのが正確です。

2つ目は、出題範囲が決して狭くないという点です。合格率は高くても、覚えるべき用語や制度、法律の数は多い。セキュリティ技術の基礎、情報セキュリティ管理(リスクマネジメント、情報セキュリティポリシー)、関連法規(個人情報保護法、不正アクセス禁止法など)、システム監査と、守備範囲は広く浅く設定されています。前述の勉強時間が「30時間で足りる人」と「100時間かかる人」に分かれるのは、この広さをどれだけ既知の知識でカバーできているかの差だと考えると腑に落ちます。

この試験は2023年4月から通年でいつでも受けられるCBT(コンピューター上で受験する方式)に移行しました。年2回の集合試験だった頃と比べて、自分のタイミングで受けられるようになり、受験のハードルそのものはさらに下がっています。学習が仕上がった週にそのまま予約して受けられるため、勉強時間を無駄に引き延ばさずに済むのは大きな利点です。

他の情報処理技術者試験との難易度比較

「ITパスポートや基本情報技術者と比べてどうなのか」「勉強時間はどちらが多く必要なのか」。これは検索者が最も気にするポイントで、実際にQ&Aサイトでも頻繁に質問が上がっています。

この疑問に答えるために、IPAの試験区分を整理します。情報処理技術者試験には「スキルレベル」という難易度の段階が設定されており、レベル1からレベル4まであります。

ITパスポート・基本情報技術者との位置関係

ITパスポート試験はレベル1、情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験はともにレベル2です。つまり情報セキュリティマネジメントと基本情報技術者は、IPAの定義上は同じスキルレベルに位置づけられています。

体感的な難易度と勉強時間の序列を並べると、こうなります。

  • ITパスポート(レベル1):最も易しい。社会人の一般教養レベルで、初学者でも100時間前後
  • 情報セキュリティマネジメント(レベル2):ITパスポートより一段上。ただしセキュリティに範囲が集中しているぶん、初学者で80〜100時間に収まる
  • 基本情報技術者(レベル2):同じレベル2だが、アルゴリズムやプログラミングの問題があるぶん、文系・非IT職には必要時間が大きく膨らみやすい

ここで一つ、誤解を解いておきます。「セキュリティの試験だから基本情報より難しいはず」と考える人がいますが、これは多くの場合あべこべです。基本情報技術者は科目B(旧・午後試験)でアルゴリズムや疑似言語のコードを読む問題が出ます。プログラミング未経験者にとって、この壁はかなり高く、演習に費やす時間も長くなります。一方、情報セキュリティマネジメントはコードを書く・読む問題がほぼ出ません。マネジメント・運用・法務寄りの内容なので、非エンジニアにとってはむしろ取り組みやすく、時間も読みやすいのです。

ITパスポートを既に持っている人なら、その上積みとして情報セキュリティマネジメントは自然な次の一歩になります。共通する基礎知識が多いため、知識の再利用が効き、実質的な追加学習は50時間程度で済みます。

上位資格との距離

参考までに、上位資格との距離感も押さえておきます。レベル3には応用情報技術者試験、レベル4には情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)やネットワークスペシャリストなどがあります。セキュリティを本格的に極めるなら最終的にレベル4の情報処理安全確保支援士を目指すことになりますが、こちらは記述・論述があり合格率20%前後と一気に難しくなります。必要な勉強時間も、数百時間の単位に跳ね上がります。

情報セキュリティマネジメントは、その難関への入口・足がかりとして最適です。いきなりレベル4を狙って挫折するより、まずレベル2で土台を固める方が合理的だと言えます。

効率よく合格するための勉強のコツとポイント

合格率が高い試験ほど、対策の質が合否を分けます。同じ50時間でも、使い方次第で結果はまったく変わります。

過去問演習を学習の中心に置く

最大のコツは、過去問を学習の主役にすることです。情報処理技術者試験は良問のストックが豊富で、出題のパターンや問われ方が安定しています。IPAは過去の試験問題を公開しているため、市販の問題集に加えて公式の過去問も活用できます。

進め方としては、テキストを一周ざっと読んだら、すぐ過去問に移ります。解けなくても構いません。間違えた問題の解説を読み、関連する用語をテキストで確認する、という往復を繰り返すのが王道です。この方法なら、出題されない細かい知識に時間を浪費せず、合格に直結する論点に学習を集中できます。

時間配分の目安は、インプット3割・演習7割です。過去3〜4回分を最低2周、できれば3周回すと、本番でも見覚えのある問題が増えて得点が安定します。50時間の計画なら、テキスト15時間・演習35時間という配分になります。

出題比率の高い分野から固める

出題範囲は広いですが、配点の重みは均等ではありません。情報セキュリティ管理(リスクアセスメント、情報セキュリティポリシー、各種マネジメント)と、セキュリティ技術の基礎(暗号、認証、マルウェア対策など)は出題の中核です。ここを最優先で固めると、得点の土台ができます。

法務分野(個人情報保護法、不正アクセス禁止法、サイバーセキュリティ基本法など)も頻出です。法律は丸暗記しようとすると苦痛ですが、「何を守るための法律か」という目的から押さえると記憶に残りやすくなります。たとえば不正アクセス禁止法なら「他人のIDやパスワードで不正にログインする行為を取り締まる法律」と、趣旨ベースで覚えるイメージです。趣旨で覚えると、暗記に費やす時間が体感で半分近くまで縮みます。

科目B(応用力を問う問題)への向き合い方

情報セキュリティマネジメント試験には、知識を問う問題に加えて、長文の状況設定を読んで判断させる応用的な問題があります。ここで戸惑う受験者が一定数います。

コツは、知識量で殴るのではなく「読解と消去法」で攻めることです。問題文に登場する状況(誰が、どんな情報を、どう扱っているか)を整理し、セキュリティの原則に照らして明らかにおかしい選択肢を消していく。技術的な深掘りより、業務常識とリスク感覚を働かせる方が正答に近づきます。普段から「この情報が漏れたら誰が困るか」を考える癖をつけておくと、本番で効きます。

この形式は追加の暗記ではなく慣れで対応できるため、専用の勉強時間を長く取る必要はありません。総学習時間の1〜2割を演習に充てれば十分です。

@SOHO編集部が見てきた、資格と在宅の仕事の距離感

@SOHOは20年以上にわたって、在宅ワーカーやフリーランスと、仕事を依頼する発注者の双方を見てきました。その中で一貫して感じているのは、資格そのものが直接仕事を連れてくる場面は限られている一方で、「情報の扱い方を説明できる人」が明確に選ばれているという事実です。

発注者が個人へ仕事を任せるとき、最後に気にするのはたいてい情報の取り扱いです。顧客リストや原稿、設計データを外部の個人に預ける以上、それが自宅のどの端末に置かれ、どう消されるのかが分からないと不安が残ります。応募時のやり取りで、保存場所や共有方法、作業終了後のデータの扱いまで自分から書ける人は、それだけで発注者の警戒を解いています。逆に、無料のファイル共有サービスのリンクを無防備に貼ってくるような対応は、能力以前の段階で候補から外れる原因になっています。

この観点で見ると、情報セキュリティマネジメント試験の勉強時間は、資格を取るためだけの時間ではありません。機密性・完全性・可用性という考え方や、NDA(秘密保持契約)で何を約束しているのかを腹落ちさせる時間は、そのまま発注者とのやり取りの質に変わります。編集部として多くの応募文面を見てきた実感として、この差は年々はっきりしてきています。

情報セキュリティマネジメント資格を取得するメリット

30〜100時間という投資に見合うリターンがあるのか。これは取得を検討する人にとって本質的な問いです。結論として、メリットは「就職・転職での評価」「実務での即効性」「上位資格への橋渡し」の3つに集約されます。

就職・転職市場での評価

セキュリティ人材は慢性的に不足しています。経済産業省などの調査でも、IT・セキュリティ分野の人材不足は繰り返し指摘されてきました。こうした背景から、セキュリティの基礎知識を客観的に証明できる資格は、採用の場面で一定のプラス評価を得やすい傾向があります。

ただし、過度な期待は禁物です。情報セキュリティマネジメントはレベル2の入門〜中級資格なので、これ単体で専門職に転職できるわけではありません。むしろ「IT職以外の人がセキュリティリテラシーを示す」「これからIT・セキュリティ分野に進みたい人が学習の第一歩を可視化する」といった使い方が現実的です。事務職、営業職、企画職の人が持っていれば、「情報の扱いに対する意識が高い人材」という印象を与えられます。

国の動向としても、組織のセキュリティ対策は重視され続けています。経済産業省は中小企業も含めたサイバーセキュリティ対策の重要性を発信しており、対策の指針なども公開されています(経済産業省)。こうした流れの中で、組織内にセキュリティの基礎を理解した人がいることの価値は、今後さらに高まると見ています。

実務での即効性

この資格の良いところは、学んだ内容が日常業務にそのまま使える点です。パスワードの管理、フィッシングメールの見分け方、社内情報の持ち出しルール、インシデント発生時の初動対応。これらは特別な職種でなくても、あらゆる職場で必要な知識です。

特に在宅ワークやリモートワークが当たり前になった今、個人が自宅から会社の情報にアクセスする機会が増えました。家庭のWi-Fiの設定、私物端末の利用、クラウドサービスの使い方など、一人ひとりがセキュリティの当事者になっています。この資格で得た知識は、そのまま自衛の手段になります。学習に使った数十時間が、合否とは別に日々の判断力として残るという意味でも、費用対効果は高いと言えます。

上位資格・キャリアへの橋渡し

前述のとおり、この資格はレベル4の情報処理安全確保支援士など、上位資格への足がかりとして機能します。共通する基礎知識が多いため、ここで土台を作っておくと、後の学習負荷が下がります。セキュリティを軸にキャリアを築きたい人にとって、最初の一歩として無駄になりません。

セキュリティ実務に近い領域の仕事は、業務委託の市場でも需要があります。たとえばAI・マーケティング・セキュリティのお仕事のページでは、セキュリティ関連の知見を活かせる案件の方向性がまとまっており、資格学習で得た知識をどう仕事に結びつけるかのヒントになります。

必要なスキルと、取得後に伸ばすべき力

資格はゴールではなく、スキルを証明し、次へ進むための一里塚です。取得の前後で意識したいスキルを整理します。

受験までに身につく基礎スキル

試験勉強を通じて、以下の力が体系的に身につきます。

情報資産を「機密性・完全性・可用性」の3要素で捉える視点。リスクを洗い出し、評価し、対策を決めるリスクマネジメントの考え方。暗号や認証といったセキュリティ技術の基礎。そして関連法規の知識。これらは断片的に知っているのと、体系として理解しているのとでは、業務での応用力が大きく変わります。

この体系性こそが資格学習の最大の価値です。ネットで個別の知識を拾うだけでは、いざという時に判断軸がありません。試験勉強は、その判断軸を一気にインストールする作業だと捉えると、モチベーションが続きやすくなります。

取得後に伸ばすと差がつくスキル

資格を取った後、知識を「使える力」に育てるために伸ばしたいスキルがあります。

一つは、最新の脅威動向を継続的に追う習慣です。セキュリティの世界は変化が速く、試験で学ぶ知識は土台にすぎません。手を動かして学びたいなら、実際の診断手法に触れてみるのも有効です。たとえばオープンソースで始めるWebサイト脆弱性診断のガイドでは、無料ツールを使って自分のサイトの弱点を調べる手順が解説されており、座学で得た知識を実践に変える入口になります。

もう一つは、ネットワークの基礎です。セキュリティはネットワークの上に成り立つため、通信の仕組みを理解しておくと格段に応用が利きます。ネットワークの登竜門的な資格であるCCNA(シスコ技術者認定)を併せて学ぶと、セキュリティの理解が立体的になります。情報セキュリティマネジメントが「守るべきものとルール」を教えるのに対し、ネットワークの知識は「どこをどう守るか」の解像度を上げてくれます。

文書作成のスキルも侮れません。セキュリティポリシーや運用手順書、インシデント報告書など、セキュリティの仕事は文書化と切り離せません。基本的なビジネス文書の作法を押さえるビジネス文書検定のような学習も、実務では地味に効いてきます。

在宅ワーク・フリーランスでの活かし方

ここからは、検索者の中でも「副業や在宅ワークに役立てたい」と考えている人に向けて、具体的な出口を考察します。

セキュリティ知識が在宅ワークで価値を持つ理由

在宅ワークやフリーランスの仕事において、セキュリティリテラシーは「あって当然」になりつつあります。クライアントの機密情報や顧客データを、個人が自宅の環境で預かるケースが増えているためです。情報漏えいは、フリーランスにとって信用の致命傷になります。逆に言えば、情報の扱いがきちんとしている人は、それだけで選ばれやすい。

実際に在宅で受注する案件を探していると、契約時にNDA(秘密保持契約)の締結を求められることは珍しくありません。NDAの意味を理解し、情報をどう守るかを説明できる人は、クライアントに安心感を与えます。資格の有無以前に、その知識を持っていること自体が差別化になります。

関連する業務委託案件の方向性

セキュリティの知識を直接的に活かせる仕事も増えています。たとえば、企業のIT活用やセキュリティ体制づくりを支援するAIコンサル・業務活用支援のお仕事や、システム開発の現場でセキュリティを意識した実装が求められるアプリケーション開発のお仕事などです。これらは情報セキュリティマネジメントで学ぶ知識が土台として効いてくる領域です。

報酬の相場感も押さえておきましょう。ソフトウェア開発に関わる職種の単価についてはソフトウェア作成者の年収・単価相場のデータが参考になります。セキュリティの知見は、こうした技術職の付加価値として上乗せされる性質のものです。一方、セキュリティ関連の記事執筆やマニュアル作成といった「書く仕事」で活かす道もあり、その場合は著述家,記者,編集者の年収・単価相場が目安になります。

専門特化で需要が伸びる領域

組織のセキュリティ運用を外部に任せる動きも広がっています。たとえば監視業務を外部委託する流れについてはSOCアウトソーシングの相場と選び方の解説記事が詳しく、24時間体制の監視がどう運用されているかがわかります。こうした専門領域は、資格をきっかけに学習を深めていけば、将来的に関わる余地があります。

また、中小企業のセキュリティ対策は国も後押ししています。実際に補助金を使って対策を進める動きについては小規模事業者向けのセキュリティ補助金ガイドにまとまっており、需要が制度面からも支えられていることがうかがえます。市場として今後も拡大が見込まれる分野で、入口の資格を持っておく意義は小さくありません。

客観データから見る、この資格の費用対効果

最後に、勉強時間・コスト・リターンの3点をマクロな視点で整理し、取得すべきかどうかの判断材料を提示します。

受験コストと時間投資

受験料は7,500円程度(税込、改定の可能性あり)で、国家資格としては手頃な水準です。学習に必要な時間は前述のとおり、前提知識によって30〜100時間。テキストと問題集を揃えても数千円で済みます。

つまり、金銭的にも時間的にも、参入障壁は低い。合格率70%前後という難易度の低さと合わせて考えると、「コストを抑えてセキュリティの基礎を体系的に証明できる」という費用対効果の良い資格だと評価できます。

独学か、スクール活用か

合格率の高さから、この試験は独学でも十分に対応可能です。市販のテキストと過去問だけで合格する人が大多数を占めます。セキュリティ関連の知識が問われるため「難易度が高い」というイメージを持たれがちですが、実際には合格率が高く、比較的対策しやすい資格試験です。

費用を抑えたいなら独学一択でいいでしょう。一方で、学習習慣をつけるのが苦手な人、体系的なカリキュラムで一気に仕上げたい人は、通信講座や受験指導校を使う選択肢もあります。ここは性格と予算次第です。レベル2の資格に高額な投資をするのはバランスが悪いため、まずは独学で挑戦し、つまずいたら部分的に教材を補う、という進め方を推奨します。

取得を見送るべきケースもある

フェアに書いておくと、誰にでもおすすめできるわけではありません。すでに応用情報技術者やそれ以上の上位資格を持っている人、あるいは現役のセキュリティエンジニアにとっては、この資格を取っても市場価値の上積みは限定的です。その場合は情報処理安全確保支援士など、上位の資格に直接挑む方が合理的です。

逆に、これからITやセキュリティの分野に踏み出したい人、非IT職でセキュリティリテラシーを示したい人、在宅ワークで情報を扱う機会が増えてきた人にとっては、投資対効果の高い最初の一歩になります。難易度のわりに学べる範囲が広く、得た知識がそのまま日常の自衛に使える。この実用性こそが、この資格を「取って損はない」と言える最大の理由です。

データを総合すると、情報セキュリティマネジメント試験は「30〜100時間という現実的な学習量」「手頃なコスト」「広く使える実用知識」という3拍子がそろった、入門資格として完成度の高い試験だと結論づけられます。難しそうというイメージだけで敬遠するのは、はっきり言ってもったいない選択です。まずは自分がどのタイプかを見極め、必要な時間をカレンダーに置くところから始めてください。

公的機関・関連参考情報

本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. 情報セキュリティマネジメント試験の難易度はどのくらいですか?

合格率は70%前後で推移しており、国家試験の中では比較的やさしい部類です。IPAのスキルレベルではレベル2に位置づけられます。エンジニア向けではなく利用者・管理者向けの試験で、プログラミングの知識は不要なため、非IT職でも対策しやすい難易度です。

Q. ITパスポートや基本情報技術者と比べてどちらが難しいですか?

ITパスポート(レベル1)より一段上、基本情報技術者とは同じレベル2です。ただし基本情報はアルゴリズムやプログラミング問題があるため、非エンジニアには情報セキュリティマネジメントの方が取り組みやすいと感じられることが多いです。

Q. 合格までにどれくらい勉強時間が必要ですか?

前提知識によって変わります。IT業務経験者なら30時間程度、ITパスポート保有者など基礎がある人は50時間前後、完全な初学者は80〜100時間が目安です。過去問演習を中心に進めると効率よく合格圏に近づけます。

Q. 資格を取ると在宅ワークや副業で役立ちますか?

役立ちます。在宅でクライアントの機密情報を扱う機会が増えており、セキュリティリテラシーは信用に直結します。NDAの理解や情報の扱い方を説明できる人は選ばれやすく、セキュリティ関連の案件やIT支援の仕事へ踏み出す土台にもなります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年6月7日最終更新:2026年7月29日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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