採用・労務・人事代行の副業|人事経験者向けリモート案件


この記事のポイント
- ✓採用・労務・人事代行の副業について
- ✓リモートで対応できる案件の種類
- ✓注意点を実体験をもとに紹介します
「人事の仕事って、副業にできるの?」――正直、私も最初はそう思っていました。人事といえば会社の中枢に関わる仕事で、外部に出せるものではないというイメージが強かったからです。
しかし実際には、スタートアップや中小企業を中心に、人事業務の一部を外部のプロに委託するケースが急増しています。私は人事として15年のキャリアを持ちますが、副業として採用支援を始めたことで、これまでの経験が新しい形で価値を生んでいます。
人事代行の副業にはどんな案件がある?
人事の業務は大きく「採用」「労務」「人事制度」の3領域に分かれます。副業で対応できる案件をまとめました。
| 業務領域 | 案件内容 | 報酬目安 |
|---|---|---|
| 採用支援 | 求人票作成、スカウト送信、書類選考 | 月額3〜10万円 |
| 面接代行 | 一次面接の実施、候補者レポート作成 | 1回5,000〜15,000円 |
| 採用広報 | 採用サイトの記事作成、SNS運用 | 月額3〜8万円 |
| 労務管理 | 勤怠集計、社会保険手続き補助 | 月額2〜5万円 |
| 給与計算 | 月次の給与計算代行 | 月額2〜5万円 |
| 人事制度設計 | 評価制度・等級制度の設計支援 | プロジェクト単位10〜50万円 |
| 研修企画 | 社員研修の企画・講師 | 1回3〜10万円 |
特に需要が大きいのが採用支援です。人手不足が深刻化する中、「採用したいけど人事担当者がいない」という企業は非常に多いです。
2026年の人事副業市場の規模
HR(人的資源管理)アウトソーシング市場は2026年時点で国内約1.8兆円規模と推計されており、年率5〜8%で成長を続けています。特に採用代行(RPO: Recruitment Process Outsourcing)の市場拡大が顕著で、スタートアップだけでなく、中堅・大企業でも「特定職種の採用だけ外部委託する」という使い方が広がっています。
報酬の水準
人事の副業は専門性が高いため、他の在宅ワークに比べて単価が高いのが特徴です。
| 経験レベル | 月収目安 | 稼働時間 |
|---|---|---|
| 人事経験3年未満 | 3〜8万円 | 月15〜25時間 |
| 人事経験3〜10年 | 8〜20万円 | 月20〜40時間 |
| 人事マネージャー経験あり | 15〜40万円 | 月25〜50時間 |
時給換算だと2,000〜5,000円が相場です。制度設計やコンサルティング的な案件になると、時給換算で1万円を超えることもあります。
業務内容別の時給換算
業務によって時給換算の単価が大きく異なります。
| 業務内容 | 時給換算 |
|---|---|
| スカウトメール送信 | 1,000〜1,500円 |
| 求人票作成 | 2,000〜4,000円 |
| 面接代行 | 3,000〜8,000円 |
| 給与計算 | 2,000〜3,500円 |
| 人事制度設計 | 5,000〜15,000円 |
| 研修講師 | 5,000〜20,000円 |
私の副業ストーリー
本業はIT企業の人事部長。採用から評価制度、労務管理まで幅広く担当しています。副業を始めたのは3年前、知人が立ち上げたスタートアップから「採用を手伝ってほしい」と相談されたのがきっかけでした。
最初は週に3〜4時間程度、求人票を作成し、ダイレクトリクルーティングのスカウト文面を書き、届いた応募書類を選考する仕事でした。月額5万円。正直、本業の延長のような感覚で始められたので、負担感はほとんどありませんでした。
そのスタートアップで3人の採用を決めたことが実績になり、@SOHOや口コミ経由で他の企業からも依頼が入るようになりました。今では本業のほかに2〜3社の採用支援を掛け持ちし、副業だけで月12〜20万円の収入を得ています。
副業を始めてから感じた最大のメリットは、視野が広がったことです。本業ではIT企業の人事しか経験できませんが、副業では小売業・飲食業・製造業など様々な業種の採用課題に触れることができ、人事のプロとしての引き出しが増えました。これが本業での評価にも好影響を与えています。
始め方のステップ
ステップ1: 自分の強みを明確にする
人事のキャリアの中で、特にどの領域に強みがあるかを整理しましょう。「エンジニア採用に強い」「労務管理が得意」「評価制度を3社で導入した」など、具体的な経験が武器になります。
自分の経験を棚卸しするとき、以下の観点で整理すると副業案件との相性がわかります:
- 担当した採用職種(エンジニア・営業・管理など)
- 関わった採用手法(ダイレクトリクルーティング・媒体・エージェント)
- 労務では社会保険手続きの件数や給与計算の規模
- 人事制度では導入・改定した制度の種類と規模
ステップ2: 小さい案件から始める
いきなり「人事制度の設計をお願いします」という大型案件を受けるのはリスクがあります。まずは「求人票の作成」「スカウトメールの代行」など、範囲が限定された案件から始めましょう。
最初の案件は「実績作り」と割り切って、多少単価が低くても丁寧に対応することが長期的な信頼獲得につながります。私の場合、最初の案件は月3万円の求人票作成でしたが、そのクライアントからの紹介で年収換算120万円の案件に繋がりました。
ステップ3: クライアントの業界を理解する
効果的な採用支援をするには、クライアントの業界知識が不可欠です。「IT業界のエンジニア採用」「飲食業界のアルバイト採用」など、業界に応じたアプローチを理解しておくと提案力が格段に上がります。
初期段階では、自分が本業で慣れ親しんでいる業界の企業を対象にすることをおすすめします。知識ゼロの業界を無理に対応しようとすると、クライアントへの信頼感が薄れます。
ステップ4: ツールに精通する
人事の副業でよく使われるツールは以下のとおりです。
- ATS(応募者管理システム): HRMOS、Talentio、Lever
- スカウトツール: ビズリーチ、Green、Wantedly
- 勤怠管理: KING OF TIME、ジョブカン
- 給与計算: マネーフォワード給与、freee人事労務
- コミュニケーション: Slack、Zoom
クライアントによってツールが異なるため、主要ツールの使い方を一通り把握しておくことが重要です。多くのツールは無料プランや試用期間があるため、事前に触っておきましょう。
人事副業で成果を出すコツ
データドリブンなアプローチ
「応募数」「書類通過率」「面接通過率」「内定承諾率」など、採用プロセスの各段階を数値で管理し、改善提案を行うと、クライアントからの信頼度が上がります。
例えば、書類通過率が20%のクライアントに対して「スカウトの媒体別効果を分析し、Green(エンジニア向け媒体)に絞ることで通過率を35%に改善した」という実績は、クライアントに継続依頼してもらいやすい提案になります。
候補者目線を忘れない
求人票を作成する際は、「この企業で働きたい」と思える内容になっているか、候補者の視点で確認しましょう。待遇だけでなく、仕事のやりがいやチームの雰囲気を伝えることが応募率向上のカギです。
求人票のチェックポイント:
- 業務内容が具体的(「営業」でなく「既存顧客へのSaaS提案営業」など)
- 入社後の成長イメージが書かれている
- 「やりがい」ではなく「具体的な成功体験例」がある
- チームの人数・平均年齢・働き方が明記されている
守秘義務を徹底する
複数の企業の採用を支援する場合、各社の経営情報や人事情報が交錯しないよう、情報管理を徹底してください。特に競合企業を同時に支援するケースでは要注意です。
情報管理の実践として、案件ごとにフォルダを分け、クライアントの情報を混在させないことが基本です。Googleドライブを使う場合も、クライアントごとにアクセス権限を設定しましょう。
構造化面接の導入
面接代行を行う場合、クライアントとあらかじめ「評価軸」と「評価基準」を合意しておくことが重要です。構造化面接(質問内容・評価基準を事前に決める面接方法)を導入すると、評価の属人性が下がり、「この人の評価は信頼できる」という実績が積み上がります。
面接後のフィードバックレポートには「評価点(5段階等)」「根拠となる発言や行動事例」「総合所見」を盛り込むことで、クライアントが次の面接設計を改善しやすくなります。
人事副業の将来性
人手不足の深刻化
少子高齢化により、企業の採用難易度は年々上がっています。特に中小企業やスタートアップでは、専任の人事担当者を雇う余裕がないため、外部の人事プロフェッショナルに頼るケースが増えています。
日本の有効求人倍率は2026年も1.2〜1.3倍前後で推移しており、採用市場の競争は激しい状況が続いています。特にエンジニア・看護師・介護士など専門職では有効求人倍率が3〜5倍を超えており、採用のプロが外部から支援する需要は今後も高まります。
リモートワークの定着
コロナ禍を経て、人事業務のリモート化が一気に進みました。面接もオンラインが主流になり、物理的にオフィスにいなくても人事業務ができる環境が整っています。
採用面接はZoom・Google Meet等でのオンライン実施が当たり前になり、地方在住でも東京本社の採用を支援できるようになりました。これにより、副業人事の仕事は地理的制約がほぼなくなっています。
HR Techの進化
ATSや勤怠管理ツール、給与計算ソフトなどのHR Techが充実したことで、外部ワーカーがリモートで人事業務を行いやすくなりました。ツールを使いこなせるスキルがあれば、場所を選ばず活躍できます。
AIを活用した採用スクリーニングツール(履歴書の自動選考・スキルマッチング等)も普及してきており、副業人事がAIツールを使いこなせると、高単価な提案が可能になります。
注意すべきポイント
本業の就業規則を確認する
人事という職種柄、「副業で同業他社の人事を手伝う」ことが利益相反にあたる可能性があります。副業を始める前に、本業の就業規則と競業避止義務を確認しましょう。
多くの大企業では「副業の事前申告・承認制度」を設けています。申告なしで副業を行い、後から発覚した場合は懲戒処分の対象になりかねません。本業の副業規定を確認の上、必要であれば申請手続きを取りましょう。
社会保険労務士法との関係
社会保険手続きの代行は、社会保険労務士(社労士)の独占業務にあたる場合があります。手続きの「補助」は可能ですが、「代理申請」はできません。線引きを理解しておくことが重要です。
社労士の独占業務:社会保険・労働保険の申請書類の作成・提出代行、就業規則の作成・変更、助成金申請代理など。
社労士資格なしで対応できること:勤怠データの集計・整理、給与計算の補助(確認作業)、採用関連業務全般、人事制度の設計支援(法律上の申請が不要な部分)。
確定申告と税金
副業収入が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。また、48万円を超えると所得税の対象になります。
副業の所得が多くなってきたら、青色申告への切り替えと、クラウド会計ソフトの導入を検討しましょう。専従者控除や経費の適切な計上で、実質的な税負担を軽減できます。
よくある質問
Q. 本業の会社に副業がバレないようにフルリモートで働くことは可能ですか?
可能です。フルリモートであれば出勤の必要がないため、物理的に本業の同僚に見つかるリスクはありません。また、確定申告の際に住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」にチェックすることで、副業分の住民税の通知が会社にいかないようにする対策が一般的です。ただし、本業の就業規則で副業が完全に禁止されている場合は、懲戒処分のリスクがあるため、事前に社内規定をしっかり確認することをおすすめします。
Q. 本当に特別なスキルがなくても月5万円を目指せますか?
はい、十分に可能です。記事内で紹介した事務アシスタントやSNS運用代行などの業務 は、高度な専門知識よりも「指示通りに正確にこなす」「丁寧な連絡を心がける」とい った基本的なビジネススキルが重視されます。時給1,250円程度の案件を週10時間こな すことで、未経験からでも月5万円というラインは現実的に到達可能です。
Q. 確定申告は必要になりますか?
会社員などの給与所得者で、副業による所得(売上から必要経費を差し引いた金額)が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。月額5万円をコンスタントに稼ぐようになると、年間で60万円の売上になるため、申告は必須だと考えてください。リモートワークのために購入したパソコンや通信費の一部などは経費として計上できるため、日頃から領収書を保管しておくことが大切です。詳細なルールは国税庁のサイトでも確認できます。
Q. これからの時代に求められる「場所を選ばないスキル」とは何ですか?
特定のツールを使いこなすスキル以上に、自走力と提案力が求められます。指示を待つのではなく、クライアントの課題を先回りして解決する姿勢があれば、どこにいても重宝されます。技術的には、AIを道具として使いこなす能力が必須となるでしょう。
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この記事を書いた人
前田 壮一
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
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