報酬の扱いはどうなる?公務員消防団副業の注意点と職場への報告マナー

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
報酬の扱いはどうなる?公務員消防団副業の注意点と職場への報告マナー

この記事のポイント

  • 公務員が消防団に入団する場合の副業扱いや報酬の取り扱い
  • 職場への報告マナーを客観的に解説
  • 地方公務員法上の位置づけや兼業許可の手続き

「公務員なのに消防団に入っていいのか」「報酬をもらったら副業禁止規定に引っかかるのでは」。この疑問を抱えて検索に来た方に、結論からお伝えします。公務員でも消防団員になることは法的に認められており、原則として副業禁止規定の対象外です。ただし、職場への報告や兼業許可の取得は別問題で、所属によって運用が大きく異なります。本記事では、地方公務員法・国家公務員法上の位置づけ、報酬の課税ルール、職場への報告マナーまで、客観的なデータと制度の根拠に基づいて整理していきます。

公務員と消防団員の二重身分という独特な制度

まず大前提として、消防団員は「非常勤の特別職地方公務員」という法的身分を持ちます。消防組織法第15条に基づく地方公共団体の機関であり、市町村長から任命される正式な公務員身分です。つまり、地方公務員が消防団に入団した場合、「常勤の地方公務員」と「非常勤の特別職地方公務員」の二重身分を持つことになります。

総務省消防庁の統計によれば、2025年4月1日時点での全国の消防団員数は約73万人。ピーク時の昭和29年(1954年)には約200万人いた団員数は、地域コミュニティの希薄化と高齢化により減少の一途を辿っています。この担い手不足を解消するため、近年は公務員の入団促進が国レベルの政策として推進されており、総務省消防庁は2017年以降、繰り返し各自治体に対して公務員消防団員の確保に関する通知を発出しています。

地域の非常勤の消防団員としての活動は、本業の会社の就業規則の副業禁止規定に抵触するのでしょうか。消防団員としての活動はボランティア、地域貢献という要素が強いために、副業とならないのではないかというイメージがあるかもしれませんが、厳密に言うと、会社以外の業務に従事することを禁じられている場合には副業に該当してしまう恐れがあります。

民間企業ではこのように副業禁止規定との関係が問題になりますが、公務員の場合は法的根拠が明確に整理されています。次のセクションで具体的な条文と運用を見ていきましょう。

地方公務員法・国家公務員法における消防団活動の位置づけ

公務員の副業禁止規定は、地方公務員法第38条(営利企業への従事等の制限)および国家公務員法第103条・第104条に定められています。これらの規定は「営利を目的とする私企業」や「報酬を得て事業や事務に従事すること」を制限するものです。

ここで重要なのは、消防団員は「非常勤の特別職地方公務員」であり、「私企業」ではない点です。つまり、消防団活動は副業禁止規定が想定する「営利目的の私企業従事」には該当しません。総務省消防庁が公開している通知文書でも、この解釈が明確に示されています。

ただし、地方公務員法第38条は「報酬を得て事業もしくは事務に従事すること」を制限しているため、消防団員として年額報酬や出動手当を受け取る行為自体は、形式的には許可申請の対象になり得ます。実務上は、ほとんどの自治体で「公務員の消防団入団は積極的に許可する」という運用方針が確立されています。

国家公務員の場合も同様で、人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)により、消防団活動は許可不要または簡易な手続きで認められる扱いが一般的です。総務省は2017年6月の通知で、国家公務員が消防団に入団する場合の取扱いを明確化し、各府省に対して入団促進への協力を要請しています。

ここで朝比奈の体験を一つ。私の親戚に地方の市役所職員がいるのですが、入庁2年目に地元の消防団から声がかかりました。当初は「副業にあたるのでは」と人事課に相談に行ったところ、すでに庁内に同じケースで入団している先輩が数十人おり、所定の兼業許可申請書を提出するだけで翌週には承認が下りたそうです。自治体によっては「消防団入団届出書」という簡易な様式を別途用意しているケースもあり、運用の実態は驚くほどスムーズです。

報酬・手当の金額相場と課税の取り扱い

消防団員が受け取る金銭には、大きく分けて「年額報酬」と「出動手当」の2種類があります。総務省消防庁が2021年に通知した「消防団員の報酬等の基準」では、団員階級の年額報酬を36,500円、出動手当を1日あたり8,000円とする標準額が示されました。

この基準は2022年4月以降、各自治体で順次反映されており、2025年時点では全国の約90%以上の自治体が標準額もしくはそれに近い水準まで引き上げを完了しています。それ以前は年額3万円以下の自治体も多く、出動手当も1回1,000〜3,000円程度と低く抑えられていたため、改善幅は大きいと言えます。

課税上の取り扱いは、所得税法上「給与所得」または「雑所得」として整理されます。国税庁の見解では、消防団員報酬は「給与所得」に該当するのが原則ですが、年額報酬と出動手当の合計が少額の場合、確定申告不要となるケースが多くあります。具体的には、本業の給与所得以外の所得(消防団報酬を含む副収入)が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です(住民税は別途申告が必要な場合あり)。

詳しい課税ルールや確定申告の判定基準は、国税庁の公式サイトで最新情報を確認することを強く推奨します。自治体によっては源泉徴収を行っているケースもあれば、団員自身で確定申告するケースもあり、実務対応は地域差があります。

公務員が消防団に入団する際の職場への報告マナー

法的に認められているとはいえ、職場への報告と兼業許可申請は必須です。報告のタイミングと手順を時系列で整理します。

1. 入団打診を受けた段階

地元の消防団や自治会から入団の打診があった時点で、まず直属の上司に口頭で相談するのが望ましい流れです。「消防団から声をかけられたが、入団を検討している」という事実を共有するだけで構いません。この段階では正式な書類は不要です。

公務員の場合、所属組織内に同様のケースを経験した先輩がいる可能性が高いため、人事課や総務課に問い合わせれば、自分の自治体の運用ルールをすぐに把握できます。

2. 兼業許可申請書の提出

入団の意思が固まったら、所属の人事担当部署に**兼業許可申請書(または兼業届出書)**を提出します。提出書類の名称は自治体ごとに異なりますが、おおむね以下の項目を記載します。

記載項目 内容
兼業先 ○○市消防団第△分団
兼業内容 消防団員としての活動
報酬額 年額報酬○○円、出動手当△△円
活動時間 月平均○時間程度
開始予定日 2026年○月○日

総務省消防庁は、公務員の消防団入団に関する許可手続きを簡素化するよう各自治体に求めており、近年は「申請から1〜2週間で許可」という運用が標準化しつつあります。

3. 入団後の継続的な報告義務

許可が下りた後も、活動状況に変化があった場合は人事担当部署への報告が求められます。具体的には、階級の昇進、分団の異動、活動時間の大幅な増加などです。年に1回、兼業状況の自己申告を求める自治体も増えています。

職場への報告マナーで特に注意したいのが、本業の勤務時間中に消防団活動が発生する可能性です。火災出動や災害出動は予測不可能なため、本業の業務に支障が出る場面は必ず発生します。多くの自治体では、消防団活動による本業の遅刻・早退・欠勤を特別休暇または職務専念義務免除として扱う制度を整備しており、これらの制度を事前に確認しておくことが重要です。

国家公務員と地方公務員で異なる手続きと留意点

公務員と一括りに語られがちですが、国家公務員と地方公務員では手続きの厳密さが異なります。

国家公務員の場合

国家公務員の兼業は人事院規則14-8で厳格に管理されており、原則として所轄庁の長の承認が必要です。ただし、消防団活動については2017年の総務省通知以降、各府省で簡素化の取り組みが進んでいます。具体的には、「消防団活動は公益性が高く、勤務時間外の活動が中心であるため、原則として承認する」という運用方針が定着しつつあります。

国家公務員が地方の消防団に入団する場合、住居地が霞が関や永田町から離れた郊外であることが多く、地元の消防団から入団を打診されるケースも少なくありません。総務省、内閣府、人事院などが旗振り役となって、国家公務員の消防団入団を奨励しています。

地方公務員の場合

地方公務員の場合、地方公務員法第38条に基づく許可が必要ですが、運用は自治体ごとに大きく異なります。基本的に「同じ市町村の消防団に入団する場合」は手続きが簡素化されており、「市町村職員が自分の所属する市町村の消防団に入る」というケースは、各市町村で円滑に処理される運用が確立しています。

一方、隣接市町村の消防団に入団するケースや、複数自治体にまたがって活動するケースは、追加の確認事項が発生する場合があります。実際に、和歌山市など多くの自治体の公式FAQでは「公務員も消防団に入団できますか」という質問が頻出しており、各自治体が対応マニュアルを整備している様子がうかがえます。

警察官・自衛官・消防職員などの特殊な立場

公務員の中でも、警察官・自衛官・消防職員(常勤)については別途の取り扱いがあります。これらの職種は「災害対応」が本業の一部であるため、消防団員との兼務は本業との利益相反や指揮系統の混乱を招く恐れがあるからです。

特に消防職員(常勤の消防士)の消防団入団は、消防組織法上、原則として認められていません。同一の指揮系統下で常勤と非常勤を兼ねることは、緊急時の指揮命令に支障をきたすためです。警察官・自衛官については、所属によって個別判断となります。

消防団活動と並行できる副業・兼業の選択肢

消防団活動は法的に副業禁止規定の対象外ですが、これを「公務員の副業全般が認められている」と誤解してはいけません。あくまで「消防団というボランティア性の高い特別職地方公務員」だから例外的に認められているのであって、営利目的の副業は引き続き原則禁止です。

ただし近年は、公務員の副業解禁の流れが少しずつ進んでいます。総務省は2018年に「地方公務員の副業・兼業に関する通知」を発出し、社会貢献活動への従事を積極的に認めるよう各自治体に求めました。神戸市や奈良県生駒市など、先進的な自治体では「地域貢献応援制度」を創設し、NPO活動や地域団体での有償活動を許可制で認めています。

公務員の副業として認められやすいのは以下のような分野です。

  • 地域団体・NPOでのボランティア(消防団と同じく公益性が高い)
  • 講演・執筆活動(本業の知見を活かす範囲で)
  • 不動産賃貸(一定規模未満であれば許可不要)
  • 家業の手伝い(農業など、無償または最小限の報酬)

一方、フリーランス的な業務委託の副業は、公務員には依然としてハードルが高い領域です。在宅でできる軽作業やライティング業務などに関心がある方は、まず在宅ワークの求人の探し方5選|初心者でも安心な方法と注意点を徹底解説で全体像を把握した上で、自分の所属組織の兼業ルールを慎重に確認することをおすすめします。

近年はAIコンサル・業務活用支援のお仕事のような専門スキルを活かす分野も注目されていますが、公務員の場合は本業と利益相反しないかという点で慎重な検討が必要です。退職後のキャリアを見据えてスキルを磨いておきたい方は、関連スキルの相場感としてソフトウェア作成者の年収・単価相場などを参考にしておくとよいでしょう。

消防団活動が公務員のキャリアに与える影響

消防団に入団することは、公務員のキャリアにとってマイナスではなく、むしろプラスに働く側面が多くあります。地方公務員にとって、地域住民との接点を持つことは行政サービスの向上に直結しますし、災害対応の現場経験は防災行政に携わる際の貴重な財産になります。

総務省消防庁の調査によれば、公務員消防団員の在籍率は地域によって大きく異なります。地方部では団員全体の15〜20%を公務員(主に市町村職員)が占める地域も珍しくない一方、首都圏のベッドタウンでは5%未満にとどまる地域もあります。この格差は、地域コミュニティの結束度や、自治体の入団促進策の積極性によって生じています。

人事評価面では、多くの自治体で消防団活動を「地域貢献活動」として評価対象に含めるようになりました。直接の昇進要素にはなりにくいものの、「地域に根ざした職員」としての評価につながり、地域振興部局や危機管理部局への配置転換時に有利に働くケースも見られます。

正直なところ、もらえる給与や手当の金額も少ないのでほとんど地域貢献活動だと感じるのですが、念には念を入れて確認した方が良いのです。報酬(給与)が発生する以上は、消防団員も副業であると捉えて、禁止する会社もないとは言えませんので。

民間企業に勤める方の場合は引用元の指摘通り慎重な確認が必要ですが、公務員の場合は逆に「地域貢献活動として推奨される」ポジションに置かれているのが現状です。

退職前に消防団・自治会・地域NPOなどの地域活動に従事していた元公務員は、退職後のフリーランス転身において「地域密着型の業務」に進出する割合が高い傾向にあります。具体的には、自治体向けのコンサルティング、地域広報誌の編集、防災教育講師など、現役時代の知見と地域人脈を活かした業務領域です。

文章で地域の魅力を発信する仕事を志す方にとっては、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のデータが参考になります。地域広報や行政広報の分野は、競合の少ない安定領域として根強い需要があります。また、IT・セキュリティ分野での転身を検討する方はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事アプリケーション開発のお仕事の動向もチェックしておくと、選択肢が広がります。

行政文書や報告書の作成に長年携わってきた公務員にとって、文書作成スキルは一般人よりも明らかに高水準です。退職後のキャリアの一環としてビジネス文書検定を取得する方も増えており、自分のスキルを客観的に証明する手段として活用されています。IT系のスキルを身につけたい方にはCCNA(シスコ技術者認定)のようなインフラ系資格も人気です。

公務員時代に培った「正確な事務処理能力」「地域との関係性」「公的機関との折衝経験」は、退職後のフリーランス活動において強力な武器になります。在宅で働くスタイルに興味がある方は、在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで実際の働き方のイメージを掴んでおくとよいでしょう。

総務省消防庁の発表によれば、消防団員の高齢化と担い手不足は今後も続く見込みです。詳しい統計や政策動向は総務省の公式情報で随時更新されており、公務員の入団促進は引き続き重要な政策テーマとして位置づけられています。地域コミュニティの維持という観点からも、公務員が消防団員として活動する意義は高まる一方です。

正直なところ、年額3〜4万円程度の報酬で災害現場に出動する消防団員という存在は、純粋な経済合理性だけでは説明できません。地域への愛着、住民の安全を守る使命感、世代を超えたコミュニティへの帰属意識。こうした非金銭的な価値を理解できる方こそ、消防団員として、そして公務員としても長く活躍できる人材だと言えるでしょう。

よくある質問

Q. 副業で月10万円を稼いだ場合、確定申告や税金の手続きはどうなりますか?

副業の所得(売上から経費を引いた利益)が年間20万円を超える場合は、所得税の確定申告が必要になります。また、住民税については金額にかかわらず自治体への申告が必要となるケースがあるため、売上や経費の記録(領収書等)は日頃から整理しておく習慣をつけましょう。

Q. 会社に副業を知られたくないのですが、税金などの手続きで注意すべき点はありますか?

年間の副業所得(売上から経費を引いた額)が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。その際、住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」に選択することで、会社に副業分の税額が通知されるのを防ぐことができます。ただし、就業規則で副業が禁止されている場合は、SNSの発信や同僚への話から発覚するリスクもあるため注意が必要です。

Q. 会社で副業が禁止されている場合はどうすればいいですか?

就業規則で禁止されている場合、原則として従うのが安全です。ただし、近年は法改正もあり、副業を解禁する企業が増えています。まずは会社のルールを再確認し、必要であれば上司に相談するのも一つの手です。

Q. オフィスに防音ブースを設置する際、消防法の手続きは必要ですか?

はい、設置するブースの構造によっては消防法に基づく手続きが必要です。天井が完全に塞がっているタイプの防音ブースは「新しい部屋」とみなされ、火災報知器やスプリンクラーの増設、および所轄の消防署への届け出(使用開始届など)が義務付けられるケースが多いです。導入前にビル管理会社や消防署へ事前確認するか、消防署への申請サポートを行っているメーカーを選ぶと安心です。

朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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