理学療法士の副業の始め方


この記事のポイント
- ✓理学療法士の副業の始め方を
- ✓勤務先の規程確認から案件の探し方
- ✓確定申告までの順番で整理しました
理学療法士の免許を持っていて、その資格を本業以外の収入につなげたい。そう考えて「理学療法士 副業 始め方」と検索する人が増えています。ただ、検索して出てくるのは「おすすめの副業10選」のような一覧が中心で、実際に何から手を付けて、どの順番で進めれば最初の1件にたどり着くのかを書いた記事は多くありません。
この記事は、資格の取り方や国家試験の話は一切しません。すでに免許を持っている人が、勤務先との関係を壊さずに、法令上あやしい橋を渡らずに、最初の1件を受けるまでにやることだけを順番に並べます。結論を先に言うと、順番は「勤務先の規程を確認する」「できる仕事とできない仕事を線引きする」「売るものを1つに決める」「実績の材料を整える」「案件を探して応募する」「契約条件を書面で確認する」「納品と請求、そして申告」の7つです。この順番を飛ばすと、後から取り返しがつかない場所でつまずきます。
理学療法士の副業が増えている背景を数字で見る
まず、いま何が起きているのかを客観的に押さえておきます。感覚ではなく数字で見ると、自分の判断が周囲とずれていないかが分かります。
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士・作業療法士の平均年収は約444万円。これは日本の平均年収である460万円と比較してやや下回っており、将来に不安を感じる方も少なくありません。 出典: co-medical.mynavi.jp
この水準そのものが低いわけではありません。問題は伸び方です。医療・介護の報酬は公定価格で動くため、個人の努力で本業の給与カーブを急に立てることが構造的に難しい。昇給幅が年5,000円前後で推移する職場も珍しくなく、役職に就かない限り10年働いても年収が50万円ほどしか動かない、という相談は現場でよく聞きます。これ、知らない人が本当に多いんですが、給与テーブルの上限は入職時点でおおよそ決まっているものです。
一方で、副業をしている人の割合はどうか。
厚生労働省の報告によると、副業を行っている割合は全体で9.7%です。一方で理学療法士を含む「医療・福祉」の分野で見ると9.9%となっており、全産業の平均と比べるとやや高い傾向にあります(2026年1月時点)。 出典: medi-jump.com
つまり、医療・福祉分野で副業をしている人は10人に1人程度。多数派ではないけれど、特殊なことでもない、という位置づけです。逆に言えば、周囲に前例がないので手順を教えてくれる人がいない。だから検索するしかない、という状況が生まれています。
もう1つ、市場側の変化があります。オンラインでの健康相談、動画コンテンツの制作、医療メディアの記事監修といった、身体に直接触れない仕事の需要が伸びました。ここが重要で、従来の「副業=別の施設で夜間や休日に働く」という発想だけだと、時間を切り売りする働き方から抜けられません。在宅で完結する仕事を選択肢に入れられるかどうかで、始め方そのものが変わります。
始める前に必ず確認する3つの前提
手順に入る前に、確認しないまま進むと後で壊れる前提が3つあります。ここを飛ばして案件に応募し、内定してから「実は副業禁止でした」と辞退する例が本当に多い。先に潰しておきます。
勤務先の就業規則で副業がどう扱われているか
民間の病院やクリニックに勤めている場合、副業の可否は法律ではなく就業規則で決まります。厚生労働省が公表しているモデル就業規則は、届出を条件に副業を認める書きぶりに改定されていますが、これはあくまでモデルであって、各法人がそのまま採用しているとは限りません。
確認すべきは3点です。1つ目、副業そのものが禁止か、許可制か、届出制か。2つ目、禁止されている業務の種類が具体的に書かれているか(同業他社での就労のみ禁止、というパターンが多い)。3つ目、違反した場合の処分がどう規定されているか。
つまり、「副業禁止」と一行だけ書かれている規程と、「競業に当たる業務は事前許可を要する」と書かれている規程では、意味がまったく違います。前者でも、判例上は本業に支障が出ない範囲の副業まで一律に禁止することは合理性を欠くと判断される傾向がありますが、それは争った場合の話です。争わずに済ませたいなら、就業規則の写しを人事に請求して、条文をそのまま読むのが最短です。労働基準法では、就業規則は労働者に周知する義務があります。「見せてもらえない」という職場なら、その時点で別の問題があります。
公務員の場合は法律の側に制限がある
公立病院や自治体のリハビリ職として勤めている場合、話が変わります。国家公務員法第103条と第104条、地方公務員法第38条が、営利企業への従事や報酬を得る事業への従事を制限しています。根拠となる条文はそれぞれ国家公務員法と地方公務員法で読めます。
ここで断定を避けるべきなのは、これらの条文が「一律禁止」を定めているわけではない点です。任命権者の許可があれば従事できる建て付けになっており、許可の基準は自治体ごとの規則で決まります。近年は地域貢献活動を中心に許可基準を明文化する自治体も出ています。ですから、公務員の方は「副業は無理」と諦めるのではなく、所属の服務担当に許可基準の有無を確認してください。※処分に直結する領域なので、判断に迷う場合は所属の担当部署に必ず書面で確認を取ってください。
資格でできる範囲と、確認が必要な範囲
3つ目が一番大事です。理学療法士は名称独占の国家資格です。理学療法士及び作業療法士法の第17条が名称の使用制限を定めており、免許を持たない人が理学療法士を名乗ることはできません。一方で、同法第2条は理学療法士の業務を、医師の指示の下に理学療法を行うこと、という枠組みで定義しています。条文は理学療法士及び作業療法士法で確認できます。
ここから何が言えるか。「この資格を持っているから、自宅でも自由に施術ができる」とは言えない、ということです。医師の指示という要件がどこまで及ぶか、身体に触れる行為をどの枠組みで提供するのかは、提供形態ごとに個別の判断が要ります。加えて、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律や医師法との関係も出てきます。
ですから、副業として身体に直接触れるサービスを個人で提供したいと考えている場合は、始める前に管轄の保健所または都道府県の医務担当に照会してください。ここを断定的に書いているサイトが多いのですが、行政の解釈は地域差もあり、事業形態でも変わります。「大丈夫だと書いてあった」は、行政指導を受けたときの防御になりません。
逆に、身体に触れない仕事、つまり記事の監修、講師、資料作成、オンラインでの相談や助言といった領域は、名称独占の範囲を守り、診断や治療の判断に踏み込まない限り、比較的判断がしやすい。だから最初の1件は、この領域から入るのが安全です。
手順1 売るものを1つに決める
前提が確認できたら、ここから実務です。最初にやるのは、案件を探すことではありません。自分が何を売るのかを1つに決めることです。
理学療法士が持っている資産は、大きく分けて4つあります。1つ目は臨床経験そのもの(急性期、回復期、生活期、訪問、どの領域を何年)。2つ目は特定の疾患や部位への深さ(脳血管、整形外科術後、呼吸器、小児、スポーツ外傷など)。3つ目は職場で身につけた周辺スキル(新人教育、実習指導、学会発表、書類作成、多職種連携の調整)。4つ目は資格に紐づく信用そのもの(国家資格を持っているという事実)。
このうち、在宅の仕事で最も換金しやすいのは4つ目と2つ目の組み合わせです。「理学療法士が書いた」「理学療法士が確認した」という事実に値段が付く。医療や健康の情報を扱うメディアは、専門家の関与を求められる場面が増えており、そこに資格の需要があります。
やってはいけないのは、全部を並べたプロフィールを作ることです。「急性期も回復期も訪問も経験があり、教育もできます」と書くと、発注側は何を頼めばいいか分からない。「変形性膝関節症の術後リハビリについて、回復期で7年」と書いてあるほうが、依頼は来ます。範囲を狭くするほど、単価も上がります。
決め方は単純です。過去3年で最も多く担当した疾患か部位を1つ挙げる。それが売るものです。他は後から足せます。
手順2 実績の材料を先に整える
売るものが決まったら、それを裏付ける材料を用意します。ここを飛ばして応募すると、返信が来ません。
用意するものは4つです。
1つ目、職歴の要約。施設種別、在籍年数、担当領域、1日あたりの担当件数の目安。数字を入れると読み手が具体的に想像できます。ただし、患者や利用者が特定される情報は一切書かないでください。守秘義務は退職後も続きます。
2つ目、書ける文章のサンプル。記事監修や執筆の案件では、これが最大の関門です。医療職は論文調の文章に慣れているぶん、一般向けの平易な文章を書くのが苦手な人が多い。1,500字程度で「膝が痛いときに家でできること」のような一般向けの原稿を1本書いて、手元に持っておいてください。これがあるかないかで、返信率がまったく違います。
3つ目、対応できる時間帯の明示。平日夜のみ、土日のみ、といった条件を先に出すこと。後出しにすると信頼を失います。
4つ目、連絡手段と反応速度の宣言。「平日は21時以降、24時間以内に返信します」と書けるかどうか。在宅の仕事では、技術より返信の速さで評価されている場面が多いのが実情です。
作業の進め方や案件の探し方の全体像は、職種を問わない共通の流れとして副業 始め方ガイド!星野ゆいが教える失敗しない4ステップとおすすめにまとまっています。医療職に限らない土台の部分は、こちらを先に読んでおくと迷いが減ります。
手順3 案件の探し方と、避けるべき募集の見分け方
材料が揃ったら探します。探し先は大きく3系統です。
1系統目、在宅ワークやフリーランス向けのマッチングサイト。記事監修、執筆、資料作成、オンライン相談といった、身体に触れない仕事が中心です。キャリアや相談系の仕事がどう発注されているかは、キャリア・副業・人生相談のお仕事で募集の形が確認できます。健康や身体に関する相談は、この分野の隣接領域として募集されることがあります。
2系統目、医療系メディアの直接募集。運営会社のサイトに監修者募集のページを置いているところがあります。単価は高めですが、募集数が少ない。
3系統目、知人経由。同僚や先輩が既に受けている仕事の一部を回してもらう形です。最初の1件としては最も確実ですが、再現性がありません。
避けるべき募集の特徴を挙げます。報酬の金額が最後まで書かれていない募集。契約書を交わさないと明言している募集。資格の名義だけを貸してほしいという募集。この3つ目は特に注意してください。内容を確認せずに名前だけ出す行為は、後で記事の内容に問題が生じたときに、名前を出した人が責任を問われます。監修とは中身を確認する仕事であって、名前を貸す仕事ではありません。
報酬の水準感については、職種ごとの相場を並べて見ておくと判断しやすくなります。文章を扱う仕事の全体像は著述家,記者,編集者の年収・単価相場に、技術系の仕事はソフトウェア作成者の年収・単価相場にまとまっています。医療職の在宅案件はこの中間に位置することが多く、専門性が要る分だけ文字単価が上振れする傾向があります。
手順4 最初の応募文と見積もりの出し方
応募文は長くしないでください。読む側は大量の応募を捌いています。
構成は4行で足ります。1行目、募集内容のどこに対応できるかを名指しする。2行目、資格名と該当領域の経験年数。3行目、対応可能な時間帯と納期の目安。4行目、サンプルの提示。これだけです。志望動機は要りません。
見積もりで迷ったら、時間で考えてください。作業に何時間かかるかを見積もり、そこに自分が納得できる時給を掛ける。本業の時給を下回る金額で受けると、続きません。理学療法士の本業時給が2,000円前後だとして、在宅の仕事で最初からそれを大きく超えるのは難しいものの、下回り続ける契約は受けない、という線は最初に引いておくべきです。
初回だけ安く受けて実績を作る、という考え方は否定しませんが、条件を1つ付けてください。「初回は試験的な単価で、2回目以降は改定を協議する」と、応募の時点で文面に残しておくことです。後から値上げを切り出すのは、はるかに難しくなります。
手順5 契約条件を書面で確認する
ここが法務の話です。2024年11月に施行されたフリーランス保護新法、正式には特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律によって、発注する側に義務が課されました。条文は特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律で読めます。
押さえるべき点は2つです。1つ目、発注者は業務の内容、報酬の額、支払期日などの取引条件を書面または電磁的方法で明示する義務があります。つまり、口頭やチャットの断片だけで仕事を始めさせることは、法律上認められていません。2つ目、報酬の支払期日は、成果物を受け取った日から起算して原則60日以内のできる限り短い期間内に定めなければなりません。
これ、知らない人が本当に多いんですが、「納品したのに支払いが3ヶ月後と言われた」というのは、この法律に照らして問題になり得ます。条件を明示してもらうこと自体が、あなたの権利です。遠慮する必要はありません。
確認する項目を具体的に挙げます。業務の範囲(どこまでが契約に含まれるか)、修正の回数(無制限と書かれていないか)、報酬の額と支払期日、著作権と氏名表示の扱い、秘密保持の範囲、契約の解除条件。特に修正回数の上限は、書いていない契約が多い。「初稿提出後の修正は2回まで、それ以降は別途協議」と入れてもらうだけで、消耗が大きく減ります。
※報酬が支払われない、条件を一方的に変えられたといったトラブルが実際に起きた場合は、公正取引委員会や厚生労働省が設けているフリーランス向けの相談窓口を使ってください。金額が大きい場合や、相手が応じない場合は弁護士に相談してください。
手順6 納品、請求、そして申告
納品では、依頼された形式を必ず守ってください。ファイル形式、文字数、提出先。医療職は内容の正確さに意識が向きますが、在宅の仕事では形式を守れるかどうかが継続の可否を左右します。
請求書は、宛名、発行日、請求金額、消費税、振込先、支払期日を記載すれば足ります。会計ソフトを使えば自動で整います。源泉徴収の対象になる報酬かどうかは業務の内容で変わるため、支払通知書が来たら控除額を確認してください。
申告についても触れておきます。給与所得がある人が副業で所得(収入から必要経費を引いた額)を得た場合、その所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。ここで見落とされがちなのが住民税です。所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要になります。この扱いは自治体によって案内が異なるため、お住まいの市区町村の税務担当に確認してください。詳しい取り扱いは国税庁の案内が一次情報になります。
もう1つ、勤務先に知られたくない場合の話。住民税の徴収方法を普通徴収にする欄が確定申告書にありますが、給与以外の所得についてのみ選択できる仕組みで、必ず希望通りになるとは限りません。「絶対にばれない方法」を謳う情報は疑ってください。
つまずきやすい所を先に潰しておく
始めた人がどこで止まるかには、はっきりした傾向があります。
最も多いのが、書く速度です。臨床では正確さが最優先ですが、在宅の執筆や監修では、期日までに出すことが同じくらい重視されます。2,000字の原稿に8時間かかっていると、時間単価が本業を大きく下回ります。最初は時間を計測して、どの工程に時間を使っているかを把握してください。多くの場合、書く時間ではなく、書き始めるまでの構成づくりに時間が消えています。
2番目が、断定を避けすぎることです。医療職の癖として、「個人差があります」「一概には言えません」を多用しがちです。正確ではありますが、読者の役に立たない原稿になります。断定できる範囲は断定し、断定できない範囲だけ条件を付ける。この書き分けができるようになると、依頼が続きます。
3番目が、本業への影響です。夜間や休日に作業時間を積むことになるため、睡眠時間が削られます。副業を始めて3ヶ月ほどで本業のパフォーマンスが落ちる、というのはよく聞く話です。週あたりの作業時間の上限を先に決めて、それを超える依頼は断ってください。
4番目が、確定申告の準備不足です。年が明けてから領収書を探す状態になると、経費として計上できたはずのものが漏れます。書籍代、通信費、資格の更新費用など、副業に関係する支出は、その都度記録しておいてください。
仕事の種類ごとに、最初の1件までの距離を比べる
同じ「理学療法士の副業」でも、始めるまでにかかる手間は種類によって大きく違います。距離が近い順に並べておきます。
記事の確認や執筆
最も距離が近い領域です。必要なのは文章のサンプル1本と、担当領域を明示したプロフィールだけ。募集の数も多く、在宅で完結します。単価は案件によって幅がありますが、専門性が要る医療分野は一般的な記事より高めに設定される傾向があります。まずここで1件受けて、契約と請求の流れを一度通しておくと、その後の判断が速くなります。
資料や研修コンテンツの作成
社内研修用のスライド、介護事業所向けの手順書、健康関連の教材といった仕事です。臨床で作ってきた資料の作り方がそのまま使えるため、心理的な壁は低い。ただし発注元が法人であることが多く、募集が表に出にくいのが難点です。文章の仕事で関係ができた相手から派生して依頼が来る、という流れが現実的です。
講師やセミナー
同業者向けの勉強会、自治体の介護予防講座などが該当します。単価は高く設定されることがありますが、日程が固定されるため本業のシフトと衝突しやすく、資料作成の時間も別途かかります。実績がない状態で直接応募して決まることは少なく、執筆や監修で名前が出てから声がかかる順序になりがちです。
身体に触れる仕事
訪問リハビリの単発勤務や、自費のサービスがここに入ります。単価は分かりやすく高いのですが、前提の確認が最も重いカテゴリです。勤務先の規程、法令上の枠組み、移動時間、賠償責任保険の加入まで整えないと動けません。最初の1件をここから始めるのは、確認事項の多さを考えると効率が悪いのが実情です。
運営者として見てきた、続く人と止まる人の違い
在宅の仕事の市場を20年見てきた立場から言えば、資格職の副業で長く続く人には共通点があります。それは、単発の作業をこなす人ではなく、「この人に頼むと確認の手間が減る」という状態を作った人が残っている、という点です。
医療や健康の分野で発注する側が一番怖いのは、内容の誤りです。誤った情報を出せば、メディアそのものの信用が落ちる。だから発注側は、専門家に確認を頼みます。このとき、修正すべき箇所を指摘するだけの人と、「この表現だと誤解されるので、こう書き換えると正確になります」まで返す人とでは、次の依頼の来方がまったく違います。後者は、発注側の作業を減らしているからです。
もう1つ、直接取引の構造についても触れておきます。仲介手数料が乗らない直接のやり取りでは、同じ予算で依頼側はより多くの量を頼めますし、受ける側の手取りが厚くなります。手数料0%という条件の価値は、金額が増えることそのものよりも、同じ仕事量に対して手元に残る割合が変わる点にあります。長く見ていると、この差が積み上がって、続けられるかどうかを分けています。
資格ガイドの側から見ると、専門資格を仕事に換える経路は職種ごとにかなり違います。たとえば書類作成や許認可の分野では行政書士のように業務範囲が法律で定められた資格があり、ここは資格がないと踏み込めません。理学療法士の場合は名称独占であるため、名乗れる範囲と、実際に提供できる行為の範囲を分けて考える必要があります。この整理ができている人ほど、危ない仕事を最初から避けられています。
制作や発信の分野に広げたい場合、ツールの基本操作を証明できる資格を1つ持っておくと、応募の通過率が変わることがあります。Adobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのような、実務ツールに紐づく認定はその一例です。医療の専門性に、資料や図を自分で整える力が加わると、監修だけでなく制作まで受けられるようになります。
最後に、期待値の話をしておきます。最初の1件が決まるまでの期間は、応募の数と提出物の質で決まります。応募が5件で決まらないのは普通のことで、それは資格の価値が低いからではなく、募集と自分の条件が合っていないだけです。売るものを狭く決めて、サンプルを手元に持ち、条件を先に出す。この3つが揃っていれば、確率は確実に上がります。法律も制度も、条件を明示させる方向に整備されてきました。準備をした人が損をしにくい環境になっている、というのが現在の状況です。
よくある質問
Q. 理学療法士の副業は勤務先に届け出が必要ですか?
民間の医療機関では就業規則で決まります。禁止、許可制、届出制のどれに当たるかを規程の条文で確認してください。公立病院や自治体勤務の場合は国家公務員法第103条、第104条や地方公務員法第38条による制限があり、任命権者の許可が必要になる建て付けです。所属の服務担当に許可基準を確認してください。
Q. 資格を活かして自宅で施術する副業はできますか?
断定はできません。理学療法士及び作業療法士法第2条は医師の指示の下で理学療法を行う枠組みを定めており、提供形態ごとに個別の判断が要ります。あん摩マツサージ指圧師等に関する法律との関係も出てきます。身体に触れるサービスを個人で提供する場合は、開始前に管轄の保健所または都道府県の医務担当へ照会してください。
Q. 最初に用意しておくべきものは何ですか?
4つです。施設種別と担当領域を含む職歴の要約、一般向けに書いた1,500字程度の文章サンプル、対応できる時間帯の明示、返信の速さの宣言です。特に文章サンプルは記事監修や執筆の案件で返信率を大きく左右します。患者が特定される情報は一切書かないでください。
Q. 副業の収入はいくらから確定申告が必要ですか?
給与所得がある人の場合、副業の所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。所得は収入から必要経費を引いた額です。所得税の申告が不要な場合でも住民税の申告は別途必要になるため、お住まいの市区町村の税務担当に取り扱いを確認してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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