無駄を省く!オフィス移転費用の相場と引越しコストを3割カットするための節約術

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
無駄を省く!オフィス移転費用の相場と引越しコストを3割カットするための節約術

この記事のポイント

  • オフィス移転費用の相場は1坪あたり10万〜80万円
  • 3割カットの節約術まで
  • 編集者が客観データで徹底解説します

「オフィス移転費用、いくらかかるんですか?」と聞かれて、即答できる経営者はほぼいません。それもそのはず、相場は1坪あたり10万〜80万円と、最大8倍もの開きがあるからです。結論から言うと、オフィス移転費用は「物件取得費・内装工事費・引越し費・原状回復費」の4つに分解して見積もりを取り、不要なオプションを削れば3割は確実にカットできます。本記事では、坪単価別の費用相場、勘定科目の整理、見落としがちな節約ポイント、使える補助金まで、客観データに基づいて冷静に解説します。「移転業者の言いなりで予算がふくらんだ」という事態を避けたい方は、まずは費用の全体像をつかんでください。

オフィス移転費用が高騰している市場背景

2025年以降、東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)のオフィス賃料は緩やかな上昇傾向にあります。三鬼商事の調査では、2025年末時点の都心5区平均賃料は坪あたり約2万円台で推移し、コロナ禍の底からじわじわと戻っている状況です。一方で、ハイブリッドワークの定着により「縮小移転」や「分散移転」を選ぶ企業も増えており、移転需要そのものは過去5年で約1.3倍に膨らんでいます。

近年、リモートワークの緩和や多様な働き方への対応で、オフィス移転を検討されている企業が増えてきていると感じている方も多いのではないでしょうか。そこで、まず知りたいのがオフィス移転にかかる費用ではないでしょうか。 もちろんオフィスの規模や従業員数、レイアウト、その他の要素によって大きく異なりますが、数千万円、場合によっては1億円に及ぶことも少なくありません。 そこで本コラムでは、具体的な費用相場や勘定科目、見積もりで失敗しないポイント、オフィス移転費用を削減するポイント、費用対効果を高めるオフィス移転の考え方、オフィス移転で使える補助金・助成金について詳しく解説していきます。

なぜここまで費用が膨らむのか。背景には「建材・人件費の上昇」「電気工事士の不足」「廃棄物処理費の値上げ」という3つの構造的要因があります。とくに内装工事の単価は、2020年比で約20〜30%上昇しており、同じ広さ・同じデザインでも以前より割高です。正直なところ、「3年前の見積もり感覚」で予算組みすると確実にショートします。

さらに見落とされがちなのが、原状回復費用の高騰です。退去時の原状回復は借主負担が原則で、東京の標準的なグレードB物件でも坪3万〜5万円、ハイグレードビルになると坪10万円を超えるケースもあります。100坪のオフィスなら、退去するだけで500万〜1,000万円。これを「移転費用」に含めずに見積もると、後から泣くことになります。

加えて2024年以降、建設業の働き方改革で職人の残業規制が強化され、夜間・休日工事の単価が上がりました。オフィス移転は土日にやるのが通例ですが、その「土日プレミアム」が以前より重くのしかかっているのが現状です。

オフィス移転費用は大きく4種類に分けられる

移転費用を整理するうえで最も実用的なのが、「物件取得費」「新オフィス構築費」「引越し費」「原状回復費」の4分類です。それぞれに含まれる項目を、坪50坪・社員25名規模の中小企業をモデルに整理します。

1. 物件取得費(新オフィスを借りる費用)

新しい物件を契約する際にかかる初期費用です。一般的に賃料の6〜12ヶ月分が目安と言われます。内訳は以下の通りです。

項目 相場 備考
敷金(保証金) 賃料の6〜12ヶ月 グレードAビルは12ヶ月以上も
礼金 賃料の1〜2ヶ月 都心部では省略されるケースも
仲介手数料 賃料の1ヶ月 法定上限
火災保険料 2万〜5万円 2年契約
前家賃 賃料の1〜2ヶ月 入居月+翌月

坪単価2万円・50坪の物件なら、月額賃料100万円に対して初期費用は600万〜1,200万円が必要になります。とくに敷金は退去時に戻ってくるとはいえ、キャッシュアウトとしては重く、資金繰りに直撃します。

2. 新オフィス構築費(内装・什器・通信)

入居後に「働ける状態」にするための費用です。スケルトン渡し物件か、居抜き物件かで金額が大きく変わります。

  • 内装工事費: スケルトンなら坪10万〜30万円、ハイグレード仕様で坪50万円超
  • 電気・LAN工事: 坪3万〜8万円
  • 空調工事: 坪2万〜10万円(既設利用なら抑制可)
  • オフィス家具: 1人あたり10万〜30万円
  • 電話・複合機・サーバー設置: 30万〜200万円
  • セキュリティシステム: 入退室管理で50万〜300万円

50坪・スケルトン渡し・25名規模なら、内装+家具+IT環境で1,000万〜2,500万円が中央値です。フリーアドレスやWeb会議ブースなどを充実させると、簡単に3,000万円を超えます。

3. 引越し費用(旧オフィスから新オフィスへの移動)

純粋な引越し作業の費用は、社員1人あたり3万〜5万円が相場です。25名なら75万〜125万円。土日対応・養生対応・サーバー機器の精密輸送が加わると、もう少し上振れします。

ここで意外と忘れられがちなのが、廃棄物の処理費。古い什器・キャビネット・大量の紙書類を一括処分すると、それだけで30万〜100万円かかります。産業廃棄物としての処分には法令上の縛りもあり、安易にゴミ捨て場には出せません。

4. 原状回復費用(旧オフィスを元に戻す)

借主負担が原則です。標準的なオフィスビル(グレードB)で坪3万〜5万円、ハイグレードビル(グレードA)で坪5万〜10万円。50坪なら150万〜500万円が標準的なレンジになります。

退去予告から原状回復完了までの期間も要注意で、「退去6ヶ月前通告」が一般的。退去日までに工事が間に合わない場合、賃料の二重払いが発生します。

50坪・25名・スケルトン渡し・グレードB物件というモデルケースで合計すると、総額1,800万〜4,300万円。レンジの幅が大きいのは、内装グレードと敷金月数の差によるものです。

オフィス移転費用の勘定科目を整理する

経理担当者にとって悩ましいのが、移転費用の仕分けです。「全部まとめて雑費」というのは絶対にやってはいけません。税務上の扱いが大きく変わるからです。代表的な仕分けを整理します。

  • 敷金・保証金: 「差入保証金」で資産計上。退去時に返還されない分(償却額)は「長期前払費用」として5年で按分償却
  • 礼金・仲介手数料: 20万円未満なら「支払手数料」、20万円以上なら「長期前払費用」として5年償却(法人税法施行令第14条)
  • 前家賃: 「前払費用」または「賃借料」
  • 内装工事費: 「建物附属設備」として資産計上、耐用年数は15年(金属造の場合)
  • オフィス家具: 10万円未満は「消耗品費」、10万〜20万円は「一括償却資産」(3年均等償却)、30万円未満は中小企業の少額減価償却資産特例で全額損金
  • 引越し費用: 「雑費」または「支払手数料」
  • 原状回復費: 退去前に予定があれば「修繕費」、退去後の確定費用は「修繕費」または「雑損失」

ここで実務的な落とし穴。30万円未満の少額減価償却資産特例は、青色申告法人かつ中小企業者等が対象で、年間合計300万円までという上限があります。家具をまとめ買いするときは、この上限を意識して年度をまたぐ調整を行うと、節税効果を最大化できます。

筆者が以前、急成長中のスタートアップの移転を取材したときの話です。経理担当者が内装工事費500万円を「修繕費」として一括計上しようとしていて、税理士が慌てて止めに入っていました。新オフィスへの内装は「修繕」ではなく「資産」なので、減価償却が必要です。間違えると税務調査で否認されて、追徴課税のリスクが出ます。

オフィス移転費用の見積もりで失敗しないポイント

見積もりを取る段階で7割が決まると言って過言ではありません。失敗パターンを避けるための実務的なチェックポイントを整理します。

1. 必ず3社以上から相見積もりを取る

オフィス移転業者は、業者ごとに得意分野が異なります。「内装工事に強い」「IT環境構築に強い」「引越しに強い」など、専門領域がはっきり分かれます。3社見積もりを取ると、各社の得意分野が浮き彫りになり、項目ごとに最適な業者を選べます。

ただし、相見積もりを取りすぎても逆効果。5社を超えると、見積もり調整に時間がかかりすぎて移転スケジュールが遅延します。3社がスイートスポットです。

2. 「一式」表記の見積もりは要注意

業者の見積もりに「内装工事一式 ◯◯◯万円」と書かれていたら、必ず内訳を出させてください。一式表記は、業者が後から「想定外の追加工事」と称して請求を上乗せする温床になります。

具体的には、以下のレベルまで分解された見積もりを要求します。

  • 床材(タイルカーペット◯㎡、PタイルA㎡)
  • 壁面工事(クロス張替え◯㎡、間仕切り◯m)
  • 電気工事(コンセント増設◯口、LAN配線◯箇所)
  • 照明(LED交換◯台、新規取付◯台)

3. スケジュールに余裕を持たせる

オフィス移転は、計画から実行まで最低6ヶ月、できれば9〜12ヶ月の準備期間が必要です。短納期だと業者の選択肢が狭まり、結果的に高い見積もりを飲まざるを得なくなります。

逆に、12ヶ月以上の余裕があると「閑散期狙い」も可能。引越し業界の閑散期は6月・11月・1月で、ピーク(3月・4月)と比較して2〜3割安くなるケースもあります。

4. 隠れコストの洗い出し

見積もり段階で見落としがちな「隠れコスト」を列挙しておきます。

  • 旧オフィスの違約金(中途解約ペナルティ)
  • 新オフィスの内装制限による追加工事費(ビル指定業者強制等)
  • 廃棄物処理費(特に大型什器)
  • 名刺・封筒・パンフレット等の住所変更印刷費
  • 登記変更費用(法務局・税務署・年金事務所等への届出)
  • 取引先への移転通知(はがき・メール・電話対応工数)
  • Webサイト・Googleビジネスプロフィールの住所変更
  • 引越し当日の業務停止による機会損失

これらを合算すると、見積もりに載らない費用が50万〜200万円追加で発生します。

オフィス移転費用を3割カットするための節約術

ここからが本題です。同じ広さ・同じグレードのオフィスでも、工夫次第で総額の2〜3割はカットできます。実際に効いた節約術を、効果の大きい順に紹介します。

オフィス移転費用を抑えるためには、まずは費用の内訳を詳細に把握し、移転前にしっかりと計画を立て、不必要な費用を削減する方法を検討しましょう。例えば、不要な家具や機器を処分する、移転先のオフィスで使えるものは再利用するなどの工夫が考えられます。

1. 居抜き物件・セットアップオフィスを狙う(節約効果: 500万〜1,500万円)

最大のコストカット手段が、内装工事費そのものをゼロに近づけることです。前テナントが残した内装をそのまま使える「居抜き物件」や、デベロッパーが内装込みで提供する「セットアップオフィス」を選べば、スケルトンから作る場合と比較して坪10万〜30万円のコストを丸ごと削減できます。

50坪なら500万〜1,500万円の節約です。デザインに強いこだわりがないなら、これが最強の節約術。デメリットはレイアウトの自由度が下がることくらいです。

2. 業者を絞り込んで一括発注する(節約効果: 100万〜300万円)

工事業者を複数社に依頼すると、各社が「管理費」「諸経費」を上乗せするため、合計金額が膨らみます。

オフィス移転費用をできるだけ抑えるには、依頼する業者を少なくするのがポイントです。特に工事業者を複数社に依頼してしまうとコストが増大しがちです。まとめて一括でお願いしたほうが安く済むケースが多いので、意識してみてください。

ワンストップで内装・引越し・原状回復まで請け負える「移転コンサル系」業者に一括発注すれば、管理費の重複が消えます。ただし、丸投げで価格が膨らむケースもあるため、項目別の単価チェックは必須です。

3. 家具・什器を再利用する(節約効果: 100万〜500万円)

「移転を機にすべて新調」というのは、ロマンはあっても経済的ではありません。デスク・チェア・キャビネット・複合機など、現在のオフィスで使っているものは原則として再利用を基本にします。

ただし、5年以上経過した椅子はガス圧シリンダーの寿命が来ているケースが多く、安全面の観点で買い替えが推奨されます。古いキャビネットも転倒リスクがあるため、地震対策の観点で見直すべきです。「全買い替え」と「全再利用」の中間、7割再利用・3割新調あたりが現実的な最適解です。

4. 中古オフィス家具・リユース品を活用する(節約効果: 50万〜200万円)

買い替えが必要な家具については、新品にこだわらず中古品を選ぶ手があります。法人解散や移転に伴って大量に放出される中古オフィス家具は、新品の2〜5割の価格で買えます。

特にスチール製のキャビネットや会議用テーブルは、見た目の劣化が少なく、機能的にも問題ないものが多い。デザイン重視のチェアやソファだけ新品で揃えるという「メリハリ調達」が賢いやり方です。

5. 原状回復はB工事・C工事の区分を見直す(節約効果: 50万〜200万円)

ビル管理会社の指定業者(B工事)でやらなければならない範囲と、テナント側が業者を選べる範囲(C工事)の境界線は、契約書に明記されています。原状回復の範囲をB工事に丸投げすると、ビル側の言い値で工事費が決まり、相場の1.5〜2倍になることがあります。

C工事に切り分けられる範囲は、テナント側で複数業者から見積もりを取り、競争原理を働かせます。契約書を弁護士同席でレビューし、B工事の範囲を最小化する交渉ができれば、原状回復費だけで100万円単位の節約が可能です。

6. 閑散期に移転する(節約効果: 30万〜100万円)

引越し業界の繁忙期は3月・4月・8月・12月。この時期を外して6月・11月・1月に移転すると、引越し費用が2〜3割安くなります。

ただし、3月の年度替わりに合わせたい企業は多いため、閑散期に動けるかどうかは経営判断次第。スタートアップなら柔軟に動けるはずです。

7. フリーレント・敷金減額交渉(節約効果: 賃料3〜6ヶ月分)

物件契約時の交渉で、フリーレント(賃料無料期間)を引き出せれば、賃料の1〜6ヶ月分がそのまま節約になります。空室期間が長い物件、賃料が下落基調のエリアでは、特に交渉余地が大きい。

敷金についても、信用力のある法人なら6ヶ月→4ヶ月への減額交渉が通る場合があります。これは「節約」というよりキャッシュフロー改善ですが、運転資金が苦しい中小企業にとっては死活問題です。

8. 廃棄物処理を外部リサイクル業者に切り替える(節約効果: 20万〜80万円)

引越し業者にまとめて廃棄処分を依頼すると、産廃処理費+運搬費+業者マージンが乗って割高になります。中古オフィス家具買取業者なら、状態の良いものは「買い取り」になり、廃棄費用がゼロどころかプラス収益に転じることもあります。

8つの節約術をすべて実行できれば、総額1,500万〜3,000万円の移転費用を1,000万〜2,000万円まで圧縮できる計算です。

オフィス移転で使える補助金・助成金

意外と知られていませんが、オフィス移転に活用できる補助金・助成金があります。代表的なものを整理します。

1. 事業再構築補助金(経済産業省)

事業の方向転換に伴うオフィス移転は、対象経費に含まれる可能性があります。中小企業の場合、補助率は1/2〜2/3、補助上限は最大1.5億円です。詳細は経済産業省の公式情報を確認してください。

2. IT導入補助金(中小機構)

移転に合わせて、業務効率化のためのITツール(クラウド勤怠、Web会議システム、入退室管理等)を導入する場合は、IT導入補助金の対象になります。補助率は1/2、補助上限は最大450万円。中小機構が窓口です。

3. 自治体独自の本社移転補助金

地方自治体が独自に展開している「本社移転補助金」「企業誘致補助金」があります。たとえば、東京から地方都市への本社移転で、賃料・内装費の一部を補助する制度を持つ自治体は多数あります。移転先候補の自治体公式サイトで「企業誘致」「立地補助」のキーワードで検索してください。

4. 働き方改革推進支援助成金(厚生労働省)

テレワーク導入に伴うオフィス縮小・分散移転の場合は、厚生労働省の働き方改革推進支援助成金が対象になります。テレワーク用通信機器の導入費用などが補助対象です。

5. 小規模事業者持続化補助金(中小企業庁)

従業員数が少ない小規模事業者向け。販路開拓と一体で行う移転(店舗併設の事務所移転等)が対象になることがあります。中小企業庁が公募しています。

ただし、補助金は「後払い」が原則。先に資金を立て替えて支払い、後から補助金が振り込まれる仕組みです。資金繰りに余裕がないと活用できない点には注意してください。また、申請には事業計画書の作成が必要で、自社で対応するか、補助金専門のコンサルに依頼するかの判断も必要になります。

費用対効果を高めるオフィス移転の考え方

ここまで「節約」の話をしてきましたが、最後に少し視点を変えます。オフィス移転は単なるコストではなく、企業の生産性・採用力・ブランドに直結する投資でもあります。「安く済ませる」だけが正解ではない、という話です。

1. 採用への影響を試算する

立地は採用力に直結します。駅から徒歩10分の物件と徒歩3分の物件で、月額賃料が10万円違ったとしても、年間120万円。一方で、駅近のオフィスがあることで採用応募数が増え、採用単価が下がる効果は無視できません。

人材紹介経由で1名採用するコストは年収の30〜35%が相場。年収500万円の人材1人で150万〜175万円。オフィス立地で年2名の採用が改善すれば、賃料差額は十分にペイします。

2. 生産性向上を金額換算する

オフィス環境の改善が生産性を10%向上させた場合、社員25名・平均給与500万円の企業なら、年間1,250万円の生産性向上効果になります。これは「労務費の10%」を生産性として換算したラフな見積もりですが、Web会議ブース・集中作業ブース・カフェエリアの設置による効率改善は、各種調査でも実証されています。

3. オフィスを「持つ」か「シェアする」かの根本判断

そもそも、自社専用オフィスを持つべきか、シェアオフィス・コワーキングスペース・サテライトオフィスで分散するか、という選択肢もあります。

社員25名・全員出社の前提なら専用オフィスが合理的ですが、ハイブリッドワークで日次出社率が50%以下なら、固定席を半分にしてシェアオフィスを併用する方が安上がりです。

4. 副業・業務委託の活用でオフィス需要そのものを減らす

これは大胆な発想ですが、社員を増やしてオフィスを広げる前に、業務委託・副業人材で業務を回す選択肢を持つことは経営戦略として有効です。たとえばAIコンサル・業務活用支援のお仕事AI・マーケティング・セキュリティのお仕事は、業務委託で外部の専門家を活用する企業が増えているカテゴリーで、固定費を増やさずに業務処理量を上げられます。

「オフィスを広げる」前に「業務を外注化する」という発想転換ができれば、移転費用そのものが不要になることもあります。

オフィス移転の計画と進め方

費用の話だけでなく、スケジュール感もつかんでおきましょう。一般的な中小企業(社員20〜50名規模)のオフィス移転は、12ヶ月前から準備を始めるのが理想です。

12ヶ月前: 経営判断と要件定義

なぜ移転するのか、どんな働き方を実現したいのか、予算上限はいくらか。経営層で要件を定義します。この段階で、コンサル系の業者に「概算見積もり」を取るのも有効です。

9ヶ月前: 物件探しと内見

不動産仲介会社に依頼し、候補物件を5〜10件絞り込みます。立地・賃料・広さ・設備・周辺環境を比較。内見は経営層だけでなく、現場社員数名を巻き込むと、後の社員説明がスムーズです。

6ヶ月前: 契約・現テナント解約通知

物件契約と並行して、現オフィスのテナント解約通知を入れます。一般的に「6ヶ月前通知」が契約条件のため、ここを逃すと違約金が発生します。

4〜5ヶ月前: 内装・引越し業者選定

3社相見積もりで業者を絞り込みます。同時に、原状回復業者の選定も並行。社員向けの説明会を開き、新オフィスのコンセプトとレイアウト案を共有します。

2〜3ヶ月前: 工事開始・住所変更手続き

内装工事の着工。並行して、法務局・税務署・年金事務所・取引銀行・取引先への住所変更通知を準備します。名刺・封筒・パンフレット等の印刷物発注もこのタイミング。

1ヶ月前: 引越し準備・社員教育

社員へ「梱包ルール」「持ち物リスト」を配布。サーバー機器の移設リハーサルを実施。新オフィスの入退室・備品の使い方を周知します。

移転当日〜2週間後: 引越し実行・原状回復

引越し当日は社員も参加して、自席まわりの片付けを担当。新オフィスでの初出社後、不具合の洗い出しを2週間集中して行います。並行して、旧オフィスの原状回復工事を進めます。

このスケジュールを6ヶ月で圧縮すると、各フェーズで業者の選択肢が狭まり、価格交渉力が落ちます。1年計画が最もコスパが良い、というのが実務的な結論です。

たとえば、ソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると、ソフトウェア開発者の単価は経験年数によって幅広く、フルリモートで月単価60万〜120万円の案件が多数登録されています。同様に、著述家,記者,編集者の年収・単価相場でも、編集・ライティングの業務委託は完全在宅型が主流です。

つまり、社員数を増やしてオフィスを広げる代わりに、業務委託で柔軟に専門人材を確保するという経営判断ができれば、オフィス移転費用そのものを抑制できます。

また、社員のスキルアップ施策として、社内研修費の代わりに「資格取得支援」を導入する企業も増えています。たとえばビジネス文書検定はバックオフィス担当の文書品質向上に直結し、CCNA(シスコ技術者認定)はネットワーク基盤を内製化する第一歩になります。これらの資格取得は通信教育中心で、オフィス内研修スペースを増やす必要がありません。研修ルーム不要なら、その分のオフィス面積も削れます。

筆者が取材した中小IT企業では、コロナ禍をきっかけにフルリモート前提のオフィスに移転し、社員30名に対して固定席を10席まで減らしたケースがありました。その分、内装にこだわった会議室と集中作業ブースを増やし、来客対応とチームコラボに特化したオフィスに変えています。結果として、賃料・内装費ともに削減しつつ、社員満足度は上がったそうです。

また、リモートワーク中心の働き方は、社員側の働き方とも関連します。在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで紹介されているように、自宅で集中して働ける環境を整えれば、オフィスへの依存度を下げられます。企業側もこのトレンドを織り込み、「全社員分の固定席」を前提にしないオフィス設計が主流になりつつあります。

採用面でも変化があります。在宅勤務OKの求人にすることで、応募者層が広がり、地方在住の優秀人材を採用できる可能性が高まります。在宅ワークの求人の探し方5選|初心者でも安心な方法と注意点を徹底解説で取り上げているような、在宅勤務希望者は年々増えており、その層を取り込めるかどうかは採用力に直結します。

このように、オフィス移転は「物件を借りて引越しする」だけの話ではなく、企業の働き方戦略そのものを再設計するチャンスです。手数料0%で業務委託人材とつながれるプラットフォームを併用すれば、固定費を増やさず業務処理量を上げる選択肢が手に入ります。「オフィスを広げる前に、業務を分散させる」。この発想を持てるかどうかが、これからの経営判断の分水嶺になる、というのが筆者の見立てです。

よくある質問

Q. レンタルオフィスの月額料金はどれくらいが相場ですか?

立地と広さで大きく異なります。都心部の個室なら月額10〜20万円、準都心で5〜10万円、地方都市で3〜5万円が目安です。家賃以外に会議室利用料・郵便転送・複合機利用などが別途かかる場合もあるため、月額総額で比較しましょう。

Q. レンタルオフィスを退去・移転する場合の注意点は?

行政書士会への事務所所在地変更届が必要です。手続き完了まで業務に支障が出ないよう、新旧オフィスの契約期間を1〜2ヶ月重複させるのが安全です。事務所所在地変更は、依頼者・同業者・取引銀行などへの告知も必要になります。

Q. バーチャルオフィスの費用相場はどれくらいですか?

月額1,000円5,000円程度が一般的です。都心の一等地であったり、電話転送や郵便物の即日転送などのオプションを追加すると、月額10,000円前後になることもあります。

Q. 防音ブースをオフィスに導入する際の価格相場はどのくらいですか?

防音ブースの価格は、サイズや防音性能によって大きく異なります。1人用の電話ボックス型であれば、安価な組み立て式で30万〜50万円程度から導入可能です。一方、高い防音性と空調設備を備えたハイエンドモデルや、複数人で利用できる会議室サイズになると、100万〜300万円程度が相場となります。予算だけでなく、利用目的や想定利用人数に合わせて最適なモデルを選ぶことが重要です。

Q. 格安オフィスから別の拠点に切り替えるときの手続きは?

法人登記を移転する場合は本店移転登記が必要です。自分でオンライン申請するか、司法書士に依頼します。同一管轄内なら登録免許税3万円、管轄を越える場合は6万円です。

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朝比奈 蒼

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IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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