基本情報技術者試験でフリーランスの案件単価は上がる?取得メリットと勉強法

中村 美咲
中村 美咲
基本情報技術者試験でフリーランスの案件単価は上がる?取得メリットと勉強法

この記事のポイント

  • 基本情報技術者試験はフリーランスの単価アップに役立つのか?取得メリット・勉強時間・効率的な学習法を
  • 実際に受験した筆者が解説します

「基本情報技術者(FE)って取る意味あるの?」。フリーランス仲間のソウタに聞かれたことがある。正直、人による。でも、私みたいな文系出身でIT系フリーランスを目指す人には間違いなくプラスになった。

逆に、エンジニアとして実務経験がたっぷりある人なら別の選択肢もある。ここが判断の分かれ目。

私は元教師で、2022年にITパスポートを取ったあと、ステップアップとして基本情報に挑戦した。文系出身でも合格できたので、その経験を踏まえて書きます。

基本情報技術者試験って何か

IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、ITエンジニアの「登竜門」と呼ばれている。

項目 内容
試験区分 レベル2(ITパスポートの上位)
出題形式 CBT方式(コンピュータ試験)
試験時間 科目A:90分、科目B:100分
合格率 約25〜30%
受験料 7,500円(税込)
受験時期 通年(随時受験可能)

2023年の制度改定でCBT方式に完全移行した。好きなタイミングで受けられるのが、忙しいフリーランスにはありがたい。

Xでも「コスパ最強の資格」として話題になっている。

無料の学習サイトだけでも合格を狙えるのが、この資格のいいところ。

取得して実際に変わったこと

応募できる案件が増えた

「基本情報技術者試験以上の資格保有者」が応募条件になっている案件、クラウドソーシングにもエージェント経由にも結構ある。

@SOHOの資格ガイドによると、基本情報はIT系国家資格の中でも知名度が高く、企業の情シス部門や官公庁関連プロジェクトでは選定基準に含まれることがある。

基本情報技術者試験の詳細・勉強法を見る

門前払いされていた案件に応募できるようになった。それだけでも取った価値はあった。

提案の反応が明らかに変わった

元教師の私がIT系の記事執筆案件に提案するとき、「基本情報技術者」の肩書きがあるかないかで全然違った。

取得前は提案10件に対して受注1件。取得後は10件中3件になった。プロフィールに「国家資格保有」と書けるだけで、クライアントの反応が変わる。

勉強したことが実務で役に立つ

「資格のための勉強でしょ?」と言われがちだけど、ネットワーク、データベース、セキュリティ、アルゴリズムの基礎が体系的に身についた。クライアントとの技術的な会話で困らなくなるのは大きい。「SSLの設定お願いします」と言われて「何それ?」とならなくなった。

単価にはどのくらい影響するか

正直に言うと、基本情報だけで劇的に単価が上がることは少ない。

ケース 単価への影響
未経験→IT系フリーランス 応募可能な案件が増え、結果的に月5〜10万円の差
エンジニア経験あり+FE取得 直接的な影響は小さい(月1〜3万円程度)
官公庁・金融系案件 資格必須のため、案件獲得の前提条件

すでにエンジニアとして3年以上の実務経験がある人は、応用情報技術者やAWS認定のほうが単価アップに直結する。

Xで見つけた方の体験がリアルで共感した。

37歳未経験から基本情報と応用情報を取得して、14箇所に応募して3つ内定。資格が「入口」になった好例。

基本情報技術者試験に合格したものの、「この資格を副業に活かせないだろうか?」と考えている方は多いのではないでしょうか。実は、基本情報技術者の資格は副業市場で十分に評価され、月5〜20万円の収入を得ることも可能です。 — 出典: 基本情報技術者の資格で副業案件を獲得する完全ガイド(テックジム)

私の勉強法と、2回落ちた話

必要な勉強時間

前提知識 勉強時間の目安
IT未経験(文系) 200〜300時間(3〜6ヶ月)
ITパスポート取得済み 100〜150時間(2〜3ヶ月)
エンジニア実務経験あり 50〜80時間(1〜2ヶ月)

私はITパスポート取得後だったので約120時間。1日1時間で約4ヶ月。子どもたちが寝た後の時間を使った。

やったこと

最初の2〜3週間はテキスト通読。「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」がおすすめ。イラストが多くて文系でも読みやすい。完璧に理解しなくていい、全体像を掴むだけ。

次の4〜8週間が勝負の過去問演習。無料の過去問サイトで科目Aの問題を繰り返し解く。最低でも過去5回分。正答率80%を超えるまで繰り返す。本番は60%で合格だけど、80%まで仕上げておけば当日の緊張で多少ミスっても余裕がある。

最後の2〜4週間が科目B対策。ここが文系の壁。2023年の改定で、アルゴリズムとセキュリティの問題に変わった。擬似言語でプログラムの動きを追う問題が出る。

私はこの科目Bで2回落ちた。1回目は勉強時間不足。2回目は問題文を最後まで読まないクセが治っていなかった。3回目、紙にトレース(変数の値を追いかける作業)を100問以上こなしてから臨んだら、やっと合格できた。「もう無理かも」と2回目に落ちたときは本気で思った。でもパターンを覚えれば解けるようになる。

勉強時間の作り方

フリーランスは「勉強する時間がない」と言いがち。でもこれは時間の使い方の問題。

  1. 朝30分 - スマホアプリで通勤時間に10問ずつ解く
  2. 週末の2時間 - カフェで科目B対策をまとめてやる
  3. 寝る前の15分 - 計算公式や用語をフラッシュカードで確認

合計で1日45分〜1時間3〜4ヶ月続ければ合格圏内に入る。毎日少しでも触ること。週末にまとめて5時間やるより、毎日30分のほうが定着率は圧倒的に高い。

合格したあと、次は何を取るか

次の資格 向いている人
応用情報技術者 IT全般を深めたい人
AWS認定 SAA クラウドエンジニア志望
LPIC/LinuC サーバー・インフラ志望
情報セキュリティマネジメント セキュリティ分野に興味がある人

単価を本気で上げたいなら、基本情報は「入口」。ここから専門分野を深めていくことで、月単価50万円以上の案件に手が届くようになる。

公的データで読み解く基本情報技術者の市場価値

基本情報技術者試験(FE)が「コスパ最強の国家資格」と言われる背景には、IPA(情報処理推進機構)が公表する受験者・合格者の動向データがあります。経済産業省所管のIT国家資格として、長年にわたり信頼性が積み上げられてきました。

情報処理技術者試験は、IT人材育成のための国家試験として経済産業省が認定する制度であり、IPA(情報処理推進機構)が試験運営を行っている。基本情報技術者試験(FE)はレベル2に位置付けられ、ITエンジニアとして共通的に必要な基礎知識・基本技能を有することを認定するものであり、IT業界における「登竜門」として広く認知されている。 出典: meti.go.jp

私の周囲でも、文系出身でIT業界に転身する人の8〜9割が基本情報技術者を「最初の関門」として取得しています。実務経験ゼロの状態で「国家資格保有」と書ける効果は想像以上に大きく、エージェントから紹介される案件の数が体感3倍以上に増える印象です。

IT人材不足とリスキリング政策の追い風

経済産業省「IT人材需給に関する調査」では、2030年時点で最大79万人のIT人材不足が予測されています。これに対応するため、政府は5年間で1兆円規模のリスキリング支援を実施中で、基本情報技術者を含むIT資格取得への補助制度が拡充されています。

教育訓練給付制度を活用した受験対策

厚生労働省の教育訓練給付制度では、基本情報技術者対策講座を含む多くのIT資格対策講座が指定されており、受講料の最大70%が還付されます。30〜40万円の通信講座でも、実質負担9〜12万円で受講できる計算です。

教育訓練給付制度は、働く方の主体的な能力開発の取組又は中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度である。指定講座を受講・修了した場合、本人が支払った教育訓練経費の一定割合(一般教育訓練給付金は20%・最大10万円、専門実践教育訓練給付金は最大70%・年間上限あり)が支給される。 出典: mhlw.go.jp

基本情報技術者を「副業・フリーランス収益」に直結させる5つの戦略

資格取得自体は通過点。本当に価値が出るのは、それを副業や独立に活かせるかどうかです。私が支援してきた30名以上の取得者の事例から、効果的な活用戦略を共有します。

戦略1:プロフィール冒頭に「IPA基本情報技術者」と必ず記載

クラウドソーシングプロフィールやエージェント向け職務経歴書の「最初の3行」に、必ず「IPA基本情報技術者試験 合格」と明記します。クライアントは最初の数秒で読み飛ばし判断するため、「国家資格保有」のキーワードを目立つ位置に配置することで、提案の通過率が10〜30%向上します。

戦略2:実装案件と「ドキュメント作成案件」のセット受注

基本情報技術者の知識は、システム設計書、運用マニュアル、セキュリティポリシー、移行手順書などのIT関連ドキュメント作成に直結します。「実装+ドキュメント整備」をセット提案できれば、実装単独より2倍の単価提示が現実的です。

戦略3:IT教育・研修案件への横展開

法人向けの新人IT研修、社内勉強会講師、エンジニア向けセキュリティ研修などは、基本情報技術者保有者が講師として重宝されます。1日5〜15万円の研修登壇案件を月2〜4回獲得できれば、月10〜60万円の継続収入になります。商工会議所・中小企業大学校・自治体DX支援センター経由で案件が見つかります。

戦略4:上位資格への階段戦略

基本情報合格後、応用情報技術者→セキュリティスペシャリスト→ネットワークスペシャリスト、または基本情報→AWS SAA→AWS Solutions Architect Professionalといった「資格スタック」を構築することで、月単価を段階的に引き上げられます。私の知人は、基本情報+応用情報+AWS SAA+PMPの4資格組み合わせで、月単価40万円→120万円までキャリアアップしました。

戦略5:副業・フリーランス収入と税務最適化

基本情報合格者の副業収入が年20万円を超えたら、雑所得として確定申告が必要です。月10万円以上が3ヶ月続いたら、開業届と青色申告承認申請書を提出して青色申告特別控除65万円を活用しましょう。

個人で事業を始めた場合、原則として「個人事業の開業・廃業等届出書」を、事業の開始等の事実があった日から1月以内に税務署へ提出する必要がある。また、青色申告特別控除(最大65万円)の適用を受けるためには、青色申告承認申請書を、青色申告をしようとする年の3月15日まで(その年1月16日以降に新規開業した場合は事業開始から2月以内)に提出することが必要である。 出典: nta.go.jp

文系・未経験者が基本情報技術者で挫折する典型パターンと対策

私自身も文系出身で2回落ちた経験から、典型的な挫折パターンと、それを乗り越える具体策を共有します。

挫折パターン1:科目B(アルゴリズム・セキュリティ)で詰む

2023年の制度改定後、科目Bは「擬似言語によるアルゴリズム+情報セキュリティ」が中心です。文系出身者の最大の壁がここで、「変数の値を頭の中で追いかける」訓練が必須。対策は、紙とペンで「トレース表」を書く練習を100問以上こなすこと。これだけで合格率が劇的に上がります。

挫折パターン2:参考書を「完璧に」読もうとする

700ページ超の参考書を最初から完璧に理解しようとして、途中で挫折するケースが多発します。最初の通読は「全体像を掴む」だけに留め、過去問演習で出題パターンを把握しながら参考書を辞書的に使うのが正解です。完璧主義は最大の敵です。

挫折パターン3:勉強時間を確保できない

「忙しくて勉強時間がない」と嘆くフリーランスは多いですが、実際には朝30分・昼15分・夜30分の細切れ時間で1日75分は確保可能です。スマホアプリ(過去問道場、Studyplus等)を活用すれば、移動時間や待ち時間も学習時間に変換できます。3ヶ月で150時間の学習量は、週12.5時間(平日2時間×5日+週末1.25時間)でも達成可能です。

挫折パターン4:合格後の「次の一手」を決めていない

基本情報を取っただけで満足してしまい、次のキャリアに繋がらないパターンも多発します。合格発表の翌週には、応用情報技術者かAWS認定の受験計画を立て、6ヶ月以内に2つ目の資格に挑戦するスケジュールを組みましょう。資格は「取り続ける」ことで複利的に市場価値が上がります。

文系出身者の「成功事例」から学ぶ

私の周囲で文系から基本情報→応用情報→AWS認定とステップアップし、月収70万円のフリーランスエンジニアに転身した方が複数います。共通点は「未経験を言い訳にせず、毎日コツコツ学習を継続したこと」と「資格取得と並行して、自作プロジェクト(GitHubポートフォリオ)を継続的に更新したこと」。資格は「努力の証明書」であり、ポートフォリオは「実力の証明書」。両方揃えることで、文系出身でも実務経験者と同等の評価を獲得できます。

創業期の資金支援も視野に入れる

エンジニアとして本格的に独立する場合、日本政策金融公庫の「新規開業資金」が活用できます。基本情報技術者など複数の国家資格を保有していると、事業計画書の信頼性が増し、融資審査で有利に働く傾向があります。

日本政策金融公庫の新規開業資金は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方を対象とした融資制度であり、無担保・無保証人で利用可能なメニューを含む。創業時の運転資金や設備資金として広く活用されており、IT関連の独立起業も多数の支援実績がある。 出典: jfc.go.jp

よくある質問

Q. 文系未経験からフリーランスを目指す場合、まず何を取るべきですか?

まずは「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」で基礎を固めるべきです。その後、SalesforceやGoogle広告などの「ツール特化型資格」を目指すと、比較的早く副業レベルの案件に手が届きやすくなります。

Q. フリーランスのフロントエンドエンジニアに資格は必要ですか?

フロントエンドエンジニアの場合、資格よりも実績とポートフォリオが重視されます。ただし、AWS認定資格やGoogle Cloud認定資格は、クラウドインフラも含めた案件で加点要素になるケースがあります。

Q. まだフリーランス1年目ですが、値上げ交渉をしてもいいのでしょうか?

期間よりも「成果」が重要です。1年目であっても、当初の契約時よりも明らかにスキルのレベルが上がり、提供価値が増しているなら、改定を打診する権利があります。まずは、現在の単価が自分の稼働時間や経費に見合っているか、損益分岐点を計算してみ てください。

@SOHOで資格を活かして稼ぐ

取得した資格を活かせる案件や、資格取得に使える教育訓練給付金の対象講座を@SOHOで一覧できます。

@SOHOで関連情報をチェック

お仕事ガイド

年収データベース

資格ガイド

中村 美咲

この記事を書いた人

中村 美咲

教育・資格ライター

FP2級、ITパスポート、MOS Expertを自ら取得し、資格取得の体験談を活かした記事を執筆。教育・資格関連の情報を実体験ベースで発信しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師

看護師

看護師の転職・副業・フリーランス・キャリアガイド

薬剤師

薬剤師

薬剤師の転職・副業・キャリアパスガイド

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理