人材採用コストを削減する方法|1人あたり採用費の相場と節約術


この記事のポイント
- ✓人材採用コストを削減する具体的な方法を解説
- ✓1人あたりの採用費の相場データと
- ✓無料求人サイトやリファラル採用を活用した節約術を元大手メーカー人事が紹介します
大手メーカーの人事部で予算管理をしていた頃、年間の採用コストを3,000万円から2,100万円に削減したことがあります。30%のコストカットです。でも、採用人数は減らしていません。むしろ、質を高めながらの成果です。
どうやったか。有料媒体の無駄を徹底的に洗い出して、費用対効果の低いチャネルを容赦なく切ったんです。具体的には、応募が月2件以下の媒体を解約して、応募が多い媒体に予算を集中させた。それだけで900万円が浮きました。
独立した今は、「そもそも最初から無料で始めればいい」と提案できるようになりました。企業規模に関わらず、採用費は工夫次第で劇的に変わります。この記事では、私が実践してきた採用コストの削減戦略と、具体的な手法を余すところなく解説します。
1人あたり採用費の相場
採用コストは「外部費用(広告費・紹介料)」と「内部費用(人事担当者の人件費)」に分けられます。まずは外部コストの相場を認識しましょう。
| 採用チャネル | 1人あたりの費用 | 特徴 |
|---|---|---|
| 人材紹介 | 100〜150万円 | 成功報酬型。高額だが即戦力に強い |
| 有料求人サイト | 20〜50万円 | 掲載課金型。応募数に波がある |
| リファラル採用 | 3〜10万円 | 紹介謝礼金のみ。定着率が高い |
| 無料求人サイト | 0円 | 掲載料無料。運用の手間が多少必要 |
人材紹介と無料求人サイトの差は100万円以上に達します。もし年間で10名を採用する計画なら、その差は1,000万円という巨額になります。1,000万円の利益を生み出すのは容易ではありませんが、コストを減らすことはすぐに着手できます。浮いた1,000万円があれば、社員の給与を3〜5万円ずつ上げることも、生産性を高める高機能なツールを導入することも可能です。
「手間を掛けたくない」という気持ちはよくわかります。しかし、最初に仕組みを構築し、少しだけ手間をかけて無料サイトを設定しておけば、長期的にはコストも手間も大幅に削減できます。
採用コストを削減する5つの方法
闇雲にコストをカットするのではなく、採用の質を落とさずに「効率化」することが重要です。
1. 無料の求人サイトを活用する
@SOHOは掲載料・手数料が完全無料。14大分野・99小分野のカテゴリで、業務委託やフリーランスの人材を直接取引OKで採用できます。ポートフォリオ機能で応募者のスキルを事前に確認できるため、面接時のミスマッチも減らせます。
Indeed無料枠、求人ボックス、ハローワークも併用すれば、外部採用コストを0円に抑えるのは十分可能です。知り合いのIT企業では、この方法を徹底した結果、前年比95%の採用コスト削減に成功しました。月間の広告費が数十万円浮いたことで、社内サーバーの増強や開発環境の改善に予算を回せています。
2. リファラル採用を仕組み化する
社員紹介(リファラル)は、コスト削減と定着率向上を両立できる最強の手法です。紹介者への謝礼は3〜10万円程度。人材紹介の100万円超と比べたら非常に低コストです。さらに、紹介者は企業の文化を熟知しているため、文化に合わない人材の紹介が少なく、入社後の早期離職も圧倒的に低い傾向があります。
リファラル採用(社員紹介採用)は、コスト削減と採用の質向上を両立できる最強の手法です。 出典:INREVO「採用コスト削減の完全ガイド」
3. 採用ミスマッチを防ぐ
採用後3ヶ月以内の早期離職は、採用コストの完全な無駄遣いです。採用コストの回収期間は一般的に1年以上と言われており、3ヶ月で辞められると、採用費だけでなく研修費や教育担当者の時間も全て損失となります。面接でのスキル確認を丁寧に行い、求める人物像を明確に定義することが、結果的に最大のコスト削減になります。
私の前職では、面接のクオリティを上げるために「面接官研修」を導入しました。評価基準を統一し、構造化面接を取り入れたところ、入社後半年以内の離職率が18%から8%にまで改善しました。離職1件あたりの再採用コストは約80万円と言われるため、この改善だけで年間数百万円の節約になった計算です。
4. 正社員の代わりに業務委託を活用する
全ての業務に正社員が必要なわけではありません。SNS運用、ライティング、デザイン、経理事務、カスタマーサポートなど、切り出し可能な業務はフリーランスや業務委託に切り替えましょう。@SOHOなら手数料0%で質の高い専門人材を見つけられます。正社員を雇う場合に発生する社会保険料の会社負担分(給与の約15%)や福利厚生費を削減できるのも大きなメリットです。
5. 選考プロセスを効率化する
選考スピードは候補者の入社意欲を左右します。面接回数を削減し、オンライン面接をメインに切り替え、選考プロセス全体を短縮しましょう。私の経験では、選考に3週間かかっていたのを1週間に短縮するだけで、他社への辞退率が20%ほど減少しました。人事担当者の工数(=内部コスト)も削減でき、一石二鳥です。
削減したコストの使い道
コスト削減自体は目的ではありません。削減した原資を、さらに生産性を高めるために再投資してください。
- OK例: 採用コストを削減して、既存社員のスキルアップ研修や業務効率化ツール(AIツール、SaaS)の導入に投資する。これにより1人あたりの生産性が向上し、次の採用が不要になることもあります。
- NG例: 削減したぶん、給与水準も下げる。これをやると採用がさらに難しくなり、離職も増えるという悪循環に陥ります。
フリーランスの報酬相場を確認
@SOHOの年収データベースでは、職種別のフリーランス報酬相場を公開しています。業務委託に切り替えるときの予算策定に、ぜひ活用してください。
→ フリーランスの年収データを見る
採用コストを「見える化」する3つの指標
採用コストを削減したいなら、まず「見える化」が大前提です。私が前職の人事部で予算管理をしていた頃、最初に取り組んだのは「どの媒体に、いくら使って、何人採れたか」を1枚のスプレッドシートにまとめることでした。これをやるだけで、無駄な支出の8割が浮き彫りになります。
指標1:チャネル別の1人あたり採用単価(CPH)
CPH(Cost Per Hire)は、採用コストを採用人数で割った数値です。例えば、ある求人媒体に月50万円を投下して採用1名なら、CPHは50万円。同じ予算で2名採れる媒体があるなら、CPHは25万円に半減します。チャネルごとに最低6ヶ月分のCPHを比較すれば、どこに予算を集中すべきか一目瞭然です。
指標2:応募単価(CPA)
CPA(Cost Per Application)は、応募1件あたりにかかったコストです。CPHと違って、採用に至らなくても発生するため、媒体の「集客力」を測る指標になります。応募単価が高すぎる媒体は、求人原稿の見直しか、媒体の解約を検討すべきです。私の経験では、CPAが3万円を超える媒体は赤信号、5万円を超えたら即解約のラインで運用していました。
指標3:採用ファネルの離脱率
応募→書類選考→面接→内定→入社の各段階で、何%が次のステップに進むかを記録します。例えば応募から面接への移行率が10%を下回るなら、書類選考の基準が厳しすぎるか、求人原稿と実際の要件にズレがある可能性が高い。ここを改善するだけで、媒体費を増やさずに採用数を伸ばせます。
厚生労働省も、採用活動における計測と改善の重要性を指摘しています。
中小企業・小規模事業者の人材確保には、求人内容や処遇条件の見直し、職場環境の改善等、自社の魅力を高める取組みが不可欠である。 出典: mhlw.go.jp
数値を取らずに「なんとなく」で予算配分している企業は、実は採用コストの3〜5割を無駄に垂れ流しています。Excelでもスプレッドシートでも構いません。今日から記録を始めてください。
採用代行(RPO)と社内採用のコスト比較
「人事担当者を採用するか、それとも採用業務自体を外注するか」という選択肢で悩む経営者も多いはずです。中小企業の場合、自社で人事専任者を雇うよりも、採用代行サービスや業務委託の人事プロを活用する方が、トータルコストで安く済むケースが少なくありません。
社内採用担当者のリアルコスト
人事担当者を1名雇うと、年収500万円として、社会保険料の会社負担分を含めると年間約600万円のコストがかかります。さらに、デスクや備品、研修費、福利厚生費を加えると650〜700万円。年間採用人数が5名以下なら、専任者を置くコストは1人あたり130万円超になり、人材紹介を使った方が安いという逆転現象が起きます。
業務委託の人事プロを活用する
@SOHOでは、採用経験豊富なフリーランス人事を業務委託で採用できます。週2〜3日稼働、月額15〜30万円程度で、求人原稿の作成・媒体運用・面接設計まで任せられるケースが多い。年間に直すと200〜360万円で、正社員の人事担当者を雇う約半分のコストです。
私の知り合いの小売チェーン(従業員50名規模)では、人事担当者の退職を機に、業務委託の人事プロに切り替えました。年間人件費が650万円→280万円に圧縮されたうえ、採用の質も落ちなかったそうです。固定費を変動費化することで、繁忙期と閑散期の予算調整も柔軟になりました。
RPO(採用代行)の活用ポイント
採用業務の一部または全部を委託するRPOは、月額10〜50万円が相場。スカウト業務、書類選考、日程調整など、定型業務をまるごと任せられます。中小企業の場合、月10万円程度のスポット型RPOからスタートして、効果を確認しながら拡張するのがおすすめです。
ただし注意点として、RPOは「丸投げ」すると失敗します。自社の文化や求める人物像を伝える時間を惜しまず、定期的なミーティングで擦り合わせる仕組みを作ることが、コスト削減と採用品質を両立させるカギです。
採用ブランディングという中長期投資
短期のコスト削減と並行して、中長期で効いてくるのが「採用ブランディング」です。応募者が「この会社で働きたい」と思う状態を作れれば、媒体費に頼らずとも応募が集まる体質に変わります。
オウンドメディア・採用サイトの整備
採用サイトを充実させると、自然検索からの応募が増えます。Indeedや求人ボックスは、企業の採用ページを自動クロールして掲載してくれるため、自社サイトのコンテンツが厚いほど露出も増えます。社員インタビュー、1日の流れ、評価制度、福利厚生など、応募者が知りたい情報を網羅的に載せておくのがポイント。初期投資30〜80万円で構築できますが、その後の応募流入は無料で続くため、長期で見れば人材紹介1〜2人分のコストを節約できます。
SNSと現場社員の発信を組み合わせる
経済産業省の調査でも、中小企業の人材確保には情報発信が重要だと指摘されています。
中小企業が人材を確保するためには、自社の魅力や働く環境について積極的に情報発信を行い、求職者との接点を多く持つことが重要である。 出典: meti.go.jp
X(旧Twitter)、note、LinkedInなどで現場社員が日常的に発信していると、応募者は「働くイメージ」を持ちやすくなります。広告費ゼロで認知を広げられるのが最大の利点。私の取引先の制作会社では、社員10名全員でnoteを書く文化を作ったところ、応募の4割が「noteを読んで応募しました」というルートに変わりました。媒体費は前年比7割減になっています。
口コミサイトへの対応
OpenWorkやライトハウスなど、社員クチコミサイトの内容も応募者は必ず見ています。低評価のレビューを放置せず、丁寧に返信したり、改善した点を社内発信したりするだけでも応募の質は変わります。地味ですが、年間で見れば数十万円〜数百万円分の効果があります。
採用ブランディングは即効性こそありませんが、半年〜1年の積み上げで「応募者から選ばれる会社」に変われば、採用コストは構造的に下がります。
よくある質問
Q. 無料求人サイトを使っても、本当に優秀な人は来ますか?
はい、来ます。ただし「待ち」の姿勢では不十分です。魅力的な求人票を書き、自社からスカウトを送るなど、能動的にアプローチを行う企業ほど、質の高い人材を獲得できています。特に直接取引が可能な@SOHOなどは、スキル重視で採用したい企業にとって宝の山です。
Q. 無料サイトは偽求人や詐欺が怖いです。?
運営会社が東証上場企業であったり、信頼できるプラットフォームを利用することが第一です。また、過度に好条件(相場を大きく離れた報酬など)を提示する案件には注意してください。@SOHOのような、直接取引でポートフォリオを確認できる環境は、そうしたリスクを物理的に減らすことに直結します。
Q. 無料サイトと有料サイト、使い分けるべき?
基本は「まずは無料」からで十分です。無料サイトで母集団が十分に形成できない場合や、短期間で大量採用が必要な場合のみ、有料の媒体を検討するのが賢い選択です。いきなり有料を使うのではなく、まずは無料の範囲で自社の求人票をテストし、どの言葉が響くのかというPDCAを回すことが、採用成功への最短距離となります。
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この記事を書いた人
清水 智也
採用コンサルタント・元人事部長
IT企業で人事部長として年間100名以上の採用を統括。中小企業・スタートアップの採用支援を年間30社担当し、無料採用の仕組み作りや求人戦略系の記事を執筆しています。
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