インフラエンジニアのフリーランス単価|AWS/Azure資格で収入アップ

岡田 隆志
岡田 隆志
インフラエンジニアのフリーランス単価|AWS/Azure資格で収入アップ

この記事のポイント

  • インフラエンジニアのフリーランス単価相場をAWS・Azure・GCPの資格別に解説
  • 月単価70〜120万円を実現するためのスキルマップ
  • 案件獲得のコツを紹介します

インフラエンジニアのフリーランス単価は、IT系の中でも上位に位置する。月単価70〜120万円が相場で、SRE(Site Reliability Engineering)やマルチクラウド対応ができれば130万円超の案件もある。

大手SIerで10年、フリーランスで8年やってきた。SIer時代の年収は650万円で天井が見えていた。フリーランスに転身して月単価80万円でスタートし、今は100万円を安定維持している。この差を生んでいるのが「クラウド資格」と「対応領域の広さ」だ。

ただ、最初から順調だったわけじゃない。フリーランス1年目、AWS SAAしか持っていなかった頃に月単価65万円のオンプレ運用保守案件を受けてしまった。既存サーバーの監視とパッチ当てが中心で、クラウド設計のスキルがまったく伸びない。8ヶ月もいてしまった。その間にクラウド移行案件の相場は90万円を超え始めていた。機会損失で少なくとも200万円は逃した。

あの8ヶ月を取り戻すことはできないけど、同じ失敗をする人は減らしたい。

インフラエンジニアのフリーランス市場概況

2026年現在、クラウドインフラ市場は急拡大を続けており、日本国内のパブリッククラウド市場規模は年率20〜25%で成長している。この成長に伴いインフラエンジニアの需要は過去最高水準に達しており、求人倍率は他のIT職種を大きく上回る。

特に2025〜2026年にかけて需要が急増している分野は以下の通り:

  • 生成AI基盤のインフラ構築(GPU最適化、LLM API連携)
  • ゼロトラストセキュリティ基盤(IDaaS、SASE、EDR連携)
  • マルチクラウド間のネットワーク設計(AWS DirectConnect、Azure ExpressRoute)
  • Platform Engineering(内部開発者プラットフォームの構築・運用)

これらの領域では経験者が絶対的に不足しており、月単価120〜150万円でも人材確保が難しい状況だ。

単価を左右する要素

クラウド資格の有無

資格があるかないかで月単価に10〜20万円の差が出る。エージェント経由の案件で確認できる実際の数字だ。

資格 月単価への影響 取得難易度
AWS SAA +5〜10万円 ★★☆
AWS SAP +10〜15万円 ★★★
Azure Solutions Architect Expert +10〜15万円 ★★★
GCP Professional Cloud Architect +10〜15万円 ★★★
CKA(Kubernetes管理者) +15〜20万円 ★★★★

資格は「入場券」に過ぎないが、無資格と有資格では案件のスタートラインが違う。エージェントが案件を紹介する際、資格保有は最初のスクリーニング条件になることが多い。

対応できるクラウドの数

AWS単体なら月単価70〜90万円。AWS+Azureのマルチクラウドで90〜110万円。GCPも加えたトリプルクラウドなら100〜130万円が見えてくる。

私はAWS SAA、SAP、GCP PCAの3資格を持っている。マルチクラウド案件は単価が高いだけでなく、案件の選択肢も広がる。

オンプレからクラウドへの移行経験

2026年現在でもレガシーシステムのクラウド移行プロジェクトは多い。オンプレの知識+クラウド設計ができるエンジニアは希少。移行案件の月単価は90〜120万円

特に「SAP on AWS/Azure」や「Oracleデータベースのクラウド移行」などの複雑な移行案件は、経験者が少なく月単価120〜150万円の案件も実在する。

コンテナ・IaC経験の有無

TerraformとKubernetesを実務で使えるかどうかは、2026年時点でほぼ必須スキルになりつつある。

スキル 月単価影響 習得難易度
Terraform(HCL) +5〜10万円 ★★★
Kubernetes(kubectl操作) +5〜10万円 ★★★
CKA資格保有 +15〜20万円 ★★★★
Helm/ArgoCD +5〜8万円 ★★★
GitOps/CI-CD設計 +5〜10万円 ★★★

これらを組み合わせると、「Terraform+Kubernetes+CI/CDパイプライン設計ができる」エンジニアとして月単価100〜130万円の案件に届く。

案件カテゴリ別の単価

カテゴリ 月単価目安 案件数
AWS設計・構築 70〜100万円 安定して多い
Kubernetes基盤構築 90〜130万円 増加傾向
クラウド移行 90〜120万円 まだまだ需要あり
セキュリティ基盤設計 85〜120万円 増加傾向
監視・運用自動化(IaC) 75〜100万円 安定
SRE/DevOps 100〜140万円 急増中
Platform Engineering 110〜150万円 急増中
生成AI基盤構築 120〜160万円 急増中・人材不足深刻

SRE/DevOps領域はエンジニア不足が深刻で単価が高止まり。Terraform、Ansible、GitHub Actions、Datadogの経験があると案件獲得で有利。

この指摘は的確。「2年目で月単価100万円」は不可能ではないが、現実的にはかなり稀。私の周囲でも経験5年未満で100万円を安定して取れている人は片手で数えるほど。SNSの成功談だけ信じて見切り発車すると痛い目を見る。 SIerの代表がこう言っている。経験年数と単価の相関は無視できない。地に足をつけた戦略が大事だ。

経験年数別の現実的な単価目安

経験年数 月単価の現実的な目安 必要スキル
1〜2年 50〜65万円 AWS SAA・Linux基礎
3〜5年 65〜85万円 AWS SAP・クラウド設計経験
5〜8年 80〜100万円 マルチクラウド・IaC実績
8〜12年 100〜130万円 SRE/DevOps・アーキテクチャ設計
12年以上 120〜160万円 CTO相当・全社技術戦略

経験2年目で月単価100万円を謳う求人は実在するが、そのような案件には見えない要件(24時間オンコール、大量のドキュメント作成義務等)が含まれていることが多い。契約前の丁寧な条件確認が不可欠だ。

単価が上がる人・上がらない人

知人のソウタ(仮名・35歳)は同じ案件で3年間月単価65万円のまま。オンプレの監視・保守がメインで新しい資格を取る時間を確保していない。

NG例(単価が上がらないパターン):

  • 運用保守だけで現状維持、資格も取らず3年据え置き
  • 1つのクラウドに固執し、他クラウドを学ばない
  • 技術ブログも発信もなく、知名度ゼロのまま

OK例(単価を上げ続けているパターン):

  • 運用保守の傍らAWS SAPを取得、クラウド移行案件にシフトして月単価90万円
  • さらにGCP PCAを取得してマルチクラウド対応、月単価110万円
  • Qiitaやはてなブログで技術記事を月2〜3本発信、直接オファーが増加

「現場で手を動かしているだけか、キャリアを設計しているか」の差が、5年後の年収格差1,000万円以上を生む。

資格取得ロードマップ

ステップ1:AWS SAA(最優先)

インフラエンジニアの基礎。AWSの主要サービス(EC2、S3、VPC、RDS、Lambda等)を理解し、基本的なアーキテクチャ設計ができることを証明する。学習期間1〜2ヶ月。試験費用は15,000円

@SOHOの資格ガイドでも推奨されているが、AWS SAAはインフラ系フリーランスにとって「最低限持っておくべき資格」だ。合格率は公表されていないが、業界では60〜70%と言われている。

ステップ2:AWS SAPまたはSpecialty

プロフェッショナルレベル。ここまで取れば月単価90万円以上の案件に手が届く。学習期間は2〜3ヶ月(SAA保有者なら)。試験費用は30,000円

ステップ3:別クラウド(Azure or GCP)

1つのクラウドを深く理解していれば、他のクラウドの学習は比較的スムーズ。AzureはMicrosoft製品(Active Directory、Office 365)との親和性から、企業インフラ系の案件で需要が高い。GCPはデータ分析・機械学習基盤での需要が旺盛。

ステップ4:CKA(Certified Kubernetes Administrator)

Kubernetesの実技試験。合格率50%前後と難しいが、取得できれば単価は大幅に上がる。コンテナオーケストレーションの需要は伸び続ける。試験費用は395ドル(約55,000円)。

ステップ5(上級):CKS・CKAD・Google PFE等

Kubernetes Security Specialist(CKS)やGoogle Cloud Professional Fellow Engineer(PFE)は取得者が少なく、保有者は月単価130〜160万円以上の案件が舞い込む。

フリーランスインフラエンジニアの日常

平日9時〜18時稼働。週の60%がリモート、40%がクライアント先出社。完全リモート案件も増えているが、インフラはデータセンター作業やセキュリティ要件で出社が求められるケースがある。

障害対応のオンコール(待機)が含まれる案件もある。月単価に含まれているのか、別途手当が出るのか、契約前に必ず確認すること。オンコールが月5〜10回発生する案件と発生ゼロの案件では、精神的な負担が大きく異なる。

案件獲得のコツ

エージェント経由が70%以上。ただしマージンが15〜25%引かれるので、直接取引の比率を上げると手取りが増える。

月単価100万円の案件をエージェント経由(マージン20%)で受けると手取りは80万円。直接取引なら100万円そのまま。年間に直すと差額240万円。これは無視できない金額だ。

@SOHOなら手数料0%で発注者と直接取引。14大分野・99小分野のカテゴリにインフラ構築やクラウド移行の案件も含まれている。ポートフォリオ機能で過去の構築実績をまとめておけば、クライアントの信頼度も上がる。

未経験から始めたエンジニア、そして起業の夢を持って活動開始したフリーランス。正しい勉強や努力を続けていくと、スキルは着実に身についてきます。 — 出典: 初めての「Hello World」から始まったフリーランスランサーズマガジン)

技術ブログやQiitaでの発信も重要。インフラの知見を体系的にまとめた記事を公開しておくと、信頼度が上がるだけでなく直接オファーが来ることもある。月2〜3本の技術記事を6ヶ月続けることで、検索経由の問い合わせが月1〜3件発生するようになった事例も多い。

よくある質問

Q. 実務経験がないと、AWS資格を持っていても無駄ですか?

いいえ、決して無駄ではありません。未経験の方が採用される際、資格は「この人は基礎知識があり、自律的に学習できる意欲がある」という最大の証明になります。資格+個人で構築した実績をポートフォリオにまとめれば、十分にチャンス はあります。

Q. AWSエンジニアは、プログラミングもできないとダメですか?

最近は「Infrastructure as Code(IaC)」と言って、インフラをプログラム(コード)で管理するのが主流です。PythonやGoなどの言語を少しでも知っていると、単価が大幅に上がります。興味がある方は、Webマーケターのフリーランスの始め方 (/blog/web-marketer-hajimekata)などの記事を参考に、周辺領域の知識も少しずつ吸収してみてください。

Q. AWSの学習にはどれくらいの期間が必要ですか?

未経験からSAA(アソシエイト)の取得まで、およそ200〜300時間の学習が必要と言われています。毎日2時間の学習で、3〜5ヶ月程度ですね。子育て中の方は、隙間時間を活用して細切れに学習を積み上げるのが長続きのコツですよ。

Q. 30代・40代からのキャリアチェンジは可能ですか?

はい、可能です。インフラエンジニアの世界では、これまでの社会人経験(論理的思考、調整能力)が非常に高く評価されます。技術面はしっかりと学習して補えば、年齢は決して障害にはなりません。

まとめ

AWSインフラエンジニアフリーランスの単価と資格の効果について、様々なお話をしてきました。

2026年の市場において、AWSスキルはあなたの生活を守り、自由な働き方を叶えてくれる強力な「パスポート」になります。平均月単価60万〜80万円という安定した報酬に加え、資格を武器にステップアップしていく道は、努力が正当に評価される、とてもやりがいのある世界です。

完璧を目指す必要はありません。まずは資格のテキストをめくってみる、あるいは@SOHOでどんな案件があるか眺めてみる。そんな小さな一歩から始めてみてください。お子さんがお昼寝しているその静かな時間が、あなたの新しい未来を創る 貴重な一歩になりますように。応援していますよ。

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この記事を書いた人

岡田 隆志

PMO→フリーランスプロジェクトマネージャー

大手SIerでPMOとして15年間、100件以上のプロジェクトを管理。PMP、G検定、応用情報技術者を保有。フリーランスPMとして活動しながら、IT資格のキャリア戦略を発信しています。

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