イラストの修正回数の相場|ラフ・線画・仕上げ各段階での確認方法 2026


この記事のポイント
- ✓イラスト制作を外注するとき
- ✓修正回数の相場は何回までか
- ✓ラフ・線画・仕上げ各段階での確認方法と
イラストを外注したいけれど、修正のお願いは何回までなら失礼にあたらないのか。追加料金はいつから発生するのか。契約前にそこがはっきりしないまま依頼を進めて、あとで気まずい思いをした経験がある方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、イラスト修正回数の相場は2回までが基本で、大手案件でも5回前後に収まることがほとんどです。この記事では、ラフ・線画・仕上げという制作段階ごとの確認ポイントと、追加料金が発生するラインを具体的に整理していきます。
イラスト修正回数の相場、いま何が起きているか
「これ、知らない人が本当に多いんです」。イラスト制作の外注に関する相談を受けていて、いつも感じることです。修正回数について明確なルールがないまま依頼を進めてしまい、発注者側が「何度でも直してもらえるはず」と思い込んでいたり、逆にイラストレーター側が「あと1回で終わりにしたい」と考えていたりして、認識のズレがトラブルに発展するケースを何件も見てきました。
まず市場全体の相場感を押さえておきましょう。個人のイラストレーターに直接依頼する場合、修正回数の相場は2回までが基本ラインです。1回目はラフ(下描き)段階での大きな方向性の修正、2回目は仕上げ前の細部調整、という流れが一般的です。一方、広告代理店や大手クライアントの案件では、関係者が多く確認フローも複雑になるため、修正回数はだいたい5回前後に収まることが多いとされています。
・イラスト修正の相場は2回までが基本!・大手案件でも、修正は5回前後が一般的・5回を超えると多め、10回以上は追加料金が必須になることがほとんど…・修正回数を減らすコツは、やっぱり最初の準備! 出典: note.com
つまり、修正回数が5回を超えたあたりから「多め」の依頼になり、10回以上になると追加料金の対象になることがほとんど、ということです。これは個人の感覚論ではなく、複数のイラストレーターの実務経験に基づいた相場観として広く共有されています。
なぜこの相場が定着しているのでしょうか。理由はシンプルで、イラスト制作は「ラフ」「線画」「仕上げ」という段階を踏んで進むため、各段階で1回ずつ確認できれば、方向性のズレは十分に解消できるからです。逆に言えば、各段階での確認を怠ったまま最終的な仕上がりだけを見て「イメージと違う」と修正を重ねると、それは制作フローの問題ではなく発注側の準備不足が原因になっている場合が多いのです。
フリーランス保護新法の施行以降、業務委託契約における発注者と受注者の権利義務関係が明確化される流れが強まっています。修正回数についても、契約時点で上限を明記しておくことが、双方にとってのトラブル予防策として重要視されるようになってきました。
制作段階別の確認ポイントと修正相場
イラスト制作を外注する際、いきなり完成品を見て「違う」と感じてしまうのを避けるには、制作段階ごとに区切って確認することが最も効果的です。ここでは3つの段階に分けて、それぞれの確認ポイントと修正回数の目安を解説します。
ラフ(下描き)段階での確認方法
ラフ段階は、イラスト全体の構図・ポーズ・大まかな配置を決める最初のステップです。この段階でのチェックが最も重要だと言っても過言ではありません。なぜなら、ラフ段階での修正は比較的軽微な作業で済むのに対し、線画や仕上げが進んでから構図を変更しようとすると、ほぼ描き直しに近い作業量が発生してしまうからです。
ラフ段階で確認すべき項目は以下の通りです。
・全体の構図(キャラクターの配置、背景との比率) ・ポーズや表情の方向性 ・カラーラフがある場合は配色の大まかなイメージ ・想定している用途(SNS投稿用、印刷物用、Webサイト用など)とサイズ感が合っているか
この段階での修正は1回、多くても2回までに収めるのが理想です。ラフ段階で複数回の大幅な変更を依頼すると、イラストレーター側の作業負担が想定以上に膨らみ、結果的にスケジュール遅延や追加料金の発生につながります。
線画段階での確認方法
ラフが確定したあと、線画(下描きを清書した線のみの状態)に進みます。この段階での修正は、構図そのものを変えるのではなく、線の太さ、パーツの細部(指の本数、髪の流れ、服のシワなど)、キャラクターの表情の微調整が中心になります。
線画段階での確認は、ラフ確定後の1回で完結させるのが基本です。ここで大きな構図変更を依頼すると、線画を描き直すことになり、「ラフの段階に逆戻り」した扱いになってしまいます。多くのイラストレーターは、ラフで確定した内容を前提に線画を進めるため、線画段階での大幅な方向転換は追加料金が発生しやすいポイントです。
仕上げ段階での確認方法
最後の仕上げ段階では、彩色、陰影、質感表現、最終的な調整が行われます。この段階での修正は、色味の微調整や光の当たり方、細部のディテール追加といった、いわば「仕上げの精度を上げるための微調整」が中心です。
仕上げ段階での確認は1回が基本で、多くても2回までが相場です。この段階まで来て「やっぱりポーズを変えたい」「構図を変えたい」といった依頼をすると、実質的に最初から描き直すことになり、当然ながら別途料金が発生します。
このように、ラフ、線画、仕上げの各段階で1〜2回ずつ確認していけば、合計で2〜4回程度の確認で完成に至ります。これが冒頭で紹介した「2回までが基本、大手案件でも5回前後」という相場と一致する理由です。段階を踏まずに完成品だけを見て何度も修正依頼を出すよりも、各段階で丁寧に確認する方が、結果的に修正回数を抑えられるということです。
修正回数が増える原因と、追加料金が発生するライン
イラスト修正の相場感を理解したところで、次に気になるのは「なぜ修正回数が増えてしまうのか」という点でしょう。
私自身の経験や、知り合いのイラストレーターさんから聞いた話にはなりますが…。広告代理店さんや大手クライアントさんの案件でも、修正回数はだいたい5回前後に収まることが多いです! 出典: yurugonomi.com
つまり、規模の大きな案件でも修正回数には上限があり、無制限に修正できるわけではないということです。修正回数が想定以上に増えてしまう主な原因は、次の3つに集約されます。
原因1:依頼内容の言語化が不十分
「かわいい感じで」「かっこよくお願いします」といった抽象的な依頼だけでイラストレーターに丸投げしてしまうと、イラストレーターは限られた情報から解釈して制作を進めることになります。当然、発注者のイメージと完成イラストの間にズレが生まれやすくなり、修正回数が増える最大の原因になります。
原因2:参考資料や指示書の不足
色見本、構図の参考画像、キャラクターの設定資料などを提示せずに依頼すると、イラストレーターは想像で補完せざるを得ません。参考資料が1枚あるかないかで、最終的な修正回数が大きく変わってくることは、複数の制作現場で共通して指摘されている点です。
原因3:確認タイミングの遅れ
前述の通り、ラフ・線画・仕上げの各段階で確認せず、完成間近になってから初めて全体を見て修正依頼を出すと、修正の規模が大きくなりがちです。早い段階で軌道修正しておけば小さな手直しで済んだものが、後半になるほど描き直しに近い作業量になってしまいます。
これらを踏まえると、追加料金が発生するラインは概ね次のように整理できます。
・修正回数2回まで:料金に含まれるのが一般的 ・修正回数3〜5回:案件やイラストレーターによって、含まれる場合と追加料金が発生する場合に分かれる ・修正回数5回超:多くの場合、追加料金の対象になる ・修正回数10回以上:ほぼ確実に追加料金が必須になる
追加料金の相場については、次のような目安が示されています。
A. 多くの場合、1回修正あたり数千円〜1万円前後が相場です。修正量によって変わるので、事前にイラストレーターさんに相談するのが安心です。 出典: yurugonomi.com
つまり、修正1回あたり数千円から1万円前後というのが実務上の相場です。修正の規模(色味の微調整なのか、構図の描き直しなのか)によって金額が変わるため、契約前に「基本料金に含まれる修正回数」と「それを超えた場合の1回あたりの追加料金」を明文化しておくことが、後々のトラブルを避ける最も確実な方法です。
修正回数を減らすための準備と契約時のポイント
修正回数を無理に切り詰めようとするのではなく、そもそも修正が発生しにくい依頼の仕方を身につけることが、発注者にとって最も費用対効果の高い対策です。
依頼時に用意すべき資料
修正回数を減らすコツは、やっぱり最初の準備に尽きます。依頼前に以下の資料を揃えておくことで、イラストレーターとの認識のズレを大幅に減らすことができます。
・完成イメージに近い参考画像(複数枚あるとより伝わりやすい) ・キャラクターの設定資料(髪色、瞳の色、服装、体型などのテキスト情報) ・用途と最終的な使用サイズ(バナー用、印刷物用、SNSアイコン用など) ・NG事項(避けてほしい表現、色使いなど)
これらを事前にまとめた指示書を用意するだけで、ラフの段階での大きな方向転換が発生する確率はかなり下がります。
契約書・見積もりに明記すべき項目
修正回数に関するトラブルの多くは、契約段階で条件を明文化していないことが原因です。私が実際に相談を受けたケースでは、あるフリーランスのイラストレーターが、当初の見積もりに「修正2回まで」と口頭で伝えていたにもかかわらず、発注者から5回、6回と修正依頼が続き、追加料金の交渉が難航してしまった例がありました。※このようなケースでは、事前に書面(メールやチャットのやり取りでも構いません)で修正回数の上限を明記しておくことが重要です。口頭のみの合意はトラブル時に証拠として弱くなります。
契約書や見積もり時に明記しておくべき項目は次の通りです。
・基本料金に含まれる修正回数(段階ごとに何回まで含まれるか) ・修正回数の上限を超えた場合の1回あたりの追加料金 ・「大幅な変更」と「軽微な修正」の線引き(構図変更は別料金、色味調整は無料、など) ・修正依頼の期限(納品後いつまで修正依頼を受け付けるか)
これらをあらかじめ明記しておけば、フリーランス保護新法が求める「業務内容の明確化」の観点からも望ましい契約の形になります。つまり、修正回数のルールを曖昧にしないことは、法律面でも実務面でも発注者と受注者双方を守る仕組みだということです。
直接依頼と仲介経由での修正対応の違い
イラスト制作を依頼する経路には、大きく分けて「クラウドソーシングサイトなどの仲介経由」と「フリーランスへの直接依頼」の2つがあります。仲介経由の場合、仲介手数料が上乗せされる分、同じ予算でも受け取れる制作範囲が狭くなる傾向があります。一方、フリーランスへ直接依頼すれば中間マージンが発生しないため、その分を修正対応の柔軟性や制作クオリティに充てられる余地が生まれます。
もちろん、直接依頼だからといって修正回数の相場そのものが変わるわけではありません。しかし、仲介会社を挟むと、修正依頼の連絡が仲介担当者を経由するため、イラストレーター本人との直接のやり取りに比べて意思疎通に時間がかかるケースが見られます。修正内容を細かく伝えたい場合、直接依頼の方がコミュニケーションのロスが少ない、という実務上のメリットがあります。
依頼先を検討する際は、イラスト制作を専門にするフリーランスの実績や得意分野を確認することも大切です。漫画・同人誌・イラスト制作のお仕事では、イラスト制作を依頼する際に必要な準備や、依頼できる業務範囲の考え方がまとめられています。また、イラストの技術指導やレッスンを依頼したい場合は、イラスト・デザインレッスンのお仕事で、レッスン形式の依頼における相場感を確認できます。
イラスト以外の外注でも共通する「修正回数の考え方」
ここまでイラスト制作に特化して解説してきましたが、修正回数に関する考え方は、実は他の専門職への外注にも共通しています。文章制作、システム開発、デザイン全般など、成果物の完成度が発注者の主観に左右される業務では、同様に「基本料金に含まれる修正回数」を事前に取り決めておくことが重要になります。
例えば、記事執筆やライティング業務を依頼する際も、修正回数の考え方は基本的に同じです。著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、文章制作を担う職種の単価相場データがまとめられており、依頼時の予算感を把握する参考になります。
また、システム開発やソフトウェア制作を依頼する場合も、仕様変更と軽微な修正の線引きが重要になる点はイラスト制作と共通しています。ソフトウェア作成者の年収・単価相場では、開発業務全般の単価データを確認できます。
@SOHO独自データの考察
イラスト制作を含む在宅ワーク・業務委託の外注市場を長く見てきた立場から言えば、修正回数のトラブルが起きやすい発注者には、ある共通した特徴があります。それは「依頼した時点で終わり」と考えてしまい、制作の途中経過を確認する習慣がないことです。
長く良好な関係が続いている発注者ほど、単発の作業依頼としてではなく「この人に任せると安心できる」という信頼関係の構築に時間をかけています。具体的には、ラフ段階での確認を欠かさず、修正依頼を出す際は「ここをこう変えてほしい」という理由まで丁寧に伝える、という地道な積み重ねです。この積み重ねが結果的に修正回数を減らし、双方にとって効率の良い制作フローを作り出しています。
もう一つ、運営者として現場を見てきた中で強く感じるのは、中間マージンが乗らない直接取引には「額面」以上の価値があるという点です。仲介手数料がかからない分、同じ予算でも発注者はより多くの修正対応や追加の相談を頼みやすくなり、受注するイラストレーター側も手取りが厚くなります。手数料0%という数字は単なる金額の話ではなく、双方が「もう少しやり取りを重ねても大丈夫」と思える余裕を生み出すという質的な変化につながっているのです。これは、額面上の予算配分だけを見ていては気づきにくい、現場の実感に基づいた観察です。
イラスト外注においては、契約前に修正回数のルールを明文化し、ラフ・線画・仕上げの各段階で丁寧に確認を重ねることが、結果的に双方の負担を最小化する最も確実な道筋だと言えるでしょう。法律はあなたの味方です。契約内容を明確にしておくことは、決して相手を疑うことではなく、双方が安心して仕事を進めるための土台づくりなのです。
よくある質問
Q. イラストの修正回数の相場は何回までですか?
個人のフリーランスへの直接依頼では2回までが基本相場です。広告代理店や大手クライアント案件でも5回前後に収まることが多く、10回以上になるとほぼ確実に追加料金が発生します。
Q. 修正1回あたりの追加料金はいくらですか?
多くの場合、1回あたり数千円から1万円前後が相場です。色味の微調整か構図の描き直しかによって金額は変わるため、契約前にイラストレーターへ確認しておくと安心です。
Q. 修正回数を減らすにはどうすればいいですか?
依頼前に参考画像やキャラクター設定資料を用意し、ラフ・線画・仕上げの各段階でこまめに確認することが有効です。抽象的な指示だけで丸投げすると修正回数が増えやすくなります。
Q. 修正回数のトラブルを避けるために契約時に決めておくべきことは何ですか?
基本料金に含まれる修正回数、上限を超えた場合の追加料金、大幅な変更と軽微な修正の線引き、修正依頼を受け付ける期限の4点を書面で明記しておくことが重要です。
無料で案件を掲載する
入力は3分ほど。掲載料も取引手数料も0円です。@SOHOに登録しているフリーランス・副業ワーカーから、早ければ当日中に最初の応募が届きます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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