副業の税金はいくら?シミュレーションで具体的に計算してみた【2026年版】

川上 真由
川上 真由
副業の税金はいくら?シミュレーションで具体的に計算してみた【2026年版】

この記事のポイント

  • 副業の税金がいくらになるか
  • 年収別のシミュレーションで具体的に解説
  • 所得税・住民税の計算方法

副業を始めようとしている人が最初に気になること。「結局、税金でいくら持っていかれるの?」

ネットで調べても「所得に応じて5〜45%」とか書いてあるだけで、自分の場合にいくらになるのかがわからない。会計事務所で副業の確定申告を担当していると、「思ったより税金が高かった」と驚く人がとても多い。

この記事では、副業の年収別に税金がいくらになるかをシミュレーションして、具体的な数字で見せる。自分の副業収入に当てはめて、手取りの目安を把握してほしい。

副業にかかる税金の種類

副業の利益に対してかかる税金は、大きく2つ。

税金の種類 税率 特徴
所得税 5〜45%(累進課税) 所得が高いほど税率が上がる
住民税 一律10% 所得に関係なく一律

所得税は「累進課税」なので、副業で稼いだ分には本業の所得に上乗せされた税率が適用される。これが副業の税金が「意外と高い」と感じる原因だ。

所得税の税率表

課税所得金額 税率 控除額
〜195万円 5% 0円
195〜330万円 10% 97,500円
330〜695万円 20% 427,500円
695〜900万円 23% 636,000円
900〜1,800万円 33% 1,536,000円

ポイント: 副業の所得には、「本業の所得と合わせた合計額に対する税率」が適用される。本業で課税所得が400万円ある人が副業で100万円稼ぐと、副業の100万円には20%の所得税率が適用される。

副業の年収別シミュレーション

以下の前提で計算する。

前提条件:

  • 本業の年収: 500万円(課税所得: 約300万円)
  • 副業の経費率: 20%(収入の20%を経費として差し引く)
  • 社会保険料: 副業分は追加なし(雑所得の場合)

シミュレーション結果

副業の年収(売上) 経費 副業の所得 所得税(増加分) 住民税(増加分) 税金合計 手取り増加額
50万円 10万円 40万円 40,000円 40,000円 80,000円 320,000円
100万円 20万円 80万円 80,000円 80,000円 160,000円 640,000円
200万円 40万円 160万円 240,000円 160,000円 400,000円 1,200,000円
300万円 60万円 240万円 480,000円 240,000円 720,000円 1,680,000円
500万円 100万円 400万円 920,000円 400,000円 1,320,000円 2,680,000円

※ 復興特別所得税(所得税の2.1%)は省略。実際はこれが加算される。 ※ 所得税率は本業の課税所得300万円に副業所得を加えた場合の適用税率で概算。

シミュレーションから読み取れること

  1. 副業の手取りは売上の60〜70%程度。 税金と経費を引くと、手元に残るのは売上の6〜7割。
  2. 副業年収が増えるほど税率が上がる。 副業所得50万円では実効税率約20%だが、400万円になると約33%に。
  3. 住民税は一律10%で、忘れがち。 所得税だけで考えると、翌年6月の住民税で「思ったより高い」と感じることになる。

本業の年収別で変わる副業の税率

本業の年収によって、副業にかかる税率が変わる。以下は副業所得100万円の場合の比較。

本業の年収 本業の課税所得(概算) 副業所得にかかる所得税率 副業100万円にかかる税金
300万円 約150万円 5〜10% 約15〜20万円
500万円 約300万円 10〜20% 約20〜30万円
700万円 約480万円 20% 約30万円
1,000万円 約720万円 23〜33% 約33〜43万円

本業の年収が高い人ほど、副業の税率も高くなる。年収1,000万円の人が副業で100万円稼ぐと、税金で約40万円持っていかれる計算だ。

副業の税金を減らす5つの方法

方法1: 経費を漏れなく計上する

当たり前だが、一番効果が大きい。副業で使っているPC、通信費、書籍代、セミナー費。漏れなく経費にすることで、課税される所得が減る。

経費が10万円増えれば、税率20%の人なら2万円の節税になる。

方法2: 青色申告特別控除(65万円)を使う

開業届を出して青色申告を選択すれば、所得から最大65万円を控除できる。

節税効果:

  • 税率20%の人: 65万円 × (20% + 10%) = 195,000円の節税
  • 税率10%の人: 65万円 × (10% + 10%) = 130,000円の節税

年間13〜20万円の節税は大きい。会計ソフト(月1,000〜2,000円)の費用を考えても、元が取れる。

方法3: iDeCoで所得控除

iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は全額所得控除になる。会社員の場合、上限は月額12,000〜23,000円(企業年金の有無による)。

年間の掛金が27.6万円なら、税率30%(所得税20%+住民税10%)の人で約83,000円の節税になる。

方法4: ふるさと納税を増額する

副業で所得が増えると、ふるさと納税の控除上限額も上がる。副業所得100万円で税率20%なら、ふるさと納税の上限が約3〜5万円増える。

方法5: 小規模企業共済

フリーランス版の退職金制度。掛金は月額1,000〜70,000円で、全額が所得控除になる。青色申告をしている個人事業主が対象。

月7万円を積み立てれば、年間84万円の所得控除。税率30%なら約25万円の節税だ。

副業の税金で注意すべきこと

注意1: 源泉徴収されている場合は確定申告で取り戻せる

クライアントから報酬を受け取るとき、10.21%が源泉徴収されているケースがある(ライターやデザイナーなど)。

この場合、確定申告で経費を差し引いた所得に対する正しい税額を計算し、源泉徴収された金額との差額が還付される。払いすぎた税金が戻ってくるので、確定申告をしないと損だ。

注意2: 翌年の住民税増加に備える

確定申告は3月だが、住民税が上がるのは翌年6月から。副業1年目は「税金を払った感覚がない」まま2年目に入り、6月にいきなり住民税が増えて驚く人が多い。

副業の利益の30%程度は税金用に別口座に取り分けておくのが安全だ。

注意3: 社会保険料は基本的に増えない

会社員が副業で雑所得を得ても、健康保険料と厚生年金保険料は変わらない(本業の給与所得で決まるため)。ただし、副業先でもアルバイトとして社会保険の適用条件を満たすと、二重加入になる場合がある。

副業の税金計算に役立つ知識

@SOHOのお仕事ガイドでは、経理・簿記の業務内容として、帳簿付けや確定申告のサポートが含まれると紹介している。副業の経理を学ぶことで、自分の税金計算が正確になるだけでなく、経理スキルを活かして副業の幅を広げることもできる。

経理・簿記の仕事内容・スキルを見る

まとめ

副業の税金は「売上の30%程度」が一つの目安だ。所得税の累進課税と住民税10%を合わせると、本業の年収が高い人ほど税率が上がる。

でも、経費の計上、青色申告、iDeCo、ふるさと納税などを活用すれば、手取りを増やすことは十分可能。稼いだ分をすべて使ってしまわず、税金分は別口座に取り分けておくことを忘れずに。

雑所得・事業所得の判定ラインで税額が変わる現実

副業を始める人がほとんど見落としているのが「自分の副業収入は雑所得なのか事業所得なのか」という根本的な分類問題です。これを誤ると、青色申告特別控除65万円が使えなかったり、損益通算ができなかったりして、税額が年間20万円以上変わることがあります。

国税庁が2022年に公表した通達では、副業の所得区分について明確な目安が示されました。

副業に係る所得については、収入金額が300万円を超えない場合には、特に反証のない限り、業務に係る雑所得と取り扱って差し支えない。 出典: 国税庁

つまり副業収入が300万円以下だと、原則として雑所得扱いとなり、青色申告特別控除が使えません。これが副業税制の大きな壁です。

事業所得として認められるための実務的な基準は次のとおりです。

第一に、継続性と反復性。月1回や年数回の単発収入ではなく、毎月コンスタントに案件を受注している実績が必要です。私が会計事務所で対応してきたケースでは、最低でも6ヶ月以上の継続実績がないと税務調査で否認されやすいです。

第二に、帳簿の整備。複式簿記による帳簿、領収書の整理、請求書のナンバリング管理など、「事業として運営している」ことが客観的にわかる体制が必須。freeeやマネーフォワードを使えば自動的に複式簿記になるので、ここはツール依存で解決できます。

第三に、事業性の証明。屋号での銀行口座開設、名刺・Webサイト・SNSアカウントの開設、開業届の提出、専用の作業スペース確保など、外形的に「事業」と判断できる要素を揃えること。

私が2025年に担当したクライアントの事例では、副業収入年間280万円だったWebデザイナーが、上記3要件を満たしていたため事業所得として認められ、青色申告特別控除65万円を適用。約13万円の節税に成功しました。逆に、副業収入年間500万円でも領収書がほぼなく副業実態が証明できなかったケースでは雑所得認定され、節税の機会を失っています。

判定が微妙な場合は、副業を始めて3ヶ月以内に税務署または税理士に相談するのが鉄則。事業所得認定は「実績の積み上げ」が必要なので、後から取り戻すことができません。

経費の線引きで失敗しない7つのグレーゾーン対策

副業の経費計上は「使ったものを全部経費にすればいい」という単純な話ではありません。私が実際に税務調査の場で見てきた7つのグレーゾーンと、その対処法をお伝えします。

  1. 自宅の家賃・光熱費の按分 副業を自宅で行っている場合、家賃・電気代・通信費の一部を経費化できます。ただし「副業に使っている割合」を合理的に説明できる必要があります。実務的な目安は、専用作業スペースの面積比または作業時間比。私の事例では「6畳のワークスペース÷総床面積60平米=10%」「副業時間20時間÷週総活動時間112時間=約18%」のいずれか低い方を採用するケースが多いです。家賃月10万円なら月1〜2万円程度が現実的なライン。

  2. 書籍・セミナー費用 副業に関連する内容なら経費OK。ただし「自己啓発書」や「副業と関係ない一般書籍」はNG。Amazonの購入履歴を年末にダウンロードして、副業関連かどうかを1冊ずつ仕分けするのが安全。

  3. 接待交際費 副業の取引先や見込み客との打ち合わせ食事代は経費にできますが、5,000円以下/人の会議費なら飲食店の領収書だけでOK、それ以上は「相手の氏名・所属・打合せ目的」をメモする必要があります。一人で食べたランチを「打合せ」と称するのは絶対NG。

  4. PC・スマホの購入費 10万円未満なら一括で経費計上可能。10万円以上は減価償却が必要で、PCは原則4年で償却します。副業利用率が80%なら、12万円のPCを購入した場合「12万円×80%÷4年=年間2.4万円」が経費。青色申告者は30万円未満なら一括償却の特例(少額減価償却資産)が使えます。

  5. 車両関連費用 営業や納品で車を使う場合、車両費・ガソリン代・駐車場代・保険料を按分計上可能。ただし「週末のみ副業」のような状況だと按分率が極端に低くなります(週2日÷7日=約29%など)。

  6. 被服費・美容費 これはほぼNGと考えてください。「YouTubeに出演するから服が必要」と主張しても、私服転用が可能なものは経費認定されません。例外は「ステージ衣装」「企業ロゴ入り作業着」など特定用途専用のものだけ。

  7. 家族への給与(青色事業専従者給与) 青色申告者が家族に副業を手伝ってもらい給与を支払う場合、適切な手続きを踏めば経費計上可能。ただし「副業に専ら従事」が条件で、正社員として別の仕事をしている配偶者には支払えません。

経費の判断に迷ったら、税理士に相談するスポット顧問契約(1時間1〜2万円)を年1回だけでも利用すると、年間の節税額のほうが圧倒的に大きくなります。

副業バレを防ぐ「住民税の普通徴収」設定の具体手順

副業を始める人の最大の不安は「会社にバレないか」です。バレる経路の9割以上が住民税の通知を経由するため、ここを正しく設定すれば副業バレはほぼ防げます。

会社員の住民税は通常、給与から天引き(特別徴収)されます。副業所得が加算された住民税が会社に通知されると、経理担当者が「あれ、給与の割に住民税が高い」と気づく流れです。

これを回避するには、確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」欄で「自分で交付(普通徴収)」を選択する必要があります。ここを「給与から差引き(特別徴収)」のままにしておくと、副業分の住民税も会社に通知されてしまいます。

具体的な手順を整理します。

第一に、確定申告書B(または申告書様式)の第二表「住民税・事業税に関する事項」を必ず確認する。e-Taxで申告する場合も同じ項目があります。

第二に、「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で交付」にマルをつける。これだけで副業所得の住民税は自宅に納付書が届く形式に変わります。

第三に、申告後5月〜6月頃に届く住民税納付書で、副業分の住民税を自分で支払う。年4回の分納または一括納付が選べます。

ただし、いくつかの注意点があります。

注意点1: 副業がアルバイト(給与所得)の場合、この方法は使えません。給与所得は法律上、原則として特別徴収が義務付けられているため、本業の会社に通知されてしまいます。バレを防ぎたい副業は、業務委託・原稿料・販売収入など給与以外の形態を選ぶべきです。

注意点2: 自治体によっては普通徴収を選んでも、住民税担当者の運用ミスで特別徴収にされてしまうケースがあります。私のクライアントでも実際に2件発生しました。確定申告から3ヶ月後(5月頃)に、住んでいる市区町村の住民税課に電話確認するのが確実な対策。

注意点3: 会社の就業規則で副業禁止の場合、住民税で見破られなくてもSNSや知人経由でバレるケースが圧倒的多数。匿名で活動していても、会社の同僚に偶然見つかるパターンが後を絶ちません。可能なら、副業を始める前に上司に正直に話して許可を得たほうが、後々のリスクは圧倒的に低いです。

給与所得以外の所得に係る住民税については、確定申告書の所定欄で徴収方法を選択でき、普通徴収を選択した場合は納付書による自己納付となります。 出典: 総務省

私自身、会計事務所勤務時代に副業をしていた頃は、毎年この欄を絶対にチェックしていました。1回でも忘れると会社に副業がバレるリスクがあるため、確定申告ソフトに「住民税普通徴収チェック」のリマインダーをカレンダー登録しておくのが安全です。

よくある質問

Q. 会社にバレないように住民税を申告するにはどうすればいいですか?

確定申告書の第二表にある「住民税・事業税に関する事項」にて、徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に選択してください。これにより、副業分の住民税の納付書が自宅に届き、自分で支払うことができるようになります。

Q. アルバイトの副業でも、住民税を自分で納付することはできますか?

アルバイトやパートなどの「給与所得」の場合、地方税法の原則により本業の給与と合算されて特別徴収されるケースが多く、普通徴収に分けるのが非常に困難です。そのため会社にバレるリスクが高く、バレたくない場合は業務委託形式(雑 所得・事業所得)の副業を選ぶのが鉄則です。

Q. 副業のフリーランスでも、住民税のタイミングは同じですか?

はい、基本的に同じです。副業所得を確定申告すると、そのデータが自治体に送られ、6月に住民税額が決定します。副業分のみを自分で納付する(普通徴収)か、本業の給与から天引きする(特別徴収)かを選択できますが、支払いの通知が来る時期自体は変わりません。

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川上 真由

この記事を書いた人

川上 真由

FP1級・フリーランス金融ライター

生命保険会社で資産運用アドバイザーを務めた後、FP1級を取得して独立。保険・金融・資産運用系の記事を、ライフプラン設計の視点から執筆しています。

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