freee前年度確定申告のデータを引き継ぐ手順!ミスを防いで時短する設定

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
freee前年度確定申告のデータを引き継ぐ手順!ミスを防いで時短する設定

この記事のポイント

  • freee前年度確定申告のデータ確認・修正・引き継ぎ方法を完全網羅
  • 年度締め設定や試算表の見方
  • フリーランスが押さえるべき実務ポイントを客観的データとともに解説します

「freeeで前年度の確定申告書を見返したいけど、画面のどこを開けばいいのか分からない」「去年の数字を今年に引き継ぐ設定って必要なの?」。フリーランスや個人事業主から、こうした相談を受ける機会が増えています。結論から言うと、freeeでは前年度データの参照・修正・引き継ぎはすべて「年度切替」と「年度締め」の2機能で完結します。ただし、操作手順を間違えると当年の試算表に去年の数値が混入したり、修正申告のタイミングを逃すリスクがあるため注意が必要です。本記事では、freee会計(個人版)における前年度確定申告の取り扱いを、画面操作と税務実務の両面から整理します。

マクロ視点で見る、freeeユーザーの確定申告事情

国税庁が公表している「令和5年分 申告所得税の確定申告状況」によると、所得税の確定申告書を提出した人数は約2,300万人。このうち、e-Taxを利用した申告は全体の約70%に達しています。

令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書の提出人員は、e-Tax利用が大幅に増加し、納税者の利便性向上が進んでいる。

このうち、freeeやマネーフォワード、弥生といったクラウド会計ソフトを利用しているフリーランスの割合は、業界調査ベースで約60%と推計されています。特にfreeeは個人事業主向けシェアで上位を占めており、確定申告期になると「前年度のデータをどう扱うか」という質問がサポート窓口に集中する傾向が見られます。

freeeの場合、データはクラウド上に保管されるため、PCを買い替えても、ソフトをアンインストールしても、過去の確定申告書や帳簿はアカウントに紐づいて残り続けます。これがクラウド会計の最大のメリットですが、一方で「画面にどう表示させるか」「どの年度を編集対象にするか」という操作知識がないと、せっかくのデータを活用できません。

なお、フリーランスの会計ソフト選びの全体像については、2026年版|フリーランスのクラウド会計ソフト比較|freee・マネーフォワード・弥生で各社の機能と料金を比較しています。乗り換えを検討する場合は、データ引き継ぎの可否も含めて確認しておきたいところです。

freeeで前年度の確定申告書を表示する3つの方法

freee会計(個人版)で前年度の確定申告書を見るには、画面上部の「年度切替」を使うのが基本です。具体的には以下の3つのルートがあります。

1. 年度切替メニューから直接ジャンプ

ヘッダーメニューの右上にある年度表示(例: 「2025年度」)をクリックすると、過去年度の一覧が表示されます。閲覧したい年度を選択すれば、その年度のデータがアクティブになり、確定申告メニューから「確定申告書類の作成」を開くと、当時提出した申告書がそのまま再表示されます。

ここで注意したいのが、年度を切り替えた状態のまま当年の取引を入力してしまう事故です。freeeは画面の左上に現在編集中の年度を常時表示していますが、複数タブで作業している人ほど見落としやすいポイントです。私が経理代行で関わった案件でも、「気づいたら去年の年度に当年の請求書データを20件入力していた」というトラブルが起きたことがあります。修正は可能ですが、消費税の課税期間判定がズレる原因になるため、年度切替後は最初に画面右上の年度表示を必ずチェックしてください。

2. レポートメニューから前年度の試算表を確認

「前年度の試算表を見ることはできますか?」という質問はfreeeヘルプセンターでも頻出しています。試算表を開く手順は次のとおりです。

  1. 画面左メニューの「レポート」を開く
  2. 「月次推移」または「試算表」を選択
  3. 期間設定で「前年度」または具体的な日付範囲(例: 2024/01/01〜2024/12/31)を指定

この方法であれば、年度切替を行わずに当年度のままで前年度の数値を確認できます。当年の入力作業を中断せずに済むため、税理士やレビュアーと数字を突き合わせる場面では、こちらのほうが安全です。

3. 確定申告メニューから過去の申告書PDFを取得

freeeでは、過去に作成した確定申告書のPDFも保存されています。「確定申告」→「確定申告書類の作成」→年度を選択→「PDF出力」の手順で、税務署に提出したものと同じ書類を再ダウンロードできます。住宅ローン控除の継続適用や、行政手続きで前年度の所得証明として求められた場合に重宝します。

freeeの「年度締め」とは何か。締めるべきか、締めないべきか

freeeには「年度締め」という機能があります。これは、確定申告書を提出して数字が確定した年度に対して、誤って取引を追加・修正できないようロックをかける機能です。

年度締めをするメリット

年度締めを行うと、その年度内の取引登録・編集・削除がブロックされます。確定申告書を提出した後に、当時の取引を間違って書き換えてしまう事故を防げるため、複数人で経理を担当している事業者や、税理士と顧問契約を結んでいるフリーランスには推奨される設定です。

年度締めをしない選択肢もある

一方で、freeeのヘルプにも記載されているとおり、年度締めは必須ではありません。むしろ、確定申告後に経費の追加計上が発覚したり、取引先からの請求書が遅れて届いたりする実務上のトラブルを考慮すると、申告期限から数か月は締めずに様子を見る運用が無難です。

経験則として、3月15日の申告期限直後ではなく、5月の連休明けあたりで年度締めをする方が安全です。これは、4月に届く各種支払調書や、年度末ギリギリの取引精算が落ち着くタイミングを待つためです。

年度締めの解除方法

万が一、締めた年度を再編集したい場合は、「設定」→「事業所の設定」→「年度設定」から該当年度の「締め解除」を選択します。解除には管理者権限が必要なので、複数ユーザーで運用している事業所は権限設定を事前に確認しておきましょう。

前年度の確定申告に誤りがあった場合の修正手順

確定申告書を提出した後で、経費の計上漏れや収入の二重計上に気づくケースは少なくありません。freeeでは、修正の方法が「修正申告」「更正の請求」の2パターンに分かれます。

税額が増える場合は「修正申告」

申告した税額より本来の税額が多かった場合(=追加納税が必要な場合)、修正申告を行います。freeeでは前年度に切り替えた状態で、確定申告書類の作成画面から「修正申告」のフラグを立てて再作成します。修正後の差額は、原則として速やかに納付する必要があります。延滞税が発生する可能性もあるため、気づいた時点で早めに対応すべきです。

税額が減る場合は「更正の請求」

逆に、本来の税額より多く納めていた場合(=還付を受けられる場合)は、更正の請求という手続きを取ります。請求できる期限は、原則として法定申告期限から5年以内です。freeeで該当年度に切り替え、確定申告書類の作成から「更正の請求書」を選択することで、専用の様式で書類を作成できます。

修正の際に陥りがちな失敗

正直なところ、修正申告で一番多いミスは「当年度のfreeeで前年度の取引を編集してしまう」というパターンです。年度切替をせずに、当年度の画面のまま日付だけ前年に変更して仕訳を入れると、データ上は前年度の取引として記録されますが、当年度の試算表には反映されないため、整合性のチェックが極めて困難になります。

修正申告・更正の請求のいずれも、必ず該当年度に切り替えてから操作することが鉄則です。確定申告に関するfreeeのAI仕訳機能の活用法については、freee 確定申告 AI 自動仕訳で詳しく整理しています。

前年度から当年度へデータを引き継ぐ仕組み

freeeでは、年度をまたいでデータが自動的に引き継がれる仕組みになっています。手動で「引き継ぎ作業」を行う必要は基本的にありません。

自動で引き継がれる項目

  • 固定資産台帳: 減価償却資産は自動で当年度に繰り越されます
  • 未払金・前受金などの貸借対照表科目: 期末残高がそのまま期首残高として翌年度に反映されます
  • 銀行口座・クレジットカードの連携: 連携設定は年度をまたいで継続します
  • 取引先マスタ・品目マスタ: 一度登録した取引先は、年度を切り替えても残ります

自動で引き継がれない項目

  • 仕訳パターンや自動登録ルール: 一部のルールは年度ごとに見直しが必要な場合があります
  • 手動で作成した試算表のレポート設定: 年度ごとに保存形式が異なるケースがあります
  • 税区分の設定: インボイス制度のような税制改正があった年は、設定の見直しが必須です

特にインボイス制度施行後の2024年分以降の確定申告では、適格請求書発行事業者の登録番号や、2割特例・8割控除の選択といった新しい設定項目が増えています。前年度の設定をそのまま使い回すのではなく、毎年1月の年度初めに税区分・消費税設定を確認する習慣をつけたいところです。

国税庁のインボイス制度に関する案内も併せて確認すると、freee側の設定項目との対応関係が理解しやすくなります。

前年度データを参照しながら当年度の作業効率を上げるコツ

複数年度のデータを行き来する作業は、慣れていないと時間を浪費します。実務で時短につながる小ワザをいくつか紹介します。

ブラウザのタブを年度ごとに分ける

freeeはブラウザベースのため、別タブで別年度を開くことが可能です。「左タブ=当年度の入力」「右タブ=前年度の参照」と役割を分けると、年度切替の手間が省けます。ただし、タブを跨いで取引を入力する際は、必ず保存ボタンを押してから別タブに切り替えてください。下書き状態のままタブを閉じると、入力内容が失われるリスクがあります。

月次推移レポートを前年比較で開く

レポートメニューの「月次推移」では、当年度と前年度を並べて表示する設定が可能です。売上の前年同月比や経費の増減を視覚的に把握できるため、確定申告の事業概況説明書を作成する際にも役立ちます。

年度初めに「前期繰越」の数値を必ずチェック

freeeは前年度の期末残高を自動で当年度の期首残高に引き継ぎますが、この数値がズレていると当年度全体の試算表が狂います。年度初めには必ず、前年度の貸借対照表の期末残高と、当年度の期首残高が一致しているかを確認してください。差額が出ている場合、前年度の年度締め前に追加の修正が入っていない確認すべきです。

freeeの公式ヘルプはfreee公式サイトから各種マニュアルにアクセスできます。

前年度の確定申告データを税理士やコンサルと共有する場合

フリーランスでも、確定申告の規模が大きくなったり、青色申告特別控除65万円を確実に取りたい場合に、税理士や経理代行に相談するケースが増えてきます。freeeでは、前年度のデータを共有する方法として以下が用意されています。

メンバー招待による共同編集

freeeの設定から「メンバー」機能を使い、税理士のメールアドレスを招待することで、同じ事業所データを複数人で閲覧・編集できます。権限は「管理者」「一般」「閲覧のみ」など細かく分けられるため、税理士には閲覧権限だけ渡す運用も可能です。

CSVエクスポートでの受け渡し

メンバー招待が難しい場合は、レポートや仕訳帳をCSVエクスポートしてメールで送る方法もあります。ただし、機密性の高い財務データをメール添付で送るのはセキュリティリスクが高いため、できる限りクラウド共有の方が安全です。

経理代行への委託も選択肢

確定申告のたびに「freeeの操作が分からない」「どの仕訳が正しいか不安」と感じるなら、経理代行に部分的に依頼するのも一案です。クラウドソーシングを利用すれば、月次の記帳代行から年次の決算サポートまで、必要な範囲だけを切り出して発注できます。具体的な業務内容は経理・財務・帳簿・税務のお仕事にまとまっています。

会計・経理職の単価相場については、著述家,記者,編集者の年収・単価相場とは別軸で、専門職としての需要が安定しているのが特徴です。

freee以外の選択肢を検討すべきタイミング

正直なところ、freeeはフリーランスにとって優秀なツールですが、事業規模や業種によっては、他社サービスのほうがフィットする場合もあります。

マネーフォワードに乗り換える人の動機

マネーフォワードクラウド会計は、銀行・カード連携の安定性で評価されています。日々の取引明細の自動取得を最重視するなら、選択肢に入ります。詳細はfreee vs マネーフォワード vs 弥生|2026年最新比較|フリーランスにベストな会計ソフトで各社のメリット・デメリットを比較しています。

クラウド会計ソフトを利用する個人事業主は年々増加傾向にあり、銀行口座連携やAI仕訳機能の活用が定着しつつある。

弥生オンラインへ戻る人もいる

弥生は中小企業会計の老舗で、freee・マネーフォワードよりもデスクトップ時代のUIに近い感覚で操作できます。年配の税理士からは「弥生が一番分かりやすい」という声も根強くあります。

乗り換え時のデータ移行は要注意

ただし、freeeから他社に乗り換える際、過去年度のデータを完全な形で移行するのは現実的に難しいです。CSVで仕訳帳をエクスポートして取り込む方法はありますが、税区分や品目の対応関係が崩れるケースが多く、移行年は両ソフトを並行運用するのが現実的です。

記帳代行の単価相場

月次の記帳代行(仕訳50〜100件規模)は、1事業所あたり月額1万〜3万円が中心レンジです。仕訳件数が増えるほど単価は上がる傾向にありますが、freeeのようなクラウド会計を使えば、自動仕訳機能の活用で工数を大幅に削減できます。

確定申告サポート案件の特徴

確定申告期(1〜3月)は、フリーランスや個人事業主からのスポット案件が急増します。1件あたりの報酬は2万〜5万円が相場ですが、青色申告の複式簿記や、不動産所得・株式譲渡所得が絡むケースでは10万円を超える案件も見られます。

案件単価を高めるために必要なスキル

会計ソフトの操作スキルだけでなく、税法の知識、業種別の経理ノウハウ、freeeやマネーフォワードのAPI連携スキルが揃っていると、単価交渉で優位に立てます。マーケティングや業務効率化の文脈での案件は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事でも近接領域として扱われています。

マッチング型プラットフォームの優位性

会計・税務の専門職は、リピート率が高く長期取引になりやすいため、手数料が積み重なる影響が大きい領域です。「どこで案件を探すか」というプラットフォーム選びは、年収に直結する重要な判断ポイントになります。

なお、IT・ソフトウェア領域の単価動向はソフトウェア作成者の年収・単価相場、関連資格としてはビジネス文書検定CCNA(シスコ技術者認定)も、フリーランスとしてのスキル証明に役立ちます。会計関連の業務でも、ITリテラシーがある程度求められるため、こうした資格を組み合わせて差別化を図る人も増えてきました。

また、コンテンツ制作や音響系のフリーランスにとっては作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のように専門特化した分野で活躍する道もあり、各分野で「自分のキャリアをどこに置くか」を客観的なデータで判断する時代になっています。

よくある質問

Q. 利益が 20万円 以下なら確定申告は不要ですよね?

所得税の確定申告については、会社員で副業の雑所得が20万円以下であれば不要というルールがあります。しかし、 「住民税」にはその20万円ルールの特例はありません。 利益が 1円 でもあれば、お住まいの市区町村役場へ住民税の申告を行う法的義務があります。これを怠ると、後に発覚して無申告加算税の対象となります。

Q. フリーランスの税務調査が来やすいのは何年目からですか?

開業から3〜5年目に最初の調査が入りやすい傾向があります。これは事業が安定し、免税事業者から課税事業者に切り替わるタイミングと重なるためです。

Q. フリーランスが税務調査に入られる確率はどのくらいですか?

売上規模や業種によって異なりますが、一般的には数パーセント程度と言われています。ただし、不自然な経費計上や売上の急激な変動がある場合は調査の対象になりやすいため、日々の正確な記帳が不可欠です。

Q. 税務調査が来やすいフリーランスの特徴はありますか?

売上が急激に伸びている、経費の割合が同業他社と比べて極端に高い、毎年赤字申告を繰り返している、といった事業者は、AIによるスクリーニングで異常値として抽出されやすく、調査対象になりやすい傾向があります。

Q. 住民税だけを「申告不要」にする制度はまだ使えますか?

いいえ、2024年(令和6年)以降の申告からは、所得税と住民税で異なる課税方式を選択することはできなくなりました。所得税で申告した内容は、必ず住民税にも反映されます。

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朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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