占いサービスの広告で言ってはいけないこと|開運・当たる表現と景表法 2026

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
占いサービスの広告で言ってはいけないこと|開運・当たる表現と景表法 2026

この記事のポイント

  • 占い広告の表現規制を景品表示法・特定商取引法・ステマ規制の観点から解説
  • 「絶対当たる」「必ず開運」がNGな理由と
  • LINE広告など媒体基準に沿った適法な広告文の作り方を整理します

占いサービスの広告を作ろうとして、「絶対当たる」「必ず幸せになれる」といった表現をどこまで使っていいのか迷っていませんか。結論から言うと、占いの広告表現は景品表示法・特定商取引法・そして2023年に施行されたステルスマーケティング規制という複数の法律にまたがって規制されており、「効果を断定する表現」は基本的にすべてNGです。この記事では、占い広告で避けるべき具体的な表現と、適法に集客するための実務的なチェックポイントを整理します。

占い広告を取り巻く現状。なぜ規制が強まっているのか

占い市場は決して小さくありません。対面鑑定、電話占い、チャット占い、占いアプリと形態は多様化し、SNS広告やアフィリエイト経由での集客も一般化しています。一方でこの数年、消費生活センターへの相談件数の増加を背景に、行政・広告媒体側の目は明確に厳しくなっています。

背景にあるのは大きく3つの要因です。第一に、占いというサービスの性質上、効果を客観的に検証できないという点です。「当たる」かどうかは受け手の主観に左右されるため、断定的な効果表示は消費者に過大な期待を抱かせやすく、景品表示法が問題視する「優良誤認表示」に該当しやすい構造を持っています。第二に、電話占いやチャット占いで多発してきた「最初の数分無料」から高額請求に至る料金トラブルです。第三に、SNSでの「体験談風」投稿やインフルエンサーによる紹介が、実際には広告であるにもかかわらずそれを隠して行われる、いわゆるステルスマーケティングの温床になりやすいという事情があります。

2023年10月にステルスマーケティング規制が景品表示法の指定告示として施行されて以降、占いジャンルはSNSでの体験談風広告が多いこともあり、実務上とくに注意喚起される分野のひとつになっています。広告媒体側も対応を強めており、LINE広告のヘルプページでは占いカテゴリの広告掲載基準が個別に明記されるようになりました。事業者側からすると、「昔から使っていた煽り文句が急に審査落ちするようになった」という感覚を持つケースが増えているのが実情です。

一方で、占いサービスはユーザーの「悩み」や「希望」「不安」に直接アプローチする性質上、法的トラブルやクレームに発展するリスクも抱えています。たとえば、料金の不透明さや誇大広告、あるいは医療行為に踏み込むような表現などは、消費者トラブルを誘発しやすい要因となり得ます。 出典: it-bengosi.com

この一文が示す通り、占い広告の問題は単発の表現ミスではなく、料金設計・鑑定内容・広告表現がセットでトラブルの火種になりやすい、という構造的な特徴があります。広告を作る側は「効果を盛る」発想ではなく「誤解を生まない」発想に切り替える必要があります。

占い広告に適用される主な法律

占い広告は単一の法律だけでなく、複数の法律が重層的に適用されます。順番に見ていきましょう。

景品表示法。優良誤認表示の禁止

景品表示法は、商品・サービスの品質や効果について実際よりも著しく優れていると誤認させる表示、いわゆる優良誤認表示を禁止しています。占いにおいては「絶対当たる」「100%的中」「必ず幸せになれる」といった、効果を断定・保証する表現がこれに該当しやすいと考えられます。

占いの鑑定結果は本質的に主観的なものであり、科学的・統計的に効果を実証することができません。にもかかわらず断定的な表現を使うと、消費者は「客観的な根拠がある」と誤認してしまいます。これが優良誤認表示として問題視される理由です。

特定商取引法。電話占い・チャット占いの料金表示

電話占いやチャット占いのように、通信手段を使って役務を提供する形態には特定商取引法が適用されます。とくに問題になりやすいのが料金表示です。「最初の3分間無料」とだけ大きく表示し、その後の課金体系や単価を分かりにくくする表示は、特定商取引法が求める料金の明確な表示義務に抵触するおそれがあります。

電話占いやチャット占いなどでも、「最初の数分は無料」と謳いながら実際には高額な料金を請求するといったケースは、特定商取引法の違反になる可能性が高いです。ユーザーが誤解しないよう、料金の内訳や条件をしっかりと記載しましょう。 出典: it-bengosi.com

実務では「初回3分無料。以降1分220円(税込)」のように、無料範囲と課金開始のタイミング、単価をワンセットで表示するのが基本です。無料の文字だけを大きくし、課金条件を小さな注記に押し込む表示は、たとえ形式上は記載していても実質的に誤認を招く表示として指摘対象になり得ます。

ステルスマーケティング規制。「体験談」に見せかけた広告の禁止

2023年10月施行のステルスマーケティング規制により、事業者が対価を払ってインフルエンサーに投稿させた内容を、広告だと分からない形で発信することが景品表示法違反になりました。占いジャンルはInstagramやXでの「当たった体験談」風投稿との親和性が高く、この規制の直撃を受けやすい分野です。

対策はシンプルで、対価提供のある投稿には必ず「#PR」「広告」などの明示を入れることです。投稿主体が事業者自身なのかインフルエンサーなのかにかかわらず、第三者から見て広告だと判別できる表示が必須になります。

医療広告との境界線。断定的な体調改善表現に注意

占いの鑑定内容が「あなたの体調不良は霊障が原因」「この占いで病気が治る」といった医療行為を連想させる表現に踏み込むと、医薬品医療機器等法(薬機法)や医療広告ガイドラインの規制対象領域に接触するリスクがあります。占いはあくまで娯楽・自己理解のためのサービスであり、疾病の診断や治療効果を示唆する表現は避けるべきです。

「当たる」「絶対」はどこまでNGなのか。具体的な表現例

ここが最も実務的に迷うポイントです。すべての表現を機械的にNGにする必要はありませんが、断定と誇張の境界線を意識する必要があります。

避けるべき表現の具体例

  • 「絶対当たる」「100%的中」のような、効果を数値・断定語で保証する表現
  • 「必ず幸せになれます」「確実に運命の相手が見つかります」のような、未来の結果を保証する表現
  • 「霊視でガンが治った」「占いで病気が治りました」のような、医療効果を示唆する表現
  • 「業界No.1」「日本一当たる占い師」のような、客観的根拠のない最上級表現
  • 実在しない、あるいは検証不能な「的中率98%」といった具体的数値の表示

使ってよい表現の考え方

一方で、「占いを通して前向きな気持ちになれた」「多くの方から高い評価をいただいています」といった、主観的な満足感や利用者の声としての紹介は、断定表現を避けつつ魅力を伝える方法として比較的リスクが低いとされています。ポイントは「事業者が効果を保証する」のではなく「利用者の感想として紹介する」形に言い換えることです。ただし利用者の声を紹介する場合も、やらせやステマにならないよう実際の声であることが前提になります。

科学的・医学的・法的なアドバイスではない旨を明記し、ユーザーによって感じ方や受け止め方は様々であり、鑑定結果は100%の正解ではないことを示し、ユーザーが誤った期待を抱かないよう配慮することが必要です。さらに、事業者とユーザー間のトラブルを回避するために、免責事項として「利用者が占い結果をどう活用するかは自己責任である」という趣旨を明示しておくことも有効です。 出典: it-bengosi.com

つまり、広告文に免責の一文を入れること自体が、単なる法務対策ではなく利用者保護の観点からも推奨される実務ということです。正直なところ、「絶対当たる」を売り文句にしてきた事業者にとっては痛い話ですが、これは規制強化の流れが不可逆である以上、避けて通れません。

広告媒体ごとの掲載基準。LINE広告のケース

自社サイトの表現をクリアしても、広告を出稿する媒体側の審査基準に引っかかるケースは少なくありません。とくにLINE広告は占いカテゴリの掲載基準を個別に公開しており、業界内では審査リファレンスとして参照されることが多い媒体です。

LINE広告のヘルプページでは、占いに関する広告について、断定的な表現や誇大な表現、根拠のない最上級表現の禁止が明記されています。またGoogle広告やMeta広告(Facebook・Instagram広告)でも、金融商品や医療と並んで占いは「デリケートなカテゴリ」として扱われることがあり、審査が厳しくなる、あるいはそもそも一部の広告フォーマットで出稿できないといった制約が課されることもあります。

広告代理店や運用担当者としては、媒体ごとの掲載基準を横断的に把握しておくことが実務上重要です。ここで求められるのは単なる著作力ではなく、法律と各媒体のガイドラインを突き合わせて広告文を設計するリサーチ力です。実際にリスティング・ディスプレイ広告のお仕事では、こうした業界特有の審査基準への理解が運用代行の付加価値になっている実態が紹介されています。占いジャンルの広告運用は一般的な物販広告よりも審査対応の専門性が求められるため、経験者への発注ニーズが根強く存在する分野です。

違反した場合に想定されるリスク

表現規制を軽視した場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。

措置命令と課徴金納付命令

景品表示法違反が認定されると、消費者庁または都道府県から措置命令が出され、違反した表示の取りやめや再発防止策の実施、一般消費者への周知が求められます。悪質な場合は課徴金納付命令の対象にもなり、対象商品・サービスの売上額の一定割合を課徴金として納付しなければなりません。

広告アカウントの停止

法律違反まで至らなくても、広告媒体の掲載基準に違反した広告は審査落ち、あるいは掲載後の強制停止の対象になります。繰り返し違反すると広告アカウント自体が停止されるケースもあり、集客チャネルを一つ丸ごと失うことになります。これは中小事業者にとって、罰金以上に事業継続を脅かすダメージになり得ます。

消費者トラブルと風評リスク

料金トラブルや誇大広告への不満は、SNSでの拡散や口コミサイトへの投稿という形で表面化しやすく、一度失った信頼を取り戻すのは容易ではありません。占いというジャンルは利用者の心理的な距離が近いサービスであるため、裏切られたと感じた顧客の反応は他業種よりも強く出る傾向があります。

適法な広告文を作るための実務チェックリスト

ここまでの内容を踏まえ、占い広告を作成・審査する際にチェックすべきポイントを整理します。

  • 効果を断定する語(絶対、必ず、100%、確実に)を使っていないか
  • 「的中率」「業界No.1」など、客観的根拠のない数値・最上級表現を使っていないか
  • 医療効果を示唆する表現(治る、改善する等)が入っていないか
  • 無料の範囲と課金開始条件、単価が明確に、かつ同じ視認性で表示されているか
  • 免責事項(鑑定結果は100%の正解ではない旨、自己責任である旨)が明記されているか
  • インフルエンサーやアフィリエイターに依頼する投稿に、広告である旨の明示があるか
  • 出稿予定の広告媒体(LINE広告、Google広告、Meta広告など)の掲載基準を個別に確認したか

とくに最後の項目は見落とされがちです。自社の法務チェックをクリアしても、媒体側の審査基準は別物であるため、出稿前には必ず両方を確認する必要があります。

独自データ考察。占い関連の副業案件から見える市場の実態

占いというジャンルは、鑑定業務そのものだけでなく、広告表現の専門性が求められることから周辺の副業・業務委託案件も増えています。実際に夢占い・ペット占い・霊視のお仕事では、占いスキルを持つ人材が鑑定業務や記事執筆で活躍する場が紹介されており、需要のあるニッチ領域であることがうかがえます。

一方で、占い事業者がSNS集客を強化する動きに合わせて、SNS運用代行・SNS広告のお仕事のような運用代行ニーズも拡大しています。ここで重要なのは、SNS運用の受託者自身が景品表示法やステマ規制の基本を理解していなければ、依頼主に代わって規制違反の投稿を作ってしまうリスクがあるという点です。占い系クライアントのSNS運用を受託する際は、鑑定効果を断定しない文言選びと、PR表記の徹底が最低限のリテラシーとして求められます。

広告制作・運用の担い手を探す発注者にとっても、この分野の表現規制を理解している人材かどうかは重要な選定基準になります。単価だけで比較するのではなく、業界特有のコンプライアンス知識を持つ人材に依頼することが、結果的に広告アカウント停止や措置命令といった重大なリスクの回避につながります。

運営者の一次観察。表現規制への向き合い方の温度差

20年この市場を見てきた立場から言えば、占い広告に限らず「表現規制への感度」は事業者によって大きな温度差があります。規制が強化されるたびに広告文をアップデートし続ける事業者がいる一方で、一度作った広告文をそのまま数年使い続け、審査基準の変化に気づかないまま突然の掲載停止に直面する事業者も少なくありません。

運営者として見てきた限りでは、後者に共通するのは「広告文の作成を一度きりの作業として捉えている」ことです。景品表示法もステマ規制も、施行後も運用指針やガイドラインが継続的にアップデートされる領域であり、広告表現のチェックは一度作って終わりではなく、継続的なメンテナンスが必要な業務です。長く広告運用を任され続ける担い手ほど、単発の制作だけでなく、規制動向を追いかけて表現を更新し続ける関係づくりに時間を使っている印象があります。

中間マージンが乗らない直接取引の枠組みでは、こうした継続的なメンテナンス業務も依頼者と受け手が直接コミュニケーションを取りながら進めやすいという利点があります。同じ予算でも依頼者はより柔軟に相談でき、受け手は手取りの厚さを背景に腰を据えて長期的な関係を築きやすくなる。この構造は、規制対応のように「継続的な注意」が求められる業務との相性がよいと、現場の実感として感じています。

表現規制の理解は集客戦略そのものである

占いサービスの広告表現規制は、景品表示法、特定商取引法、ステルスマーケティング規制という複数の法律にまたがる、決して単純ではない領域です。「絶対当たる」のような断定表現をやめるだけでなく、料金表示の明確化、免責事項の明記、広告媒体ごとの掲載基準の確認まで含めて、総合的に設計する必要があります。

正直なところ、これらすべてを事業者一人で継続的に把握し続けるのは負担が大きい作業です。だからこそ、広告表現の専門知識を持つ制作者・運用者との継続的な連携が、集客効率だけでなくリスク管理の観点からも合理的な選択になります。表現規制を制約と捉えるのではなく、信頼される広告文を作るための指針として活用する姿勢が、結果的に安定した集客につながっていくはずです。

よくある質問

Q. 占い広告で「当たる」という言葉自体を使ってはいけないのですか?

「当たる」という言葉自体が一律禁止というわけではありません。問題になるのは「絶対当たる」「100%的中」のように効果を断定・保証する表現です。利用者の感想として紹介する形にするなど、断定を避ける工夫が必要です。

Q. 電話占いの「初回無料」表示で気をつけるべき点は何ですか?

無料の範囲と、それ以降の課金開始タイミング・単価を同じくらいの視認性で明記することが重要です。無料の文字だけを大きくし、課金条件を小さく表示すると特定商取引法上の問題になるおそれがあります。

Q. インフルエンサーに占いサービスを紹介してもらう場合の注意点は?

対価を提供して投稿を依頼する場合は、2023年施行のステルスマーケティング規制により「広告」である旨を明示する必要があります。「#PR」などの表記を、投稿の分かりやすい位置に入れることが求められます。

Q. 占い広告の審査基準は法律だけ確認すれば十分ですか?

法律の確認だけでは不十分です。LINE広告やGoogle広告など出稿する媒体には個別の掲載基準があり、法律上は問題なくても媒体の審査で落ちるケースがあります。出稿前に必ず媒体ごとのガイドラインも確認してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年3月7日最終更新:2026年7月22日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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