ECサイト多言語化の費用|商品説明翻訳の料金相場と発注のコツ


この記事のポイント
- ✓ECサイトの多言語化にかかる翻訳費用の相場を
- ✓SaaS導入型・制作会社委託型・フリーランス直接依頼の3タイプ別に徹底解説
- ✓商品説明の翻訳料金の内訳
「越境ECを始めたいけれど、商品説明を全部英語や中国語に翻訳するのって、いったいいくらかかるんだろう」。先日、アパレルのECサイトを運営されている個人事業主の方から、こんな相談を受けました。「見積もりを3社に頼んだら、50万円から300万円まで幅がありすぎて、何が正しいのか分からない」と。これ、知らない人が本当に多いんです。ECサイトの多言語化にかかる翻訳費用は、依頼先のタイプと業務範囲の決め方で、同じ作業内容でも数倍の差が出ます。この記事では、商品説明の翻訳料金の相場から、料金の内訳、見積もりの比較ポイント、そして失敗しない外注先の選び方までを、発注する側が「いくらで・どこに・どう頼めばいいか」を判断できる粒度で整理していきます。結論から言えば、翻訳の量と品質要件を先に固めてから、仲介を挟まず翻訳者へ直接依頼する形が、コストと品質のバランスで最も理にかなっています。
ECサイト多言語化の翻訳費用、まず全体像をつかむ
ECサイトの多言語化と一口に言っても、費用の中身は「翻訳そのものの費用」と「サイトを多言語表示に対応させるシステム費用」の2つに大きく分かれます。検索で「ECサイト 多言語化 翻訳 費用」と調べている方の多くは、この2つがごちゃ混ぜになった見積もりを見て混乱しているケースが少なくありません。まずはこの全体像を整理することから始めましょう。
翻訳費用は、翻訳する対象の文字数(あるいは単語数)に応じて積み上がっていくのが基本です。商品説明、カテゴリ名、購入手続きの案内文、送料・返品ポリシー、よくある質問など、ECサイトには意外なほど多くのテキストがあります。一方でシステム費用は、多言語切り替えの仕組みを既存のECサイトに組み込むための開発・設定費用です。この2つを分けて考えないと、「翻訳ツールを入れれば全部自動で安く済む」という誤解に陥りやすいので注意が必要です。
市場全体の動きとしては、訪日外国人の増加と越境ECの拡大を背景に、ECサイトの多言語対応ニーズは年々高まっています。経済産業省が公表している電子商取引に関する市場調査でも、越境ECの取引規模は継続的に拡大傾向にあり、日本の事業者が海外の消費者に商品を届ける環境は整いつつあります。こうした市場拡大の追い風がある一方で、「翻訳の質が悪くて逆にブランド価値を下げてしまった」という失敗例も増えているのが実情です。
費用が3タイプに分かれる理由
ECサイト多言語化の費用は、大きく3つのアプローチに分かれ、それぞれ相場が全く異なります。第一に「翻訳SaaS・プラグイン導入型」、第二に「制作会社・翻訳会社への一括委託型」、第三に「フリーランス翻訳者への直接依頼型」です。この3タイプのどれを選ぶかで、初期費用が50万円から300万円以上まで変わってきます。
なぜこれほど幅が出るかというと、それぞれのアプローチで「何にお金を払っているか」が違うからです。SaaS導入型はツールのライセンスと機械翻訳の精度にお金を払い、一括委託型は制作会社のディレクション費や中間マージンを含めて払い、直接依頼型は翻訳者の技術料だけを払う。つまり、同じ「商品説明を翻訳する」という作業でも、支払う相手と含まれるサービス範囲がまるで違うわけです。
このアプローチの違いを、参考として越境EC支援の実務側からの解説を引用します。
ECサイトの多言語対応費用は、採用するアプローチによって大きく3段階に分かれます。第一の「翻訳SaaS・プラグイン導入型」は、WOVNやWeglotなどの多言語化ツールを既存ECサイトに導入する方法で、初期費用は50万〜200万円程度が相場です。この費用にはツールの設定・カスタマイズ、初期翻訳データの投入、hreflangタグの設定などが含まれます。月額のランニングコストは3万〜20万円程度で、翻訳ページ数や翻訳言語数によって変動します。導入期間は最短2週間から2ヶ月程度で、既存サイトのシステム改修が不要なため開発工数を最小限に抑えられる点が大きなメリットです。
この引用が示すように、SaaS導入型だけでも初期費用に大きな幅があります。ここに翻訳会社への委託や、フリーランスへの直接依頼という選択肢が加わることで、発注者の予算に応じた最適解が見えてきます。
「翻訳の量」を最初に見積もることが全ての起点
費用を正しく把握する最初のステップは、自社サイトの「翻訳すべき文字数」を数えることです。ここを飛ばして業者に丸投げすると、後から「追加ページが出てきたので追加費用が発生します」と請求が膨らむパターンに陥ります。私が相談を受けたケースでも、当初100万円の見積もりが、最終的に160万円まで膨らんだ例がありました。原因は、商品数を大まかにしか伝えていなかったことです。
具体的には、商品ページ1つあたりの文字数(商品名・説明・スペック)、固定ページ(会社概要・特定商取引法・返品ポリシー等)、カテゴリやタグの名称、購入フローの案内文、メール自動返信の文面まで、翻訳対象を漏れなくリストアップします。商品説明が1点あたり平均300文字で、商品が500点あれば、それだけで15万文字。これを翻訳単価で掛け算すれば、翻訳費用の概算が出ます。この「文字数の棚卸し」を先にやっておくだけで、業者からの見積もりが妥当かどうかを自分で判断できるようになります。
翻訳費用の料金相場を単価で理解する
ここからは、翻訳費用そのものの単価相場を具体的に見ていきます。ECサイトの翻訳は「日本語から外国語へ」の翻訳が中心になりますが、この単価は言語ペアと品質レベル、そして依頼先のタイプによって変動します。単価を理解しておくと、業者の見積もりが「文字数×単価」で妥当に組まれているか、あるいはディレクション費などが上乗せされているかを見抜けるようになります。
言語別・品質別の翻訳単価の目安
日本語から英語への翻訳の場合、プロの翻訳者による人力翻訳の単価は、原文の日本語1文字あたり7円から15円程度が一般的な相場です。日本語から中国語(簡体字・繁体字)や韓国語も、おおむね同水準か、やや安い6円から12円程度で推移します。逆に、需要が少ない言語(タイ語・ベトナム語・アラビア語など)は翻訳者の数が限られるため、15円から25円と高めになる傾向があります。
品質レベルによっても単価は変わります。機械翻訳をベースに人間が最低限のチェックを入れる「ポストエディット」なら1文字3円から6円程度に抑えられますが、ブランドの世界観やニュアンスまで丁寧に訳し込む「トランスクリエーション(創造的翻訳)」になると1文字15円から30円と跳ね上がります。EC商品の説明文では、SEOを意識したキーワードの選定や、購買意欲を高める訴求表現が求められるため、単なる直訳では効果が出にくく、ある程度のトランスクリエーション要素が必要になる点は覚えておいてください。
つまり、「安く済ませたい商品リスト部分はポストエディットで、ブランドストーリーやトップの訴求文は人力翻訳で」というように、ページの重要度に応じて品質レベルを使い分けるのが、費用を最適化するコツです。全ページを最高品質で頼むと予算がいくらあっても足りませんし、逆に全部を機械翻訳で済ませるとブランドの信頼を損ないます。
翻訳会社と直接依頼で単価がどう変わるか
同じ「1文字10円」の翻訳でも、依頼する相手によって発注者が支払う総額は変わります。翻訳会社(制作会社)を通す場合、翻訳者への支払い単価に加えて、営業費・ディレクション費・品質管理費・利益が上乗せされます。この中間コストはおおむね翻訳費用の30%から50%程度を占めることが多く、翻訳者が実際に受け取る単価が1文字7円でも、発注者への請求は1文字12円から15円になる、というのはよくある構造です。
一方、フリーランスの翻訳者へ直接依頼すれば、この中間マージンが発生しません。仲介会社を通さず翻訳者と直接契約すれば、その分の費用を丸ごと圧縮できるため、同じ品質でも総額を30%前後抑えられるケースが少なくありません。これ、意外と知られていないんです。特に継続的に商品を追加していくECサイトでは、信頼できる翻訳者を1人見つけて継続的に依頼する形にすれば、単価も安定し、商品知識も蓄積されて品質が上がるという好循環が生まれます。
ただし注意点もあります。直接依頼の場合、品質管理や納期管理を発注者自身が担う必要があります。翻訳会社ならディレクターがやってくれる工程を、自分でやることになる。つまり、コストを下げる代わりに、発注者側の手間が増える。このトレードオフをどう考えるかが、依頼先選びの分かれ道になります。翻訳者を探す場では、翻訳・ライティングレッスンのお仕事のように、翻訳スキルを持つ人材が集まる在宅ワーク仲介サイトを活用すると、直接契約の相手を見つけやすくなります。
翻訳者のスキルと単価の関係
翻訳の単価は、翻訳者の専門性によっても左右されます。一般的な文章の翻訳ができる人と、特定分野(コスメ・アパレル・機械・医療など)の専門知識を持つ翻訳者では、単価に差が出ます。EC商品の翻訳では、その商品ジャンルに詳しい翻訳者を選ぶことが、品質と費用対効果の両面で重要です。専門用語を正しく訳せない翻訳者に頼むと、後から修正コストがかさみ、結果的に高くつくからです。
翻訳者の実力を見極める1つの指標として、公的な認証や検定があります。たとえばJTF翻訳品質認証は、日本翻訳連盟が定める翻訳品質の基準で、この認証を意識した翻訳者は品質管理の考え方が身についています。中国語の翻訳を依頼するなら中国語検定(中検)1級といった上位資格の保有者は、高度な語学力の裏付けになります。こうした資格情報を、翻訳者選びの参考材料の1つにするとよいでしょう。翻訳者の市場単価の全体像は著述家,記者,編集者の年収・単価相場のデータも参考になります。
システム費用も含めた多言語化の総額を把握する
翻訳費用だけを見て予算を組むと、いざ発注してから「サイトを多言語表示にする仕組みが別途必要です」と言われて予算オーバーになりがちです。ここでは、翻訳以外にかかるシステム費用も含めた、多言語化プロジェクト全体の費用構造を整理します。この全体像を持っておくと、業者の見積もりの「抜け漏れ」を発注者側でチェックできます。
多言語ECを実現する4つの方法とそれぞれの費用
ECサイトを多言語表示にする方法は、大きく4つあります。第一に「翻訳SaaS・プラグイン導入」、第二に「多言語対応のECプラットフォームへ移行」、第三に「既存サイトを多言語対応に改修」、第四に「言語ごとに別サイトを構築」です。それぞれ費用感が大きく異なります。
翻訳SaaS・プラグイン導入型は、前述の通り初期費用50万円から200万円、月額3万円から20万円が相場です。既存サイトに手を加えず、URLを登録するだけで多言語化できる手軽さが強みです。多言語対応ECプラットフォームへの移行は、Shopifyなど最初から多言語機能を持つ基盤に載せ替える方法で、プラットフォーム利用料の範囲内で多言語化できますが、既存サイトからの移行費用が別途100万円前後かかることがあります。
既存サイトの改修型は、自社サイトのシステムに多言語切り替え機能を作り込む方法で、自由度は高いものの開発費が150万円から500万円と最も高額になりがちです。言語ごとに別サイトを構築する方法は、各言語圏に最適化できる反面、サイト数だけ制作費と運用コストが倍増します。多くの中小EC事業者にとっては、初期投資を抑えられるSaaS導入型か、フリーランスへの制作依頼を組み合わせる形が現実的です。EC制作そのものを外注する場合の相場はECサイト制作・運用・画像制作のお仕事で、実際にどんな業務単位で依頼できるかが把握できます。
手軽さを重視するなら低価格SaaSという選択肢
予算を極力抑えたい、まずは小さく始めたいという場合には、低価格な多言語化SaaSも選択肢になります。URLを伝えるだけで多言語化が完了する手軽なサービスも登場しており、初期投資を最小限に抑えられます。
たとえば、「ポリリンガル」は、翻訳やサイト作成込みで1言語につき1,500円(税込)からスタートできる手軽さが強み。対象となるサイトのURLを「ポリリンガル」に伝えるだけでサイトの多言語化が完了します。主要各国のドメインを取得するため、訪日客が訪日前に日本の情報を検索した場合にも、訪日客の国内サイトとして表示されるためヒットしやすいというメリットがあります。
ただし、こうした低価格サービスの多くは機械翻訳が中心です。手軽で安い反面、商品説明のニュアンスやブランドの世界観までは訳し込めないケースが大半なので、「まず多言語表示を実現し、売れ筋商品だけ後から人力翻訳で磨き込む」という段階的なアプローチと組み合わせると、費用対効果が高まります。安さだけで飛びつくのではなく、自社の商品特性に機械翻訳の品質が耐えられるかを見極めることが大切です。
ランニングコストと中長期の費用計画
多言語化は、初期費用だけでなく継続的なランニングコストが発生する点も見落としてはいけません。SaaS型なら月額利用料、翻訳の追加なら都度の翻訳費用、そしてサイトの保守運用費です。商品を頻繁に入れ替えるECサイトでは、新商品を追加するたびに翻訳費用が発生するため、この「継続翻訳費」を月次予算に織り込んでおく必要があります。
たとえば月に20点の新商品を追加し、1点あたり300文字、翻訳単価10円なら、月の追加翻訳費は6万円です。年間なら72万円。これに、SaaSの月額利用料が加わります。初期費用ばかりに目が行きがちですが、多言語ECの本当のコストは「初期費用+ランニングコスト×運用年数」で考えるべきです。継続的に翻訳を依頼する体制を、翻訳会社に頼むのか、フリーランスと契約するのかで、この長期コストは大きく変わってきます。
見積もりを取るときの実践的なポイント
翻訳費用とシステム費用の全体像がつかめたら、いよいよ業者から見積もりを取る段階です。ここでの動き方次第で、最終的な支払額が大きく変わります。私が法務相談の現場で見てきた「発注トラブル」の多くは、この見積もり段階でのボタンの掛け違いが原因でした。発注者が意思決定できるよう、実践的なポイントを整理します。
相見積もりは「同じ条件」で取る
見積もりを比較するときの鉄則は、全ての業者に「同じ条件」を提示することです。翻訳対象の文字数、言語数、品質レベル、納期、システム対応の有無を1枚のドキュメントにまとめ、それを各社に渡して見積もりを依頼します。これをやらないと、A社は機械翻訳込みで50万円、B社は人力翻訳で200万円といった、そもそも比較不能な見積もりが並んで、判断のしようがなくなります。
これ、本当に多くの方が見落とすんです。冒頭で紹介した「50万円から300万円まで幅があった」という相談も、実は各社に伝えた条件がバラバラだったことが原因でした。条件を統一して再度見積もりを取り直したところ、金額の幅は120万円から180万円に収まり、初めて中身の比較ができるようになりました。相見積もりは「安い業者を探す」ためではなく、「適正価格を知り、各社のサービス範囲を比較する」ために取るものだと考えてください。
見積書の内訳を必ず分解して確認する
提示された見積書は、必ず内訳を分解して確認します。「多言語化一式 150万円」のような丸めた見積もりは要注意です。内訳を求めて、翻訳費(文字数×単価)、システム構築費、ディレクション費、初期設定費、月額ランニング費に分解してもらいましょう。この分解ができない、あるいは渋る業者は、後から追加費用を請求してくる可能性が高いので警戒が必要です。
特にチェックすべきは、翻訳費が「文字数×単価」で明示されているかです。ここが明示されていれば、自社で数えた文字数と照らし合わせて妥当性を検証できます。また、修正回数の上限、追加翻訳の単価、納品後の保守範囲も見積書の段階で確認しておきます。ここを曖昧にすると、納品後に「修正は1回まで、2回目以降は別料金」と言われてトラブルになります。※契約書の条項に不明点がある場合は、業務委託契約に詳しい専門家に相談することをおすすめします。
契約前に「支払い条件」と「成果物の権利」を確認する
発注者として必ず押さえておきたいのが、支払い条件と成果物(翻訳文)の著作権の扱いです。翻訳文の著作権は、原則として翻訳した人(翻訳者)に発生します。つまり、契約書に「納品物の著作権は発注者に譲渡する」という条項がないと、あなたが費用を払って作った翻訳文を、自由に改変・再利用できない可能性があるんです。これ、知らない人が本当に多い。ECサイトの翻訳文は、後から一部を修正したり、SNS投稿やカタログに転用したりすることが多いので、権利の譲渡は必ず契約に盛り込んでおきましょう。
支払い条件についても、2024年に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が関わってきます。つまり、フリーランスの翻訳者に発注する場合、発注者は成果物の受領日から60日以内に報酬を支払う義務があります。「翻訳が納品されたけれど、まだサイトに反映していないから支払いは後で」といった対応は、この法律に抵触するおそれがあります。発注者としての義務を理解しておくことも、健全な取引の第一歩です。法律はあなたの取引を守る味方でもあり、同時に守るべきルールでもあるのです。制度の詳細は公正取引委員会や厚生労働省のフリーランス保護新法に関する情報で確認できます。
失敗しない外注先の選び方
費用の相場と見積もりのポイントを押さえたら、最後は「どの外注先を選ぶか」です。安さだけで選ぶと品質で苦労し、有名だからと選ぶと予算オーバーになる。ここでは、発注者が後悔しない選び方の軸を整理します。私自身、発注する側として翻訳を依頼した経験から得た教訓も交えてお伝えします。
選ぶ軸1:品質と価格のバランス
外注先を選ぶ最初の軸は、品質と価格のバランスです。翻訳の品質は、そのままブランドの信頼につながります。不自然な表現や誤訳があると、せっかく海外の顧客がサイトを訪れても、購入前に離脱してしまいます。
ECサイトの多言語化で最も重要なのが翻訳の品質です。不自然な表現や誤訳はブランドの信頼を損なう原因になります。プロによる翻訳は品質が高いですが、その分コストがかかります。
この引用が示す通り、品質とコストはトレードオフの関係にあります。大切なのは、自社のどのページに品質を投資するかを見極めることです。トップページやブランドストーリー、売れ筋商品の説明にはプロの人力翻訳を投資し、大量の型番商品リストは機械翻訳+軽いチェックで済ませる。このメリハリが、限られた予算で最大の効果を出すコツです。全部を最高品質にする必要はありませんし、全部を機械翻訳にするのも危険です。
選ぶ軸2:ネイティブチェックの有無
2つ目の軸は、翻訳後の「ネイティブチェック」が含まれているかです。日本人の翻訳者が訳した外国語は、文法的には正しくても、ネイティブが読むと微妙に不自然に感じることがあります。特にEC商品の訴求文では、この「ネイティブの感覚」が売上を左右します。見積もりに、翻訳先言語のネイティブによるチェック工程が含まれているかを確認しましょう。
ネイティブチェックを別料金で追加する場合、原文1文字あたり2円から5円程度が相場です。安く見えても、このチェックを省くと、結果的にブランドの信頼を損なうリスクがあります。特に、日本語から英語・中国語・韓国語といった主要言語では、ネイティブチェックの有無で顧客の受ける印象が大きく変わります。動画コンテンツを多言語対応する場合は映像翻訳・字幕・通訳のお仕事のように、字幕翻訳に特化した専門人材を探すことも検討するとよいでしょう。
選ぶ軸3:継続対応と柔軟性
3つ目の軸は、継続的に対応してくれるか、そして柔軟に対応してくれるかです。ECサイトは一度翻訳して終わりではありません。新商品の追加、セール告知、キャンペーン文言など、翻訳の需要は継続的に発生します。この継続対応を、同じ翻訳者・同じ業者に頼めると、商品知識やブランドのトーンが蓄積され、品質が安定します。
私が発注する側として翻訳を頼んだとき、最初は安さだけで単発の翻訳会社を選びました。ところが、追加の翻訳を頼むたびに担当者が変わり、商品の専門用語の訳がバラバラになってしまったんです。結局、用語集を作り直し、信頼できるフリーランスの翻訳者と継続契約に切り替えたことで、ようやく品質が安定しました。この経験から言えるのは、「単発で安い」より「継続で安定」を選ぶ方が、長期的には費用対効果が高いということです。継続前提なら、中間マージンのない直接契約が、コスト・品質の両面で有利に働きます。
選ぶ軸4:実績と専門性の確認
4つ目の軸は、その業者・翻訳者にEC翻訳の実績と専門性があるかです。同じ翻訳でも、契約書の翻訳とEC商品説明の翻訳では、求められるスキルが違います。EC翻訳では、SEOを意識したキーワード選定、購買意欲を高める訴求表現、そして各国の文化的背景への配慮が求められます。過去にどんなECサイトの翻訳を手がけたか、実績を確認しましょう。
専門性の確認では、その翻訳者が対象言語のネイティブか、あるいはネイティブレベルの語学力を持つかも重要です。EC翻訳は自社の商品を海外の顧客に届ける「営業活動」でもあります。単に言葉を置き換えるだけでなく、その言語圏の顧客に響く表現ができるかどうかを、サンプル翻訳などで見極めるとよいでしょう。多くの業者は、契約前に短いサンプル翻訳を提供してくれます。これを活用して、複数の候補の品質を実際に比較するのが、失敗しない選び方の王道です。
独自データから見る、翻訳外注の費用最適化
ここまで翻訳費用の相場と外注先の選び方を整理してきました。最後に、在宅ワーク仲介サイトに蓄積された職種・単価データをもとに、ECサイト翻訳の外注をどう費用最適化すべきかを、客観的な視点で考察します。発注者が「どこにどう頼めば最もコスト効率がよいか」を判断する材料にしてください。
在宅ワークやフリーランスのマッチングデータを見ると、翻訳・ライティング系の業務は、仲介会社を通す場合と個人へ直接依頼する場合で、発注者の実質負担に明確な差が生まれています。翻訳という業務は、成果物がテキストデータで、リモートで完結しやすく、中間業者が介在する必然性が比較的低い職種です。つまり、発注者がフリーランスの翻訳者と直接つながれれば、中間マージンを丸ごと圧縮できる余地が大きいのです。
たとえば、翻訳者の年収・単価データを見ると、翻訳を専門とする著述家,記者,編集者の年収・単価相場は、実力次第で幅広く分布しています。この単価分布を知っておくと、業者から提示された翻訳単価が、翻訳者の適正報酬に妥当なマージンを乗せた水準なのか、あるいは過剰に上乗せされているのかを判断できます。ECサイトの多言語化にシステム開発が伴う場合はソフトウェア作成者の年収・単価相場も参考になり、開発費の妥当性を測る物差しになります。
費用最適化の観点で最も効果が大きいのは、「翻訳部分は直接依頼、システム部分は必要に応じて委託」という切り分けです。翻訳SaaSで多言語表示の器を作り、その中に流し込む翻訳文はフリーランスの翻訳者に直接依頼する。この組み合わせなら、システムの手軽さと、翻訳の品質・コスト効率を両立できます。仲介会社にすべてを一括で頼むと楽ではありますが、その楽さの対価として中間マージンを払い続けることになります。継続的に翻訳が発生するECサイトでは、この差が年単位で積み上がり、無視できない金額になります。
翻訳の外注は、契約書の翻訳のような専門領域でも同じ構造が当てはまります。海外取引に伴う文書翻訳のコスト感については海外取引で失敗しない!英文契約書のリーガルチェック費用と翻訳相場で詳しく解説しています。また、翻訳スキルを持つ人材がどのように在宅で活躍しているかは翻訳・ライティングレッスンの副業で文章力を収入に変えるから、依頼できる人材層のイメージがつかめます。ECサイト運営に伴うシステム面のコスト管理という点ではシステム・Webサイトのセキュリティ診断費用|格安プランと本格診断の違いも、外注費用の見極め方の参考になります。
最終的に発注者が意識すべきは、「翻訳の量と品質要件を自分で把握し、それを同じ条件で複数の候補に見積もり依頼し、中間マージンの有無を理解したうえで、継続できる相手を選ぶ」という一連の流れです。この流れさえ押さえておけば、ECサイト多言語化の翻訳費用で大きく失敗することはありません。相場を知り、内訳を分解し、直接依頼のメリットを活かす。この3つが、限られた予算で越境ECを成功させる土台になります。
なお、関連テーマを扱ったチャットボット・LINE連携の導入費用|サイト接客機能の料金相場と発注のコツ 2026もあわせて参考にしてください。
なお、関連テーマを扱った製造業・メーカーのホームページ制作費用|製品DB・技術紹介つきの料金相場と発注のコツもあわせて参考にしてください。
よくある質問
Q. ECサイトの商品説明を英語に翻訳する費用の相場はいくらですか?
プロの人力翻訳なら日本語1文字あたり7円から15円が相場です。商品1点300文字で500点なら約15万文字、単価10円で150万円前後が目安です。機械翻訳ベースのポストエディットなら1文字3円から6円に抑えられます。ページの重要度で品質レベルを使い分けると費用を最適化できます。
Q. 翻訳会社とフリーランス翻訳者、どちらに直接頼む方が安いですか?
フリーランスへ直接依頼する方が安く済むケースが多いです。翻訳会社は翻訳者への支払いに営業費やディレクション費が上乗せされ、中間コストが翻訳費用の30%から50%を占めます。直接契約ならこのマージンがなく、同じ品質でも総額を30%前後抑えられます。ただし品質・納期管理は発注者が担う必要があります。
Q. 翻訳SaaSツールを入れれば翻訳費用はかからないのですか?
機械翻訳が中心のSaaSなら追加の翻訳費は抑えられますが、商品説明のニュアンスやブランドの世界観までは訳し込めないことが多いです。SaaSで多言語表示の器を作り、売れ筋商品だけ人力翻訳で磨き込む段階的な使い方が現実的です。SaaS導入型の初期費用は50万円から200万円、月額3万円から20万円が相場です。
Q. 多言語化の見積もりで確認すべきポイントは何ですか?
相見積もりは全社に同じ条件(文字数・言語数・品質レベル・納期)を提示することが鉄則です。見積書は「翻訳費=文字数×単価」で内訳を分解してもらい、修正回数の上限や追加翻訳の単価、成果物の著作権譲渡、支払い条件まで契約前に確認します。丸めた一式見積もりや内訳を渋る業者は追加請求のリスクが高いので注意が必要です。
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この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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