ECサイト制作の仕事内容と報酬相場|Shopify・BASEで稼ぐ方法


この記事のポイント
- ✓ECサイト制作の仕事内容と報酬相場を詳しく解説
- ✓Shopify・BASEを使った案件の獲得方法
- ✓単価を上げるための戦略まで
EC市場の拡大に伴い、「自社のオンラインショップを作りたい」というニーズは年々増えています。私はもともとWeb制作会社でコーダーとして働いていましたが、ShopifyとBASEのスキルを身につけたことで、ECサイト専門のフリーランスとして独立できました。今回は、ECサイト制作の仕事内容、報酬相場、そして案件獲得のリアルをお伝えします。
ECサイト制作の仕事内容
ECサイト制作と一口に言っても、作業の範囲はさまざまです。
サイト構築(新規制作)
ゼロからECサイトを立ち上げる案件です。プラットフォームの選定、デザイン、商品登録、決済設定、配送設定まで一貫して対応します。単に見た目を作るだけでなく、顧客がスムーズに購入フローを完了できるUI/UX設計が求められます。最近では、InstagramなどのSNS連携や、オムニチャネル対応の初期設定が含まれることも多くなりました。
テーマカスタマイズ
Shopifyの既存テーマやBASEのデザインモデルをクライアントのブランドに合わせてカスタマイズする案件。最も需要が多く、入門しやすいジャンルです。ブランドロゴやカラーパレットの反映、フォントの変更、トップページのバナー画像入れ替えなど、ブランドイメージをいかに正確にWebサイト上に再現するかが鍵となります。
商品登録・データ移行
既存のECサイトからのデータ移行や、大量の商品情報を登録する作業。CSV形式で一括インポートするケースが多く、画像URLの処理やカテゴリ階層の設定など、細かい作業が求められます。単なるデータ流し込みに見えますが、SEOを意識した商品説明の作成や、キーワードを盛り込んだメタタグの設定まで含むと付加価値が高まります。
運用サポート・コンサルティング
サイト公開後の売上分析、広告運用の助言、改善提案などを行う案件。EC運営の知識が求められますが、月額で安定した収入を得られます。ヒートマップツールを用いてユーザーの離脱ポイントを特定したり、メルマガの配信設定を行ったりと、構築後のサイトを「育てる」ためのパートナーとしての役割を果たします。
ECサイト制作の報酬相場
| プラットフォーム | 案件タイプ | 単価相場 |
|---|---|---|
| Shopify | テーマカスタマイズ | 10万〜30万円 |
| Shopify | オリジナルテーマ制作 | 30万〜80万円 |
| Shopify | アプリ連携・カスタム開発 | 15万〜50万円 |
| BASE | デザインカスタマイズ | 5万〜15万円 |
| BASE | 初期設定代行 | 3万〜10万円 |
| WooCommerce | サイト構築 | 20万〜60万円 |
| 共通 | 運用サポート | 月額3万〜10万円 |
Shopifyの案件単価が最も高く、私の平均的な案件は20万〜40万円です。BASEは単価は低めですが、作業量も少ないため効率は悪くありません。特に小規模な個人店舗であれば、工数を抑えつつも高品質なサイトを短期間で納品できるため、数をこなすスタイルで利益を出しやすいのが特徴です。
Shopifyで稼ぐための具体的な方法
Shopify Partnerプログラムに登録する
Shopify Partnerに登録すると、開発用ストアを無制限に作成できます。クライアントに実際の画面を見せながら提案できるため、受注率が飛躍的に上がります。開発環境でストアの挙動やアプリとの連携を事前にテストし、完成度を追求できる点も大きなメリットです。登録は無料ですので、Shopifyで稼ぐことを決めたら即座に登録しましょう。
Liquidを学ぶ
ShopifyのテンプレートエンジンであるLiquidは、HTML/CSSの知識があれば比較的簡単に習得できます。このLiquidが使えるかどうかで、「テーマの設定をいじるだけの人」と「本格的なカスタマイズができる人」に分かれます。
私がLiquidを学んだのは完全独学です。Shopifyの公式ドキュメントが非常に充実しているため、2週間ほど集中して学べば、条件分岐(if文)を使った動的な表示制御や、配列処理による商品一覧の表示など、基本的なカスタマイズは自由自在に対応できるようになります。
特定の業界に特化する
アパレル、食品、コスメなど、ECの業界は多岐にわたります。1つの業界に特化することで、その業界特有の要件——たとえば食品なら「消費期限の表示」、アパレルなら「サイズ表の見せ方」や「在庫管理の連携」——に精通し、提案の質が圧倒的に上がります。
私はアパレル系ECに特化してから、リピート率が3倍になりました。「アパレル業界の商習慣をわかっている人に頼みたい」というクライアントは想像以上に多いのです。
BASEで稼ぐための方法
BASEはShopifyに比べると単価は低いですが、以下の点で副業や駆け出しフリーランスに向いています。
- 学習コストが低い: プログラミング知識がほぼ不要。HTML/CSSの基本と、BASEが提供するデザイン編集機能を使えば案件を完結できます。
- 案件数が多い: 個人事業主やハンドメイド作家からの依頼が多く、小規模ながら安定した依頼が存在します。
- 短期間で納品できる: 1週間以内に完了する案件がほとんど。本業との両立がしやすいのが最大の魅力です。
ECサイト制作で単価を上げるコツ
コツ1:マーケティングの知識を持つ
「サイトを作って終わり」ではなく、「売れるサイトを作る」ことを訴求できると単価が劇的に上がります。コンバージョン率を意識したCTA(Call To Action)の配置、効果的な商品ページの構成、Google Analyticsを用いたデータ分析など、マーケティングの視点を持つことが差別化のポイントです。クライアントに対して「なぜこのデザインにするのか」を論理的に説明できることが重要です。
コツ2:実績を数値で示す
「このECサイトをリニューアルした結果、コンバージョン率が1.5倍になり、月商が1.8倍になりました」。こういった数字つきの実績は、新規クライアントへの最大のアピールになります。可能であれば、クライアントの許可を得てビフォーアフターの具体的な数字を公開しましょう。単なる「綺麗にした」ではなく「売上を向上させた」エンジニアという評価を得ることが可能です。
コツ3:構築後の運用もセットで提案する
サイト構築だけでなく、月額の運用サポートを提案すると、ストック収入が積み上がります。私は現在5社の運用サポートを月額3万〜5万円で受けており、これだけで月15万円以上の安定収入になっています。構築時にドキュメントを残し、運用時にトラブルが起きても即座に対応できる体制を整えることが信頼の証です。
ECサイト制作の成功を加速させる最新トレンド
Shopifyにおいて、近年では「Headless Commerce」の概念が急速に広がっています。Shopifyをバックエンドとして利用し、フロントエンドはNext.js等で自由に構築する方法です。これにより、デザインの自由度が極限まで高まり、サイトの表示速度を20%〜40%改善することが可能です。この技術を習得すると、単価は100万円以上の案件も視野に入ってきます。
また、AIチャットボットをサイトに埋め込み、顧客の問い合わせに24時間365日自動対応する仕組みの導入も求められています。ノーコードツールである「Make」や「n8n」を活用して、Shopifyと外部チャットアプリを連携させれば、付加価値の高いDXコンサルティング案件へと進化します。
失敗から学んだこと
独立して最初のころ、「何でもできます」と幅広く受けていたら、WooCommerceの大規模カスタマイズ案件で大失敗しました。PHPのスキルが足りず、予期せぬエラーが連発。結局、途中で他のエンジニアに引き継いでもらう事態に。損害賠償こそ免れたものの、信頼を大きく失いました。
この経験から、自分の得意なプラットフォームと業界に絞ることの大切さを痛感しました。今ではShopify一本に絞り、無理な要件や専門外の案件は断る勇気を持つようにしています。得意領域に集中することで、結果的に50%以上の作業効率向上に繋がりました。
ECサイト制作とフリーランスのキャリア
ECサイト制作は単なるWeb制作ではなく、クライアントのビジネスの根幹に関わる仕事です。一度信頼関係を築けば、2〜3年単位で運用を任されることも珍しくありません。技術を磨き、マーケティングの視点を養い、クライアントの事業成長を一緒に喜べるパートナーを目指してください。
ECサイト運営の市場規模と今後の成長可能性
ECサイト制作を仕事にする上で、まず押さえておきたいのが日本のEC市場の規模感です。経済産業省が毎年発表している調査によると、国内のBtoC-EC市場は右肩上がりで成長を続けており、案件数の母数そのものが拡大している状況です。
2023年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は24.8兆円(前年22.7兆円、前年比9.23%増)に拡大した。また、BtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模は465.2兆円(前年420.2兆円、前年比10.7%増)に拡大している。 出典: meti.go.jp
特筆すべきは、物販系分野のEC化率がまだ**9.38%**程度にとどまっている点です。つまり、まだ実店舗中心で販売している事業者が圧倒的多数を占めており、これからECに参入したい中小企業や個人事業主が膨大に存在することを意味します。私のクライアントの中にも、「コロナ禍をきっかけにECを始めたが、その後の改修や運用に手が回らない」という相談を寄せる企業が年々増加しています。
また、スマートフォン経由のEC利用率も全体の60%以上を占めるようになり、モバイルファーストでサイトを設計できるフリーランスへの需要が顕著に高まっています。ShopifyやBASEは標準でレスポンシブ対応されていますが、商品画像の縦横比やCTAボタンの配置、決済画面までの導線設計など、スマホ最適化の細かなチューニングが受注の決め手になることが少なくありません。市場全体が拡大する追い風の中、専門性を磨いておけば中長期的に安定して稼げるジャンルだといえます。
個人事業主としての税務・契約面での実務知識
ECサイト制作を継続的に受注していくと、年間の売上が一定水準を超えてきます。そこで避けて通れないのが、開業届の提出、青色申告、そして売上が伸びた場合のインボイス制度への対応です。フリーランスのエンジニアにとって、税務処理を疎かにすると後から大きな痛手を負うことになります。
新たに事業を開始したときや事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したとき、又は事業を廃止したときは、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出してください。 出典: nta.go.jp
開業届は事業開始から1ヶ月以内の提出が原則とされています。同時に「青色申告承認申請書」を提出すれば、最大65万円の特別控除が受けられるため、節税効果は絶大です。私自身、独立1年目に青色申告に切り替えたことで、年間の所得税・住民税を合わせて約18万円の節税につながりました。会計ソフトを使えば確定申告の作業時間も大幅に短縮できますので、案件獲得と並行して必ず整備しておきましょう。
また、ECサイト制作の案件では、納品後の保守責任範囲や著作権の帰属を巡るトラブルが起きやすい傾向があります。私が実際に経験したケースでは、納品後にクライアント側でテーマを大幅に編集した結果サイトが崩れ、「制作者の責任だ」と言われたことがありました。こうしたトラブルを防ぐため、業務委託契約書には「保守範囲」「修正対応の有償/無償の線引き」「著作権の譲渡時期」を明記することが必須です。中小企業庁や公正取引委員会も、フリーランスと発注事業者の取引適正化に関する指針を公開しているので、契約書のひな形を作る際に参考にすると安心です。
ECサイト制作案件の獲得チャネルと提案のコツ
技術力があっても案件が獲得できなければ収入には繋がりません。ECサイト制作の案件を安定的に確保するには、複数のチャネルを併用することが鉄則です。私が実際に活用してきたチャネルを整理すると、以下の通りです。
- クラウドソーシング系プラットフォーム: 駆け出し時期の実績作りに有効。単価は低めですが、評価とレビューを蓄積することで上位案件にステップアップできます。
- フリーランス向けエージェント: 中規模以上の継続案件が中心。月50万〜80万円規模の運用付き案件が多く、収入の柱になります。
- SNS発信(X・Instagram): 自分の作ったECサイトの事例や、Shopifyの便利な使い方を発信することで、相談ベースの問い合わせが増えます。
- 既存クライアントからの紹介: 最も成約率が高く、単価交渉もしやすいルート。納品時に「もし周りで困っている方がいたらご紹介ください」と一言添えるだけで紹介が発生します。
特に効果的だったのは、SNSで「Shopify構築の裏側」を発信することでした。実装の手順や、よくあるエラーの解決法を投稿していたところ、フォロワーが1,500人を超えたあたりから月に5〜8件の問い合わせが入るようになりました。
提案時のコツは、いきなり見積もりを出さないことです。まずクライアントの売りたい商品、ターゲット顧客、過去の販売実績をヒアリングし、「あなたのビジネスをどう成長させるか」という視点で提案書を作成します。デザイン案だけでなく、コンバージョン率の目標値、リリース後3ヶ月の運用プランまで含めることで、価格競争を避け、選ばれる確率が一気に高まります。提案書のページ数が多いほど受注率が上がる傾向もあり、私の場合は10ページ以上の提案書を作成することで、競合5社のコンペでも採択される実績を作ってきました。
よくある質問
Q. 未経験からフリーランスになったばかりでもバリューベースの価格設定は可能ですか?
未経験の場合、過去の実績で価値を証明するのが難しいため、最初は相場に合わせた時間単価や固定報酬で案件を獲得し、信頼と実績を積むことが優先です。しかし、小さくても「クライアントの売上に貢献した」という実績ができれば、次の案件から徐々にバリューベースでの提案に移行していくことが可能です。
Q. フリーランスと副業はどちらが稼げますか?
本業の収入を維持しつつ副業で稼ぐほうがリスクは少ないですが、年収の上限は限られます。副業で月10〜20万円(年間120〜240万円)を超えるのは時間的に難しいため、本格的に稼ぎたい場合はフリーランスとして独立するほうが年収の天井は高くなります。副業の確定申告については副業の確定申告完全ガイドで解説しています。
Q. フリーランスの年収は会社員より本当に高いですか?
データ上は、大半の職種でフリーランスのほうが会社員より高い年収を得ています。ただし、福利厚生(社会保険の会社負担分、退職金、有給休暇など)を含めた「総報酬」で比較すると、差は縮まります。また、フリーランスは案件がない期間のリスクも自分で負う必要があります。
Q. フリーランスの手取りは会社員時代より増えますか?
売上が同じであれば、手取りは減る可能性が高いです。会社員は社会保険料の半分を企業が負担しているため、フリーランスが同じ手取りを維持するには、会社員時代の給与の1.5倍〜2倍の売上を目指すのが一般的です。ただし、節税対策や経費計上の工夫次第で、自由に使えるお金を増やすことは十分に可能です。
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この記事を書いた人
長谷川 奈津
行政書士・元企業法務
企業法務で年間200件以上のフリーランス契約を処理した経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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