ドローン撮影の副業ガイド|資格取得から案件獲得まで


この記事のポイント
- ✓ドローン撮影の副業を始める方法を解説
- ✓必要な資格(国家ライセンス)
- ✓副業としてドローン撮影で稼ぐための具体的な手順を紹介し���す
ドローン撮影は、映像系副業の中でもまだプレイヤーが少なく、1案件あたりの単価が高い分野です。
不動産の物件紹介動画、結婚式のエアリアル撮影、建設現場の測量記録、観光PR動画。ドローンでしか撮れない映像への需要は年々増えている。にもかかわらず、資格取得や機材投資のハードルがあるから参入者がまだ限られている。
私は動画編集がメインの仕事だけど、2024年にドローンの国家ライセンスを取得してからドローン撮影の案件も受けるようになった。動画編集+ドローン撮影のセットで提案すると、クライアントにとっては窓口が一本化されるので喜ばれる。
正直、ドローンを始めたきっかけは「カープの試合を空撮したい」っていう完全なミーハー動機でした。でも結果的にビジネスとして成立しているので、何がきっかけになるかわからないもんです。
ドローン撮影の副業で稼げる金額
案件の種類と単価をまとめておく。
| 案件ジャンル | 1件あたりの単価 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 不動産・物件撮影 | 30,000〜80,000円 | 半日 |
| 結婚式・イベント撮影 | 50,000〜150,000円 | 半日〜1日 |
| 建設現場の記録撮影 | 30,000〜60,000円 | 2〜3時間 |
| 観光・自治体PR動画 | 100,000〜300,000円 | 1〜3日 |
| 太陽光パネル点検 | 20,000〜50,000円 | 2〜4時間 |
| 農業(農薬散布) | 10,000〜30,000円/反 | 数時間 |
不動産撮影は1件3〜8万円で半日の作業。月に4〜5件こなせば、副業で月15〜40万円は現実的な数字。 「写真の販売だけだと年に数百〜数千円」っていうのはリアルな話。ストックフォト販売だけでドローン撮影の副業を成り立たせるのは正直厳しい。安定して稼ぐなら、不動産会社や結婚式場など「撮影サービスを必要としているクライアント」に直接営業するのが王道。
ドローン撮影に必要な資格
国家ライセンス(操縦者技能証明)
2022年12月に制度化されたドローンの国家ライセンス。2026年時点では、商業利用するならほぼ必須と考えていい。
| 区分 | 概要 | 取得費用の目安 |
|---|---|---|
| 二等操縦者技能証明 | 目視内・昼間の一般的な飛行 | 約20〜30万円 |
| 一等操縦者技能証明 | レベル4飛行(有人地帯での目視外) | 約30〜50万円 |
副業レベルなら二等で十分。一等は物流やインフラ点検など、高度な飛行が必要な業務向け。
取得にかかる期間は、登録講習機関での受講で2〜4日間。試験は学科+実技+身体検査。講習をしっかり受ければ難易度はそこまで高くない。
ただ、私の場合は一発合格できなかった。二等ライセンスの実技試験で、ホバリング(空中静止)のときに風速4m/sの突風が吹いて、ドローンが2mほど横に流された。焦って急操作したら減点をくらい、1回目は不合格。2回目で受かったけど、追加受験料15,000円は痛かった。同じ日に試験を受けた友達のユウトは一発合格だったのでちょっと悔しかった。屋外の実技試験は天候に左右されるので、風が強い日に当たったら「落ち着いて」が一番大事。
機体登録
国家ライセンスとは別に、機体登録も必須。重量100g以上のドローンは航空局への登録が義務付けられている。登録費用は1機あたり900〜2,400円。
飛行許可申請
人口密集地域(DID地区)や空港周辺での飛行には、国土交通省への飛行許可申請が必要。包括申請(1年間有効)を取っておけば案件のたびに申請する手間が省ける。
機材選び
おすすめのドローン
| 機種 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|
| DJI Mini 4 Pro | 約12万円 | 軽量(249g以下)。副業入門に最適 |
| DJI Air 3 | 約15万円 | 4K/60fps。バランスの良い中級機 |
| DJI Mavic 3 Pro | 約30万円 | プロ向け。3つのカメラレンズ搭載 |
副業としてスタートするならDJI Mini 4 Proがコスパ最強。DJI(深セン発のドローンメーカー、世界シェア70%超)のエントリーモデルで、249g以下なので一部の規制が緩和されるメリットもある。4K撮影対応でクオリティ面でも問題ない。
機材の初期投資は本体+バッテリー+アクセサリーで15〜20万円。資格取得費用と合わせると35〜50万円の初期投資が必要。ただし、不動産撮影を月4件受ければ3〜4ヶ月で回収できる。
ドローン撮影案件には多彩なバリエーションがある。映像制作会社や広告代理店、不動産会社、WEBサイト制作会社などBtoB案件のほか、個人からのウェディングやイベント記録などBtoC案件も十分にある。 — 出典: ドロ���ン撮影代行業務を副業に。始め方や仕事内容例。(note)
案件の探し方
クラウドソーシング
@SOHOの資格ガイドでは、ドローン操縦者技能証明の取得メリットとして「商業撮影の信頼性向上」「案件単価のアップ」が挙げられている。資格を持っていることをプロフィールに明記するだけで受注率が上がる。
クラウドソーシングで「ドローン撮影」「空撮」と検索すると案件が見つかる。@SOHOなら手数料0%で直接取引できるので、報酬を100%受け取れる。ポートフォリオ機能を使って空撮サンプルを掲載しておけば、発注者側から声がかかることもある。
地元の不動産会社への営業
ドローン撮影の最もおいしいクライアントは、地元の不動産会社。物件の空撮をドローンで行うと物件の魅力が格段にアップする。でも自社でドローンパイロットを抱えている不動産会社はほぼない。
NG例: 「ドローン撮影できます。ご依頼お待ちしています」とだけ書いたチラシをポスティング。
OK例: 実際にその不動産会社が掲載している物件の周辺を(飛行許可を得た上で)空撮し、「御社の○○物件の空撮サンプルです。物件の周辺環境がわかりやすくなりますよね」とサンプル映像を持ち込む。
サンプル映像を持って営業すると、月に数件の定期案件になることが多い。私もこの方法で地元の不動産会社2社と継続契約を結んでいる。
結婚式場への営業
結婚式のドローン撮影は1件5〜15万円の高単価案件。屋外チャペルやガーデンウェディングを行う式場にサンプル映像を持ち込んで提携契約を結ぶのがおすすめ。
小中学校の空撮案件で1時間1万円。こういう地域密着型の案件は競合が少なくて安定する。学校の周年行事や卒業記念の空撮はリピートにつながりやすい。地元のつながりを大事にしておくとこういう案件が回ってくる。
注意点
保険に加入する
ドローンが墜落して人や物を傷つけた場合、損害賠償は数百万〜数千万円になる可能性がある。ドローン専用の賠償責任保険(年間1〜3万円)に必ず加入すること。
天候に左右される
ドローンは風速5m/s以上になると飛行が不安定になる。雨天も飛行不可。案件のスケジュールには必ず予備日を設けておくこと。
プライバシーに配慮する
住宅地での撮影は、近隣住民のプライバシーに配慮が必要。事前に告知するか、人物が特定できないよう高度を十分に取って撮影する。
改正航空法とドローン飛行の法的フレームワーク
ドローン撮影副業を行う上で、航空法・電波法・民法・個人情報保護法など複数の法律が複雑に絡み合います。違反すると刑事罰や損害賠償の対象となるため、法令理解は必須です。
航空法における無人航空機の飛行ルール
ドローン(重量100g以上)の飛行は、航空法に基づき厳格に規制されています。
航空法に基づく無人航空機の飛行に係るルールでは、特定飛行(人口集中地区上空、夜間飛行、目視外飛行、人又は物件から30m以内の飛行、催し場所上空、危険物輸送、物件投下)を行う場合、国土交通大臣の許可・承認が必要とされています。 出典: mlit.go.jp
具体的に許可・承認が必要となる飛行は以下のとおりです。
- 人口集中地区(DID地区)上空の飛行:都市部の多くが該当
- 夜間飛行:日没から日の出まで
- 目視外飛行:操縦者からドローンが見えない範囲
- 人や建物から30m未満の飛行:第三者・建物への接近
- イベント上空の飛行:催し物上空での撮影
- 危険物の輸送:可燃性物質、毒劇物等
- 物件の投下:物の落下を伴う飛行
これらに該当する飛行を許可なく行った場合、50万円以下の罰金等の刑事罰が科される可能性があります。
レベル別飛行と国家ライセンス制度
2022年12月に施行された改正航空法により、ドローンの飛行は4つのレベルに分類されています。
- レベル1:目視内・操縦飛行(資格不要、空撮等の基本飛行)
- レベル2:目視内・自動/自律飛行(測量・農薬散布等)
- レベル3:無人地帯上空での目視外飛行(離島輸送、点検等)
- レベル4:有人地帯上空での目視外飛行(一等ライセンス必須)
副業レベルなら二等資格で対応可能なケースが大半ですが、将来的にインフラ点検・物流分野への展開を視野に入れる場合は、一等資格の取得検討も価値があります。
機体認証制度の理解
国家ライセンスとともに整備された「機体認証制度」も理解しておく必要があります。
- 第一種機体認証:レベル4飛行に必要、強度・性能・機能の高度認証
- 第二種機体認証:レベル3飛行等に必要、一定の基準クリア
- メーカー型式認証:DJI等のメーカーが取得した認証機種
機体認証を取得済みの機種を使用することで、特定飛行の許可申請手続きが簡素化されます。
電波法とドローンの送受信規制
ドローンの操縦・映像伝送には電波を使用するため、電波法の規制も受けます。
- 技適マーク取得済み機種の使用:日本国内で使用可能な機種
- 海外モデル輸入時の注意:技適なしモデルは違法
- アマチュア無線資格:FPVドローン(5.8GHz帯)使用時に必要
- 業務用無線資格:高出力モデル使用時に必要
特に海外通販で安価なドローンを購入する場合、技適マークの有無を必ず確認しましょう。技適なしの機種を国内で使用すると、電波法違反で1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となります。
ドローン撮影副業の保険・リスク管理
ドローン事故は損害規模が大きくなる傾向があり、適切な保険加入とリスク管理が事業継続の生命線となります。
損害賠償保険の必須性
ドローンの墜落・接触事故は、人身事故・物損事故・第三者損害など複数の賠償リスクを生じます。
賠償責任保険は、業務中の事故により他人にケガを負わせたり、他人の物を壊したりした場合の法律上の損害賠償責任を補償する保険です。事業者には、業務遂行に伴うリスクに応じた適切な保険加入が推奨されています。 出典: fsa.go.jp
ドローン専用の保険商品は以下のような保障内容です。
- 対人賠償:1事故1億円〜10億円
- 対物賠償:1事故1,000万円〜1億円
- 機体保険(任意):盗難・墜落時の機体補償
- 個人情報漏洩保険(オプション):撮影データ漏洩時の対応
DJI関連保険、東京海上日動の「ドローン業務総合補償」、損保ジャパンの「ドローン保険」など、複数の保険会社が専門商品を提供しています。年間保険料は1〜3万円程度で、業務利用なら必須加入と考えるべきです。
飛行前点検とリスクアセスメント
毎回の飛行前に、以下のチェックリストを実施することで、事故リスクを大幅に低減できます。
- 機体点検:プロペラ、モーター、ランディングギアの状態
- バッテリー状態:充電量、温度、膨張の有無
- 送信機の電池残量:飛行中の電池切れ防止
- GPS信号の確認:6基以上の衛星捕捉
- コンパスキャリブレーション:磁場干渉の影響確認
- 気象条件:風速、降水確率、視界
- 飛行エリアの安全確認:人、車両、障害物の有無
これらの点検を習慣化することで、事故率を10分の1以下に抑えることが可能です。
個人情報保護とプライバシー配慮
ドローン撮影では、意図せず第三者の個人情報・プライバシーを侵害するリスクがあります。
- 顔・ナンバープレートの映り込み回避:高度設定、撮影アングル
- 私有地上空の撮影制限:所有者の同意取得
- 住宅地での事前告知:近隣住民への周知
- 撮影データの適切な管理:暗号化保存、適切な廃棄
- 公開前のチェック:個人情報の有無確認
民法上の「プライバシー権侵害」「肖像権侵害」として損害賠償請求の対象となるケースも多く、撮影前のリスクアセスメントが重要です。
事故発生時の対応プロトコル
万が一、事故が発生した場合の対応手順を事前に把握しておきましょう。
- 人身事故の場合:救急通報、医療機関搬送、警察通報
- 物損事故の場合:被害状況記録、損害額査定、保険会社連絡
- 国土交通省への報告:事故発生から10日以内に報告書提出
- 個人情報漏洩の場合:個人情報保護委員会への報告
事故発生時の冷静な対応が、その後の賠償額や事業継続性を大きく左右します。
ドローン撮影副業の収入最大化と事業発展
単発の撮影案件を超えて、ドローン撮影を中核事業として発展させるための戦略を解説します。
業界別ドローン活用の市場機会
ドローンの業務活用は急速に拡大しており、業界ごとに異なる市場機会があります。
- 建設業:工事進捗記録、3D測量、土量計算(年商1,000億円市場)
- 農業:農薬散布、生育診断、収穫量予測(スマート農業)
- インフラ点検:橋梁、送電線、太陽光パネル点検
- 物流:山間部・離島への配送、ラストワンマイル配送
- 災害対応:被災地調査、行方不明者捜索
- エンターテインメント:ドローンショー、映画撮影
これらの業界では、専門知識を持ったドローンパイロットの需要が極めて高く、副業から本業化を目指す道筋として有望です。
経済産業省の「空の産業革命」ロードマップ
経済産業省と国土交通省が共同で推進する「空の産業革命に向けたロードマップ」では、ドローン産業の中長期計画が示されています。
ドローンを含む無人航空機の社会実装に向けては、安全性確保、機体・運航ルールの整備、社会受容性の向上が重要な課題となっています。レベル4飛行の解禁により、有人地帯上空での目視外飛行が可能となり、物流や警備、点検等の分野での実用化が進められています。 出典: meti.go.jp
この国家戦略を背景に、ドローン関連産業は今後10年で大きな成長が予想されており、早期参入者には大きなビジネスチャンスがあります。
専門領域への深堀り戦略
「何でも撮ります」というジェネラリストではなく、特定領域の専門家として位置付けることで、高単価案件を継続的に獲得できます。
- 不動産特化:物件空撮の業界知識・撮影技術
- 建設業特化:3D測量、進捗管理レポート作成
- インフラ点検特化:構造物点検、AI解析サービス
- 農業特化:精密農業、収量分析
- イベント特化:結婚式・式典の感動演出
- 観光PR特化:自治体案件、地域活性化
専門領域を絞ることで、口コミ・紹介による継続発注が増え、結果として年商1,000万円超の事業に育てることが可能です。
法人化と事業拡大のタイミング
副業から始めたドローン撮影が軌道に乗ったら、法人化を検討するタイミングです。
- 年商800〜1,000万円:消費税課税事業者化、法人化検討開始
- 年商1,500万円〜:法人化のメリットが明確化
- 複数パイロット雇用:チーム体制構築、案件キャパシティ拡大
- 専門機材の本格投資:高性能機、特殊撮影装置
- オフィス・倉庫の確保:機材保管、編集作業環境
法人化により、税務優遇、社会的信用、人材採用、銀行融資等のメリットが得られます。中小企業基盤整備機構の創業支援制度や、各種補助金の活用も視野に入れた事業発展計画を立てましょう。
よくある質問
Q. 資格を取得した後、どのように案件獲得に繋げればよいですか?
資格をプロフィールに記載するのはもちろんですが、それだけで依頼が来ることは稀です。クラウドソーシングサイトで実績を積むほか、資格で得た知識を活かして作成した「ポートフォリオ」を提示したり、専門分野に特化したブログやSNSで発信を続けたりすることで、指名案件の獲得率が高まります。
Q. 制作した動画の著作権や、テンプレートのライセンスで注意点はありますか?
非常に重要です。使用するテンプレートが「商用利用可能か」を必ず事前に確認してく ださい。また、クライアントへの納品時に、プロジェクトファイル(編集データ)の著 作権を譲渡するのか、あるいは動画データのみなのかといった契約条件は、トラブルを 防ぐためにも作業着手前にメッセージ等で明確に合意しておきましょう。
Q. 実績が全くない未経験者でも、ポートフォリオは作れますか?
はい、作れます。実際の仕事としての実績がなくても「自主制作」や「架空のクライアントへの提案」という形で、あなたのスキルを証明することは可能です。大切なのは「何を作ったか」ではなく「どんな課題をどう解決しようとしたか」という思考プロセスを見せることです。
Q. 資格取得にかかる費用を節約する方法はありますか?
雇用保険に加入している場合、教育訓練給付金制度を利用して受講費用の20%〜70%が還付されるケースがあります。また、自治体によってはフリーランス向けのスキルアップ助成金を出していることもあるので、各自治体のウェブサイトをチェックすることをお勧めします。
Q. 資格取得にかかる費用と、元を取るまでの期間の目安を教えてください。?
受験料や教材費を含め、一般的には1万円〜5万円程度の初期投資で済むものが多いです。副業として月3万円程度稼げるようになれば1〜2ヶ月で回収できる計算になるため、スキルアップの中では非常にコストパフォーマンスの良い自己投資と言えます。
@SOHOで資格を活かして稼ぐ
取得した資格を活かせる案件や、資格取得に使える教育訓練給付金の対象講座を@SOHOで一覧できます。
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この記事を書いた人
山口 彩花
デザイナー兼イラストレーター
美大卒業後、広告代理店でグラフィックデザイナーとして6年間勤務。色彩検定1級、DTP検定を取得。現在はフリーランスとしてブランディングデザインとイラスト制作を手がけています。
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