法人 配当 個人事業主 違い|キャッシュフロー戦略と税負担の最適化

前田 壮一
前田 壮一
法人 配当 個人事業主 違い|キャッシュフロー戦略と税負担の最適化

この記事のポイント

  • 法人 配当と個人事業主の所得受け取り方を比較し
  • 税負担・社会保険・キャッシュフローを最適化する戦略を解説
  • 受取配当金の益金不算入

まず、安心してください。「法人 配当」と検索された皆さんの多くは、たぶん次のどれかで悩んでいると思います。法人を設立したけれど、自分への報酬を「役員報酬」で取るか「配当」で取るか迷っている。あるいは、保有している法人で他社株式の配当を受け取って、仕訳と税務処理が分からない。もしくは、個人事業主から法人成りを検討していて、配当という選択肢の損得が見えない。私も43歳でメーカーを辞めてフリーランスとして独立し、その後マイクロ法人を構えてから同じ壁にぶつかりました。最初は税理士さんに丸投げしようと思ったのですが、結局のところ「自分の手取り」と「会社のキャッシュ」をどう分けるかは経営者の判断です。本記事では、法人が配当を「払う側」と「受け取る側」の両方の税務処理を整理し、個人事業主との違い、社会保険を含めたキャッシュフロー戦略まで、落ち着いて一つずつ解説していきます。読み終える頃には、ご自身のケースで配当を使うべきかどうか、判断軸が手に入っているはずです。

マクロで見る「法人と配当」の現在地

最初に、市場全体の景色を共有させてください。日本の中小企業数は2026年時点で約336万社と中小企業庁の白書で公表されており、その大半が同族経営の中小法人です。同族法人の多くは、社長個人が株式の100%を保有しており、原理的には「役員報酬」「賞与」「配当」のどの形でも自分にお金を還流できます。にもかかわらず、現場では配当を一切使わずに役員報酬一本で運営している中小法人が圧倒的多数です。理由は明快で、配当には法人税と所得税の二重課税が残るうえに、配当は損金不算入だからです。

一方、個人事業主は事業所得として丸ごと所得税・住民税・国民健康保険・国民年金の対象になります。法人を間に挟む最大のメリットは、所得を「給与」「退職金」「配当」「内部留保」に分散できる点にあります。配当は単独で見ると不利でも、役員報酬を抑えて社会保険料を圧縮し、残りを配当で取るような組み合わせが選択肢として浮上することがあります。さらに、法人が別法人や上場株式に投資して「受け取る配当」については、受取配当金の益金不算入制度という強力な節税メカニズムが用意されています。

つまり「法人 配当」というキーワードは、文脈によって意味がまったく異なります。

  • 自社の利益を株主(=社長個人)に配当として分配するケース
  • 法人が他社や上場銘柄の株式から配当を受け取るケース
  • 個人事業主と比較して、法人成り後に配当を組み込むべきかを判断するケース

本記事では、この3つを順番に整理していきます。「自分はこのケースだ」と思った章を集中して読めば、最短で判断材料が揃う構成にしています。

法人が配当を「支払う」ときの税務と社会保険

配当は損金不算入であるという大原則

法人が株主に配当を支払っても、その金額は法人税の計算上「損金」になりません。役員報酬であれば、定期同額給与や事前確定届出給与のルールを守っている限り損金に算入できます。ところが配当は、税引後利益から分配する性格のため、法人税を払った後の利益を株主に渡す行為と整理されます。結果として、法人段階で実効税率およそ23〜34%の課税を受け、その残りを配当として受け取った個人株主側でさらに所得税・住民税が課されます。これがいわゆる「二重課税」と呼ばれる構造です。

ただし、個人株主側には「配当控除」という緩和制度が用意されています。総合課税を選んだ場合、課税総所得金額が1,000万円以下の部分については配当所得の10%(住民税は2.8%)が税額控除されます。1,000万円を超える部分は所得税で5%、住民税で1.4%へと半減します。中小同族法人のオーナー個人にとっては、この配当控除をどう使うかが配当戦略の鍵になります。

源泉徴収と支払調書

非上場の同族会社が配当を支払う場合、原則として支払金額の20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)を源泉徴収して、翌月10日までに国に納付しなければなりません。上場株式の配当であれば、20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の源泉分離扱いになり、原則として確定申告は不要です。

非上場同族会社の配当については、住民税の特別徴収はなく、所得税のみ源泉徴収されます。受取人である個人株主は、確定申告で総合課税を選ぶか、申告不要制度(少額配当の特例)を使うかを選択することになります。少額配当の特例とは、1回の配当金額が「10万円×配当計算期間÷12」以下である場合、所得税の確定申告を省略できる制度です。住民税は別途申告が必要になる点に注意してください。

社会保険との関係

配当のもう一つの重要な特徴は、社会保険料の対象外であるということです。役員報酬には健康保険・厚生年金・介護保険がすべてかかり、現状の標準報酬月額で計算すると、会社負担と本人負担を合わせて約30%の社会保険料が乗ります。同じ金額を配当で取れば社会保険はゼロです。

ここに「役員報酬を社会保険の最低ラインまで下げ、残りを配当で取る」というスキームが成立する余地があります。ただし、この設計は次の3点に注意してください。

第一に、役員報酬を極端に下げすぎると、住宅ローン審査や賃貸契約の与信、子どもの保育料、傷病手当金や出産手当金の給付額にまで影響します。皆さんがフリーランス時代に「年収が証明できなくて苦労した」という経験があるなら、その感覚を法人成り後にも持ち込むことになります。

第二に、配当は社会保険料の対象外ですが、所得税・住民税は引き続き課されるため、配当控除を加味しても役員報酬より明確に有利と言える金額帯は限定的です。一般的には、年間所得が900万円〜1,800万円の役員報酬部分について、配当への振り替えを検討する価値が出てくると言われます。

第三に、配当は原則として株主総会の決議が必要で、年に1回(あるいは中間配当を加えて2回)しか出せません。役員報酬のように毎月固定で支給できる柔軟性はなく、業績連動で動かすには事前確定届出給与のような別の手当てが必要です。

法人が配当を「受け取る」ときの税務処理

ここからは、法人が他社や上場株式から配当を受け取る場合の話に移ります。検索ボリュームを見ると、実はこちらのニーズも非常に大きいです。私のところに相談に来られる中小企業の経理担当者の方も、「法人名義で買った上場株から配当が振り込まれたが、どう仕訳すれば良いのか」で詰まっていることがよくあります。

受取配当金の基本仕訳

配当金が普通預金に入金された場合、源泉徴収後の金額が入ってきます。例として、配当金額10万円、源泉所得税15,315円(上場株式の場合)が引かれて84,685円が入金されたケースを考えます。仕訳は次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 84,685円 受取配当金 100,000円
法人税、住民税及び事業税 15,315円

源泉徴収された所得税等は、法人税申告書別表六(一)で所得税額控除の対象として法人税額から差し引くことができます。会計上は「法人税、住民税及び事業税」で計上しますが、所得税等控除を確実に取るためには、支払調書や配当金計算書を保管し、別表六(一)に明細を記載することが必要です。

一般的に、源泉徴収された所得税等の勘定科目は、「法人税、住民税及び事業税」を使います。その他「法人税等」などの別の科目を使用する場合もあります。お使いの会計ソフトの科目や今まで使ってきた科目がある場合は、それに合わせてください。今回は、所得税と復興特別所得税を分けずに仕訳しましたが、分けて仕訳しても問題ありません。 通常、株式を発行している会社や、証券会社等から送られてくる配当金明細書などに、源泉徴収された所得税等の金額は記載されています。

私が現場で見てきた限り、ここでよくあるミスは「入金額をそのまま受取配当金で計上してしまう」ことです。これでは源泉徴収された所得税等が消えてしまい、所得税額控除の機会を逃します。控除を取り損ねた金額は、そのまま余計な税負担として残ります。配当金計算書を必ずファイリングし、入金日と一致させて処理する体制を作ってください。

受取配当金の益金不算入制度

法人税法には「受取配当金の益金不算入」という制度があります。法人が受け取る配当は、出資先の法人段階ですでに法人税が課された後の利益から払われるものなので、受け取った法人で再び課税すると三重課税になってしまうという考え方に基づいています。

益金不算入の割合は、出資比率に応じて4区分に分かれています。

株式区分 出資比率 益金不算入割合 負債利子控除
完全子法人株式等 100%(保有期間6ヶ月以上) 100% なし
関連法人株式等 3分の1超(保有期間6ヶ月以上) 100% あり
その他の株式等 5%超〜3分の1以下 50% なし
非支配目的株式等 5%以下 20% なし

例えば、自社が3%しか保有していない上場株式から配当を受け取った場合、その20%だけが益金不算入となり、残り80%は通常通り益金算入されて法人税の対象になります。一方、完全子会社からの配当であれば100%が益金不算入で、法人税は実質ゼロです。

ここで皆さんに一つだけ覚えておいてほしいのが、「直接保有」と「継続保有」の要件です。引用を見てください。

・直接保有(直接支配) 完全子法人株式等は株式の保有割合100%の株式ですが、源泉徴収が不要となるのは直接100%の株式を保有している場合のみです。例えば当社A社のみでB社の株式を100%保有している場合は、直接100%の株式を保有しているため源泉徴収は不要です。 一方、当社A社と当社の子会社C社で合わせてB社の株式を100%保有している場合は、A社が直接100%の株式を保有しているわけではないので、受取配当金に対して源泉徴収がされます。 ・継続保有要件 源泉徴収が不要となるのは、配当金の計算期間にわたって継続して保有している必要があります。

完全子法人株式等であっても、孫会社と合算して100%になるケースは源泉徴収が必要になるという、意外と見落とされやすい論点です。法人がグループ再編やM&Aで持ち株比率を動かす際には、配当の計算期間と保有期間を必ずチェックしてください。

個人NISAは使えない(法人投資の前提)

なお、個人向けに普及しているNISA(少額投資非課税制度)は、法人は利用できません。

法人が他の法人の株式を所有している場合や投資信託をしている場合などに、配当金を受け取ることがあります。この配当金は税金が既に引かれていたり、法人税の計算上で益金に不算入のものがあったりして、処理方法が複雑だったり、税額に影響を与えたりします。ここでは、法人が配当金を受け取った場合の処理方法を解説します。なお、個人向けの「NISA(少額投資非課税制度)」とは異なり、法人はNISA口座を開設することができません。法人名義での株式投資・投資信託には、本記事で解説する源泉徴収・益金不算入のルールが適用されます。

「法人で資産運用すれば全部経費にできる」「法人ならNISAより有利」という話を聞きますが、これは半分正しくて半分間違っています。受取配当金は益金不算入で大きく減らせる一方で、売却益(譲渡益)は通常通り益金に算入されて法人税の対象です。法人で配当狙いのポートフォリオを組むのは合理的ですが、キャピタルゲイン狙いの短期売買を法人で行うと、個人のNISAより税率が高くつくケースがあります。詳細は国税庁の配当所得の解説や、各金融機関の法人口座のFAQで確認してください。

個人事業主と法人で配当を組み込んだ場合の比較

ここからは、本キーワードの読者が最も知りたいであろう「個人事業主 vs 法人+配当」の比較に踏み込みます。

個人事業主のキャッシュフロー構造

個人事業主は、売上から経費を引いた事業所得が、そのまま自分の所得です。所得税は累進課税で最高45%、住民税が一律10%、これに国民健康保険と国民年金が乗ります。所得が増えるほど税率が上がり、所得900万円を超えた辺りから法人成りを検討する分岐点に差し掛かります。

メリットは、シンプルで会計コストが低いこと、青色申告特別控除で65万円を所得から控除できること、そして「自分の取り分」と「事業のお金」を明確に分けなくても問題が起きにくいことです。一方デメリットは、所得分散の手段が極めて限定的であることと、退職金や生命保険を経費にする工夫が難しいことです。

技術文書のライティングやコンサルを始めた当初、私も個人事業主でした。月収40万円までは個人事業主のままで十分やっていけました。むしろ、法人成りすると顧問税理士の費用、社会保険、法人住民税の均等割7万円などの固定費が増え、所得が伸びない時期にはむしろキャッシュフローを圧迫します。

法人成り後に役員報酬+配当を組み合わせる戦略

法人化した後の「自分の取り分」の取り方には、大きく3パターンあります。

パターンA:役員報酬一本

最も多いパターンです。所得を全額役員報酬として給与所得控除(最大195万円)を取り、社会保険にも入って公的給付の基盤を作ります。シンプルで税務リスクが低く、住宅ローンや与信の面でも有利です。

パターンB:役員報酬を最小化し、利益を内部留保

役員報酬を社会保険の最低ラインまで下げ、利益を法人内に留保していくパターンです。会社の純資産を厚くし、事業承継・売却・退職金支給のタイミングで一気に出口を取る考え方です。短期的なキャッシュは細りますが、長期的に税負担を最適化できる可能性があります。

パターンC:役員報酬を抑えて配当で補完

役員報酬を一定額に抑え、残った利益を期末に配当として受け取るパターンです。社会保険料の節約効果と配当控除を組み合わせることで、トータルの手取りを最適化することを狙います。ただし、法人税で先に課税された後の利益を配当に回すため、配当部分の実効税率は単独では悪く、本当に有利になるかは慎重なシミュレーションが必要です。

簡単な比較シミュレーション

事業所得1,500万円のケースで、パターンA(役員報酬1,500万円)と、パターンC(役員報酬600万円+配当900万円相当)を比較してみます。あくまで概算で、正確な数字は税理士に確認してほしいのですが、感覚として次のような差が出てきます。

項目 パターンA:役員報酬1,500万円 パターンC:役員報酬600万円+配当
役員報酬への所得税・住民税 高い(累進) 低い
社会保険料(会社+本人) 約260〜290万円 約100〜120万円
法人税(配当原資にも課税) ほぼなし 利益部分に23〜34%
配当への所得税(控除後) なし 配当控除考慮で実効15〜20%程度
個人手取り合計(概算) 約950〜1,000万円 約1,000〜1,070万円

差は数十万円〜100万円規模で出ることがありますが、これは配当控除の枠を完全に使い切れる前提の数字です。役員報酬を下げることで失う社会保障の価値、特に厚生年金の将来受取額の減少を加味すると、必ずしもパターンCが優位とは言えません。

私自身は、独立してマイクロ法人を立てた当初、節税ばかりに目が行ってパターンCに寄せようとしました。結果として、子どもの私学進学を考えたときに「住宅ローンの追加借入で年収証明が弱い」「保育料の試算が住民税ベースで足元のキャッシュより不利」など、想定外の不便が出ました。皆さんも、ご家庭のライフイベントと合わせて、配当戦略を考えてください。節税は手取りを増やす手段の一つに過ぎず、家計全体の安心感を犠牲にしてまで追うものではない、というのが私の正直な実感です。

配当戦略を考えるうえで押さえておきたい注意点

ここまで読んで、「自分のケースで配当を導入する価値はあるか」が朧げに見えてきたかと思います。最後に、実務でつまずきやすい注意点を整理しておきます。

中間配当・剰余金の配当の手続き

剰余金の配当を行うには、原則として株主総会の普通決議が必要です。中間配当を行う場合は、定款にその旨の定めを置く必要があります。一人会社や同族会社では決議は形式的ですが、議事録を残し、源泉徴収の納付期限(翌月10日)を守る運用は必須です。配当通知書・支払調書の作成・税務署への提出も忘れずに行ってください。

純資産規制(分配可能額)

会社法上、配当を支払うためには「分配可能額」の枠内に収まっている必要があります。純資産が300万円を下回るような会社では、原則として配当できません。赤字続きで繰越欠損金を抱えている法人が無理に配当を出すと、会社法違反のリスクがあるため避けてください。

役員賞与との混同

「事前確定届出給与」を提出していない役員賞与は損金不算入になります。配当と役員賞与を混同して「期末に賞与を出して節税」と思って動くと、損金算入されず想定外の法人税が発生します。役員賞与は事前届出が前提、配当は株主総会決議が前提と、別物として扱ってください。

「保険」と「無料」相談の使い分け

法人保険を活用して内部留保と退職金準備を兼ねる手法は、2026年現在も健在ですが、税制改正で損金算入のルールが厳格化されています。生命保険を法人で契約する場合は、最新の通達と実効税率を必ず確認してください。

また、配当戦略は法人ごとの株主構成・利益水準・キャッシュフローによってまったく違う結論になります。多くの税理士事務所が無料相談枠を設けていますし、商工会議所や日本政策金融公庫の創業支援窓口でも基本的なアドバイスを受けられます。皆さんが本格的に配当を組み込む前に、必ず一度は専門家と話してみてください。

第一に、エンジニア・開発系の方です。SaaS開発、業務アプリ開発、AI関連の案件単価が上がってきており、フリーランス売上が1,200万円を超える方も珍しくなくなっています。詳しい単価レンジはソフトウェア作成者の年収・単価相場にデータがありますが、この所得帯は法人成りと配当戦略の検討に入る入口です。具体的な案件像はアプリケーション開発のお仕事を参照してください。

第二に、ライター・編集者です。Webメディアや書籍編集、技術文書の翻訳など、年間売上1,000万円前後で安定してくると、消費税の課税事業者化と合わせて法人成りを検討する方が増えます。報酬の水準感は著述家,記者,編集者の年収・単価相場にまとまっています。

第三に、AIコンサル・業務改善コンサルの方です。生成AIの普及により、企業内のRPA化・業務効率化のコンサルニーズは2024年比でも急増しています。プロジェクト単位の報酬が大きく、内部留保を厚くしておきたいというニーズと相性が良い領域です。実際の案件タイプはAIコンサル・業務活用支援のお仕事、隣接領域はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事が参考になります。コンサル能力を体系的に裏付ける資格としては、中小企業診断士を取得して法人化と同時にコンサル契約を増やすパターンも一定数います。

第四に、医療事務・バックオフィス系の方です。これは法人成りには直結しませんが、家族で医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)を取得して配偶者に医療事務として在宅副業をしてもらい、世帯としての所得分散を図るというパターンを実際に何度か拝見しました。法人を作った場合、配偶者を非常勤役員に据えて役員報酬を支給するスキームと相性が良いです。

なお、法人活用というテーマでは、関連する補助金・助成金の情報も合わせて押さえておくと判断材料が増えます。EVを社用車として導入する場合のコストと補助金についてはEV充電器 補助金 法人 2026で詳しく整理しています。社会貢献型の法人形態を選ぶ場合はNPO法人が使える補助金・助成金2026年版|活動資金の確保方法まとめを、海外展開や節税のための海外法人スキームを検討される場合はシンガポール・ドバイでの海外法人設立コストと維持費|タックスヘイブンの現実【2026年最新】が参考になります。海外法人設立については、配当に関する租税条約の理解が前提になるため、本記事の内容を理解した後に読むことをお勧めします。

配当戦略を導入する前に整えておきたい3つの方法

第一の方法は、月次決算の精度を上げることです。配当を出すには分配可能額を正確に把握する必要があり、年に1度の確定申告ベースでは判断が遅れます。クラウド会計ソフトを使い、毎月の試算表を期末2ヶ月前には固める運用にしてください。

第二の方法は、株主構成を整理することです。配偶者や子どもに株式を一部譲渡しておくと、配当を家族で分散して受け取れるため、累進税率を低く保ったまま家計全体の手取りを増やせる可能性があります。ただし、贈与税や所得税の規定に抵触しないように、株価評価と譲渡時期は専門家と相談してください。

第三の方法は、出口(事業承継・売却・退職)から逆算することです。配当を毎期出す戦略と、内部留保して退職金で一気に取る戦略とでは、生涯ベースの税負担が異なります。皆さんが何歳でリタイアするのか、子どもに事業を継がせるのか、第三者に売却するのか、その出口を描いてから配当ポリシーを決めるのが本筋です。

ここまで読んでくださった皆さんは、すでに「法人 配当」というテーマを単なる節税策ではなく、ご自身のキャッシュフロー戦略の一部として捉える視点をお持ちのはずです。私自身、43歳で独立し、その後マイクロ法人を構えた身として、配当を含む所得設計が経営者人生の安心感に直結することを痛感してきました。一度設計してしまうと、毎期の運用は驚くほどシンプルになります。まず、ご自身の現状を整理することから始めてみてください。

よくある質問

Q. 「マイクロ法人」と個人事業主を併用するメリットは何ですか?

マイクロ法人で社会保険(健康保険・厚生年金)に最低限の役員報酬で加入し、個人事業主として主な利益を得ることで、社会保険料の負担を最適化できるのが最大のメリットです。2026年現在も、所得が高いフリーランスが手取りを最大化させるための有力な選択肢となっています。

Q. 一人で「法人の社長」と「個人事業主」を兼任しても法律上問題ありませんか?

はい、法律上(会社法や税法上)全く問題ありません。多くの企業経営者が、個人名義での不動産賃貸業などを兼任しています。「人格(法人格と自然人)」が違うため、別々の存在として扱われます。

Q. 個人事業主から法人化(法人成り)を検討すべきタイミングはいつですか?

一般的には、不動産所得(利益)が年間800万円〜1,000万円を超えたあたりが、所得税と法人税の税率差を考慮した法人化の目安とされています。また、家族を役員にして給与を支払うなど所得を分散させたい場合や、相続対策を重視したいタイミングで検討するケースも多いです。

Q. 個人事業主から合同会社へ法人成りする具体的な所得の目安は?

一般的に所得(売上から経費を引いた金額)が500万円〜800万円を超えたあたりが、所得税と法人税の差額によって節税効果を実感しやすい分岐点とされています。2026年現在の税制や社会保険料の負担増を考慮すると、自身の生活費や将来の事業計画を含めたシミュレーションが不可欠です。

Q. 個人事業主の国民健康保険料は所得がいくらくらいから高くなりますか?

お住まいの市区町村によって計算式が異なりますが、所得(売上から経費と青色申告特別控除を引いた金額)が300万円〜400万円を超えてくると、会社員時代の自己負担分よりも高くなるケースが一般的です。国保は会社負担がなく全額自己負担となるため、事前に自治体のシミュレーター等で試算しておくことをおすすめします。

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前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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