マンション管理士副業は稼げるのか?未経験から月5万円を目指すための具体的な手順


この記事のポイント
- ✓マンション管理士副業のリアルな実態を
- ✓副業実施率や報酬相場などのデータで解説
- ✓在宅でできる仕事の種類
「マンション管理士の資格を取ったけれど、本業にするほどの自信はない。まずは副業から始められないだろうか」。このご相談、本当に多いんです。会社員のままで、土日や夜の時間を使って、自分のペースで始めたい。その気持ち、よく分かります。
結論からお伝えすると、マンション管理士の副業は「正しく始めれば、地道に積み上げられる仕事」です。ただし、ネットでよく見かける「副業で月収◯十万円」のような話とは少し距離を置いて読んでいただきたい。実態はもう少し落ち着いた世界で、その分、長く続けやすい仕事でもあります。
この記事では、マンション管理士副業の市場の実態、報酬の相場、在宅でできる仕事の種類、案件の探し方、そして始めるときの注意点を、できるだけ客観的なデータと一緒に整理していきます。読み終えたとき、「自分にも踏み出せそう」と感じていただけたら嬉しいです。
マンション管理士副業の市場の実態とマクロ視点
まずは、足元の市場がどうなっているのかを冷静に見てみましょう。マンション管理士は、マンション管理適正化法に基づく国家資格です。管理組合の運営支援、長期修繕計画の見直し、管理規約の改正、住民間トラブルの調整など、専門知識を活かしたコンサルティング業務を担います。
国土交通省が公表しているマンションストック数は、2024年末時点で約704万戸に達しています。日本人の約10人に1人が分譲マンションで暮らしている計算です。さらに築40年以上のマンションは約136万戸、10年後には約260万戸まで増えると予測されています。
つまり、老朽化したマンションをどう維持し、いつ建て替えるか、どのように合意形成していくかという課題は、これからますます社会的に重みを増す領域です。マンション管理士の出番は、長期的に見て減るどころか増えていく構造にあります。
一方で、業界の現実はどうでしょうか。マンション管理士の有資格者は累計で約4万人、毎年の合格者数は約1,000人前後、合格率は8〜10%程度で推移しています。難関国家資格でありながら、専業で食べている人は意外に少ないのが実情です。多くの方が、不動産会社や管理会社、士業事務所、自治体などに勤めながら、副業や複業として資格を活かしているという全体像があります。
その中で副業でマンション管理士の業務を行っている人の割合をみると、資格取得者全体のうちの8%ほどです。
この8%という数字を、どう受け取るかが大切です。「思ったより少ない」と感じる方もいるでしょう。私の感覚では、これは「需要がない」のではなく、「副業として体系化された入り口がまだ少ない」というのが近いと見ています。資格は取ったものの、最初の一件をどう取るかが分からず止まってしまう方が多い。逆にいえば、入り口の設計さえできれば、十分に取り組める領域だということです。
副業マンション管理士のもう一つの追い風は、働き方の変化です。コロナ禍以降、管理組合の理事会や総会はオンライン化が進みました。Zoomでの理事会出席、メールでの規約改正支援、PDFでの修繕計画レビューなど、対面に縛られない業務が一気に増えています。地方在住でも都市部のマンションをサポートできる、平日の夜だけ稼働するといった柔軟な働き方が現実的になってきました。
マンション管理士副業の報酬相場とリアル
次に、気になる報酬の話です。ここはどうしても煽った情報が出回りやすい領域なので、できるだけ冷静に整理します。
副業マンション管理士の案件単価は、業務内容によって幅があります。一般的な水準を整理すると、次のようになります。
| 業務内容 | 単価相場 | 稼働の目安 |
|---|---|---|
| 顧問契約(月次サポート) | 月額2〜5万円 | 月2〜4時間 |
| 理事会・総会への出席 | 1回1〜3万円 | 2〜3時間 |
| 長期修繕計画の見直し | 1件10〜30万円 | 10〜30時間 |
| 管理規約改正のコンサル | 1件5〜15万円 | 5〜15時間 |
| 第三者管理(理事長代行) | 月額3〜10万円 | 月4〜8時間 |
| セミナー講師・記事執筆 | 1件1〜5万円 | 数時間 |
例えば、月額3万円の顧問契約を2件、年に1回の修繕計画見直しを1件こなせば、月平均で6〜8万円ほどの副収入になります。土日や平日夜の稼働で十分まわせる範囲です。一見地味に見えるかもしれませんが、ストック型に積み上がる仕事なので、続けるほど安定していくのが特徴です。
ここで一つ、現場で感じてきたことをお伝えしておきます。私がカウンセリングでお会いする副業希望の方の多くは、最初に「いくら稼げますか」を気にされます。気持ちはとてもよく分かります。けれど、副業マンション管理士の世界で長続きしている人は、最初の数か月、報酬よりも「この管理組合に信頼されること」を優先しています。最初の一件を丁寧にやれば、紹介で次が来る。これは派手な話ではないけれど、本当によく聞く話です。
なお、副業の収益化を急がせるような情報には注意が必要です。
副業詐欺にご用心、消費者金融から200万円の借金を背負う若者も 怪しい副業を見破る3つのポイント
国家資格を活かす副業は、こうした怪しい話とは違い、地道で実直な仕事です。「すぐに大金が入る」と謳う情報には距離を取り、業務の中身を理解してから始める姿勢が、結果的にあなた自身を守ります。
在宅でできるマンション管理士副業の種類
「対面が必須なら、副業として続けにくいのでは」と心配される方もいるでしょう。安心してください。在宅でできる業務は、思っているよりずっと広がっています。
1. オンライン顧問・スポット相談
最も入りやすいのが、管理組合の理事や住民からの相談に乗る顧問契約です。Zoomでの理事会同席、メールやチャットでの質問対応、修繕計画書の事前レビューなどが中心になります。月額契約のほか、1時間5,000〜1万円のスポット相談という形も増えています。在宅で完結する仕事の代表例です。
2. 長期修繕計画・修繕積立金診断
築年数を経たマンションでは、修繕積立金が不足しているケースが非常に多い。国土交通省のガイドラインに沿って、現状の積立金が将来の修繕費を賄えるかを試算し、改善案を提示する仕事です。資料は管理組合から電子データでもらえるので、自宅でじっくり分析できます。1件あたりの単価が高めなので、月1件こなせるだけで副業として成立しやすい領域です。
3. 管理規約・使用細則の改正サポート
民泊、ペット、リフォーム、駐車場の使い方など、管理規約に関する相談は年々増えています。国土交通省の「マンション標準管理規約」を踏まえて改正案を作成し、総会に向けた説明資料まで作るのが一般的な流れです。文書作成中心の業務なので、在宅との相性が非常に良い分野です。
4. セミナー講師・オンライン勉強会
管理組合向け、不動産会社の社員向け、士業仲間向けなど、専門知識を共有する場の需要は安定しています。Zoomでの1〜2時間のオンラインセミナーなら、平日夜に組み込みやすい。最初は無料の勉強会で実績を作り、徐々に有料化していく流れが現実的です。
5. 記事執筆・監修
管理組合運営、修繕積立金、民泊問題、第三者管理など、マンション管理に関する読み物はWebでもニーズが高い。1記事1〜3万円の単価で執筆や監修を担う方も増えています。文章を書くのが苦でない方には、マンション管理士の知見を活かしやすい入り口です。著述業全般の単価感を知りたい方は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で公的データを確認しておくと、相場感の認識合わせがしやすくなります。
6. 動画コンテンツ・SNS発信
YouTubeやSNSで管理組合向けの解説をしている方もいます。ここは収益化までに時間はかかりますが、副業の集客チャネルとして使うのが現実的でしょう。最近では、AIを使った台本作成や動画編集の効率化も進んでいて、専門知識を持つ方ほど発信側の優位性が出ています。AI活用に関心がある方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、AIとの掛け合わせで広がる仕事の幅をのぞいてみるのもおすすめです。
このように、対面が必須な仕事は実は一部です。むしろ、調査・分析・文書作成・オンライン相談といった「頭と手を使う仕事」が中心で、在宅勤務との親和性が高いのがマンション管理士副業の特徴です。
マンション管理士副業の案件の探し方
ここからは、現実的に「最初の一件」をどう取るかという話に入っていきます。これがいちばん多くの方がつまずく場所なので、丁寧にお伝えします。
1. マンション管理士会・支部活動への参加
各都道府県には、マンション管理士会や登録機関が組織する団体が存在します。都道府県や自治体からの相談業務、行政との連携セミナー、無料相談会などを受託しており、副業で携われる入り口になります。年会費は1〜3万円程度かかりますが、最初の実績作りには非常に有効です。
会社員の方でも、土日のセミナー登壇や夜間のZoom相談会など、本業と両立しやすい形で関われるケースが多い。「資格を取ったけれど何から始めればいいか分からない」という方には、最初の選択肢として強くおすすめします。
2. 自治体・行政の相談窓口
自治体によっては、マンション管理士を派遣する制度を持っています。東京都の「マンション管理士派遣事業」や、横浜市の「マンション管理組合サポート事業」などが代表例です。1回あたり数千円〜2万円程度の謝金が出るうえに、現場経験を積める貴重な機会になります。
3. クラウドソーシングと業務委託サイト
最近は、クラウドソーシングや業務委託マッチングサイトでも、マンション管理士向けの案件が出るようになりました。記事執筆、規約レビュー、修繕計画のチェック、オンライン相談など、在宅完結の仕事が中心です。クラウドソーシングの全体像をまず把握したい方は、在宅ワークの求人の探し方5選|初心者でも安心な方法と注意点を徹底解説が、初心者の方が押さえておくべきポイントをまとめていて参考になります。
4. 既存の人脈・知人経由
意外と侮れないのが、ご自身の人脈経由です。「資格を取った」と周りに伝えるだけで、「実はうちのマンションの理事会で困っていて…」という相談が舞い込むケースは少なくありません。最初は無償または相場より安めで受け、丁寧に対応する。これだけで、紹介の連鎖が始まることが本当によくあります。
5. 不動産会社・管理会社からの業務委託
地元の不動産会社や中小の管理会社が、外部の専門家として副業マンション管理士に業務を委託するケースもあります。総会議事録の作成、規約改正案のレビュー、修繕計画の試算など、社内では手が回らない部分を切り出して任せる流れです。コネクションが必要になりますが、安定した取引先になりやすいルートです。
6. SNS・ブログでの発信
長期的には、自分の発信媒体を持つことが効いてきます。X(旧Twitter)やLinkedIn、note、個人ブログなどで、マンション管理に関する情報を定期的に発信する。半年〜1年続けると、自治体の担当者やマンションの理事長から「相談したい」と直接連絡が来るようになります。これは派手な伸び方ではありませんが、紹介よりさらに濃い案件につながりやすい入り口です。
マンション管理士副業を始めるときの注意点
副業を始めるときに、見落としやすいポイントをまとめておきます。ここを押さえておくと、あとから慌てずに済みます。
1. 勤務先の副業規定を必ず確認する
会社員の方が最初にやるべきことは、勤務先の就業規則の確認です。副業可の会社であっても、不動産業との利害関係がある場合は、別途承認が必要なケースが少なくありません。特に、不動産会社や建設業、金融機関にお勤めの方は要注意です。
総務省や厚生労働省は副業・兼業のガイドラインを公開しており、企業側の対応指針も年々整理が進んでいます。会社に申請するときの判断材料として、厚生労働省の公式情報(https://www.mhlw.go.jp/)を参照しておくと、上司との会話もスムーズになります。
2. 公務員は原則として副業不可
国家公務員・地方公務員の方は、原則として営利目的の副業が禁止されています。自治体によっては、無報酬のボランティアとしての相談業務であれば認められるケースもありますが、報酬が発生する場合は許可が必要です。退職前のリハーサル代わりに始めようとしている方は、所属先の人事規定を必ず確認してください。
3. 開業届と税務の整理
副業所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。マンション管理士業務を継続的に行うのであれば、開業届を提出して事業所得として扱うほうが、経費の幅が広がり結果として手元に残る金額が増えやすい。書籍代、セミナー参加費、移動費、通信費、PC関連費などが経費として認められます。
国税庁のサイト(https://www.nta.go.jp/)に、副業の所得区分や青色申告の手続きが詳しく解説されています。e-Tax(https://www.e-tax.nta.go.jp/)を使えば、税務署に行かずに申告まで完結できる時代になりました。
4. 損害賠償と専門職賠償責任保険
マンション管理士は、誤った助言で管理組合に損害を与えると、損害賠償責任を問われる可能性があります。専門職賠償責任保険(PL保険・士業賠責)への加入は、副業であっても強くおすすめします。年間数千円〜数万円で、数千万円規模の補償を受けられる商品が一般的です。
5. 守秘義務と情報管理
理事会の議事録、住民名簿、修繕積立金の収支、トラブル事案など、管理組合からお預かりする情報は、ほぼすべてが機微情報です。NDA(守秘義務契約)を結ぶ、データはクラウドの暗号化フォルダで管理する、紙資料は鍵付きの場所で保管する、といった基本動作を怠らないでください。一度の漏洩が、副業どころか本業の信用問題に直結します。
6. 業務範囲の線引き(弁護士法・宅建業法との関係)
マンション管理士の業務範囲は、コンサルティングと助言が中心です。具体的な訴訟代理は弁護士、賃貸・売買仲介は宅地建物取引業の領域です。「相談された流れで線を越えてしまった」という事故は、現場でときどき耳にします。自分の業務範囲を明確にし、必要に応じて連携する専門家を持っておくことが、長く続けるコツです。
7. 体調管理と「副業疲れ」のサイン
これは私の専門分野からのアドバイスです。副業を始めて半年〜1年が経った頃、「土日も仕事になって休まらない」「常に何かに追われている感覚がある」と感じ始める方が少なくありません。これは特別なことではなく、副業を始めた多くの方が一度は通る感覚です。
無理を続けると、心身のサインとして睡眠の質の低下、肩こりや頭痛、集中力の低下、家族と過ごす時間への罪悪感などが現れてきます。「副業を続けるために、本業と家族の時間を削る」のではなく、「副業の稼働量を月◯時間と決めておく」という上限設計が、結果的に長く続ける鍵になります。在宅で長く働き続けるための工夫については、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックも参考にしてみてください。家事と副業の時間配分に悩んでいる方には、在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開も、リアルな1日のリズム作りのヒントになるはずです。
マンション管理士副業に向いている人・向いていない人
少し冷静に、適性の話もしておきましょう。資格を活かせる仕事ではあるものの、すべての方に万能というわけではありません。
向いている人の特徴
第一に、「人の話を最後まで聞ける人」です。マンション管理士の現場は、住民間の対立や理事会内の意見の食い違いを丁寧にほどいていく仕事です。正論を一方的に言うのではなく、相手の感情と立場を受け止めたうえで、選択肢を整理して提示できる方が活躍します。
第二に、「数字とルールを淡々と扱える人」です。修繕積立金の試算、管理規約の解釈、決算書の読み込みなど、感情ではなく根拠で判断する場面が多い。理系・文系を問わず、エクセルで表を作るのが苦でない方は、入り口がスムーズです。
第三に、「長期目線で関係を築ける人」です。1件の案件が、3年5年と続くことが普通の世界です。短期で成果を求めず、信頼を積み重ねることに価値を感じる方には、本当に向いている仕事だと思います。
慎重に検討したほうがよい人の特徴
逆に、「短期間で大きな成果を出したい」「自分のペースを優先したい」「人間関係の対立は避けたい」という方は、最初の数か月で苦しさを感じやすいかもしれません。マンション管理士の現場は、合意形成のプロセスそのものです。住民が10人いれば10通りの意見が出るのが当たり前で、その間に立つ役割を引き受ける覚悟が要ります。
ここで一つ、現場の話を共有させてください。私が以前カウンセリングでお会いした、ある40代の元会社員の方は、定年前の準備としてマンション管理士の資格を取り、副業として始められました。最初の半年、ご自身が住むマンションの理事として無償で関わるところから始めて、その実績を持って自治体の相談員に応募し、1年後にはオンライン顧問の契約も持つようになっていました。「焦って大きな案件を取りに行かなくてよかった」と話されていたのが、今も印象に残っています。
派手さはないけれど、こうやって地道に積み上げる方が、結果的に長く続いている。これが副業マンション管理士の世界のリアルです。
マンション管理士副業と相性のよい他資格・スキル
最後に、副業の幅を広げるために、組み合わせると相性のよい資格・スキルを整理しておきます。
1. 管理業務主任者
マンション管理会社で必須となる国家資格です。マンション管理士と試験範囲が重なるため、ダブル取得を目指す方が多い。管理会社との取引で名刺に書ける肩書きが増えるのは、副業でも武器になります。
2. 宅地建物取引士
不動産取引の基本資格です。マンション管理士と組み合わせると、購入時の相談から管理組合への参画、将来の建て替えや売却までを一気通貫でサポートできるようになります。
3. 行政書士
管理規約改正や総会議事録の作成は、行政書士業務との親和性が高い。ダブルライセンスで「マンション法務の専門家」として打ち出している方も増えています。
4. ファイナンシャル・プランナー(FP)
修繕積立金の長期計画は、お金の話そのものです。FPの知識があると、住民への説明力が一段上がります。家計と修繕積立金を結びつけて説明できる専門家は、それだけで重宝されます。
5. ITスキル(クラウド・データ分析・AI活用)
意外と差がつくのが、IT周りのスキルです。理事会のオンライン運営、議事録の文字起こし、住民アンケートの集計、長期修繕計画のシミュレーションなどは、ITに強い方ほど効率よくこなせます。最近は生成AIを使った文書作成支援も普及してきており、AIに知見がある方は副業の生産性が一気に上がります。AIを活用した仕事に興味がある方は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、AIを使った専門業務の広がりを見ておくと視野が広がります。
6. プログラミング・システム連携
少数派ですが、管理組合向けの簡易システムやアプリを作って提供している副業マンション管理士もいます。専門知識とITスキルの掛け合わせは希少なので、単価が上がりやすい領域です。エンジニア領域の単価感はソフトウェア作成者の年収・単価相場で公的データから確認できます。本格的に学びたい方は、アプリケーション開発のお仕事もあわせてのぞいてみてください。
7. ビジネス文書力・コミュニケーション資格
総会の招集通知、議事録、規約改正案の説明書など、文書を書く機会が非常に多い仕事です。文書作成の型を体系的に学び直したい方は、ビジネス文書検定のような資格を通じて、文書力を強化しておくと安心です。あわせて、IT周りのインフラ理解としてCCNA(シスコ技術者認定)のような技術系資格を持っておくと、管理組合のオンライン環境構築の相談にも応じやすくなります。
副業プラットフォームの案件動向を見ていると、マンション管理士のような「国家資格 × 専門コンサル」型の仕事は、単価のばらつきは大きいものの、リピート率と継続性が非常に高い傾向にあります。1件のマッチングが、半年から数年単位の取引につながるケースも珍しくありません。
以前活動していたが今はしていない層8%を合わせても最大で16%と、マンション専門士の資格を得ても副業を始める人は決して多数派ではないようです。
この「副業実施率16%」という数字を、もう一度別の角度から考えてみたいんです。資格保有者の8割以上が副業に踏み出せていないのは、需要がないからではなく、「最初の一件にたどり着く設計」が個人任せになっているからだと、運営として日々感じます。
加えて、ここ数年の制度面の変化も追い風です。標準管理規約の改正、第三者管理方式の普及、修繕積立金ガイドラインの見直しなど、管理組合が「外部の専門家」を求める制度上の根拠が整ってきています。これは、副業マンション管理士が「マンションの数だけ顧客になりうる構造」が制度的にも整いつつあるということです。
一方で、運営側として一つだけ強くお伝えしたいことがあります。それは、最初から「効率よく稼ぐ」を考えすぎないことです。マンション管理士は、住民の暮らしと資産という、人生でも特に重い領域を扱う仕事です。短期で稼ぐより、まず一つの管理組合と丁寧に向き合う。その姿勢が結果として長く続く副業に育っていくと、データを見ていても強く感じます。
派手な成功談に振り回されず、自分のペースで、できる範囲から一歩を踏み出してみてください。資格を取った時点で、あなたはもうこの仕事のスタートラインに立っています。あとは、最初の一件をどう取りに行くか。そのための入り口は、思っているよりずっと多く用意されています。
よくある質問
Q. 本業が会社員でも、マンション管理士としてコンサルティングの副業は可能ですか?
可能です。理事会は土日に開催されることが多いため、平日はメール対応や資料作成を行い、週末に現地訪問するスタイルが一般的です。ただし、大規模修繕工事の打ち合わせなどは平日の日中に発生する場合があるため、事前に理事会側と「土日対応がメインであること」を契約書で明記し、合意を得ておくことがトラブルを防ぎ、副業として継続させるための重要なポイントとなります。
Q. 顧問契約を結ぶ際、月額報酬の相場や料金設定の目安を教えてください。?
マンションの規模にもよりますが、月1回の理事会出席と随時のメール相談を含め、月額3万〜5万円が副業層のボリュームゾーンです。高度な専門知識が必要な大規模修繕のコンサルや管理規約の全面改定などは、別途10万〜30万円程度のスポット報酬を設定するのが一般的。まずは低単価の月額顧問で信頼を勝ち取り、組合の課題に合わせてスポット案件を提案していくのが収益を安定させる秘訣です。
Q. 実績がない状態から、最初の1件を獲得するための具体的なWeb戦略は?
2026年現在は、特定の地域や「管理会社への不満」に特化したWeb発信が有効です。自分のプロフィールや「管理組合側の立場」を強調した専門ブログを運用し、無料のオンライン診断や規約の簡易チェックを入り口にしましょう。また、ココナラ等のスキルシェアサイトで「区分所有者向けのセカンドオピニオン」として安価に相談を受けることで、そこから実地での顧問契約へと繋げるルートが確立しやすくなっています。
Q. 独立系コンサルタントが現場で最も注意すべき「落とし穴」は何ですか?
法的・技術的な「正論」を住民に押し付けてしまうことです。管理組合は多様な価値観を持つ居住者の集まりであり、正論が常に歓迎されるとは限りません。コンサルタントの役割は教えることではなく、合意形成のためのファシリテーションです。特定の業者との癒着を疑われないよう透明性を徹底し、常に「住民の利益の最大化」を第一に考える姿勢を見せ続けることが、解約を防ぎ長期契約を維持するための絶対条件です。
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この記事を書いた人
中西 直美
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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