キャリア相談・転職アドバイスの副業|人材業界経験者向け

榊原 隼人
榊原 隼人
キャリア相談・転職アドバイスの副業|人材業界経験者向け

この記事のポイント

  • キャリア相談・転職アドバイスの副業を人材業界の経験を活かして始める方法を解説
  • 転職エージェント歴8年の筆者が
  • 相談の進め方を具体的に紹介します

転職市場は活況を呈しているものの、「転職すべきか悩んでいる」「自分の市場価値が分からない」「面接対策をしたい」といったキャリアの悩みを抱える人は増え続けています。転職エージェントに相談すると転職を前提とした提案になりがちで、中立的な立場でキャリア相談に乗ってくれる人を求めている層は確実に存在します。

私は転職エージェントとして8年間働いた後、キャリア相談の副業を始めました。エージェント時代は「転職を成立させる」ことが仕事でしたが、副業ではお客様にとって最善の選択肢を一緒に考えることに集中できます。転職しないことが最善なら、そうアドバイスできるのがこの副業の魅力です。

キャリア相談の副業とは

キャリア相談の副業は、転職を考えている方やキャリアに悩みを持つ方に対して、客観的な視点からアドバイスを行うサービスです。

そもそも「キャリアコンサルティング」とは何を指すのか、厚生労働省は次のように定義しています。

キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。 厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」

つまり「相談に応じ、助言・指導を行う」ことそのものが公的にも認められたキャリア支援の中核であり、転職のあっせんとは切り分けて捉えられている点がポイントです。

主な相談内容:

  • 転職すべきかどうかの判断
  • 自分の市場価値の把握
  • 職務経歴書・履歴書の添削
  • 面接対策とフィードバック
  • キャリアプランの設計
  • 業界・企業研究のサポート
  • 年収交渉のアドバイス

転職エージェントとの違いは、成功報酬ではなく相談料をいただくビジネスモデルであること。そのため、お客様の利益を最優先にした中立的なアドバイスができます。

キャリア相談の需要が高まっている背景

2026年現在、日本の労働市場は大きく変化しています。「終身雇用の崩壊」「副業の解禁」「リモートワークの普及」「AIによる職種変化」など、キャリアを取り巻く環境が急変する中で、「どう生き抜くか」を相談したい人が急増しています。

転職エージェントの数は増えていますが、エージェントのビジネスモデルは「転職を成立させること」に偏っており、「転職しない選択肢を含めた中立的なアドバイス」を求める層のニーズが満たされていません。この需要の空白を埋めるのが、個人によるキャリア相談サービスです。

また、リモートワークの普及でオンライン相談が一般化し、地方在住者でも全国の優秀なキャリアアドバイザーに相談できるようになりました。これにより、市場規模が地理的制約なく広がっています。

収入目安

サービス内容 単価目安 月の件数 月収目安
キャリア相談(60分) 5,000〜15,000円 8〜15件 4〜22万円
職務経歴書添削 5,000〜10,000円 10〜20件 5〜20万円
模擬面接(60分) 8,000〜15,000円 5〜10件 4〜15万円
月額キャリアサポート 20,000〜40,000円 2〜5名 4〜20万円

私は平日の夜と週末で週に5〜6件の相談を受けており、月に16万円ほどの副収入です。職務経歴書の添削は空き時間にテキストで対応できるため、件数を増やしやすいサービスです。

月収30万円を目指す場合

副業で月収30万円を目指す場合のモデルケースを示します。

  • キャリア相談(10,000円 × 15件):150,000円
  • 職務経歴書添削(7,000円 × 15件):105,000円
  • 月額サポート(25,000円 × 2件):50,000円

合計:305,000円

これは週末と平日夜の20〜25時間程度の稼働で実現可能な数字です。ただし、この水準に到達するまでには6〜12ヶ月の実績積み上げが必要です。

人材業界の経験が強みになる理由

採用側の視点を知っている

転職エージェントや人事の経験があると、企業がどんな人材を求めているかを肌感覚で理解しています。「この経歴なら○○業界からのオファーが期待できる」「この転職理由は面接でマイナスに映る可能性がある」といった、現場の感覚に基づいたアドバイスができるのは大きな強みです。

面接の評価ポイントを知っている

面接官がどこを見ているか、どんな回答が評価されるかを知っているため、実践的な面接対策ができます。教科書的な対策ではなく、「この質問の裏にはこういう意図がある」という内側の視点を伝えられます。

業界の相場観がある

年収の相場、ポジションの相場、業界ごとの採用トレンドなど、市場の動向を把握していることは非常に価値があります。

@SOHOの年収データベースでは、職種や年代ごとのリアルな給与水準が統計的にまとめられており、客観的な市場価値を伝える際の強力な裏付けとなります。 職種別の年収データベースで相場を確認する

人材業界以外の経験者でも活かせる場合

人材業界の経験がなくても、特定の業界で長年働いた経験があれば、その業界でのキャリア相談の専門家として活動できます。

例えば、IT業界で10年以上働いたエンジニアが、「IT業界でのエンジニアキャリア相談」に特化する形です。業界の実情、スキルの市場価値、キャリアパスの選択肢など、外部のエージェントよりも深い知識を持っています。

副業として始めるステップ

Step 1: 自分の専門領域を決める

キャリア相談は範囲が広いため、得意分野を絞りましょう。

私の場合、IT業界でのエージェント経験が長かったため、「IT・Web業界のエンジニア・デザイナー向けキャリア相談」に特化しました。業界を絞ることで、その分野の転職事情に詳しい専門家としてポジショニングできます。

ターゲットを絞る際は「特定の業界×特定の年代×特定の悩み」という組み合わせが有効です。例えば「製造業の35〜45歳で管理職への昇進を目指す人向けキャリア相談」のように具体化することで、検索で見つかりやすく、「まさに自分のことだ」と感じてもらいやすくなります。

Step 2: サービスメニューを設計する

最初は以下の3つから始めるのがおすすめです。

キャリア相談(60分8,000円:お客様の現状をヒアリングし、キャリアの選択肢を提示します。転職すべきか、現職にとどまるべきか、第三の道はないか。客観的な視点でアドバイスします。

キャリアプランの設計において、必要な資格の取得難易度や学習時間の目安を具体的に示せると、アドバイスの解像度が格段に上がります。@SOHOの資格ガイドでは、各専門資格の取得メリットや試験対策が詳しく解説されています。 資格ガイドでスキルアップの指標を探す

職務経歴書添削(5,000円:現在の職務経歴書を見て、改善点をフィードバックします。テキストベースで対応できるため、隙間時間に作業できるのがメリットです。

模擬面接(60分10,000円:志望企業の面接を想定した模擬面接を行い、回答へのフィードバックを提供します。

Step 3: 実績を作る

最初の5件は無料または割引価格で対応し、レビューを集めましょう。キャリア相談は実績と信頼が命です。「この人に相談してよかった」というレビューがあるかないかで、新規のお客様の反応が全く違います。

無料モニターを募集する方法として、SNSでの告知が効果的です。「キャリア相談サービスをリリース予定です。初回5名限定で無料モニターを募集します」という投稿で、知人・友人から最初の実績を作ることができます。

Step 4: クラウドソーシングで出品する

@SOHOなどのプラットフォームで出品します。プロフィールには人材業界での経験、担当した転職支援の件数、得意な業界・職種を具体的に記載しましょう。

プロフィール文は「どんな人の悩みを解決できるか」を明確に書くことが重要です。「転職エージェント歴8年、IT業界専門、エンジニアのキャリア相談を年間50件以上担当」のように、具体的な数字を使うと説得力が増します。

キャリア相談の進め方

私が実践している60分のキャリア相談の流れをご紹介します。

前半20分:ヒアリング

現在の仕事内容、不満や課題、転職を考え始めたきっかけ、将来の希望をじっくり聞きます。この段階ではアドバイスをせず、状況を正確に把握することに集中します。

よく使う質問は「5年後にどうなっていたいですか?」「転職以外の選択肢は考えましたか?」「今の会社で一番不満に感じていることは何ですか?」の3つです。

中盤25分:分析とアドバイス

ヒアリング内容をもとに、客観的な分析を行います。「あなたの経歴だと市場価値はこのくらいです」「この不満は転職で解決できますが、こちらの不満は転職先でも起きる可能性があります」のように、事実と可能性を分けて伝えることを心がけています。

後半15分:行動プランの作成

「まず○○の情報を集めてみてください」「職務経歴書を書き始めてみましょう」「今の会社で○○を試してからでも遅くありません」のように、具体的な次のアクションを一緒に決めます。

相談後に、話した内容のサマリーとアクションプランをテキストで送ることで、お客様の満足度が上がります。この「アフターフォロー」がリピートと紹介につながります。

差別化のための戦略

ニッチへの特化

「キャリア相談全般」で戦うのではなく、特定のニッチに特化することで競合と差別化できます。

例えば「子育て中の女性の復職・キャリア相談」「50代の早期退職者向けセカンドキャリア相談」「海外駐在経験者向けキャリア相談」など、他にはない専門性を打ち出すことで「まさに自分向けのサービス」と感じてもらえます。

コンテンツマーケティング

ブログやSNSでキャリアに関する有益な情報を定期的に発信することで、見込み客の信頼を獲得できます。

「転職すべき時期の見極め方」「自分の市場価値を正確に知る方法」「40代の転職成功のコツ」などの記事を書くことで、検索からの集客が可能になります。3〜6ヶ月でコンテンツが蓄積すると、毎月数件の問い合わせが自動的に来るようになります。

注意すべきポイント

転職を煽らない:相談料をいただいている以上、お客様の利益を最優先にします。現職にとどまることが最善なら、正直にそう伝えましょう。

守秘義務を徹底する:お客様の勤務先や年収、転職先の情報は極めてセンシティブです。他の相談者に漏らすことは絶対にないよう注意しましょう。

最新情報をアップデートし続ける:転職市場は常に変化しています。業界の採用トレンドや年収相場は定期的にリサーチして、古い情報でアドバイスしないよう心がけましょう。

「キャリアコンサルタント」を名乗るには国家資格が必要:肩書きの使い方にも法律上の制約があります。厚生労働省は名称独占について次のように明示しています。

職業能力開発促進法に規定されたキャリアコンサルタントでない方は、「キャリアコンサルタント」又はこれに紛らわしい名称…を用いることができません。 厚生労働省「キャリアコンサルタント名称独占について」

無資格でも「キャリア相談」「キャリアアドバイザー」といった表現でサービス提供は可能ですが、国家資格者でないのに「キャリアコンサルタント」を名乗ることは避けましょう。

有料職業紹介との違いに注意:キャリア相談は「助言」であり、求人の紹介や採用のあっせんを行う場合は、職業安定法に基づく有料職業紹介事業の許可が必要です。相談の範囲を明確にしておきましょう。詳しくは職業安定法(e-Gov法令検索)で条文を確認できます。

よくある質問

Q. キャリア相談の副業では、どのくらいの収入が見込めますか?

プラットフォームや経験によって異なりますが、最初は1時間あたり3,000円〜5,000円が相場です。実績を積み、リピーターや口コミが増えれば、1時間10,000円以上の高単価に設定することも可能です。週末に週数時間稼働するだけでも、月5万円〜10万円の副収入を目指せます。

Q. キャリア相談の案件はどこで見つけるのがおすすめですか?

最初は「ココナラ」や「タイムチケット」などのスキルシェアサービスを利用するのがおすすめです。集客をプラットフォームに任せられるため、初心者でも始めやすいです。実績がつけば、SNS(XやLinkedIn)で独自に発信し、直接クライアントを獲得することで手数料を抑えられます。

Q. 本業の転職エージェントとの違いや注意点はありますか?

最大の違いは「求人紹介を前提としない」点です。本業では企業への入社がゴールですが、副業のキャリア相談では、現職残留や独立といった選択肢を含めた中立的なアドバイスが求められます。また、本業の顧客情報を利用することや、競業避止義務に抵触しないよう、就業規則を必ず確認しましょう。

Q. 数あるキャリア相談の中で、自分を選んでもらうコツはありますか?

ターゲットを明確に絞ることが重要です。例えば、「ITエンジニアのキャリアチェンジ専門」「20代の初めての転職サポート」「ワーママの復職相談」など、あなたの本業での得意分野や実体験に基づいた強みをアピールしましょう。専門性が高いほど、ミスマッチが減り満足度も高くなります。

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榊原 隼人

この記事を書いた人

榊原 隼人

フルスタックエンジニア・テックライター

SIerで8年間システム開発に携わった後、フリーランスエンジニアに転身。React/Next.js/Pythonを中心に開発案件をこなしながら、技術系の記事を執筆しています。

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