AI スクレイピング コード 作成 2026|AIで収集スクリプトを作る手順と注意点

前田 壮一
前田 壮一
AI スクレイピング コード 作成 2026|AIで収集スクリプトを作る手順と注意点

この記事のポイント

  • AI スクレイピング コード 作成の決定版
  • ChatGPTやCursorに収集スクリプトを書かせる具体手順
  • 非エンジニアでも使えるツールまで

結論から言います。「AI スクレイピング コード 作成」と検索しているあなたが本当に知りたいのは、おそらく「プログラミングがほとんど書けなくても、AIに指示してWebサイトのデータを自動収集するコードを作れるのか」という1点ではないでしょうか。答えは「作れます。ただし、丸投げではなく『分解して指示する』必要があります」です。

ChatGPTやClaude、Cursorといった生成AIは、Pythonのスクレイピングコードをほぼゼロからでも書いてくれます。実際、非エンジニアがAIの力だけで気象庁のデータを取得した事例も公開されています。ただし、AIが出力したコードがそのまま100%動くことは少なく、エラーの修正・利用規約の確認・データの後処理という3つの壁が必ず立ちはだかります。この記事では、その壁の越え方を含めて、AIにスクレイピングコードを作らせる手順を網羅的に整理しました。客観的なデータと実務の手触りを優先して書いていきます。

AIスクレイピングコード作成の市場動向と需要の現在地

まず大前提として、「AIにスクレイピングコードを書かせる」という行為は、ここ2年で完全に一般化しました。背景には、生成AIのコード生成能力の飛躍的な向上があります。経済産業省や各種調査機関の資料を見ても、生成AIの業務活用は調査・データ収集・分析の領域で特に伸びており、「ノーコード・ローコードでデータを集めたい」という非エンジニア層の需要が顕在化しています。

データ収集の現場では、これまで専門のエンジニアに依頼すると5万円から30万円程度の外注費がかかるのが一般的でした。1ページの構造解析と簡易な収集スクリプトでも数万円、定期実行や複数サイト対応になれば数十万円という相場感です。それがAIの登場で、知識ゼロの個人でも数時間で動くものを作れるようになった。これは静かですが大きな変化です。

実際の検索需要も無視できません。「AI スクレイピング コード 作成」という複合キーワードで検索する人は、ここ1年でじわじわ増えています。これは、単に「スクレイピングをやりたい」のではなく、「AIに書かせて時短したい」「自分でコードが書けないからAIに頼りたい」という、明確な手段ありきの検索意図を持った層が増えていることを意味します。

なぜ今「AIにコードを書かせる」需要が伸びているのか

理由は3つに整理できます。1つ目は、AIのコード生成精度が実用レベルに達したこと。少し前まではAIが出すコードは「それっぽいが動かない」ものが多かったのですが、2025年以降のモデルはエラーメッセージを貼り付ければ自己修正してくれるレベルになりました。2つ目は、対話形式でコードを育てられること。「ここのデータも取りたい」「CSVで保存して」と追加指示するだけで機能を足せるため、プログラミングの文法を知らなくても要件を伝える日本語力だけで進められます。

3つ目は、Cursorのような「AI統合エディタ」の普及です。ChatGPTにコードを書いてもらってコピペで実行、エラーを貼り付けてまた修正、という往復作業を、エディタ内で完結できるツールが登場しました。これにより、コードを「書く」というより「会話しながら育てる」感覚で開発できるようになっています。生成AIの普及スピードは予想を上回っており、データ収集という地味だが時間のかかる作業がAIで自動化される流れは、今後さらに加速すると見られます。

本記事では、最新のAIツールであるChatGPTを活用し、効率的かつ楽しくWebスクレイピングを行う方法について詳しく解説していきます。Webスクレイピングは、インターネット上の情報を自動で取得する技術ですが、プログラミング初心者にとってはハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、ChatGPTのサポートを得ることで、コードの生成やエラーの対処法、さらにはスクレイピング後のデータ解析まで、ステップバイステップで解説できるため、誰でも手軽に取り組むことができます。

この引用が示すとおり、AIスクレイピングの本質は「専門知識の代替」です。HTMLの構造解析、ライブラリの選定、エラーの解読といった、これまで初心者の挫折ポイントだった工程を、AIが肩代わりしてくれる。だからこそ、検索する人が増えているわけです。

そもそもWebスクレイピングとは何か、AIで何が変わるのか

スクレイピングという言葉に身構えてしまう人も多いので、ここで基本を整理しておきます。Webスクレイピングとは、ひとことで言えば「Webサイト上に表示されている情報を、プログラムで自動的に抜き出して集める技術」です。たとえば、ある通販サイトの商品名と価格を100件分手作業でコピペするのは大変ですが、スクレイピングならスクリプトを1回実行するだけで一覧表として取得できます。

人間がブラウザで「ページを開いて、目的の情報を探して、コピーする」という一連の動作を、コードが代わりにやってくれる。それがスクレイピングの正体です。技術的にはHTMLという、Webページの設計図にあたる文書を解析し、目的のデータが入っている部分(タグ)を指定して取り出します。このHTML解析の部分が初心者には一番難しかったのですが、ここをAIが担ってくれるのが大きな変化です。

AIが介在することで「3つの壁」が低くなる

従来、非エンジニアがスクレイピングを始めるときの壁は主に3つありました。第1にコードを書く壁、第2にライブラリの選定とインストールの壁、第3にエラーへの対処の壁です。AIはこの3つすべてを下げてくれます。

コードを書く壁については、「○○というサイトの商品名と価格を取得するPythonコードを書いて」と日本語で頼めば、AIがRequestsやBeautifulSoupといったライブラリを使ったコードを丸ごと生成してくれます。ライブラリの選定も、用途を伝えればAIが「この場合はSeleniumが適しています」などと提案してくれるため、自分で調べる手間が激減します。そしてエラー対処は、出てきたエラーメッセージをそのまま貼り付けて「このエラーを直して」と頼めば、原因と修正版を返してくれる。この対話的な修正サイクルこそ、AI時代のスクレイピングの核心です。

HTML解析から「視覚解析」へという潮流

もう1つ押さえておきたいのが、解析手法のトレンドの変化です。従来のスクレイピングはHTMLのタグ構造を読んでデータを抜く「HTML解析」が主流でしたが、最近はページの見た目そのものをAIが認識してデータを抽出する「視覚解析(Visual Scraping)」というアプローチも登場しています。HTMLの構造が複雑すぎて従来手法では歯が立たないサイトでも、人間が見て分かる情報なら抽出できる、という発想です。

ただし、正直なところ、視覚解析はまだ発展途上で、コストや精度の面で万能ではありません。シンプルなサイトであれば、ChatGPTにHTML解析のコードを書かせる従来手法のほうが速くて確実です。「AIで全部できる」という宣伝を鵜呑みにせず、対象サイトの複雑さに応じて手法を選ぶのが賢明です。

AIにスクレイピングコードを作らせる具体的な手順

ここからが本題です。実際にChatGPTやClaude、Cursorを使って、スクレイピングコードを作らせる流れをステップで解説します。私が実際に複数のメディアの編集現場で、競合記事のタイトル一覧を集めるためにこの手順を回してきた経験も踏まえて書きます。

ステップ1:目的とゴールを言語化する

最初にやるべきは、コードを書かせることではなく、「何を、どこから、どんな形で取りたいか」を自分の言葉で明確にすることです。AIは曖昧な指示には曖昧な答えしか返しません。たとえば「サイトのデータを取りたい」では弱すぎます。「○○というニュースサイトのトップページから、記事タイトルと公開日時を取得して、CSVファイルに保存したい」というレベルまで具体化します。

この言語化の精度が、最終的なコードの質を決めます。取得したい項目(タイトル、価格、日付、URLなど)、対象ページの範囲(1ページだけか、複数ページか)、保存形式(CSV、Excel、テキスト)の3点を最初に固めておくと、後の指示がスムーズです。実務では、この最初の設計を5分かけるだけで、後の試行錯誤の時間が半分以下になる感覚があります。

ステップ2:HTMLを取得してAIに渡す

次に、対象ページのHTMLをAIに見せます。これが意外と重要なポイントです。AIはURLを伝えただけでは実際のページ構造を見られないことが多いため、ブラウザで対象ページを開いて「ページのソースを表示」し、目的のデータが含まれている部分のHTMLをコピーしてAIに貼り付けます。

たとえば商品名を取りたいなら、その商品名が書かれているHTMLの一部分(20行から30行程度)を抜き出してAIに渡し、「このHTMLから商品名を抽出するPythonコードを書いて」と頼みます。HTMLの実物を見せることで、AIは正確なタグやクラス名を特定でき、生成されるコードの精度が劇的に上がります。ここを省いて「○○サイトのデータを取って」とだけ頼むと、AIが想像で書いた当たらないコードが返ってきがちです。

ステップ3:プロンプトで具体的に指示する

AIへの指示文(プロンプト)のコツは、丸投げではなく「分解して順番に頼む」ことです。最初から「全部やって」ではなく、「まず1ページ分のタイトルを取得するコードを書いて」と最小単位で頼み、動いたら「次はページ送りにも対応して」「取得結果をCSVに保存して」と段階的に機能を足していきます。

具体的なプロンプト例を挙げます。「Pythonでwebスクレイピングをします。requestsとBeautifulSoupを使って、以下のHTMLから記事タイトルをすべて取得し、リストとして出力するコードを書いてください。エラー処理も入れてください」。このように、使うライブラリ・対象・出力形式・付帯条件を1つの指示に盛り込むと、完成度の高いコードが返ってきます。逆に、これらを省くとAIが勝手に前提を補完して、意図と違うコードになることがあります。

ステップ4:コードを実行してエラーを修正する

AIが書いたコードは、まず手元で実行してみます。Pythonの実行環境(Google ColaboratoryならブラウザだけでOK)に貼り付けて動かし、エラーが出たら、そのエラーメッセージをまるごとコピーしてAIに戻します。「以下のエラーが出ました。修正してください」と添えるだけです。

この往復が、AIスクレイピングの最も実務的なパートです。私の経験では、最初の一発で完璧に動くことは2〜3割程度で、残りは2〜3回のエラー修正のキャッチボールで動くようになります。よくあるエラーは、ライブラリ未インストール(pip installで解決)、タグの指定ミス(HTMLを再度見せて修正)、サイト側のアクセス制限(後述のヘッダー設定で対応)の3パターンです。エラーメッセージは恐れず、そのまま貼り付ければAIが翻訳・解決してくれます。

ステップ5:CursorやClaudeで開発を高速化する

往復作業に慣れてきたら、CursorのようなAI統合開発環境を使うと一気に効率が上がります。Cursorはコードエディタにチャット機能が組み込まれており、エラーが出た箇所を選択して「直して」と頼めば、コピペなしでその場で修正してくれます。生成AIでスクレイピングアプリを作る事例も多数公開されており、コードを書く・実行する・修正するの3工程を1つの画面で完結できるのが強みです。

Claudeも長いコードやHTMLを扱うのが得意で、複雑な構造のページを丸ごと渡して解析させるような用途に向いています。ツールの使い分けとしては、手軽に始めるならChatGPT、本格的に開発するならCursor、複雑なHTML解析にはClaude、という棲み分けが現状の実感です。どれを選んでも基本の手順は同じ。「分解して、HTMLを見せて、エラーを戻す」という3原則さえ守れば、ツールは好みで選んで構いません。

AIスクレイピングで使うツールとライブラリの選び方

スクレイピングコードを書く際、AIはいくつかの定番ライブラリやツールを使い分けます。それぞれの特徴を知っておくと、AIの提案を理解しやすくなり、指示の精度も上がります。代表的なものを整理します。

Pythonの定番ライブラリ:Requests + BeautifulSoup

最もシンプルで初心者向けなのが、RequestsとBeautifulSoupの組み合わせです。Requestsがページのデータを取得し、BeautifulSoupがそのHTMLを解析する、という役割分担です。静的なページ(JavaScriptで後から内容が読み込まれないページ)であれば、この2つでほとんど対応できます。AIに「シンプルなスクレイピングコードを」と頼むと、まずこの組み合わせを提案してくることが多いです。

軽量で速く、学習コストも低いため、最初に試すべき構成です。ただし、JavaScriptで動的に内容が生成されるサイト(SPAと呼ばれる構造のサイトなど)では、この方法だとデータが取れないことがあります。その場合は次のSeleniumが必要になります。

動的サイト向け:Selenium / Playwright

ログインが必要なサイトや、スクロールするたびに新しいデータが読み込まれるサイトでは、実際のブラウザを自動操作するSeleniumやPlaywrightを使います。これらは人間がブラウザを操作するのと同じように、クリックやスクロールを自動で実行しながらデータを取得できます。

ただし、SeleniumやPlaywrightはセットアップがやや複雑で、動作も重くなります。AIに「ログインが必要なサイトのスクレイピング」と伝えれば、これらを使ったコードを書いてくれますが、初心者にはエラーが起きやすい領域でもあります。まずはRequests + BeautifulSoupで試し、それで取れない場合にSeleniumへ移行する、という順序が現実的です。

非エンジニア向け:スプレッドシート関数という選択肢

実は、コードを一切書かずにスクレイピングできる手段もあります。Googleスプレッドシートには、IMPORTXMLという関数があり、これを使えば一行の式でWebページから特定のデータを抜き出せます。簡単な競合分析や、少数のデータを取りたいだけなら、わざわざPythonコードを書くより速い場合があります。

IMPORTXML関数というスプレッドシート限定の関数を使うと、一行の関数で解決します。自分は競合分析でスクレイピングする時はこっちを使うことが多いです。AIではないので深くは触れませんが、関数はこのような感じです。

この指摘は的を射ています。AIにコードを書かせることが目的化してしまうと、「実はスプレッドシート関数1行で済んだ」というケースを見逃します。少量のデータならIMPORTXML、大量・複雑ならAI生成のPythonコード、という使い分けを頭に入れておくと無駄がありません。AIに「スプレッドシートのIMPORTXMLで取得できますか」と聞けば、適切な関数式を教えてくれます。

ツール選定のチェックポイント

どのツールを使うべきか迷ったら、次の基準で判断すると整理しやすいです。取りたいデータが少量(10件程度)で構造が単純ならスプレッドシート関数、中量で静的ページならRequests + BeautifulSoup、ログインや動的読み込みが絡むならSelenium、という階段です。AIはこの判断も手伝ってくれるので、「○○というサイトから△△を取りたいが、どのツールが適切か」と相談から始めるのが効率的です。

データ分野での仕事の広がりに興味がある方は、AIの学習に使うデータを整えるAIアノテーション・教師データ作成のお仕事も参考になります。スクレイピングで集めたデータを整形・タグ付けする工程は、こうしたアノテーション業務と地続きの作業です。

AIスクレイピングコード作成で必ず守るべき注意点

ここが、この記事で最も伝えたい部分です。AIにコードを書かせると技術的なハードルは下がりますが、その手軽さゆえに、法的・倫理的な注意点を見落としがちになります。スクレイピングは便利な技術であると同時に、やり方を誤るとトラブルになりかねないため、必ず以下を確認してください。

利用規約とrobots.txtを必ず確認する

最も重要なのが、対象サイトの利用規約の確認です。サイトによっては、利用規約で「自動収集を禁止する」と明記している場合があります。この場合、技術的に可能であってもスクレイピングは規約違反となり、最悪アカウント停止や法的措置につながる可能性があります。AIはコードは書いてくれますが、「このサイトをスクレイピングしていいか」までは判断してくれません。そこは人間の責任です。

あわせて確認すべきが、robots.txtというファイルです。これは、サイト運営者が「どのページを自動アクセスしてよいか」を示したルールブックのようなもので、対象サイトのURLの末尾に「/robots.txt」を付けてアクセスすれば確認できます。ここで収集を禁止されている領域には、技術的に可能でもアクセスしないのがマナーであり、トラブル回避の鉄則です。AIに頼む前に、まず規約とrobots.txtを読む。この順番を絶対に崩さないでください。

サーバーに負荷をかけない配慮

スクレイピングは、短時間に大量のアクセスを送るとサーバーに負荷をかけ、相手のサイトを実質的に攻撃しているのと同じ状態になりかねません。過去には、過剰なアクセスで業務妨害とみなされた事例も報道されています。これを防ぐため、リクエストとリクエストの間に1秒から3秒程度の待機時間(スリープ)を入れるのが基本マナーです。

AIにコードを書かせるときは、プロンプトに「各リクエストの間に2秒の待機時間を入れてください」と一文加えるだけで、配慮のあるコードになります。これは技術的な礼儀であると同時に、自分のIPアドレスがアクセス制限される(ブロックされる)のを防ぐ実用的な対策でもあります。手軽だからといって連続アクセスを繰り返すと、対象サイトにも自分にも害が及ぶことを忘れないでください。

個人情報・著作権データの取り扱い

収集するデータの中に個人情報が含まれる場合は、個人情報保護法の観点から特に慎重な扱いが求められます。また、記事本文や画像など著作権で保護されたコンテンツを無断で大量に複製・再配布すれば、著作権侵害となり得ます。個人情報保護やデータの適正な取り扱いに関する考え方は、総務省などの公的機関も指針を公表しています(総務省)。

スクレイピングで集めたデータを自分の分析用に使う分には問題が少なくても、それを公開・販売・再配布する段階になると一気にリスクが上がります。「集める」ことと「使う・配る」ことは別問題だと意識しておくべきです。AIは技術的な可否は判断できても、法的なグレーゾーンの線引きはできません。最終的な判断は必ず自分で行い、不安があれば収集を控える勇気を持つことが、長く安全にこの技術を使うコツです。

AIが生成したコードを過信しない

技術面での落とし穴もあります。AIが書いたコードは「動くように見えても、取得データが間違っている」ことがあります。たとえば、似たようなタグが複数あるページで、意図しない箇所のデータを拾ってきてしまうケースです。コードがエラーなく実行できたからといって、結果が正しいとは限りません。

そのため、AI生成コードで取得したデータは、必ず一部を手作業で検証することをおすすめします。最初の数件を実際のページと突き合わせて、正しい情報が取れているか確認する。この一手間を省くと、間違ったデータを大量に集めてしまい、後の分析がすべて無駄になるリスクがあります。AIは強力な助手ですが、最終チェックは人間の役割です。私自身、AIが生成したコードを信じ切って数百件のデータを集めた後、肝心の日付が1日ずれて取得されていたことに気づき、丸ごとやり直した苦い経験があります。検証は面倒でも必ずやる。これは譲れません。

やってみて分かった、AIスクレイピングの大切なルール

ここまで手順と注意点を解説してきましたが、実際に手を動かして分かった、教科書には載っていない実践的なポイントをまとめておきます。これからAIにコードを書かせる方が同じ落とし穴にはまらないよう、現場感覚で共有します。

「一発で完璧」を期待しない

最も大切なマインドセットは、「AIは一発で完璧なコードを出さない」と最初から割り切ることです。先述のとおり、初回で完動するケースは2〜3割。残りはエラー修正の往復で仕上げます。これを「AIが使えない」と捉えるか、「対話で育てるもの」と捉えるかで、体験はまったく変わります。

うまくいかないときほど、エラーメッセージをそのままAIに戻し、「なぜこうなるのか」も合わせて聞くと理解が深まります。コードを書けるようになることが目的ではなく、欲しいデータを手に入れることが目的なのですから、何度往復しても構いません。むしろ往復しながら、自分がスクレイピングの仕組みを少しずつ理解していくのが理想的な学び方です。

小さく始めて段階的に拡張する

いきなり「100ページ分のデータを全自動で集めるシステム」を作ろうとすると、エラーの原因切り分けが難しくなり挫折します。まずは「1ページから1項目だけ取る」最小構成で動くものを作り、それが確実に動いてから、項目を増やす・ページ数を増やす・保存形式を整える、と段階的に拡張するのが鉄則です。

この「小さく作って大きく育てる」アプローチは、AIと相性が抜群です。各段階で動作確認しながら進めるので、問題が起きたときにどこが原因かすぐ分かります。私の現場でも、最初から完成形を狙ったプロジェクトより、小さく始めたもののほうが結果的に早く完成しています。焦らず、確実に1段ずつ上るのが近道です。

スキルとして身につける価値

AIにスクレイピングコードを書かせるスキルは、一度身につければ多方面に応用が効きます。市場の価格調査、競合のコンテンツ分析、研究のためのデータ収集、業務の定型作業の自動化など、用途は無限です。データを扱う仕事の単価相場を知りたい方は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。プログラミングやデータ処理の技術は、在宅・業務委託の案件でも需要が高い領域です。

また、スクレイピングで集めたデータを記事やレポートにまとめる編集・ライティングの仕事も需要があります。情報を集める技術と、それを伝える技術はセットで価値を生みます。文章で情報を整理する仕事の相場については著述家,記者,編集者の年収・単価相場も併せて確認してみてください。

体系的に学ぶなら資格や関連分野も視野に

独学で進めるのも良いですが、体系立てて学びたいなら、Pythonの基礎を資格学習でカバーするのも一手です。スクレイピングの土台になるPythonの文法を網羅的に学べるPython3エンジニア認定基礎試験は、AIの出力コードを読み解く力を養うのにも役立ちます。AIに丸投げするにせよ、最低限コードが読めると修正指示の精度が段違いに上がります。

加えて、生成AIそのものの活用リテラシーを証明したいなら生成AIパスポートのような資格もあります。AIを業務で使う前提知識(著作権、情報セキュリティ、適切なプロンプト設計など)を整理して学べるため、スクレイピングのような「AI×実務」の場面で判断を誤らないための土台になります。

独自データから見るAIスキル習得後の仕事の広がり

最後に、在宅ワーク・業務委託マッチングサービスの案件データから見える、AIスクレイピングスキルの実用的な価値について考察します。データ収集・処理のスキルは、単体でも案件になりますが、他のAIスキルと組み合わせることで価値が大きく伸びる傾向があります。

スクレイピングで集めたデータは、AIの学習や分析の素材になります。たとえば、収集したテキストデータをAIモデルに学習させたり、画像データを生成AIの素材にしたりという連携です。画像生成の領域に関心があれば画像生成AI(Stable Diffusion等)のお仕事が、より対話的なAIアプリの開発に興味があればAIチャットボット・アプリ開発のお仕事が、それぞれデータ収集スキルの応用先として見えてきます。データを集める力は、AI関連のあらゆる仕事の入り口になり得ます。

ノーコード×AIで広がる自動化の世界

スクレイピングは、より大きな「業務自動化」という文脈の一部でもあります。集めたデータを自動でスプレッドシートに転記し、通知を飛ばし、レポートを生成する、といった一連のワークフローを組めば、定型業務の大半を自動化できます。ノーコードで業務を自動化する考え方はDifyで業務自動化|ノーコードAIワークフローの作り方で詳しく解説しています。スクレイピングを単発のスクリプトで終わらせず、自動化の一部として組み込むと、価値が何倍にもなります。

クリエイティブ系の職種でも、AI活用は進んでいます。デザイン業務でのAI活用例はWebデザイナーのAI活用術|Figma AI・Midjourney実践ガイドにまとまっており、職種を問わずAIスキルが「あると有利」から「ないと不利」へ変わりつつある現状が見て取れます。

スキルを証明することの市場価値

AIスクレイピングのような実務スキルは、ポートフォリオや資格で証明できると、案件獲得の確度が上がります。「AIでこういうデータ収集ツールを作りました」という具体的な成果物は、抽象的な「AIが使えます」という自己申告より圧倒的に説得力があります。生成AI関連の資格で自分のスキルを客観的に示す方法は生成AI活用スキルを証明する資格・検定5選2026|企業が評価するのはどれ?で整理しています。

総括すると、AIにスクレイピングコードを作らせる技術は、「コードが書けない」を理由に諦めていたデータ活用の扉を開きます。手順は「目的を言語化し、HTMLを見せ、エラーを戻す」というシンプルなサイクル。注意点は「利用規約・サーバー負荷・データの取り扱い」の3点。この基本さえ押さえれば、非エンジニアでも実用的なデータ収集スクリプトを手に入れられます。技術のハードルが下がった今だからこそ、法的・倫理的な配慮という人間にしかできない判断を大切にしながら、AIを賢く使いこなしていきましょう。

公的機関・関連参考情報

本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. プログラミング未経験でもAIでスクレイピングコードは作れますか?

作れます。ChatGPTやCursorに「○○というサイトから△△を取得するPythonコードを書いて」と日本語で頼めば、コードを丸ごと生成してくれます。ただし一発で動くとは限らず、エラーメッセージを貼り付けて修正してもらう往復作業が前提です。HTMLの一部を見せると精度が上がります。

Q. AIにスクレイピングを頼むのは違法になりませんか?

スクレイピング自体は違法ではありませんが、対象サイトの利用規約で自動収集が禁止されていたり、robots.txtでアクセスが制限されている領域を収集すると問題になります。個人情報や著作物の無断複製・再配布もリスクが高いです。AIはコードを書けても法的な可否は判断しないので、必ず人間が確認してください。

Q. どのツールやライブラリを使えばいいですか?

少量で単純なデータならGoogleスプレッドシートのIMPORTXML関数、中量で静的ページならPythonのRequests + BeautifulSoup、ログインや動的読み込みがあるサイトならSeleniumが適しています。迷ったらAIに「このサイトから○○を取りたいが、どのツールが適切か」と相談するのが効率的です。

Q. AIが書いたコードはそのまま信用していいですか?

過信は禁物です。コードがエラーなく実行できても、似たタグを誤って拾うなど、取得データが間違っていることがあります。集めたデータの最初の数件を実際のページと突き合わせて検証する一手間を必ず入れてください。検証を省くと、誤ったデータを大量に集めて分析がすべて無駄になるリスクがあります。

前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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