副業 確定申告 紙提出 やり方|書類の入手から税務署窓口までの流れ

長谷川 奈津
長谷川 奈津
副業 確定申告 紙提出 やり方|書類の入手から税務署窓口までの流れ

この記事のポイント

  • 副業の確定申告を紙で提出したい方向けに
  • 書類の入手方法から記入手順
  • 税務署窓口での提出方法までを行政書士が実務目線で解説

先日、副業でWebライターをされている方から相談を受けました。「e-Taxを使えと言われるけれど、マイナンバーカードの読み取りで何度も失敗して、結局深夜に挫折した。紙で提出したいんですが、やり方が分からない」と。これ、知らない人が本当に多いんです。結論から言うと、副業の確定申告は紙提出も完全に有効で、毎年多くの方が税務署窓口や郵送で書類を提出しています。本記事では、「副業 確定申告 紙提出 やり方」を検索された方に向けて、書類の入手から記入、税務署窓口への持ち込みまでの流れを、行政書士として実務で見てきた目線で順を追って解説します。

副業の紙確定申告は今も主流の選択肢

国税庁は近年e-Tax(電子申告)の利用を強く推奨していますが、紙提出は依然として正式な申告方法として残っています。つまり、「紙だからダメ」「紙は廃止された」というのは誤解です。実際、令和の今でも申告書用紙は税務署で無料配布されており、郵送・窓口提出のいずれも受け付けられています。

副業をされている方の中には、次のような理由で紙提出を選ぶ方が一定数います。

・マイナンバーカードを取得していない、または読み取り環境がない ・パソコン操作やスマホ申告に不安がある ・初めての確定申告で、税務署職員に直接確認しながら提出したい ・領収書や控除証明書を物理的に整理しているので、紙の方が照合しやすい ・自分の控えに税務署の受付印を押してもらいたい

これらはどれも正当な理由です。「e-Taxの方が控除額が大きいから紙は不利」と聞いたことがあるかもしれませんが、それは青色申告特別控除における話で、白色申告や20万円ルールに関わる多くの副業ケースでは、紙提出による不利益はほぼありません。法律はあなたの味方です。自分が安心して正確に提出できる方法を選んでください。

一方で、年収160万円以下で所得税がかからなくても、副業所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。たとえば、アルバイトの掛け持ちで給与収入合計が160万円以下で、そのうち年末調整されていない給与収入が25万円だとします。この場合、所得税はかかりませんが、年末調整されなかった給料が20万円を超えるため、確定申告が必要になります。

つまり、副業所得が20万円を超えるなら、本業の年末調整とは別に、自分で確定申告書を作って提出する必要があります。この「自分で作って提出する」工程を、紙でやり切るのが本記事のテーマです。

そもそも副業の確定申告が必要になるのは誰か

紙提出のやり方に入る前に、自分が本当に確定申告の対象なのかを確認しましょう。ここを間違えると、本来不要な手間をかけたり、逆に申告漏れで後から加算税を取られたりします。

副業をしている会社員が確定申告を求められる代表的なケースは次の通りです。

・給与所得・退職所得以外の所得(副業所得)の合計が年20万円を超える ・2か所以上から給与をもらい、主たる勤務先以外の給与が年20万円を超える ・医療費控除・住宅ローン控除(初年度)・寄附金控除など、年末調整で処理できない控除を受けたい ・副業を「事業所得」として青色申告したい

ここで気をつけたいのは「20万円ルールは所得税のみ」だという点です。住民税には20万円基準はないので、副業所得が1円でもあれば、原則として市区町村への住民税の申告は必要になります。確定申告書を提出すれば住民税の申告も兼ねられるため、結果として「20万円以下でも確定申告した方が手続きが1回で済む」というケースも少なくありません。

副業の所得区分は内容によって変わります。クラウドソーシングや業務委託でのライティング・デザイン・プログラミングなどは「雑所得」または「事業所得」、フリマアプリでの転売は「雑所得」または「事業所得」、株式や暗号資産は「譲渡所得」「雑所得」、不動産賃貸は「不動産所得」といった具合です。区分によって使う申告書や添付書類が変わるので、自分の副業がどこに当たるかは事前に整理しておきましょう。

判断に迷う場合は税務署の電話相談や、お住まいの自治体の無料税務相談を活用するのが安全です。※継続反復性が高く生計の柱になっているのに「雑所得で出して問題ないか」など踏み込んだ判断が必要なケースでは、税理士に相談してください。

紙で提出するために必要な書類を揃える

紙提出のやり方で最初にやるべきは、必要書類の洗い出しです。ここを丁寧にやっておくと、後の記入作業が驚くほどスムーズに進みます。

副業の確定申告で必要になる主な書類は次の通りです。

・確定申告書(第一表・第二表) ・収支内訳書(白色申告の場合)または青色申告決算書(青色申告の場合) ・本業の源泉徴収票(給与所得がある場合) ・副業の支払調書または取引明細・通帳コピー・請求書控え ・経費の領収書・レシート(家事按分する場合は計算メモも) ・各種控除証明書(生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除の明細書、寄附金受領証明書など) ・マイナンバー確認書類(マイナンバーカード、または通知カード+本人確認書類) ・印鑑(朱肉が必要な認印。シャチハタは避ける) ・還付申告の場合は本人名義の銀行口座が分かるもの

副業収入の根拠書類は、クライアントから発行された「支払調書」がベストですが、義務ではないため発行されないことも多いです。その場合は通帳の入金履歴と、自分で作成した請求書控えで代用します。後で税務署から問い合わせがあったときに自分で説明できる状態になっていれば問題ありません。

経費については、業務に直接関連するものだけを計上します。たとえば在宅でWebデザインの副業をしているなら、通信費・電気代・家賃の一部(仕事に使った時間や床面積の割合で按分)、PC関連の消耗品費、書籍代などが代表例です。私の経験では、按分割合のメモを残していないと税務署から「根拠は?」と質問されたときに答えに詰まる方が本当に多いので、エクセルや手書きのメモで構いませんから、計算式と日付を残しておいてください。

申告書用紙の入手方法は3つある

紙の申告書はどこで手に入るのか。これも知らない人が本当に多いんですが、入手ルートは3つあります。

1. 税務署や市区町村役場で直接受け取る

最も確実なのが、最寄りの税務署や市区町村の税務担当窓口で配布されている用紙をもらう方法です。確定申告期(毎年2月中旬から3月中旬)が近づくと、税務署のロビーや市役所のロビーに用紙が積まれており、誰でも自由に持ち帰れます。

このとき「申告書B」と表記されていた様式は、令和5年分以降は「確定申告書」に一本化されたため、迷わずそれを取ってください。副業の所得区分に応じて、「収支内訳書(白色用)」「青色申告決算書」「医療費控除の明細書」などを一緒に受け取ります。

2. 国税庁ホームページから印刷する

国税庁の公式サイトでは、確定申告書の様式PDFが無償で公開されています。プリンタがあれば自宅で印刷できますし、コンビニのネットプリント機能を使えば印刷環境がなくても対応できます。A4サイズの普通紙で問題ありません。

ただし、複写式の用紙(「OCR用」「左綴じ」など)と異なり、家庭印刷の場合は2枚目以降に自分の控えを別途用意する必要があります。提出用と控え用の2部を印刷しておくと安心です。

3. 郵送で取り寄せる

税務署に電話で依頼すれば、申告書一式を郵送してもらえます。地方在住で税務署が遠い方、平日の窓口時間に行けない方は、この方法が便利です。なお、確定申告期は税務署の電話が非常に混み合うため、12月から1月の早い段階で依頼しておくのがおすすめです。

紙の確定申告書の書き方とやり方の順序

書類が揃ったら、いよいよ記入です。紙の確定申告書は、書く順番を間違えると何度も書き直しになるので、次の順序で進めてください。

Step1. 収入と所得を計算する

まず、収入金額と所得金額を計算します。給与所得は源泉徴収票の「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」をそのまま転記します。

副業の雑所得や事業所得は、年間の総収入から必要経費を差し引いた金額が「所得」になります。白色申告なら収支内訳書、青色申告なら青色申告決算書に、月別の売上と経費を一覧で記入し、年間合計を出します。

Step2. 各種控除を計算して第二表に記入する

確定申告書は第一表と第二表の2枚構成です。第二表には、所得の内訳(給与・副業の支払者ごと)、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、扶養親族の情報などを記入します。

ここで重要なのは「先に第二表を埋める」ことです。第一表の控除欄の数字は、第二表で計算した結果を転記する形になっているからです。先に第一表を書こうとすると、後で第二表を作ったときに数字が合わなくて全部書き直しという事故が起きます。

Step3. 第一表に転記して税額を計算する

第二表で各種控除額を確定させたら、第一表に転記します。第一表では、収入金額・所得金額・所得控除額・課税所得金額・所得税額・復興特別所得税・源泉徴収税額・納付(還付)税額を順に計算します。

所得税の計算は、課税所得金額を税率表に当てはめるだけです。たとえば課税所得が330万円以下なら税率10%(控除額97,500円)、330万円超〜695万円以下なら税率20%(控除額427,500円)といった具合です。国税庁の速算表を見ながら計算すれば、電卓で十分対応できます。

復興特別所得税は所得税額に2.1%を乗じます。最終的に「所得税及び復興特別所得税の額」が出たら、そこから源泉徴収済みの税額を差し引きます。プラスなら納付、マイナスなら還付です。

Step4. 還付口座やマイナンバーを記入する

還付申告の場合は、第一表の下部に本人名義の銀行口座を記入します。家族名義の口座は使えませんので注意してください。また、申告書には本人と扶養親族のマイナンバーを書く欄があります。書き忘れると窓口で書き直しを求められるので、提出前に必ず確認しましょう。

Step5. 控え用にコピーを取る

提出前に、必ず控え用のコピーを取ります。後で住宅ローン審査や保育園の申し込みなどで「課税証明書代わりに確定申告書の控えを提出してください」と言われることがあるからです。窓口提出時に受付印を押してもらえるのは、コピーを持参した場合のみです。

税務署窓口・郵送・時間外収受箱の3つの提出方法

紙の確定申告書ができあがったら、いよいよ提出です。提出方法は3つあります。それぞれメリットとデメリットを整理します。

方法1. 税務署窓口で直接提出する

最も安心なのが、税務署の窓口に直接持ち込む方法です。受付の職員が形式チェック(記入漏れ・添付書類の有無・押印の有無など)をしてくれるため、その場で不備を指摘してもらえます。控えに受付印を押してもらえるのも窓口提出の利点です。

ただし、確定申告期(2月16日〜3月15日頃)は窓口が混雑し、数時間待ちになることもあります。私の知る限り、3月の最終週は特に混雑するため、可能なら2月中、それも午前中の早い時間帯を狙うのがおすすめです。

方法2. 郵送で提出する

申告書を税務署宛てに郵送する方法です。控えと、自分宛ての切手を貼った返信用封筒を同封しておけば、税務署が受付印を押した控えを送り返してくれます。これ、知らない人が本当に多いんですが、郵送なら自宅で完結するうえ、ちゃんと受付印付きの控えを受け取れます。

注意点は、確定申告書は「信書」に該当するため、ゆうパックや宅配便では送れないことです。郵便局の普通郵便またはレターパック、簡易書留などで送りましょう。私の経験では、トラブル防止のため特定記録郵便またはレターパックライト以上を推奨しています。

なお、郵送の場合の提出日は「消印日」で判定されます。3月15日の消印があれば、税務署到着が3月17日でも期限内申告として扱われます。これは国税通則法施行令で定められた取り扱いです。つまり、郵便局の窓口で消印を確認してもらえれば、ぎりぎりでも間に合います。

方法3. 時間外収受箱に投函する

平日昼間に税務署に行けない方向けに、各税務署には24時間投函可能な「時間外収受箱」が設置されています。封筒に「確定申告書在中」と書いて投函すれば、翌日税務署が回収して処理してくれます。

ただし、時間外収受箱の場合は受付印を押してもらえません。控えが必要な方は、返信用封筒を同封しておけば後日郵送で受付印付きの控えが届きます。

紙提出でよくある記入ミスと対処法

実務でよく見るミスを事例ベースで紹介します。ご自身の申告書を提出する前のチェックリストとして使ってください。

ケース1. 源泉徴収税額の転記ミス

副業で源泉徴収されている場合、第二表の「所得の内訳」欄に支払者ごとの源泉徴収税額を書き、その合計を第一表の「源泉徴収税額」に転記します。ここで複数のクライアントの源泉徴収額を足し忘れる方が本当に多いんです。結果、本来還付されるはずの税金が戻ってこないことになります。

対処法としては、源泉徴収されている案件をエクセルでリスト化し、合計値と申告書の数字が一致しているか、提出前に必ず指差し確認することです。

ケース2. 経費に計上できないものを入れてしまう

副業の経費として家賃や光熱費を全額入れてしまう例も後を絶ちません。法律上、家事関連費(プライベートと事業で混在する費用)は、「業務に直接必要な部分」だけを経費にできます。つまり、家賃20万円の自宅で副業をしているからといって、20万円全額を経費にはできません。

按分の根拠(床面積比、使用時間比など)を計算メモとして残し、副業比率に応じた金額のみを計上してください。私の経験では、税務署から問い合わせがあったときに按分根拠を即答できるかが、追加課税を避ける分かれ目になります。

ケース3. 住民税の徴収方法を選び忘れる

副業を会社に知られたくない方は、第二表の「住民税に関する事項」で、給与所得以外の所得に対する住民税の徴収方法を「自分で納付」(普通徴収)にチェックしてください。チェック忘れで「特別徴収」(給与天引き)のままにすると、副業分も含めた住民税通知が会社に届き、本業の経理に副業の存在が分かってしまうことがあります。

ただし、自治体によっては普通徴収を選んでも特別徴収に切り替わるケースがあるので、心配な方は提出後にお住まいの市区町村の税務課に確認するのが確実です。

ケース4. 添付書類台紙の貼り忘れ

紙提出では、源泉徴収票、生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、寄附金受領証明書などを「添付書類台紙」に貼って提出します。台紙への貼付は両面テープでもホチキスでもOKですが、忘れる方が非常に多いです。原本提示が必要なものは、コピーではなく原本を貼るのが原則です。

紙提出と電子申告(e-Tax)の違いを正しく理解する

紙提出を選ぶ場合でも、電子申告との違いを知っておくと判断がしやすくなります。

主な違いは次の通りです。

・青色申告特別控除:紙の場合は最大55万円、e-Taxの場合は最大65万円(差額10万円) ・添付書類:紙では原本提出が必要なものも、e-Taxでは省略可能なケースがある ・提出時間:紙は税務署の開庁時間(または郵送・時間外収受箱)、e-Taxは24時間 ・受付印:紙は受付印が押された控えがもらえる、e-Taxは「メッセージボックス」で受信通知を確認 ・処理スピード:還付申告の場合、e-Taxの方が処理が早い傾向(紙は1〜2か月、e-Taxは2〜3週間が目安)

つまり、青色申告で65万円控除を使いたい方や、還付を急ぐ方はe-Taxの方が有利です。一方、白色申告で20万円ルールに該当しているだけの方や、控除書類の原本提示を求められるケース(住宅ローン控除初年度など)では、紙提出のデメリットはほぼありません。

副業の規模感に応じて、最初は紙で慣れる、規模が大きくなったらe-Taxに切り替える、という二段階運用も現実的な選択です。法律はあなたの味方ですから、ご自身が一番ミスなく出せる方法を選んでください。

副業の確定申告を継続するための準備

ここからは少し視野を広げて、毎年の確定申告を負担なく続けるための準備の話をします。紙提出を選ぶ方ほど、日々の記録の精度が翌年2月の作業量を決めます。

副業を継続するなら、次の3つを月1回のルーティンに組み込んでください。

・売上記録:月次でクライアント名・案件名・報酬・入金日・源泉徴収額を一覧化する ・経費記録:レシート・領収書を月ごとにまとめ、家事按分の対象は割合のメモを残す ・控除書類保管:生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、ふるさと納税の受領書などは1か所にまとめておく

副業の所得区分が雑所得から事業所得に上がってきた方は、開業届を提出して青色申告に切り替えることも検討の余地があります。青色申告は記帳要件が厳しくなる一方、特別控除や赤字の繰越、家族への給与経費化など、複数の節税メリットがあるからです。開業届や青色申告承認申請書の書き方は、税務署の窓口でも教えてもらえます。

なお、副業で行政書士業務やAI関連の業務を始めようとお考えの方は、業務の専門性を高めるためのお仕事カテゴリも参考になります。たとえば、行政書士は副業として相性が良く、契約書チェックや許認可申請の補助業務などで独立を目指す方が増えています。また、AI関連の副業に興味がある方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で需要動向を確認できます。クリエイティブ系では作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のように単発受注しやすい案件も多く、副業の幅は確実に広がっています。

スキル系の副業をされる方は、報酬の相場感も把握しておきましょう。プログラミング系の副業を検討する方はソフトウェア作成者の年収・単価相場、ライティング系の方は著述家,記者,編集者の年収・単価相場が参考になります。市場相場を知ったうえで価格交渉できるかどうかは、年間所得に直結します。

副業のやり方そのものを基礎から学びたい方は、副業のやり方完全ガイド|初心者でも安全に月5万円稼ぐコツと注意点で副業選びから契約までを整理しています。また、AI時代の副業の進め方についてはAI やり方の決定版!初心者が仕事・副業で成果を出す5ステップが体系的に解説しています。

紙提出を活用したい方への注意事項

最後に、紙提出を選ぶ際に押さえておきたい注意点を整理します。

第一に、確定申告期の混雑です。税務署は2月16日〜3月15日の期間、相談ブースを設けて初心者向けの記入指導をしてくれますが、土日の相談会や3月最終週は終日混雑します。可能なら2月中に書類を完成させ、平日午前中の窓口に持ち込むのが最も負担が軽い方法です。

第二に、期限を過ぎた場合の対応です。3月15日(土日の場合は翌月曜日)までに提出できなかった場合は、期限後申告となり、無申告加算税(原則15%、税務署の調査前に自主申告すれば5%)と延滞税が課されます。ただし、還付申告(払い過ぎた税金を取り戻す申告)は5年間遡って提出できるため、期限を過ぎていても諦めずに提出してください。

第三に、収入の根拠資料の保存義務です。白色申告でも帳簿の作成・保存(7年間、法定帳簿以外は5年間)が義務付けられています。紙の領収書や請求書控えは、ファイリングして年度ごとに保管してください。電子データで受け取った請求書については、電子帳簿保存法に基づく保存ルールがあるため、PDFで保存する場合は日付・取引先・金額が検索可能な形にしておく必要があります。

第四に、税務調査が入る可能性です。副業所得が大きくなってきた方ほど、税務署からの問い合わせや調査の対象になりやすくなります。とはいえ、日頃から記録を残し、按分根拠を説明できる状態にしておけば、調査が入っても慌てる必要はありません。※実際に税務調査の連絡が来た場合は、その時点で税理士に相談することをおすすめします。

第五に、複雑な所得区分の判定です。副業が「雑所得」なのか「事業所得」なのか、暗号資産の利益が「雑所得」なのか「譲渡所得」なのか、といった判断は、過去の判例や通達を踏まえて慎重に行う必要があります。判断に迷う場合は、税務署の電話相談か税理士への相談を検討してください。

副業を始めたばかりの方ほど、まずは小さな案件で「報酬を受け取る→記録する→翌年2月に申告する」というサイクルを1回回してみることをおすすめします。最初の確定申告で全体の流れを掴めば、2年目以降の心理的な負担は劇的に下がります。私の経験では、1年目に紙で出した方が、2年目もそのまま紙で続けるか、e-Taxに移行するかを自分の判断で選べるようになります。これ、本当に大事なポイントです。

副業の確定申告は、複雑そうに見えて、ひとつずつ手順を踏めば誰でも出せる手続きです。紙提出という選択肢も含めて、自分にとって最もミスが少ない方法を選び、毎年安心して提出できる体制を整えていきましょう。

よくある質問

Q. 確定申告書は数種類あるようですが、どれを提出すればいいのでしょうか?

全員が必須となるのは基本情報や所得・税額をまとめた「第一表」と、所得の内訳や控除の明細を記載する「第二表」です。これらに加え、青色申告を選択している場合は4ページ構成の「青色申告決算書」も一緒に提出(または審査等で提示 )する必要があります。

Q. 副業の確定申告では本業の収入も書く必要がありますか?

はい。会社員の副業で確定申告をする場合、本業の給与収入と副業の所得を同じ申告書にまとめて記載します。源泉徴収票の内容をもとに入力します。

Q. 確定申告の相談はどこでできますか?

無料で相談できる場所として、税務署の確定申告相談コーナー(2〜3月)、自治体の税務相談会があります。有料では税理士への相談(1回5,000〜10,000円程度)が最も確実です。副業の規模が大きくなってきたら、税理士と顧問契約を結ぶことをおすすめします。

Q. 副業の所得が20万円以下なら本当に確定申告は不要ですか?

所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は市区町村に対して別途必要になります。所得税の申告を行えば住民税の手続きも自動で完了するため、将来を見据えてあえて確定申告を行うことをお勧めします。

Q. 副業所得が年20万円以下なら住民税も申告不要ですか?

いいえ、住民税は金額に関係なく申告が必要です。所得税は20万円以下なら不要ですが、住民税の申告書を自治体に提出してください。

長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津

行政書士・元企業法務

企業法務で年間200件以上のフリーランス契約を処理した経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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