書籍・小説・シナリオ執筆で稼ぐには?ゴーストライターという選択


この記事のポイント
- ✓ゴーストライターとして書籍・小説・シナリオ執筆で稼ぐ方法を徹底解説
- ✓現役ゴーストライターが実体験をもとに紹介します
「自分の名前が載らない文章を書く」。それがゴーストライターの仕事だ。
私はかつて、本気で小説家を目指していた。文学賞に何度も応募し、一次選考は通過するものの、最終選考の壁を一度も越えることができなかった。気づけば30歳を過ぎ、貯金も底をつきかけ、「夢を追い続けるのはもう限界かもしれない」と絶望に近い感情を抱いていた時期がある。
そんな折、食いつなぐためにクラウドソーシングで見つけたのが「書籍執筆代行」という文字だった。当時は「自分の名前が出ない本を書いて何が楽しいのか」というプライドもあったが、背に腹は代えられない。
現在、私はゴーストライターとして活動し、平均して月40万円ほど稼いでいる。繁忙期には月収が60万円を超えることもある。確かに自分の名前は表紙に載らない。しかし、自分が魂を込めて構成し、言葉を紡いだ本がAmazonの総合ランキングでトップ10に入り、多くの読者の人生を変えている光景を目の当たりにしたとき、かつて抱いていた「承認欲求」とは別の、深い職業的誇りを感じるようになった。
ゴーストライターとは何か
ゴーストライターとは、依頼者(著者)の名前で出版される書籍、記事、あるいはSNSの投稿などを、著者に代わって執筆する専門職だ。日本では古くから存在する影の職業であり、書店に並ぶ著名人の自伝やビジネス書の約80〜90%はゴーストライターが関わっていると言われている。
最近ではKindle出版のハードルが下がったことで、経営者やインフルエンサーだけでなく、特定の専門スキルを持つ個人が「自分の知識を体系化したい」とゴーストライターに依頼するケースが急増している。
| 案件タイプ | 文字数目安 | 報酬相場 | 制作期間(目安) |
|---|---|---|---|
| Kindle電子書籍 | 20,000〜40,000字 | 50,000〜200,000円 | 2〜4週間 |
| ビジネス書(商業出版) | 80,000〜120,000字 | 300,000〜1,000,000円 | 2〜4ヶ月 |
| 小説・ライトノベル | 80,000〜120,000字 | 200,000〜500,000円 | 1〜3ヶ月 |
| シナリオ(ゲーム・動画) | 10,000〜50,000字 | 100,000〜400,000円 | 2〜6週間 |
| 自伝・エッセイ | 60,000〜100,000字 | 200,000〜600,000円 | 2〜3ヶ月 |
ここで注意してほしいのは、単なる文字単価だけで案件の良し悪しを判断しないことだ。例えば、Kindle書籍で文字単価2円の案件があったとする。一見すると高単価に見えるが、リサーチに20時間、インタビューに10時間、執筆と修正に40時間かかれば、合計70時間。3万字書いて6万円の報酬なら、時給は857円まで下がってしまう。ゴーストライターとして稼ぐには、いかに効率よく情報を引き出し、構成を固めるかが勝負となる。
私がゴーストライターになった経緯
小説家を目指していた20代後半、生活費を稼ぐためにWebライティングの副業をしていた。当時は文字単価0.5円程度のコタツ記事を量産する日々で、精神的にも疲弊していた。そんなある日、クラウドソーシングサイトで「投資家の成功体験をベースにしたビジネス書の執筆代行」という案件を見つけた。提示されていた報酬は15万円。
「自分の小説は1円にもならないけれど、他人の経験を物語にするのなら、これまでの習作経験が活かせるはずだ」
そう自分に言い聞かせ、必死で提案文を書いて応募した。最初の案件は、不動産投資で成功した個人のKindle本だった。クライアントとのZoomインタビューを計3回、合計6時間ほど行い、その音声データをもとに3万字の原稿を書き上げた。
驚いたのは、その本が発売からわずか3日でKindleの「投資・金融」カテゴリで1位を獲得したことだ。クライアントからは「自分の言いたかったことが、想像以上の言葉になっていて感動した」と涙ながらに感謝され、追加で3万円のボーナスをもらった。自分の名前が出ないことへのこだわりが消えた瞬間だった。
必要なスキル
ゴーストライターには、一般的なWebライターとは異なる高度なスキルセットが要求される。
文章力は「最低条件」
当たり前だが、文章力は必須だ。ただし、ゴーストライターに求められるのは文学的な美辞麗句ではない。読者が1ページ読み進めるごとに「なるほど」と納得し、最後まで飽きずに読める「論理的で平易な文章」だ。中学生が読んでも理解できる難易度を保ちつつ、著者の専門性を損なわないバランス感覚が求められる。
インタビュー力が最重要
ゴーストライターの仕事の7割は「聞く」ことにあると言っても過言ではない。クライアントの頭の中にある断片的な知識や経験、そして熱量を、いかにうまく引き出して言語化するか。
私は初期の頃、クライアントに「何を書きたいですか?」と漠然とした質問を投げていた。しかし、これでは著者の抽象的な話に終始してしまい、読者に刺さる原稿にならない。今は質問の精度を上げ、以下のような切り口でインタビューを行っている。
- 「この本を読んだ後、読者の人生が具体的にどう変わってほしいですか?」
- 「あなたが一番失敗したときの話を、当時の感情を含めて教えてください」
- 「業界の常識を覆すような、あなただけの独自の主張は何ですか?」
こうした深掘りをすることで、著者本人すら気づいていなかった「独自の価値(Information Gain)」を掘り起こすことができる。
構成力と文体の模倣
1冊の本(3万字〜10万字)を構築するには、強固な骨組みが必要だ。章立ての段階で「序破急」や「PREP法」を駆使し、読者の関心を惹きつけ続ける必要がある。
また、著者の「口癖」や「リズム」を模写する能力も不可欠だ。音声データを何度も聞き込み、その人が使いそうな言い回しを採用することで、著者自身が読んだときに「自分の言葉だ」と感じられる原稿に仕上がる。
具体的な制作フロー
案件を受注してから納品するまでの標準的な流れを紹介する。
- 企画・ターゲット選定(1〜2週間) 著者の要望をヒアリングし、誰に何を届ける本なのかを定義する。この段階でタイトルの方向性も決める。
- 構成案(目次)の作成(1週間) 大見出し(h2)、中見出し(h3)を全て作成する。この段階で本の完成図の80%が決まる。
- 取材・インタビュー(計3〜10時間) 構成案に沿って詳細なエピソードを聞き出す。最近はAI文字起こしツールを併用し、効率化を図っている。
- 初稿執筆(2週間〜2ヶ月) 一気に書き上げる。この際、著者の熱量が冷めないうちに第一章を早めに共有し、文体のズレがないか確認する。
- 推敲・修正(2〜3回) 著者による事実関係の確認と、表現のブラッシュアップを行う。
案件の探し方
ゴーストライターへの第一歩を踏み出すには、まず以下の経路で実績を作るのが現実的だ。
クラウドソーシングで探す
最も確実なのがクラウドソーシングだ。@SOHOならシステム利用手数料が0%なので、20万円の案件を受注すれば、そのまま20万円が手元に残る。他サイトでは手数料で20%(4万円)も引かれるケースが多く、この差は大きい。
検索ワードとしては「書籍執筆」「ゴーストライティング」「Kindle出版代行」「構成作成」などで絞り込むと、熱量の高い案件が見つかりやすい。
出版社・編集プロダクションへの営業
商業出版のフィールドで活躍したいなら、編集プロダクションにポートフォリオを送るのが定石だ。彼らは常に「納期を守り、著者の意図を汲めるライター」を探している。未経験なら、まずはブックライティングの講座を受講したり、自分のブログで「仮想インタビュー記事」を書いたりして、実力を証明する素材を作る必要がある。
SNSとブログでのブランディング
X(旧Twitter)で「ゴーストライターの舞台裏」や「心に刺さる文章の書き方」を発信し続けるのも効果的だ。私も実際に、SNS経由で「この人の文体なら自分の本を任せられる」と、1件40万円以上の直接依頼を何度もいただいている。
ゴーストライターの光と影
この仕事には、華やかな側面ばかりではない。
「自分の名前が出ない」ことへの心理的葛藤
これはゴーストライターが必ず直面する壁だ。渾身の力作がベストセラーになっても、世間が称賛するのは著者であって自分ではない。私も当初は書店で自分の書いた本を見かけるたび、誇らしさと虚しさが入り混じった複雑な気分になった。しかし、10冊、20冊と書いていくうちに、「プロの職人として、クライアントの夢を叶えること」に最大の価値を見いだせるようになった。
守秘義務の重圧
ゴーストライターにとって、守秘義務は命の次に重い。契約書(NDA)を交わすのは当然として、身近な友人や家族にすら「あの本、実は僕が書いたんだ」と漏らすことは許されない。万が一情報が漏洩すれば、損害賠償請求だけでなく、業界でのキャリアは即座に終了する。この「秘密を墓場まで持っていく覚悟」こそが、高額な報酬の対価である。
安定収入と健康管理
フリーランスのゴーストライターとして生活を安定させるには、常に2〜3本の案件を並行して回す必要がある。1冊書くのに平均15万文字ほどの入力をすることもあり、腱鞘炎や眼精疲労、そして長時間のデスクワークによる腰痛との戦いだ。私は昇降デスクを導入し、50分執筆して10分休むルーチンを徹底している。
副業としてのゴーストライター
本業を持ちながら、週末起業としてゴーストライターを始めるのは非常におすすめだ。特に営業職や企画職の方は、普段の「ヒアリング能力」や「論理的思考」をそのまま執筆に活かせる。
Kindle書籍1冊(2万字)なら、平日の夜に1時間、土日に計8時間を充てれば、約1ヶ月で完成させることができる。これで10万円前後の副収入が得られると考えれば、Webライティングの低単価案件を回すよりも圧倒的に効率が良い。
何より、1冊の本を書き上げたという実績は、あなたのキャリアにおける強力な「武器」になるはずだ。
よくある質問
Q. 未経験でも本当にシナリオは書けますか?
書けます。ただし、「面白い話」をいきなり書こうとせず、まずは「誰でも分かる構成」を意識してください。映画や漫画をたくさん見ている人なら、無意識に「面白い型」を知っています。それを言語化する練習をすれば、必ず書けるように なります。
Q. どんな人がシナリオライターに向いていますか?
人の心理に興味がある人、そして「観察眼」がある人です。私はカメラマンとして人の表情をずっと観察してきましたが、それがシナリオ作りにも生きています。「この人は、なぜ今ここで笑ったんだろう?」という問いを常に持てる人は、深 みのあるキャラクターを書けますよ。
Q. 案件獲得のために準備すべきことは?
先述の「サンプル」を3本は用意してください。ジャンルはバラバラの方が「幅広さ」をアピールできます(例:感動系、ホラー系、ビジネス解説系)。
Q. 地方(横浜以外)に住んでいても仕事はありますか?
まったく問題ありません。シナリオの仕事は100%オンラインで完結します。打ち合わせもZoomやGoogle Meetで行うため、ネット環境さえあれば世界中どこでも仕事場になります。
主婦の方が在宅で仕事をする際の具体的なタイムスケジュールも、参考にしてみてください。
家事、育児、そして執筆。限られた時間をどう使い分けているか、リアルな日常が綴られています。
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この記事を書いた人
榊原 隼人
フルスタックエンジニア・テックライター
SIerで8年間システム開発に携わった後、フリーランスエンジニアに転身。React/Next.js/Pythonを中心に開発案件をこなしながら、技術系の記事を執筆しています。
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