不動産会社の物件紹介動画を外注する費用|内見前の魅力訴求と依頼のコツ 2026

中西 直美
中西 直美
不動産会社の物件紹介動画を外注する費用|内見前の魅力訴求と依頼のコツ 2026

この記事のポイント

  • 不動産会社が物件紹介動画を外注する際の費用相場
  • 失敗しない外注先の選び方をまとめました
  • 仲介経由と直接依頼のコスト差にも触れています

「物件紹介動画を作りたいけれど、いくらかかるのか分からない」。そんなご相談を、最近よくいただきます。内見前にオンラインで物件の魅力を伝えられれば、来店数を絞り込めて営業効率も上がる。頭では分かっていても、費用感がつかめないまま一歩を踏み出せずにいる担当者の方は、実はとても多いんです。大丈夫ですよ。今日は物件紹介動画の外注費用について、相場から内訳、依頼の流れ、失敗しない選び方まで、順を追ってお話ししていきます。

物件紹介動画の需要が高まっている背景

コロナ禍を経て、内見前にオンラインで物件情報を確認したいというニーズは定着しました。写真だけの物件情報よりも、動画で部屋の広さや日当たり、周辺環境まで伝えられる物件の方が、問い合わせ率が上がるという声も現場から多く聞かれます。

特に単身者向けの1K・1DKなどの賃貸物件では、遠方からの引っ越しで内見に来られない層への訴求として動画が有効です。また、ファミリー向けの分譲マンションや戸建てでは、動画による「暮らしのイメージ」の提示が成約までの検討期間を短縮する効果があるとされています。

一方で、動画制作を内製化しようとすると、撮影機材の準備、編集ソフトの習得、担当者の稼働時間の確保など、想像以上にハードルが高いのが実情です。だからこそ、外部のクリエイターに依頼する不動産会社が増えています。ただし「外注する」と一口に言っても、依頼先によって費用も品質も大きく変わります。ここを理解しないまま発注してしまうと、想定より高くついたり、逆に安さだけで選んで納品物のクオリティに苦労したりすることになります。

私自身、以前フリーランスとして独立したばかりの頃、自分のカウンセリング活動を紹介する動画を外注しようとして、見積もりの相場観がまったく分からず苦労した経験があります。3社に相見積もりを取ったところ、同じ「1分程度の紹介動画」という依頼内容にもかかわらず、金額に3倍近い開きがありました。安い方に飛びつきそうになったところ、担当者に「その金額だと撮影機材はスマートフォンのみで、編集も簡易的なテロップ挿入だけになります」と説明され、初めて価格差の理由に納得できたのです。不動産会社の物件紹介動画も同じで、金額だけを見るのではなく、その金額に何が含まれているのかを確認する視点が欠かせません。

物件紹介動画の費用相場

物件紹介動画の制作費用は、動画の種類や尺、撮影方法によって大きく変わります。ここでは代表的なパターンごとに相場を整理します。

シンプルな部屋紹介動画(1〜2分程度)

最もニーズが多いのが、賃貸の1K・1DK・1LDK向けの短尺紹介動画です。スマートフォンやジンバル撮影機材を使ったシンプルな構成であれば、1万5,000円から3万円程度が相場です。撮影者が現地に赴き、鍵を借りて撮影し、簡単な編集を加えるスタイルが中心になります。

ドローンや一眼カメラを使った本格撮影(3〜5分程度)

戸建てや分譲マンションなど、外観や周辺環境も含めて魅力を伝えたい物件では、ドローン撮影や一眼レフカメラでの本格的な映像を求めるケースが増えます。この場合の相場は5万円から15万円程度です。照明機材の持ち込みや、BGM・ナレーションの挿入なども含まれることが多く、その分単価も上がります。

VR内覧・360度動画

近年増えているのが、VRゴーグルやスマートフォンで360度見渡せる内覧動画です。専用の360度カメラでの撮影と、専用プレイヤーへの実装が必要になるため、10万円から30万円程度が目安になります。導入コストは高めですが、遠方の顧客の問い合わせ獲得に強く効果を発揮するという評価があります。

複数物件のパッケージ発注

1件ずつ単発で依頼するより、月間契約や物件数をまとめて発注する方が、1本あたりの単価は下がる傾向にあります。例えば月10件程度の定期発注であれば、1本あたり1万円前後まで下がるケースも見られます。継続的に紹介動画を作る予定がある不動産会社であれば、単発発注よりもパッケージ契約を検討する価値があります。

料金の内訳を理解する

見積もりを比較するときに大切なのは、金額の総額だけでなく、その内訳を分解して見ることです。物件紹介動画の料金は、主に次の要素で構成されています。

撮影費

現地での撮影にかかる費用です。カメラマンの拘束時間、機材費、交通費が含まれます。都市部か地方かによっても交通費の扱いが変わるため、遠方の物件の場合は別途費用が発生しないか事前に確認しておく必要があります。

編集費

撮影した素材をカット編集し、テロップやBGMを挿入する工程です。編集にかかる時間は動画の尺や演出の複雑さによって変わり、料金全体の中でも大きな割合を占めます。字幕や間取り図の挿入、モザイク処理(表札や車のナンバーなど個人情報保護のため)を依頼する場合は追加料金が発生することもあります。

ナレーション・BGM費

ナレーターへの依頼や、著作権フリーの音源利用にも費用がかかる場合があります。ナレーションなしでテロップのみの構成にすれば、その分費用を抑えられます。

修正対応費

納品後の修正回数が契約に含まれているかどうかも重要な確認ポイントです。「1回まで無料修正」という条件が多く見られますが、それ以上の修正には追加料金が発生することが一般的です。

依頼の流れ

実際に外注する際の一般的な流れを把握しておくと、初めての発注でも迷わずに進められます。

ステップ1:依頼内容の整理

まず、どの物件を、どのような目的で動画化したいのかを整理します。賃貸の空室対策なのか、分譲物件のブランディングなのかによって、必要な尺や演出のテイストが変わってきます。

ステップ2:見積もり依頼と比較

依頼先候補に対して、物件の種類・尺・希望納期・修正回数の希望を伝えて見積もりを取ります。この際、1社だけでなく複数社から相見積もりを取ることが重要です。金額だけでなく、対応の速さや提案内容の丁寧さも比較材料になります。

ステップ3:撮影日程の調整

現地撮影が必要な場合は、物件の空室状況や鍵の管理方法(管理会社経由か、オーナー立ち会いか)を確認したうえで日程を組みます。天候に左右される外観撮影が含まれる場合は、予備日も設定しておくと安心です。

ステップ4:初稿の確認とフィードバック

編集後の初稿が届いたら、テロップの誤字脱字や、伝えたい魅力が過不足なく盛り込まれているかを確認します。修正指示は具体的に、タイムコード(何分何秒の箇所か)を添えて伝えるとやり取りがスムーズです。

ステップ5:納品と活用開始

最終納品後は、自社サイトへの掲載だけでなく、SNSや不動産ポータルサイトへの二次利用も検討しましょう。1本の動画を複数のチャネルで活用することで、制作コストに対する費用対効果を高められます。

失敗しない外注先の選び方

外注先選びで失敗しないためには、いくつかのチェックポイントがあります。

不動産物件の撮影実績があるか

一般的な動画制作会社であっても、不動産物件の撮影経験が少ないと、間取りの見せ方や生活動線を意識した構図が弱くなりがちです。過去の制作実績に不動産物件が含まれているかを必ず確認しましょう。

修正対応の範囲が明確か

契約前に「何回まで無料修正が可能か」「修正の範囲(テロップの文言変更のみか、カット割りの変更も含むか)」を明文化しておくことが、後々のトラブル防止につながります。

納期の実現可能性

繁忙期(引っ越しシーズンである1月〜3月)は、撮影・編集ともに依頼が集中し、通常より納期が延びる傾向があります。急ぎの案件であれば、事前に対応可能なスケジュールかを確認しておきましょう。

コミュニケーションの取りやすさ

修正依頼や追加撮影の相談をスムーズに行えるかどうかも、長期的に付き合ううえで重要な要素です。レスポンスの速さや、専門用語を分かりやすく説明してくれるかどうかも見ておくとよいでしょう。

仲介会社経由と直接依頼のコスト差

物件紹介動画の外注先には、大きく分けて「制作会社(代理店)経由」と「フリーランスへの直接依頼」の2つの選択肢があります。

制作会社を通す場合、営業担当者による丁寧なヒアリングやディレクション、複数のクリエイターを抱えることによる安定した納期対応というメリットがあります。その一方で、制作会社の運営コストや営業経費が料金に上乗せされるため、同じクオリティの動画でも費用が高くなる傾向があります。

これに対して、実際に撮影・編集を担当するフリーランスのクリエイターへ直接依頼すれば、中間マージンが発生しない分、費用を抑えられる可能性があります。同じ予算であれば、より本数を発注できたり、より丁寧な撮影に時間をかけてもらえたりする余地が生まれます。もちろん、フリーランスへの直接依頼では、進行管理やディレクションを発注者側がある程度担う必要がある点は理解しておく必要があります。ただ、依頼内容を明確に伝えられる体制さえあれば、直接依頼はコスト効率の良い選択肢になり得ます。

実際、多くの不動産会社が物件紹介動画を制作しているものの、似たような内容の動画ばかりで、ユーザーの目に留まらない、印象に残らないといった課題を抱えているのではないでしょうか。せっかく動画を制作しても、ユーザーの心を掴めなければ意味がありません。 出典: stock-sun.com

この指摘の通り、費用を抑えて本数をこなすだけでなく、他の物件との差別化を意識した演出を依頼できるかどうかも、外注先選びの大切な視点になります。撮影者の得意なテイスト(明るく開放的な仕上がりが得意なのか、落ち着いた雰囲気を演出するのが得意なのか)を事前にポートフォリオで確認しておくと、イメージ違いによる修正のやり取りを減らせます。

業務範囲の決め方

外注する際は、あらかじめ「どこまでを依頼するのか」の業務範囲を明確にしておくことが、トラブル回避の鍵になります。

例えば、撮影のみを依頼して編集は自社で行うのか、撮影から編集、字幕挿入、ポータルサイトへのアップロードまで一括で依頼するのかによって、料金も業務の負担も変わってきます。複数物件を同時に発注する場合は、撮影スケジュールの組み方(1日に何件回れるか)によっても交通費や拘束時間が変動するため、まとめて依頼する際は事前にすり合わせておきましょう。

また、間取り図やCG(コンピューターグラフィックス)による仮想home staging(家具の配置イメージ)を加えるかどうかも、費用に影響する要素です。空室のまま撮影すると殺風景に見えてしまう物件では、こうした演出を加えることで問い合わせ率が上がるという声もあります。ただし、その分追加費用がかかるため、費用対効果を見ながら判断するとよいでしょう。

外注先を探す際は、専門分野に特化した人材を探せる場を活用するのも一つの方法です。撮影・映像制作の専門スキルを持つ人材の情報はアプリケーション開発のお仕事のような技術系の外注ガイドとあわせて、周辺分野の依頼先を探す際の参考にもなります。動画編集者の単価相場を把握したい場合は、クリエイティブ職の著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような年収・単価データも参考になるでしょう。

@SOHO独自データの考察

20年この市場を見てきた立場から言えば、外注先との関係が長続きする不動産会社ほど、単発の撮影依頼だけで終わらせていません。「この物件のテイストならこのクリエイターに任せると安心」という信頼関係を築くことに時間をかけている印象があります。逆に、毎回異なる依頼先に単発発注を繰り返している会社ほど、依頼内容の説明コストがかさみ、結果的に修正のやり取りも増えがちです。

中間マージンが乗らない直接取引には、額面には見えにくい価値があります。同じ予算であっても、依頼者側はより多くの本数を発注できたり、1本あたりの撮影時間を長く取ってもらえたりします。一方で受け手であるクリエイター側も、仲介手数料が引かれない分、手取りが厚くなります。手数料0%で直接つながる関係は、金額の大小だけでなく、双方にとって「割に合う」関係性を築きやすいという質的な違いを生みます。運営者としてこの市場を見てきた限りでは、こうした直接取引の積み重ねが、結果として長期的な取引継続につながっているケースを多く目にしてきました。

物件紹介動画は一度作って終わりではなく、季節ごとのリニューアルや、新規物件の追加撮影など、継続的な需要が発生するものです。だからこそ、最初の1本を依頼する段階から、長く付き合える外注先を見極める視点を持つことが、結果的にコストと品質の両方を最適化する近道になります。関連して、事業運営の初期費用や法人化のタイミングを検討している事業者の方であれば、法人化 マイクロ法人設立の完全ガイド!メリット・費用・注意点のような費用面の情報もあわせて確認しておくと、外注費用も含めた全体の資金計画を立てやすくなります。

公的機関・関連参考情報

本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. 物件紹介動画の制作費用はどれくらいが相場ですか?

シンプルな部屋紹介動画であれば1万5,000円から3万円程度、ドローンや一眼カメラを使った本格撮影では5万円から15万円程度が目安です。VR内覧動画はさらに高く10万円から30万円程度になります。

Q. 制作会社とフリーランス、どちらに依頼する方が安いですか?

一般的に制作会社は営業経費や運営コストが料金に上乗せされるため割高になりやすく、実際の撮影・編集を担当するフリーランスへ直接依頼すれば中間マージンがなく費用を抑えられる傾向があります。

Q. 複数物件をまとめて発注すると費用は下がりますか?

はい。月10件程度の継続発注であれば1本あたり1万円前後まで下がるケースもあります。継続的な発注予定がある場合はパッケージ契約を検討する価値があります。

Q. 外注先を選ぶ際に最も注意すべき点は何ですか?

不動産物件の撮影実績があるか、修正対応の範囲が明確か、繁忙期の納期対応が可能かの3点を契約前に確認することが、トラブル回避の鍵になります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月18日最終更新:2026年7月29日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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