製品の使い方動画を1本だけ作ってほしい|マニュアル動画の料金相場 2026

中西 直美
中西 直美
製品の使い方動画を1本だけ作ってほしい|マニュアル動画の料金相場 2026

この記事のポイント

  • 製品の使い方動画を外注したい担当者向けに
  • 失敗しない選び方をまとめました
  • 制作会社とフリーランス

「この製品の使い方を説明する動画を、1本だけ作ってもらいたい」。そう思ってこのページにたどり着いた方、多いのではないでしょうか。マニュアルを何度読んでも問い合わせが減らない、サポート担当が同じ質問に何度も答えている、そんな状況を変えたくて、使い方動画の制作を検討し始めた方も少なくないはずです。

大丈夫です。使い方動画の制作依頼は、思っているよりずっとシンプルに進められます。今日は、料金相場から依頼の流れ、失敗しない外注先の選び方まで、実務で使える情報をすべてお伝えします。

使い方動画の需要が増えている背景

まず、マクロな視点から現状を整理しておきましょう。なぜ今、使い方動画(プロダクトチュートリアル動画、マニュアル動画とも呼ばれます)を作りたいという相談が増えているのか。

一番の理由は、テキストのマニュアルだけでは製品の操作方法が伝わりにくくなっているからです。ソフトウェアやアプリ、家電、業務システムなど、機能が複雑化した製品ほど、文字と静止画だけの説明書では「どこをどう押せばいいのか」が直感的に理解できません。動画であれば、実際の操作画面や手の動きをそのまま見せられるため、理解のスピードが格段に上がります。

また、カスタマーサポートの負担軽減という観点も見逃せません。同じ質問への回答をサポート担当者が毎回文章で打つより、1本の動画をFAQページに埋め込んでおくほうが、対応工数を大きく減らせます。特に30%前後の問い合わせが「基本操作の確認」だという声もよく耳にします。使い方動画はこの層の問い合わせを事前に吸収する役割を果たします。

さらに、動画コンテンツ自体の制作環境が整ってきたことも背景にあります。以前は動画制作には大掛かりな機材とスタジオが必要というイメージがありましたが、画面録画とナレーション中心のチュートリアル動画であれば、比較的シンプルな構成で仕上げることができます。そのぶん、費用の幅も広がり、依頼者の予算に応じた選択肢が増えました。

一方で、依頼する側にとっては「相場がわからない」「どこに頼めばいいのかわからない」という悩みがつきものです。次の章から、具体的な費用相場と依頼先の選び方を見ていきましょう。

使い方動画の費用相場

使い方動画の制作費用は、依頼先の種類、動画の長さ、演出の凝り方によって大きく変わります。ここでは代表的な価格帯を整理します。

依頼先別の費用相場

大きく分けると、依頼先は「制作会社」と「フリーランスの個人クリエイター」の2ルートがあります。

制作会社に依頼する場合、企画構成から撮影、編集まで一貫して対応してもらえる分、費用は高めです。

インタビュー動画や会社紹介動画(3~5分程度)の相場は、20万円~80万円です。この価格帯では、企画構成から撮影、編集まで一貫して対応してくれます。撮影スタジオの使用有無や、出演者のキャスティング、アフターエフェクトなどの視覚効果の有無によって、価格が上下します。制作会社への依頼が一般的で、品質とプロフェッショナルな提案が期待できます。 出典: friggenterprise.jp

これは会社紹介動画の相場ですが、使い方動画(プロダクトチュートリアル)の場合、実写の撮影が不要で画面録画とナレーションが中心になるため、同じ制作会社でも10万円から40万円程度に収まるケースが多く見られます。

一方、フリーランスのクリエイターへ直接依頼する場合は、費用が大きく下がります。同じ画面録画型のチュートリアル動画であれば、3万円から15万円程度が目安です。差が生まれる最大の理由は、制作会社が営業担当やディレクター、複数の制作スタッフを抱える体制であるのに対し、フリーランスは編集者本人が直接窓口となり、その分の中間コストが発生しないためです。

マッチングサービス経由の相場

制作会社とフリーランスの間の選択肢として、動画制作のマッチングサービスを利用する方法もあります。

「コミットメントパートナー」という独自の審査基準で、質の高いクリエイターのみを厳選しているマッチングサービス。動画制作会社より低コスト・短納期でプロに依頼でき、コンシェルジュによる無料相談と手厚いサポートが特徴です。3万円~30万円超のプラン構成があり、予算に応じた選択が可能。 出典: friggenterprise.jp

マッチングサービスは、審査済みのクリエイターを紹介してもらえる安心感がある一方、サービス運営側への手数料が価格に上乗せされる点は理解しておく必要があります。同じクリエイターに依頼する場合でも、直接契約より1割から2割ほど割高になるケースが一般的です。

動画の長さ・演出による価格差

使い方動画の価格は「長さ」と「演出の凝り方」でも変わります。

・1分から3分程度のシンプルな画面録画+ナレーション:3万円から8万円 ・3分から5分でテロップやアニメーション演出を加えたもの:8万円から20万円 ・5分以上で複数シーンの撮影や字幕多言語対応を含むもの:15万円から40万円

シンプルな操作説明であれば、凝った演出は不要です。むしろ、操作手順が明確に伝わることのほうが重要なので、予算を抑えたい場合は演出を最小限にとどめる依頼の仕方が現実的です。

使い方動画を依頼する流れ

実際に依頼する際の流れを、ステップごとに解説します。

ステップ1:目的とゴールを明確にする

まず決めておきたいのは「この動画を見た人にどうなってほしいか」というゴールです。「初期設定を迷わず完了できる」「よくある操作エラーを自己解決できる」など、具体的な到達点を決めておくと、依頼先とのやり取りがスムーズになります。目的があいまいなまま発注すると、完成した動画が「なんとなく操作を映しただけ」の内容になりがちです。

ステップ2:構成案(台本)を用意する

次に、動画の構成案、いわゆる台本を用意します。すべてを自分で書く必要はありません。多くのクリエイターは、ヒアリングをもとに構成案を作成してくれます。ただし、依頼者側で「見せたい操作の順番」「強調したいポイント」をメモにまとめておくと、初回の打ち合わせが格段に効率化されます。

ステップ3:見積もりを複数社・複数人から取る

見積もりは、必ず2件以上、できれば3件程度は比較しましょう。理由は、同じ「使い方動画1本」という依頼内容でも、依頼先によって想定する作業範囲が大きく異なるためです。台本作成が含まれるのか、修正は何回まで無料か、ナレーターの手配は別料金かなど、内訳を細かく確認する必要があります。

ステップ4:素材(画面録画・製品画像)を準備する

製品の操作画面をクリエイターが直接触れない場合は、依頼者側で画面録画データやスクリーンショットを準備する必要があります。事前にどちらが素材を用意するのかを取り決めておくことで、後工程での手戻りを防げます。

ステップ5:初稿確認と修正依頼

初稿が上がってきたら、操作手順に誤りがないか、テロップの表記が製品の実際の表示と一致しているかを重点的に確認します。修正回数は契約前に上限を確認しておくと、追加費用のトラブルを避けられます。

ステップ6:納品とファイル形式の確認

最終納品時は、動画ファイルの形式(MP4が一般的)、解像度、字幕データの有無を確認します。社内マニュアルとしてイントラネットに掲載する場合と、YouTubeなど外部プラットフォームに公開する場合とで、推奨される仕様が異なることもあるため、公開先を事前に伝えておきましょう。

依頼を成功させるための準備リスト

依頼前に準備しておくとスムーズに進むポイントをまとめます。

・製品の操作フロー(どの画面からどの画面に遷移するか)の整理 ・想定視聴者(初めて使う人向けか、上級者向けか)の明確化 ・動画の公開場所(自社サイト、YouTube、アプリ内ヘルプなど) ・希望する動画の長さ(長すぎると離脱率が上がるため2分から5分が目安) ・ナレーションの有無、字幕の要否 ・予算の上限と、絶対に譲れない要件(納期、修正回数など)

これらを事前に整理しておくだけで、見積もりの精度が上がり、打ち合わせの回数も減らせます。

制作会社とフリーランス、どちらに依頼すべきか

ここまで費用相場を見てきましたが、実際にどちらへ依頼すべきかは、依頼者の状況によって変わります。

制作会社への依頼が向いているのは、複数の動画をシリーズで継続的に発注する予定がある場合や、社内の決裁フローで法人契約が必要な場合です。担当者間での引き継ぎ体制がしっかりしているため、長期的な発注には安心感があります。

一方、フリーランスへの直接依頼が向いているのは、まず1本だけ試しに作ってみたい場合や、予算を抑えたい場合です。中間マージンが乗らない分、同じ予算でもより多くの修正対応や、細かい仕様変更に応じてもらいやすい傾向があります。特に「使い方動画を1本だけ」という今回のようなニーズは、まさにフリーランスへの直接依頼と相性が良いパターンだと言えます。

良いクリエイターかどうかを見極める視点も持っておきましょう。

ポートフォリオが充実していても、実際に依頼してみると「この会社は本当に信頼できるのか」と不安になることがあります。ここでは、良いクリエイター・制作会社を見極めるための3つの重要なポイントを紹介します。 出典: friggenterprise.jp

具体的には、過去の制作実績(特に自社の業界に近い実績があるか)、コミュニケーションの反応速度、修正対応への柔軟さの3点を確認すると良いでしょう。ポートフォリオだけでなく、実際に短いやり取りをしてみて、レスポンスの質を確かめることをおすすめします。

失敗しない外注先の選び方

使い方動画の外注で起きやすい失敗パターンと、その回避方法を具体的に見ていきます。

失敗パターン1:安さだけで選んで品質に苦労する

私自身、外注を初めて依頼したとき、複数の見積もりを比較して一番安いところに決めたことがあります。結果として、納品された動画のテロップに誤字が多く、修正のやり取りに想定以上の時間がかかってしまいました。金額だけでなく、過去の制作物のクオリティを必ず確認してから決める。この一手間を惜しまないことが、結果的に時間の節約につながります。

失敗パターン2:業務範囲があいまいなまま契約する

「台本作成込みだと思っていたら別料金だった」というトラブルもよく聞きます。見積もり時点で、企画、台本、撮影(画面録画)、ナレーション、編集、修正対応のどこまでが料金に含まれるのかを、契約書または見積書に明記してもらいましょう。口頭でのやり取りだけで進めると、後から「言った言わない」の食い違いが起きやすくなります。

失敗パターン3:修正回数の上限を確認しない

修正は無制限にできると思い込んでいたら、3回目以降は追加料金が発生する契約だった、というケースもあります。事前に「何回まで無料修正か」「追加修正1回あたりの金額」を確認しておくことが重要です。

失敗パターン4:ナレーターの声質が製品イメージに合わない

ナレーションつきの動画を依頼する場合、声質やトーンの好みは人によって大きく分かれます。契約前にサンプル音声を聞かせてもらい、可能であればナレーターを複数の候補から選べるかどうかを確認しましょう。

使い方動画の依頼で見落としがちな注意点

依頼者が見落としがちなポイントを補足しておきます。

まず、製品のバージョンアップやUI変更が頻繁にある製品の場合、動画の修正が発生しやすいことを想定しておく必要があります。動画内の画面キャプチャが古いバージョンのままだと、かえって混乱を招くため、更新時の修正費用や対応可否を最初に相談しておくと安心です。

次に、著作権と使用範囲の確認です。BGMやフォント、アイコン素材などを使う場合、フリー素材のライセンス範囲内かどうかをクリエイターに確認しておきましょう。特に商用利用の範囲や、YouTube広告収益化の可否など、公開後にトラブルにならないよう事前に取り決めておくことが大切です。

さらに、字幕や多言語対応が必要な場合は、追加費用が発生することが一般的です。海外ユーザー向けの製品であれば、日本語版とは別に英語字幕版の見積もりも同時に取っておくと、後からの追加発注より割安になることがあります。

使い方動画に関する市場データからの考察

ここで、フリーランス・在宅ワーク市場を長く見てきた運営者の視点から、いくつか補足しておきたいことがあります。

20年この市場を見てきた立場から言えば、動画編集や映像制作の分野は、フリーランスへの直接発注が最も伸びている領域のひとつです。制作会社を通す場合との違いは、単に金額の差だけではありません。長く続く依頼関係ほど、単発の作業を切り出すのではなく「この製品のことをよく理解してくれている人に、継続して任せる」という関係づくりに時間を使っている傾向があります。使い方動画は製品が更新されるたびに手を入れる必要があるため、この継続性が特に価値を持ちます。

また、額面だけでなく手取りの物語として捉えることも大切です。中間マージンが乗らない直接取引は、同じ予算でも依頼者側はより多くの修正対応や追加動画を頼めますし、受け手であるクリエイター側は同じ作業量に対してより多くの手取りを得られます。これは双方にとって得のある構造です。手数料0%で直接つながれる仕組みは、金額の安さそのものよりも「支払った予算がそのまま制作の質や対応の手厚さに変換される」という点に本質的な価値があります。

サムネイル・バナー・素材制作のお仕事では、動画のサムネイルやバナーを専門に手がけるクリエイターの探し方を紹介しています。使い方動画をYouTubeやヘルプページに掲載する際、サムネイル画像のクオリティも視聴率を左右するため、あわせて依頼を検討する価値があります。

社内でのマニュアル動画掲載にあたって、専用のヘルプページやFAQページを新たに用意したいという声もよく聞きます。そうした場合はホームページ・ブログ制作のお仕事で紹介されているような、ページ制作の外注先を探す方法も参考になります。使い方動画とヘルプページをセットで整備することで、問い合わせ削減効果はさらに高まります。

動画クリエイターの単価相場を横断的に把握したい場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場のようなデータベースも参考になります。動画編集者そのものの単価データではありませんが、フリーランスの単価水準を市場感覚として捉える材料になります。

私自身がカウンセリングの現場で相談を受ける中でも、「外注先とのやり取りに疲れてしまった」という声を聞くことがあります。使い方動画の制作は、決して難しい発注ではありません。ただ、初めての外注では見積もりの比較の仕方や、業務範囲の確認の仕方がわからず、不安を感じる方が多いのも事実です。今回お伝えしたステップに沿って、ひとつずつ確認しながら進めていただければ、大きな失敗は避けられるはずです。

最後に、直接依頼という選択肢について改めて触れておきます。運営者としてこの市場を見てきた実感として、製品の使い方動画のように「継続的な更新が必要」かつ「1本あたりの規模がそこまで大きくない」案件は、フリーランスへの直接発注が最も費用対効果に優れる領域です。まずは1本、小さく試してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

Q. 使い方動画1本の制作費用の目安はいくらですか?

画面録画とナレーション中心のシンプルな構成であれば、フリーランスへの直接依頼で3万円から15万円程度が目安です。制作会社に依頼する場合は10万円から40万円程度になることが多いです。

Q. 制作会社とフリーランス、どちらに依頼すべきですか?

継続的に複数本を発注する予定があり法人契約が必要なら制作会社、まず1本だけ試したい、予算を抑えたい場合はフリーランスへの直接依頼が向いています。

Q. 依頼時に台本(構成案)は自分で用意する必要がありますか?

多くのクリエイターがヒアリングをもとに構成案を作成してくれます。ただし見せたい操作の順番やポイントをメモにまとめておくと打ち合わせが効率化されます。

Q. 修正回数に制限はありますか?

契約によって異なります。無料修正の回数と、それ以降の追加費用を契約前に必ず確認しておくことで、後からのトラブルを防げます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月14日最終更新:2026年7月29日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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