切り絵 図案 AI生成 販売 始め方|切り絵デザインを売る副業

長谷川 奈津
長谷川 奈津
切り絵 図案 AI生成 販売 始め方|切り絵デザインを売る副業

この記事のポイント

  • 切り絵の図案をAI生成して販売する副業の始め方を
  • 著作権・利用規約・販売プラットフォームの選び方から
  • 価格相場・確定申告・トラブル回避まで

先日、ある主婦の方から相談を受けました。「趣味の切り絵が好きで、AIで図案を作って販売してみたいんですが、これって著作権とか大丈夫なんでしょうか」と。結論から言うと、切り絵の図案をAIで生成して販売する副業は、いくつかの法的なポイントさえ押さえれば、誰でも今日から始められます。ただし、AIが出力した画像の権利関係、販売プラットフォームの利用規約、そして「いくらで売るか」という価格設計を間違えると、せっかくの副業がトラブルや赤字に変わってしまう。これ、知らない人が本当に多いんです。

この記事では、切り絵の図案をAI生成して販売する副業の始め方を、フリーランスの法務相談を専門にしている立場から整理します。AIツールの選び方、図案を切り絵向けに仕上げるコツ、販売できる場所、価格相場、そして見落とされがちな著作権・確定申告・トラブル回避の実務まで、順を追って解説していきます。読み終わるころには、「何を準備して、どこで、いくらで売り、どんな点に注意すればいいか」が具体的にイメージできるはずです。法律はあなたの味方です。正しい知識を持って、安心して一歩を踏み出してください。

切り絵図案をAIで作って売る副業の市場背景

まず、なぜいま「切り絵 × AI生成 × 販売」という組み合わせが副業として注目されているのか、その背景を整理しておきます。ここを理解しておくと、自分がどの立ち位置で戦うのかが見えてきます。

切り絵という趣味自体は、もともと根強い人気があります。型紙(図案)に沿ってカッターで切り抜くだけで、墨絵のような繊細な作品が作れる手軽さから、シニア層のレクリエーションから子どもの工作、ウェディングのウェルカムボードまで幅広く使われてきました。ところが、いざ自分で切り絵を作ろうとすると、最大の壁になるのが「図案づくり」です。元になる線画を描けないと、市販の図案集や無料素材に頼るしかなく、オリジナリティが出せません。

ここに画像生成AIが入り込みました。テキストで「桜の枝に止まる小鳥、白黒の線画、切り絵風」と指示すれば、数十秒で切り絵の元になる図案候補が何枚も出てくる。絵が描けない人でも、自分のアイデアを形にできるようになったわけです。この「絵が描けなくてもオリジナル図案が作れる」という変化が、販売副業のハードルを大きく下げました。

市場全体で見ると、生成AI関連の市場は世界的に高い成長率で拡大が予測されており、調査会社の試算では今後数年にわたって年率30%以上の成長が見込まれる分野とされています。日本国内でも、ハンドメイド作品やデジタル素材を個人が販売できるプラットフォームが定着し、図案・型紙といった「データそのもの」を売る市場が広がっています。AI生成図案の販売は、こうした「デジタル素材の個人販売」という土壌の上に成り立っているのです。

参考になる視点として、画像生成AIを使った副業について、こうした指摘があります。

画像生成AIツールを活用した副業は、イラスト販売やデザイン制作、写真加工など、活用できる分野が幅広いのが魅力。スキルや経験がない初心者でも、ツールの使い方を学び自身のスキルとかけ合わせれば効率的に収入を得ることが可能です。

つまり、「画像生成AIのスキル」だけでは差別化が難しい時代になりつつある一方で、「切り絵」という具体的な用途・出力形式とかけ合わせることで、初心者でも独自のポジションを作れるということです。AIで何でも生成できる時代だからこそ、「切り絵図案」という明確な専門性が武器になります。

なぜ「切り絵」という切り口が初心者に向いているのか

数ある画像生成AI副業の中で、なぜ切り絵図案がおすすめなのか。理由は3つあります。

1つ目は、出力形式がシンプルで、AIとの相性が良いことです。切り絵の図案は基本的に白黒の線画で、色塗りや複雑な陰影が要りません。カラーイラストや写真風の生成は「指が6本ある」「顔が崩れる」といった破綻が目立ちますが、線画ベースの図案は多少の崩れを後から手作業で整えやすく、初心者でも商品として成立させやすいのです。

2つ目は、用途が明確で、買い手の悩みがはっきりしていることです。切り絵の図案を探している人は「季節の飾りを作りたい」「ウェルカムボードに使いたい」「介護施設のレクリエーションで使いたい」など、目的が具体的です。買い手のニーズが明確なら、何を作って売ればいいかも見えやすくなります。

3つ目は、初期費用がほとんどかからないことです。AIツールは無料プランから試せるものが多く、販売プラットフォームの多くは出品自体は無料。必要なのはパソコンかスマホとインターネット環境、そして図案を整える画像編集ソフト(これも無料のものがあります)くらいです。せどりやハンドメイド物販のように在庫を抱えるリスクがない点は、副業を始める上で大きな安心材料になります。在庫リスクのある物販と比較したい方は、せどり副業の始め方|仕入れ・販売・利益計算の基本を解説【2026年版】で物販系副業の利益構造も確認しておくと、自分に合った副業の判断材料になります。

切り絵図案をAI生成する具体的な始め方とステップ

ここからは、実際に切り絵の図案をAIで生成して販売するまでの手順を、ステップごとに解説します。「何から手をつければいいか分からない」という状態から、最初の出品までを一気通貫でイメージできるようにします。

ステップ1:画像生成AIツールを選ぶ

最初に決めるのは、どのAIツールを使うかです。代表的な選択肢としては、ブラウザで手軽に使える生成AIサービス、無料で高機能な画像生成モデル、そしてデザインソフトに統合された生成機能などがあります。

切り絵図案づくりにおいては、「線画・モノクロ・シルエットに強いこと」「商用利用が許可されていること」の2点が選定基準になります。特に重要なのが2つ目の商用利用の可否です。無料で使えるツールでも、利用規約で「生成物の商用利用は禁止」「有料プランでのみ商用可」と定められているケースがあります。これを読まずに販売を始めると、規約違反でアカウント停止や、最悪の場合は損害賠償請求につながるおそれがあります。つまり、ツールを選ぶときは料金よりもまず「商用利用OKか」を利用規約で確認してください。これ、本当に見落とす人が多いんです。

デザインソフトに統合された生成AI機能を使いたい場合、関連スキルとしてAdobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのような資格を取得しておくと、生成からデザイン仕上げまでの流れを体系的に身につけられます。資格は必須ではありませんが、商品クオリティの底上げには役立ちます。

ステップ2:切り絵向けのプロンプトを設計する

ツールが決まったら、次は図案を生成するための指示文(プロンプト)を組み立てます。ここが品質を左右する一番のコツです。

切り絵図案として使える線画を出すには、プロンプトに次の要素を盛り込みます。「白黒の線画」「太い輪郭線」「ベタ塗りのシルエット」「切り絵風(papercut style)」「背景は白」といった指定です。さらに、切り絵は「線がつながっていること」が物理的に重要です。バラバラに浮いたパーツがあると、切り抜いたときに作品が崩れてしまいます。そのため「線がすべてつながったデザイン」「島(孤立部分)のない構図」といった指示を加えると、実用的な図案に近づきます。

最初から完璧な図案が出ることは稀です。同じプロンプトでも生成のたびに結果が変わるので、何枚も出力して良いものを選ぶ「数を打つ」作業が基本になります。実際の制作では、1つの図案を商品化するまでに10枚以上生成して選別することも珍しくありません。気に入った構図が出たら、それをベースに細部を調整していきます。

ステップ3:生成した図案を切り絵用に仕上げる

AIが出力した画像は、そのままでは切り絵の型紙として使いにくいことがほとんどです。線が細すぎて切れない、孤立したパーツが残っている、グレーの濃淡が混ざっている、といった問題を、画像編集ソフトで整えます。

具体的には、画像を白黒2階調に変換して中間色をなくし、細すぎる線を太らせ、切り抜けない孤立部分をつなぐ、という作業をします。無料の画像編集ソフトでも十分対応できますが、ここで手を抜くと「印刷して切ろうとしたら作品にならなかった」というクレームにつながります。買い手は「印刷してすぐ使える図案」を期待しているので、自分で一度プリントアウトして実際に切ってみる検証作業をおすすめします。私が相談を受けた中でも、「テストせずに出品したら、線が細すぎて切れないと低評価をつけられた」という失敗談がありました。1枚試し切りするだけで防げるトラブルです。

ステップ4:販売プラットフォームに出品する

図案が完成したら、いよいよ販売です。どこで売るかは、後の章で詳しく扱いますが、大きく分けてデジタルデータ販売に対応したハンドメイドマーケット、クリエイター向けの素材販売サイト、自分のオンラインショップの3つがあります。

出品時には、商品画像(完成イメージと型紙のサンプル)、商品説明(サイズ、印刷推奨用紙、AI生成であること、利用範囲)、価格を設定します。特に「AIで生成したものであること」を明記するかどうかは重要なポイントです。隠して売ると信頼を損なうリスクがあり、これについても後の章で詳しく触れます。

ステップ5:実績を積みながら改善する

最初の出品が終わったら、あとは反応を見ながら改善のサイクルを回します。どんなモチーフが売れるのか、どんな価格帯が動きやすいのか、レビューで何を求められているのか。データを見ながらラインナップを増やしていくのが、安定して稼ぐための王道です。副業全般の進め方を体系的に押さえたい方は、副業 副業の始め方完全ガイド!未経験から安定収入を稼ぐコツも併せて読むと、継続のコツがつかめます。

切り絵図案を販売できる場所と価格相場

「作れるようになったけど、どこで、いくらで売ればいいの?」という疑問は、おそらく多くの方が一番知りたいところでしょう。ここを具体的に解説します。

販売できるプラットフォームの種類と特徴

切り絵図案(デジタルデータ)の主な販売先は、次のように分類できます。

ハンドメイド・クリエイター作品のマーケットプレイスは、ハンドメイド好きのユーザーが集まる場所で、デジタルデータ(PDF図案など)の出品にも対応しています。集客力があり初心者でも露出しやすい反面、出品手数料や販売手数料がかかります。手数料は販売額の10%前後に設定されているサービスが多く、価格設計の際はこの手数料を織り込む必要があります。

デジタル素材専門の販売サイトは、イラスト・テンプレート・素材を扱うクリエイター向けの場で、図案や型紙の販売にも向いています。素材を探しているユーザーが集まるため、用途が明確な切り絵図案とは相性が良い一方、競合も多いので商品ページの作り込みが問われます。

自分のオンラインショップを無料で開設できるサービスを使えば、手数料を抑えて販売できます。ただし集客は自分で行う必要があり、SNSでの発信力がものを言います。

なお、こうした個人間取引のサイトでは、運営に支払う手数料の有無や率が収益を大きく左右します。サービスによっては手数料0%で直接取引できる在宅ワーク仲介サイトもあり、手数料がかからない分だけ手取りを増やせます。長く続けるなら、手数料体系は必ず比較してください。

価格相場の考え方

気になる価格ですが、AI生成の切り絵図案(PDFデータ1点)は、おおむね300円1,500円程度の価格帯で取引されることが多いです。シンプルな1モチーフの図案なら数百円、複数パターンをまとめたセットや、難易度の高い精緻なデザインなら千円台、という構成が一般的です。

価格を決めるときの考え方は3つあります。1つ目は手数料の織り込みです。手数料10%のプラットフォームで500円の図案を売ると、手取りは450円。価格設定時には必ず手数料を差し引いた手取りで考えます。2つ目は労力に見合った価格です。AI生成は早いとはいえ、選別・編集・テスト切りまで含めると1点あたり数十分から数時間かかります。安すぎる価格は自分の首を絞めます。3つ目はバンドル(まとめ売り)です。1点300円より、関連する5点を1,000円のセットにしたほうが、買い手の満足度も客単価も上がりやすい。季節の図案セット、動物図案セットといったテーマ別パッケージは定番の売り方です。

販売・接客系の仕事の単価感を知っておくと、自分の値付けの参考になります。たとえば販売店員の年収・単価相場営業・販売事務従事者の年収・単価相場のデータを見ると、「販売」という労働の対価がどの程度なのかが把握でき、自分の副業の時給換算を考える物差しになります。

売れやすいモチーフと販売戦略

何を作れば売れるのか。これは買い手の用途から逆算するのが正解です。季節行事(正月、節分、ひな祭り、七夕、ハロウィン、クリスマス)の図案は、毎年需要が発生する鉄板ジャンルです。誕生日やウェディングのウェルカムボード用、介護・福祉施設のレクリエーション用、子どもの工作用なども、明確なニーズがあります。

販売戦略としては、まず1つのテーマに絞って数を揃えることをおすすめします。「動物専門」「和柄専門」のように専門店化すると、リピーターがつきやすく、検索でも見つけてもらいやすくなります。AI画像生成を使った副業の幅広さについては、こうした見方もあります。

画像生成AIを活用して副業で稼ぐ場合、作品がAIで作られたものであることを明記することが信頼につながります。近年は、AI生成作品の市場が拡大している一方で、どこまで人の手が加えられたかが不透明だと感じる人も多くいます。

つまり、AI生成であることを隠すのではなく、「AIで下絵を作り、人の手で切り絵用に仕上げています」と正直に伝えることが、長期的な信頼につながるのです。

知らないと危ない著作権・利用規約・法的な注意点

ここからが、私が法務相談の現場で一番伝えたい部分です。AI生成図案の販売には、初心者がつまずきやすい法的な落とし穴がいくつかあります。つまり、ここを押さえておけば、安心して副業を続けられるということです。

AI生成物の利用規約を必ず確認する

まず大前提として、使うAIツールの利用規約を読んでください。生成した画像の権利が誰に帰属するのか、商用利用が許可されているのか、クレジット表記が必要なのか。これらはツールごとに大きく異なります。

たとえば、あるツールでは「生成物の権利はユーザーに帰属し、商用利用も自由」と定めている一方、別のツールでは「無料プランでの生成物は商用利用不可」「生成物の権利は運営に帰属する」と定めていることもあります。つまり、同じ画像を作っても、使ったツール次第で「売っていいもの」と「売ってはいけないもの」に分かれるのです。これ、知らずに販売を始めて規約違反になるケースが本当に多い。販売を始める前に、必ず利用規約の「商用利用」「権利帰属」の項目を確認してください。

他者の著作権・商標権を侵害しない

AIで画像を生成する際、人気キャラクターや既存の作品名をプロンプトに入れると、それに酷似した画像が出力されることがあります。これを販売すると、元の著作権者・商標権者の権利を侵害するおそれがあります。

具体的には、特定のアニメキャラクター、企業のロゴ、有名なキャラクター商品などをモチーフにした図案の販売は避けてください。「○○風」という指定も、結果として既存作品に酷似すれば問題になり得ます。安全なのは、一般的なモチーフ(花、動物、季節の風景など、特定の作品に依存しないもの)で勝負することです。つまり、オリジナリティのある一般モチーフこそが、トラブルなく稼ぐための土台になります。 ※キャラクターのパロディや「○○風」の図案を販売したい場合は、判断が難しいケースが多いので、必ず弁護士や著作権の専門家に個別相談してください。

AI生成物そのものの著作権について

ここはよく質問を受けるので整理します。現在の日本の著作権法の考え方では、人が創作的に関与せず、AIが自動生成しただけの画像は、著作権が発生しない(誰の著作物でもない)と解釈される可能性があります。つまり、AIが出しただけの図案は、法的には「あなたの作品」として独占的に保護されにくいということです。

ただし、生成した図案に対して、あなたが構図を選び、線を整え、切り絵用に手を加える創作的な編集を施せば、その加工部分には著作権が認められる余地が出てきます。だからこそ、AI出力をそのまま売るのではなく、人の手で仕上げる工程が、商品価値の面でも権利保護の面でも意味を持つのです。これ、法律と実務の両方で理にかなった話なんです。

販売プラットフォームのルールを守る

各販売サイトには、独自の出品ルールがあります。AI生成物の出品を制限・禁止しているプラットフォームもあれば、「AI生成であることを明記すれば可」とするところもあります。規約を守らずに出品すると、アカウント停止や売上の没収といったペナルティを受けるおそれがあります。

ここで実際にあったトラブル事例を紹介します。あるクリエイターさんが、AI生成であることを明記せずにデジタル素材サイトで図案を販売していました。後に購入者からの指摘でAI生成だと発覚し、規約違反として出品が削除され、それまでの評価も失ってしまった、というケースです。結論から言うと、これは最初からAI生成であることを明記していれば防げたトラブルでした。隠すことのメリットよりも、信頼を失うデメリットのほうがはるかに大きいのです。

このような取引上の権利関係や契約の不安については、専門家に相談するのが確実です。フリーランス・副業の契約や法務に関する相談ニーズは年々高まっており、キャリア・副業・人生相談のお仕事のような相談系の仕事も需要が伸びています。また、契約書や利用規約のチェックを専門家に依頼したい場合の窓口として行政書士などの士業の存在も知っておくと安心です。

副業として安定させるための実務とスキル

単発で売れて終わりではなく、副業として継続的に成り立たせるには、生成・販売以外の実務も押さえておく必要があります。ここを軽視すると、後でつまずきます。

確定申告と税金の基本

副業で得た所得は、原則として確定申告の対象になります。会社員の方が副業をする場合、給与以外の所得(経費を差し引いた利益)が年間20万円を超えると、確定申告が必要です。つまり、図案販売の利益が一定額を超えたら、税務上の手続きが発生するということです。

「20万円以下なら何もしなくていい」と誤解されがちですが、これは所得税の確定申告が不要というだけで、住民税の申告は別途必要になる点に注意してください。これ、見落とす人が本当に多いんです。税務の詳細は、国税庁の公式情報を確認するのが確実です。

副業による所得が一定額を超える場合、確定申告が必要になります。所得の種類や金額に応じて手続きが異なるため、不明な点は国税庁の案内を参照してください。

経費として計上できるものには、AIツールの利用料、画像編集ソフト代、販売手数料、通信費の一部などがあります。日頃から売上と経費の記録をつけておくと、申告がぐっと楽になります。 ※税額の計算や個別の経費判断については、税理士または税務署に相談することをおすすめします。

フリーランス保護新法という味方

ここで、ぜひ知っておいてほしい法律の話をします。2024年に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、個人で仕事を請け負うフリーランス・副業ワーカーを守るための法律です。

たとえば、企業から「オリジナルの切り絵図案を作ってほしい」と業務委託を受けて制作した場合、発注者には報酬の支払期日を明示する義務や、不当に報酬を減額しない義務などが課されます。つまり、「イメージと違うから払わない」「あとで値切る」といった発注者の身勝手は、法律で禁止されているのです。これ、知らない人が本当に多くて、泣き寝入りしてしまうケースを何度も見てきました。

実際に私のところには、「納品したのに報酬を払ってもらえない」という相談がたびたび寄せられます。結論から言うと、こうしたケースは新法で明確に守られています。発注者は、原則として受領日から60日以内に報酬を支払わなければなりません。法律はあなたの味方です。図案制作を受託で請ける場合は、この法律の存在を知っているだけで、自分を守る大きな武器になります。

身につけておくと差がつくスキル

切り絵図案販売を伸ばすうえで、あると有利なスキルを整理します。1つ目は画像編集スキルです。AI出力を切り絵用に整える工程の質が、商品クオリティを直接左右します。2つ目はマーケティング・集客のスキルです。SNSでの発信、商品ページの作り込み、検索されるキーワードの意識など、「見つけてもらう」工夫が売上を左右します。

こうしたデジタル・マーケティング領域のスキルは、切り絵副業に限らず幅広く応用が利きます。需要の高い分野としてAI・マーケティング・セキュリティのお仕事があり、ここで身につけたスキルは他の在宅ワークにも転用できます。また、図案だけでなく音やデザインなど創作系の副業に興味が広がったら、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のような分野も、AIツールと組み合わせて取り組める領域として広がっています。

よくある失敗を避けるために

最後に、現場で見てきた「やりがちな失敗」を共有します。1つ目は規約未確認のまま販売を始めること。AIツールと販売サイトの両方の規約を読まずに始めると、後から違反が発覚して全部やり直しになります。2つ目は値付けを安くしすぎること。「とにかく売りたい」と数百円で大量出品しても、手数料と労力を考えると割に合いません。3つ目はテスト切りをしないこと。印刷して実際に切れない図案は、低評価とクレームの元です。

これらはすべて、最初に「確認する」「試す」というひと手間で防げます。急がば回れ、です。物販やハンドメイド系の副業の進め方も参考になるので、実物を扱う販売の感覚をつかみたい方はハンドメイド販売EC副業の始め方|初心者でも月5万円稼ぐコツと注意点も読んでおくと、デジタルと実物の両面から販売の勘所が見えてきます。

在宅ワーク仲介データから見る切り絵副業のリアル

最後に、在宅ワーク・業務委託マッチングの市場データから、切り絵図案販売という副業を客観的に位置づけてみます。

在宅ワーク仲介サイトに集まる案件を見ると、イラスト・デザイン・素材制作といったクリエイティブ系の依頼は安定した需要があります。切り絵図案そのものをピンポイントで募集する案件は多くないものの、「装飾用の線画イラストがほしい」「季節のデザイン素材を作ってほしい」といった、切り絵スキルを応用できる依頼は一定数存在します。つまり、自分の作品をストックで売る「販売型」と、依頼を受けて作る「受託型」の両輪で動けるのが、この副業の強みです。

販売型は、一度作った図案が売れ続ければ手間をかけずに収入になる「ストック収入」の側面があります。受託型は、単価が読めて即金性が高い反面、作業時間に対する対価という側面が強い。両者を組み合わせれば、収入の安定性が増します。

ここで注目したいのが、取引にかかるコストです。一般的な販売プラットフォームでは販売額の10%前後の手数料がかかりますが、発注者と受注者が直接やり取りできる手数料0%の在宅ワーク仲介サイトを使えば、手数料に消える分をそのまま手取りにできます。たとえば月に2万円分の図案制作を請けた場合、手数料10%なら2,000円が引かれますが、手数料0%なら全額が手元に残ります。小さな差に見えて、長く続けるほど効いてくる差です。

また、直接取引には注意点もあります。身元の不明な相手や、作業前に高額な前払いを要求してくる相手とは取引しないこと。これは在宅ワーク全般に共通する自衛策です。きちんと身元の確認できる仲介サイトを使い、フリーランス保護新法という後ろ盾を理解しておけば、安心して直接取引のメリットを享受できます。

切り絵図案のAI生成販売は、初期費用がほぼかからず、在庫リスクもなく、自分のペースで始められる副業です。AIツールと販売サイトの利用規約を確認し、著作権に配慮した一般モチーフで勝負し、人の手で仕上げる工程を加える。そして、利益が一定額を超えたら確定申告を行い、受託案件ではフリーランス保護新法を味方につける。この基本さえ押さえれば、趣味と実益を両立できる、息の長い副業になります。正しい知識を持って、安心して最初の一歩を踏み出してください。法律はあなたの味方です。

公的機関・関連参考情報

本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. 切り絵図案のAI生成販売は、まったくの初心者でも始められますか?

始められます。絵が描けなくてもAIに指示すれば図案の元が作れ、初期費用もほぼかかりません。必要なのはパソコンかスマホと無料の画像編集ソフト程度です。ただしAIツールと販売サイトの利用規約で商用利用が可能かを必ず確認し、生成画像を切り絵用に仕上げるひと手間を加えることが、商品として成立させるコツです。

Q. AIで生成した切り絵図案は、いくらくらいで売れますか?

PDFデータ1点あたり、おおむね300円〜1,500円程度の価格帯が一般的です。シンプルな1モチーフなら数百円、複数パターンのセットや精緻なデザインなら千円台が目安になります。価格設定時は販売手数料(10%前後のサービスが多い)を差し引いた手取りで考え、テーマ別のセット販売で客単価を上げる工夫が有効です。

Q. AI生成の図案を販売するとき、著作権で注意すべき点は何ですか?

3点あります。1つ目は使用するAIツールの利用規約で商用利用と権利帰属を確認すること。2つ目は人気キャラクターや既存作品に酷似した図案を作らず、花や動物など一般モチーフで勝負すること。3つ目は販売サイトのAI生成物に関するルールを守り、AI生成であることを明記することです。判断に迷うケースは弁護士など専門家に相談してください。

Q. 切り絵図案の販売で稼いだら、確定申告は必要ですか?

会社員の場合、給与以外の所得(経費を引いた利益)が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別途必要になる点に注意してください。AIツール利用料や販売手数料などは経費に計上できます。税額の計算や個別の判断は、税理士か税務署に相談するのが確実です。

長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津

行政書士・元企業法務

企業法務で年間200件以上のフリーランス契約を処理した経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師

看護師

看護師の転職・副業・フリーランス・キャリアガイド

薬剤師

薬剤師

薬剤師の転職・副業・キャリアパスガイド

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド