Make 使い方 AI 自動化 2026|ノーコード自動化をAIと組む手順と業務効率化

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
Make 使い方 AI 自動化 2026|ノーコード自動化をAIと組む手順と業務効率化

この記事のポイント

  • Make 使い方 AI 自動化を結論から解説
  • ノーコード自動化ツールMakeの料金・基本操作・AIと組む手順を実務目線で網羅し
  • 業務効率化の具体例と注意点

「Make 使い方 AI 自動化」と検索してこのページにたどり着いたあなたは、おそらく「手作業のコピペや転記をAIと組み合わせて自動化したいけれど、プログラミングはできない」という状況なのだと思います。結論から言うと、Makeは"ノーコードでAPIをつなぐ配管工事"のツールであり、そこにChatGPTやClaudeといったAIを1ノードとして差し込むことで、人間がやっていた「読む・判断する・書く」の作業を24時間まわせるようになります。

ただし、正直なところ「とりあえず触ればすぐ自動化できる」というツールではありません。最初の1本目で挫折する人が一定数いるのも事実です。この記事では、Makeとは何かという基礎から、料金プランの選び方、AIを組み込む具体的な手順、業務効率化の実例、そしてつまずきやすいポイントまでを、良い点・悪い点フェアに整理していきます。読み終わるころには、自分の業務のどこをMakeで自動化すべきか、そのための最初の一歩が見えているはずです。

Make 使い方 AI 自動化が注目される市場背景

まず押さえておきたいのは、ノーコード自動化ツール市場そのものが急拡大しているという事実です。ノーコード/ローコード市場は世界規模で年率20%を超える成長が続くと各種調査会社が予測しており、その中でも「複数のSaaSをAPIでつなぐiPaaS(Integration Platform as a Service)」領域は、生成AIの普及で一段と需要が伸びています。理由はシンプルで、企業が使うクラウドツールの数が増えすぎて、ツール間のデータの受け渡しが人力では追いつかなくなっているからです。

日本国内に目を向けると、人手不足の深刻化がこの流れを後押ししています。中小企業庁の各種資料でも、バックオフィス業務の省力化・内製化は中小企業の最重要テーマとして繰り返し挙げられています。経理の入力、問い合わせの一次対応、SNS投稿、レポート作成といった「定型だが手間のかかる作業」を、エンジニアを雇わずに自動化したい。そのニーズの受け皿として、Makeのようなノーコード自動化ツールが選ばれているわけです。

なぜ「Make × AI」の組み合わせが効くのか

従来の自動化ツールは「決まったデータを決まった場所に運ぶ」ことは得意でしたが、「内容を読んで判断する」ことは苦手でした。たとえば問い合わせメールが来たとき、それが「クレーム」なのか「見積もり依頼」なのか「ただの質問」なのかを仕分けるには、文章を理解する必要があります。ここがまさに生成AIの得意分野です。

Makeの中にAIノード(OpenAIやAnthropic、Google Geminiなど)を1つ挟むだけで、「メール本文を読む → AIが分類する → 分類結果に応じて担当者へ振り分ける」という、これまで人間にしかできなかった判断業務が自動化できます。実際、定型業務の自動化でAIを組み合わせた企業では、対応にかかる時間が50%以上削減されたという報告も珍しくありません。配管(Make)と頭脳(AI)を組み合わせる。これが2026年の業務効率化の現実的な解になっています。

個人・フリーランスにとっての意味

この流れは企業だけの話ではありません。フリーランスや副業ワーカーにとっても、Makeでの自動化スキルは「単純作業を機械に任せて、人間にしかできない仕事に集中する」ための武器になります。たとえば複数のクライアントから来る依頼メールの整理、納品物のステータス管理、請求書の発行リマインドなど、自分の事務作業を自動化すれば、その分を本業に振り向けられます。さらに一歩進めば、こうした自動化の構築そのものをサービスとして提供する道もあります。AIを使った業務改善の需要は確実に増えており、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、企業のAI導入を支援する仕事の幅も広がっています。

Makeとは?3つの特徴とZapierとの違い

Make(旧Integromat)は、チェコ発のノーコード自動化ツールです。複数のWebサービスやAPIを、コードを書かずにドラッグ&ドロップでつなげられるのが核心です。よく比較されるZapierと並ぶ二大ツールですが、思想がかなり違います。結論から言えば、シンプルな自動化ならZapier、複雑で分岐の多い処理を安く組むならMake、という棲み分けです。

特徴1:ビジュアルでフローを「描く」操作性

Makeの最大の特徴は、自動化の流れを「シナリオ」と呼ばれるキャンバス上に、円形のモジュールをつなげて視覚的に組み立てる点です。Zapierが「トリガー→アクション」の直線的なリスト形式なのに対し、Makeは設計図を描くように分岐・合流・ループを表現できます。最初は英語UIに戸惑うかもしれませんが、線でつないでいく感覚は直感的で、慣れると複雑な処理ほどMakeの可読性の高さが効いてきます。

正直なところ、初見では「円が並んでいて何が何だか分からない」と感じる人が多いです。私が初めて触ったときも、トリガーモジュール1つ置いただけで30分悩みました。ですが、1本フローを完成させると一気に世界が開けます。後述しますが、最初は欲張らず「AからBへデータを1件送るだけ」のシナリオから始めるのが挫折しないコツです。

特徴2:処理あたりの課金で「安く済む」

料金体系の違いも決定的です。Zapierは「タスク(アクション1回)」課金ですが、Makeは「オペレーション(モジュールが1回動く回数)」課金で、同じ作業量ならMakeのほうがコストを抑えやすい傾向があります。とくに分岐や複数件のデータをまとめて処理するケースでは、Makeのほうが料金効率が良くなります。無料プランでも月1,000オペレーションが使えるため、個人の検証用途なら無料でかなり試せます。

特徴3:細かいデータ加工とエラー制御

3つ目は、データの加工やエラーハンドリングの細かさです。Makeは取得したデータを途中で整形したり、条件で分岐させたり、失敗時に再試行・通知する設計が標準で組み込めます。1,000以上のアプリと連携でき、HTTPモジュールを使えば連携先が用意されていないサービスでも、APIさえあれば自分でつなげられます。この「APIさえあれば何でもつなげる」自由度が、Makeを単なる連携ツールから本格的な自動化基盤へと押し上げています。

ZapierとMake、結局どっちを選ぶべきか

クラウドソーシングとライターの世界でも「結局どっち」という問いはつきものですが、Makeも同じです。結論から言うと、業務がシンプルで連携アプリが標準対応しているならZapier、分岐や複数件処理が多く、コストも抑えたいならMakeです。ただしどちらも「最初の学習コスト」はかかります。個人的には、無料プランの範囲が広く、複雑な処理に強いMakeのほうが、長く使うほど投資対効果が高いと考えています。

2026年最新版 Makeの料金プラン徹底解説

Makeの料金は「オペレーション数」を軸に段階的に分かれています。ここを誤解したまま始めると「無料のはずが急に動かなくなった」という事態になるので、最初に理解しておきましょう。なお具体的な金額は為替や改定で変動するため、必ず公式サイトの最新表を確認してください。ここでは選び方の考え方を中心に解説します。

無料プラン(Free)

無料プランは月1,000オペレーションまで、シナリオの実行間隔は最短15分間隔という制限があります。「オペレーション」とは、モジュール(円)が1回動くごとに1カウントされる単位です。つまり3つのモジュールをつないだシナリオを1回動かすと3オペレーション消費します。検証や、1日数回しか動かさない軽い自動化なら無料で十分まわせます。まずはここから始めて、足りなくなったら有料に上げるのが鉄則です。

有料プラン(Core / Pro / Teams)

有料プランは大きくCore、Pro、Teamsと段階があり、上位ほどオペレーション数の上限が増え、実行間隔が最短1分まで短縮できます。さらにPro以上では、エラー時の自動処理(フルエラーハンドリング)や、より高度な機能が解放されます。チームで運用するならTeams、本格的に業務へ組み込むならPro、まず個人で実用化するならCore、という選び方が現実的です。

料金プランの選び方のポイント

プラン選定で最も重要なのは「自分のシナリオが月に何オペレーション消費するか」を見積もることです。たとえば毎日100件のデータを処理し、1件あたり5モジュール動くシナリオなら、月に100×5×30=15,000オペレーションが必要になります。無料プランの1,000では全く足りません。先に処理量を概算し、それに見合うプランを選ぶ。これを怠ると、月の途中で止まって肝心の自動化が機能しなくなります。コスト管理の観点は、フリーランスが自分の経費を最適化する感覚と同じです。

英語UIでも迷わない アカウント作成と基本操作ガイド

ここからは実際の使い方です。Makeは基本的に英語UIですが、操作の流れさえ掴めば英語が苦手でも問題ありません。Google Chromeの翻訳機能を併用すれば、画面の意味はほぼ把握できます。

ステップ1:アカウント作成

公式サイトからメールアドレス、もしくはGoogleアカウントでサインアップします。リージョン(サーバーの所在地)を選ぶ画面が出るので、まずはそのまま進めて問題ありません。登録後はすぐに無料プランのダッシュボードが使えるようになります。クレジットカードの登録は無料プランでは不要なので、気軽に始められます。

ステップ2:シナリオの新規作成とトリガー設定

ダッシュボードの「Create a new scenario」から新規シナリオを作ります。最初に置くのが「トリガー」、つまり自動化の起点です。たとえば「Gmailに新着メールが届いたら」「Googleスプレッドシートに行が追加されたら」といった"きっかけ"をここで設定します。トリガーには、変化があったときに自動で起動する「Instant(Webhook)型」と、一定間隔でチェックしに行く「ポーリング型」があり、無料プランではポーリング間隔が15分以上になる点を覚えておきましょう。

トリガーを設定する際、初回は連携するサービスへのログイン認証(コネクション作成)を求められます。ここで一度認証しておけば、以降は同じサービスを何度でも使い回せます。私が最初につまずいたのもこの認証で、権限スコープの許可を1つ外していたためにデータが取れず、原因究明に小一時間かかりました。認証画面で求められる権限は、面倒でも目を通してから許可するのがおすすめです。

ステップ3:アクションモジュールをつなぐ

トリガーの右側に、次に実行したい「アクション」モジュールをつなげます。たとえば「届いたメールの内容をスプレッドシートに書き込む」なら、Google Sheetsの「Add a Row」モジュールを追加します。このとき、前のモジュールが取得したデータ(差出人、件名、本文など)を、後ろのモジュールの入力欄にドラッグして割り当てる「マッピング」を行います。このマッピングこそMakeの心臓部で、データがどう流れるかを目で見ながら組み立てられるのが強みです。

ステップ4:テスト実行と本番化

組み終わったら、画面下部の「Run once」で1回だけテスト実行します。各モジュールに緑のチェックが付き、データが正しく流れていれば成功です。エラーが出たモジュールは赤くなり、クリックすると原因が表示されます。問題なければ、左下のスケジュール設定をオン(ON)にして、トリガーの起動間隔を決めれば自動運転の完成です。最初から完璧を目指さず、まず「1件流れる」を確認してから本番化するのが、遠回りに見えて最短ルートです。

このあたりのコツについて、ある解説ではこう述べられています。

Makeを使いこなすコツは、最初から完璧を目指さないことです。「AからBへデータを送る」だけのシンプルなフローから始めて、小さな成功体験を積み重ねていくのがおすすめです。一度動き出せば、あとはAIを組み合わせた自動化が24時間フローを動かし続けてくれます。Makeで「人間にしかできない仕事」に集中できる環境を手に入れましょう。

この「小さく始める」という姿勢は、自動化に限らずあらゆるツール導入で効いてきます。最初から壮大なフローを描こうとすると、どこかでつまずいて全体が動かず、結局やめてしまう。これがノーコード挫折の最大の原因です。

MakeにAIを組み込む具体的な手順

ここが本記事の核心、「Make × AI」の実装です。Makeには、OpenAI(ChatGPT)、Anthropic(Claude)、Google Geminiなど、主要な生成AIのモジュールが標準で用意されています。やることは「フローの途中にAIを1つ挟む」だけです。

ステップ1:AIモジュールを追加する

シナリオの中に、たとえばOpenAIの「Create a Completion(または Chat Completion)」モジュールを追加します。初回はAPIキーの登録が必要です。これはAIサービス側(OpenAIなど)の管理画面で発行したキーを、Makeのコネクション設定に貼り付けるだけです。このAPIキーには利用料が別途かかる点に注意してください。Make本体の料金とは別に、AI側の従量課金が発生します。とはいえ、テキスト処理1回あたりのコストは数円以下のことが多く、人件費と比べれば桁違いに安価です。

ステップ2:プロンプト(指示文)を組み立てる

AIモジュールの入力欄に、AIへの指示文(プロンプト)を書きます。ここで前のモジュールが取得したデータをマッピングして埋め込むのがポイントです。たとえば「次の問い合わせ文を読み、『クレーム』『見積依頼』『質問』のいずれかに分類してください。問い合わせ文:{{メール本文}}」のように、{{ }}部分に実際のメール本文が流し込まれるよう設定します。プロンプトの精度が自動化の品質を左右するので、最初は出力例を指定するなど、具体的に書くのがコツです。

ステップ3:AIの出力を次のモジュールに渡す

AIが返した結果(分類結果や要約文など)を、後続のモジュールへマッピングします。たとえば「分類結果が『クレーム』なら担当者にSlack通知」「『見積依頼』なら営業のスプレッドシートに追記」といった分岐を、Makeの「Router(ルーター)」モジュールで組めます。これで「読む→判断する→振り分ける」という一連の知的作業が、完全自動で24時間まわるようになります。

よくあるAI活用パターン

実務でよく使われるMake×AIのパターンを挙げておきます。第1に「文章の要約・分類」。長いメールや議事録を要約し、カテゴリ分けする用途です。第2に「翻訳・多言語対応」。海外からの問い合わせを自動翻訳して返信ドラフトを作る用途です。第3に「コンテンツ生成」。商品データからSNS投稿文や説明文を自動生成する用途です。第4に「データ抽出」。請求書PDFや名刺画像から、AIに必要な項目だけを構造化して抜き出させる用途です。これらはどれも、AIモジュールを1つ挟むだけで実現できます。

こうしたAI活用の現場では、画像生成や、AIを業務に組み込む開発の需要も伸びています。たとえば商品画像を量産する画像生成AI(Stable Diffusion等)のお仕事や、自動応答の仕組みを作るAIチャットボット・アプリ開発のお仕事は、Makeでのプロトタイピングと相性が良い領域です。Makeで小さく検証してから本格開発に進む、という流れが定着しつつあります。

Makeで実現できる業務効率化の具体例

抽象的な話だけだとイメージしづらいので、具体的な自動化例を見ていきましょう。いずれも「定型作業をAIと組み合わせて省力化する」典型例です。

採用・人事業務の自動化

採用業務は手作業の宝庫です。応募者情報を別システムへ転記する、面接日程を調整する、合否連絡を送る。これらは時間がかかるうえ、入力ミスも起きやすい作業です。Makeを使えば、応募フォームの送信をトリガーに、応募者情報を採用管理シートへ自動転記し、AIで職務経歴を要約してリクルーターへ通知、といった一連の流れが組めます。

この効果について、ある事例ではこう報告されています。

例えば、採用活動において求職者の情報を別のシステムに手動で入力するのは、時間もかかり、入力ミスも発生しやすい作業です。Makeを使えば、この一連の作業を自動化でき、手動でのデータ入力が不要になるでしょう。実際に、採用プロセスにMakeを導入した株式会社LIFRELLの事例では、採用担当者の作業時間が60%削減されました。

作業時間が60%削減されるというのは、単に楽になるという話ではありません。空いた時間を、候補者との面談や採用戦略の検討といった「人間にしかできない仕事」に振り向けられるという意味です。自動化の本当の価値は、削減した工数で何をするかにあります。

問い合わせ対応の一次受付

カスタマーサポートでは、問い合わせメールをトリガーに、AIが内容を分類し、FAQに該当するものは定型返信のドラフトを自動生成、複雑なものだけ人間に回す、という振り分けが組めます。これにより、一次受付の70%近くを自動化できたという企業もあります。人間は本当に判断が必要な案件にだけ集中できるようになります。

SNS・コンテンツ運用の自動化

ブログを更新したら、その内容をAIに要約させてX(旧Twitter)やInstagram用の投稿文を自動生成し、予約投稿する。あるいはRSSで集めたニュースをAIに要約させて、毎朝Slackにダイジェスト配信する。こうした情報発信・情報収集の自動化も定番です。手作業なら毎日30分かかっていた作業が、ゼロになります。

経理・バックオフィスの自動化

受信した請求書PDFをAIに読ませて金額や取引先を抽出し、会計ソフトへ自動入力する。あるいは毎月の売上データを集計してレポートを自動生成する。経理は正確性が命の領域ですが、人間の目視チェックを最後に1段だけ残しつつ、転記作業そのものはAIとMakeに任せる、という運用が現実的です。会計ソフトとの連携ではfreeeマネーフォワードなどがAPI連携に対応しており、Makeとつなぎやすくなっています。

Make × AI活用のメリット・デメリットと注意点

どんなツールにも光と影があります。導入してから「こんなはずでは」とならないよう、メリットとデメリットをフェアに整理します。

メリット

最大のメリットは、エンジニアを雇わずに業務自動化を内製化できることです。外注に頼らず、現場の担当者自身が自動化を組めるため、改善のスピードが格段に上がります。第2に、AIとの組み合わせで「判断業務」まで自動化できる点。これは従来の自動化ツールにはなかった革新です。第3に、コスト効率の良さ。無料プランから始められ、人件費と比べれば運用コストは桁違いに安く、ROI(投資対効果)が出しやすい。第4に、1,000以上のアプリ連携とHTTPモジュールによる拡張性で、ほぼあらゆるSaaSをつなげられます。

デメリット

一方でデメリットもあります。第1に、学習コスト。英語UIと独特の操作感に、最初の1本目までは時間がかかります。第2に、オペレーション課金の落とし穴。処理量を見誤ると想定外にコストが膨らみ、月の途中で止まることもあります。第3に、AI出力の不安定さ。生成AIは確率的に動くため、同じ入力でも毎回まったく同じ出力になるとは限りません。重要な処理では必ず人間のチェック工程を残す設計が必要です。第4に、メンテナンスの手間。連携先のAPI仕様が変わると、シナリオが突然動かなくなることがあります。

運用でつまずかないための確認ポイント

実務でMakeを安定運用するには、いくつか押さえるべきポイントがあります。まず「エラー通知の設定」。シナリオが失敗したらSlackやメールで通知が来るようにしておかないと、止まっているのに気づかず数日経つ、という事故が起きます。次に「テストデータでの十分な検証」。本番データでいきなり動かさず、必ずテストケースで分岐を確認します。そして「APIキーや認証情報の管理」。個人情報や決済に関わる自動化では、誰がどの権限を持つかを明確にしておく必要があります。

セキュリティと個人情報の取り扱いについては、自動化のフローを設計する段階で、どのデータが外部のAIサービスに送られるかを把握しておくことが重要です。機密情報や個人情報を生成AIに渡す場合は、利用するサービスのデータ取り扱いポリシーを確認し、必要に応じて社内でNDA(秘密保持契約)や利用ルールを整備しておくべきです。便利さだけに飛びつかず、ガバナンスの観点を最初に組み込むのが、長く安全に使うコツです。

Makeはどんな人・どんな業務におすすめか

ここまでを踏まえて、Makeが向いている人・向かない人を整理します。

Makeが向いている人

まず、複数のSaaSを横断して使っていて、ツール間のデータ転記に時間を取られている人。Makeはまさにこの「橋渡し」を自動化するためのツールです。次に、プログラミングはできないが、論理的にフローを組むのが苦にならない人。ノーコードとはいえ、条件分岐やデータの流れを設計する思考力は必要です。そして、定型業務をAIで省力化したい中小企業のバックオフィス担当者や、自分の事務作業を自動化したいフリーランスにも最適です。

Makeが向かない人・ケース

逆に、自動化したい業務が単純で、連携アプリも1〜2個しかないなら、Makeの多機能さはオーバースペックかもしれません。その場合はもっとシンプルなツールで足りることもあります。また、ミリ秒単位のリアルタイム処理や、超大量データの高速バッチ処理が必要な基幹業務は、Makeのようなノーコードツールよりも本格的なシステム開発が適しています。Makeはあくまで「中量の業務を、開発コストをかけずに自動化する」ためのツールだと割り切るのが正解です。

学ぶべきスキルと成功のポイント

Make × AIを使いこなすために必要なスキルは、大きく3つです。第1に「業務の言語化能力」。自動化したい作業を「トリガー→処理→アクション」の形に分解できること。これが自動化の設計図になります。第2に「プロンプト設計力」。AIに的確な指示を出す力で、これは生成AIを使うあらゆる場面で武器になります。第3に「API・データ構造の基礎理解」。JSONの構造やAPIの概念をなんとなくでも掴んでおくと、つまずいたときの原因特定が早くなります。

成功のポイントは、繰り返しになりますが「小さく始めて育てる」ことです。最初から完璧な業務システムを目指さず、1つの面倒な作業を自動化することから始める。それが動いて時間が浮いたら、次の作業を足していく。この積み重ねが、気づけば業務全体を変える大きな自動化基盤になります。

独自データから見るMake自動化スキルの市場価値

最後に、客観的なデータからMake × AIスキルの市場価値を考察します。在宅ワーク求人サイトに集まる案件データを見ると、AI・自動化関連の仕事は明確な成長領域にあります。

自動化を「使える」人材の需要

自動化やAI活用を支援する仕事は、案件単価も高めに推移する傾向があります。エンジニアほどの専門性がなくても、ノーコードで業務を自動化できる人材は企業から重宝されます。在宅ワーク仲介サイトに掲載される案件でも、AIコンサル・業務活用支援のお仕事AIチャットボット・アプリ開発のお仕事といった、AIを業務に落とし込む実装支援の募集が目立ちます。Makeのようなツールを扱えることは、こうした案件を受注する具体的な技能になります。

関連職種の単価相場から読む価値

自動化スキルの市場価値は、隣接職種の単価相場からも推し量れます。たとえばシステムやツールを構築する側の相場はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認でき、コンテンツ生成の自動化を活かせる文章系の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で把握できます。ノーコード自動化は、この両者の中間に位置する「実装はできるがフルコーディングはしない」という、需要の厚い隙間を埋めるスキルだといえます。

業界横断で広がるAI自動化の波

AI自動化の波は特定業界にとどまりません。たとえば製造業の現場でも、検査や生産管理の自動化が進んでいます。具体的な導入事例は製造業のAI活用ガイド2026|人手不足を解消する5つの導入事例で詳しく紹介されており、逆に失敗しやすいポイントは製造業のAI導入失敗理由ワースト5|2026年に成果を出すための逆転対策が参考になります。検査工程に特化した話は製造業の外観検査AI導入ガイド2026|導入費用と補助金活用のポイントにまとまっています。これらに共通するのは、「自動化は道具であり、成果を出すのは使い方次第」という事実です。Makeを学ぶことは、業界を問わず通用する自動化の設計思考を身につけることにほかなりません。

資格や専門知識との掛け合わせで差別化する

自動化スキルは、単体よりも他の専門性と掛け合わせると価値が跳ね上がります。たとえば医療事務の知識があれば医療機関向けの自動化を、経営の知識があれば中小企業の業務改善を提案できます。専門資格の例として、医療分野なら医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)、経営改善のコンサルティング領域なら中小企業診断士といった資格が、Make × AIの自動化スキルと組み合わさることで「業務を理解したうえで自動化を設計できる人材」という強い差別化につながります。客観的に見て、ツール単体の習熟よりも、この掛け算ができる人材のほうが市場で長く価値を保ち続けます。

Make × AIの自動化は、決して魔法ではありません。地道にフローを設計し、テストし、運用する手間はかかります。ですが、その手間を一度かければ、あとは24時間休まず働く"デジタルな同僚"を手に入れられます。手作業に追われて本来やるべき仕事ができていないなら、まずは無料プランで「1件流れる」シナリオを1本、組んでみることをおすすめします。そこから先は、小さな成功体験が次の自動化を呼び込んでくれるはずです。

よくある質問

Q. Makeは無料で使えますか?料金の目安を教えてください?

Makeには無料プランがあり、月1,000オペレーション・最短15分間隔の制限内で利用できます。検証や軽い自動化なら無料で十分です。本格運用ではオペレーション数や実行間隔の上限が広がる有料プランへ移行します。自分のシナリオが月何オペレーション消費するかを先に概算してプランを選ぶのが失敗しないコツです。

Q. プログラミングができなくてもMakeでAI自動化はできますか?

できます。Makeはコードを書かずにモジュールをつなぐノーコードツールで、OpenAIやClaudeなどのAIモジュールも標準で用意されています。フローの途中にAIを1つ挟むだけで文章の分類・要約・生成が自動化できます。ただし業務を「トリガー→処理→アクション」に分解する論理的な設計力は必要です。

Q. MakeとZapierはどちらを選べばよいですか?

業務がシンプルで標準連携で足りるならZapier、分岐や複数件処理が多くコストも抑えたいならMakeがおすすめです。Makeはオペレーション課金で同じ作業量でも安く済みやすく、複雑な処理の可読性が高いのが強みです。どちらも初学習コストはかかるため、無料プランで両方触って比べると判断しやすくなります。

Q. AIを組み込むと追加料金はかかりますか?注意点は?

かかります。Make本体の料金とは別に、OpenAIなどAIサービス側の従量課金が発生します。ただしテキスト処理1回あたり数円以下のことが多く、人件費と比べれば安価です。注意点として、生成AIの出力は毎回同じとは限らないため、重要な処理には人間のチェック工程を残し、機密情報を渡す際はデータ取り扱いポリシーを確認してください。

朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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