合同会社費用はいくら必要か設立前に見る内訳と節約策

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
合同会社費用はいくら必要か設立前に見る内訳と節約策

この記事のポイント

  • 合同会社費用の内訳を法定費用・実費・維持費まで完全網羅
  • 2026年最新の節約術と
  • 株式会社との費用差を客観データで比較

「合同会社費用って結局いくらかかるの?」と検索したあなたへ。結論から言うと、自分で手続きすれば約6万円、専門家に頼めば10〜15万円が現実的な相場です。ただし、設立費用だけ見て判断するのは正直なところ危険です。設立後に毎年かかる維持費や、資本金の妥当性、目に見えない実費まで含めて考えないと、起業1年目で資金ショートに陥るケースが少なくありません。

この記事では、副編集長として20件以上の起業ドキュメントを編集してきた立場から、合同会社設立にかかるすべての費用を分解し、節約のリアルなポイントまで解説します。株式会社と迷っている方も、最後まで読めば「合同会社で本当に良いのか」が判断できるはずです。

合同会社費用の全体像|2026年の相場感

合同会社費用は、大きく分けて「法定費用」「実費」「維持費」の3つに分類されます。多くの記事が法定費用だけを取り上げて「6万円で設立可能!」と謳いますが、現場で見てきた限り、本当に6万円だけで会社を動かし始めた人は1割未満です。

2026年現在、日本国内で新規に設立される法人のうち、合同会社(LLC)が占める割合は年々増加しています。法務省の登記統計によれば、新規設立法人の約3割が合同会社という時代になりました。背景には、株式会社より14万円以上安く設立できる費用優位性があります。

合同会社を設立する際の法定費用は、6万~10万円程度です。一般的に、会社設立にかかる法定費用とは、定款の認証代や登録免許税、収入印紙代などを指します。合同会社の場合、公証役場での定款の認証は不要となるため、法務局の手続きに必要な登録免許税と定款の収入印紙代が法定費用となります。

ただし、上記はあくまで「法定」費用の話。実印作成代、印鑑証明取得、登記簿謄本の取得、会社印鑑セット、銀行口座開設に必要な書類取得など、細かい実費が積み重なり、現実的には8〜10万円は最低でも見ておく必要があります。

株式会社と比較した費用差

合同会社が選ばれる最大の理由は、株式会社との費用差です。株式会社設立には、定款認証手数料(資本金額により1.5万〜5万円)、定款の収入印紙代(電子定款なら不要)、登録免許税(最低15万円)が必要で、合計で20〜25万円前後かかります。

一方、合同会社は定款認証が不要で、登録免許税も最低6万円。差額は最低でも14万円になります。この差額を運転資金や広告費に回せると考えれば、合同会社の魅力は大きいと言えるでしょう。

ただし、対外的信用力という点では株式会社に軍配が上がります。BtoBで大企業との取引を前提にするなら、設立費用14万円の節約より、信用力を優先すべきケースもあります。このあたりの判断はAIコンサル・業務活用支援のお仕事のようなBtoB案件を狙うか、個人クライアント中心かで変わってきます。

合同会社設立にかかる法定費用の内訳

法定費用とは、法律で定められた「払わないと設立できない」絶対的なコストです。合同会社の場合、以下の2項目がメインになります。

登録免許税(最低6万円)

合同会社設立時、法務局に支払う登録免許税は資本金額の0.7%、または6万円のいずれか高い方です。つまり、資本金が約857万円を超えると6万円を超えてきます。資本金1,000万円なら登録免許税は7万円、資本金2,000万円なら14万円という計算です。

多くの個人起業家は資本金100〜300万円程度でスタートするため、ほぼ全員が最低額の6万円に収まります。これが「合同会社は6万円で作れる」と言われる根拠です。

定款の収入印紙代(4万円・電子定款なら0円)

紙の定款を作成する場合、収入印紙代として4万円がかかります。ただし、電子定款で作成すれば0円になります。これが最も効果的な節約ポイントです。

電子定款を自分で作成するには、PDF署名用のソフトウェアやマイナンバーカード、ICカードリーダーなどが必要で、初期投資として5,000〜2万円かかります。1回限りの設立なら、専門家に電子定款作成だけ依頼する(5,000〜1万円程度)方が結果的に安くなることが多いです。

正直なところ、ここを「自分で電子定款を作って4万円節約するぞ」と意気込んで、半日以上ハマる人を何人も見てきました。1万円程度で済むなら、専門家に頼んで時間を買う方が合理的だと感じています。

法定費用以外の実費|見落としがちな小さなコスト

法定費用だけで会社設立は終わりません。以下の実費が必ず発生します。

会社印鑑セット(5,000〜2万円)

代表者印(実印)、銀行印、角印の3点セットが基本です。チェーン店の印鑑屋なら5,000円、手彫りの高級素材なら2万円以上。実用面ではどちらでも問題ないので、初期費用を抑えるなら格安セットで十分です。

印鑑証明書・登記簿謄本の取得費用(合計3,000〜5,000円)

設立時に代表社員の印鑑証明書(450円/通)、設立後に会社の登記簿謄本(600円/通)や印鑑証明書を複数取得することになります。銀行口座開設、税務署届出、社会保険手続きなどで、最低でも10通程度は使用します。

資本金の振込手数料・各種交通費

定款作成時の打ち合わせ、法務局への往訪(最低2回)、公証役場(不要だが念のため)、銀行口座開設などで交通費が積み重なります。地方在住者ほどこのコストは大きく、合計で5,000〜1万円程度を見ておく必要があります。

設立サポートツール・専門家報酬

司法書士・行政書士・税理士に依頼する場合、報酬は5万〜10万円。最近はfreeeやマネーフォワード、弥生といった会計ソフトの「会社設立サポート」を利用すれば、専門家報酬と同等のサービスを0〜3万円で受けられます。

合同会社の維持費|設立後に毎年かかるお金

設立費用だけ見て安心していると、維持費で苦しむことになります。合同会社の維持費は株式会社より安いものの、ゼロではありません。

法人住民税の均等割(最低7万円/年)

赤字でも黒字でも、法人を持っている限り最低7万円/年の法人住民税均等割が発生します。これは「会社を存在させているだけでかかる税金」で、最大の固定費です。資本金や従業員数によっては10〜20万円に増えるケースもあります。

事業を1年間休止しても、この7万円はかかります。「とりあえず会社を作っておく」発想が危険な理由がここにあります。

税理士顧問料(年15〜30万円)

法人税の申告は個人事業主の確定申告より格段に複雑で、ほとんどの合同会社は税理士と顧問契約を結びます。月額1.5〜3万円、決算料5〜10万円が相場で、年間総額は15〜30万円です。

ただし、freeeやマネーフォワードの法人プラン(年額3〜5万円)を活用し、決算だけスポットで税理士に依頼するパターンなら、年間10万円以下に圧縮可能です。

社会保険料(役員報酬の約30%)

合同会社の代表社員も、報酬を受け取るなら社会保険に加入義務があります。役員報酬月20万円なら、社会保険料は会社負担分・個人負担分合わせて月約6万円(年約72万円)。これは個人事業主の国民健康保険・国民年金より高くなるケースが多いです。

ただし、将来の年金額が増える、傷病手当金・出産手当金が使えるなど、メリットも存在します。短期的なコストだけで判断しないことが重要です。

その他の固定費

事務所家賃、会計ソフト利用料、ドメイン・サーバー代、銀行口座維持費、各種クラウドサービス利用料など、業種に応じて月数千円〜数万円の固定費が積み重なります。

合同会社費用を節約する5つの方法

設立費用を最大限抑えるための具体的な方法を紹介します。

1. 電子定款を活用する

前述の通り、電子定款を使えば収入印紙代4万円が浮きます。自分でやるか専門家に頼むかの判断軸は「時間単価」です。自分の時間単価が高い人ほど、専門家に頼んだ方が合理的です。

2. 会社設立サポートツールを使う

freeeマネーフォワードの会社設立サポートは、無料または低価格で電子定款作成から登記書類作成まで対応します。会計ソフトの契約とセットで利用すると、専門家報酬5〜10万円が浮きます。

3. 資本金は必要最小限に抑える

資本金を857万円以下にすれば、登録免許税は最低額の6万円に収まります。また、資本金1,000万円未満であれば、設立から2年間は消費税の免税事業者となるため、節税効果も大きいです。

法律上、合同会社は資本金1円でも設立可能です。かつてあった最低資本金制度は廃止されたため、形式上は極端に少ない資金でも会社を作れます。しかし実際には、1円で会社を始めてもオフィス賃料や設備費、備品購入、仕入れなどの初期費用をまかなえず、すぐに資金ショートに陥る恐れがあります。

実務的には、初期費用+運転資金6か月分を資本金として用意するのが安全圏とされています。

4. バーチャルオフィスや自宅を本店所在地にする

実オフィスを借りると初期費用30〜50万円、毎月10〜30万円の家賃が発生します。最初は自宅やバーチャルオフィス(月額3,000〜1万円)を本店所在地にして、固定費を圧縮するのが定石です。

5. 専門家への依頼を最小限にする

すべてを専門家に丸投げすると10〜15万円の報酬が発生します。電子定款だけスポットで依頼し、登記書類の作成・提出は自分でやれば5万円以上節約できます。法務局の担当者は意外と親切で、書類の不備があれば丁寧に教えてくれます。

私自身、編集者として独立する際に「とりあえず合同会社」を検討した経験があります。結果的に個人事業主のままにしましたが、その時の試算でも、設立費用より「設立後の維持費の重さ」がネックでした。年間最低でも100万円規模の所得が継続的に見込めないと、合同会社化のメリットは薄いというのが実感です。

合同会社設立のスケジュールと費用発生タイミング

合同会社設立のおおまかなスケジュールと、各段階で発生する費用を整理します。

段階 タイミング 発生する費用
事前準備 設立2〜4週間前 会社印鑑代5,000〜2万円、印鑑証明取得450円
定款作成 設立2週間前 電子定款代行5,000〜1万円(紙の場合は4万円)
資本金払込 設立1週間前 振込手数料数百円、資本金額そのもの
設立登記 設立日 登録免許税6万円〜、専門家報酬5〜10万円
各種届出 設立後2週間以内 印鑑証明・登記簿謄本取得5,000〜1万円
銀行口座開設 設立後1〜2か月 (手数料は銀行による)

最短で約2週間、現実的には1か月程度を見ておくと安心です。スピード重視なら、設立サポートツールを使えば最短3日で登記完了するケースもあります。

合同会社の資本金はいくらにすべきか

「資本金1円でOK」という情報を見て本当に1円で設立する人が時々いますが、これは正直なところおすすめできません。

合同会社は資本金1円からでも設立できますが、実際に事業を始めるには資金計画に基づいた適切な資本金額が必要です。

資本金額の決め方の目安

実務的には、以下の基準で資本金を決めることが多いです。

  • 初期費用+運転資金6か月分: 最も一般的な算出方法。月の固定費が30万円なら、資本金は180万円程度が目安
  • 消費税の免税範囲: 1,000万円未満にすれば2年間は消費税免税
  • 登録免許税の最低額範囲: 857万円以下にすれば登録免許税は最低6万円に収まる
  • 対外的信用力: 取引先や金融機関に「最低限の事業基盤がある」と見せるなら100万円以上が望ましい

副業から法人成りする場合、これまでの売上規模に合わせて100〜300万円程度が現実的なラインです。フリーランス向けの単価相場についてはソフトウェア作成者の年収・単価相場著述家,記者,編集者の年収・単価相場を参考に、自分の業種の単価と稼働可能時間から逆算してみてください。

合同会社設立後にかかる経費と運用コスト

設立費用と維持費に加えて、業種ごとに発生する経費があります。

業種別の初期投資の目安

  • IT系(プログラマー・Webデザイナー): PC・ソフトウェアで30〜50万円程度
  • コンサル・士業系: PC・名刺・基本ソフトで20〜30万円程度
  • EC・物販系: 在庫仕入れ・撮影機材・倉庫費用で50〜200万円程度
  • 飲食・店舗系: 物件取得・内装・厨房機器で500〜2,000万円程度

アプリケーション開発のお仕事のようなIT系業種なら初期投資が抑えられるため、合同会社設立費用との相性が良いと言えます。一方、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような専門分野でBtoBクライアントを狙うなら、信用力を考えて株式会社を選ぶ選択肢も検討すべきです。

補助金・助成金の活用

設立費用そのものに使える補助金は少ないですが、設立後の事業活動には中小機構経済産業省経由の各種補助金が利用可能です。例えば介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で紹介しているIT導入補助金や、送迎バス安全装置の設置補助金2026|介護施設の義務化対応と申請手順のような業種特化型の補助金も存在します。福祉系の起業を検討中なら介護タクシー開業ガイド2026|助成金と補助金で開業費用を 1/3 にする方法も参考になるはずです。

合同会社費用の注意点とよくある失敗

最後に、合同会社設立で実際に起きた失敗例と注意点を共有します。

1. 設立費用だけ見て維持費を見落とす失敗

「6万円で会社が作れる」と聞いて飛びついたものの、年間の維持費(法人住民税7万円+税理士顧問料20万円+社会保険料72万円=合計約100万円)を計算していなかったケース。所得が年200万円程度なら、個人事業主のままの方が圧倒的に有利です。

2. 資本金1円で設立して銀行口座を開設できなかった失敗

最近の銀行は、資本金が極端に少ない法人の口座開設に厳しい姿勢を取ります。マネーロンダリング対策で審査が厳格化しており、資本金10万円未満だと門前払いされるケースも報告されています。

3. 設立後の届出を忘れて延滞金を取られる失敗

設立後、税務署・都道府県税事務所・市区町村役場・年金事務所・労働基準監督署・ハローワークなど、複数の届出が必要です。期限を過ぎると延滞金や追徴課税の対象になります。詳細は国税庁日本年金機構の公式サイトで確認できます。

4. 法人成りのタイミングを間違える失敗

個人事業主から法人成りする最適タイミングは、所得が800万円〜1,000万円を超えた頃が目安とされています。それ以下で法人成りすると、社会保険料負担や法人住民税で個人事業主時代より手取りが減るケースが多発しています。

5. 専門家選びで失敗

設立丸投げで10万円払ったのに、その後の税務顧問は別の税理士に頼むことになり結局2倍払った、というケースも。設立から税務まで一気通貫で見てくれる事務所を選ぶか、自分で設立してから税理士を探すか、最初に方針を決めておくべきです。

月収レベル別の最適な事業形態

これは合理的な判断で、月収30万円(年商360万円)レベルでは、法人維持費の年100万円を回収するのが困難です。逆に月収100万円(年商1,200万円)を超えると、所得税と法人税の税率差で法人の方が手取りが多くなります。

業種別の法人化トレンド

IT・Web系のフリーランスは比較的早い段階(月収50万円前後)で合同会社化するケースが多い一方、ライター・編集者・デザイナーは月収100万円を超えても個人事業主のままという人が珍しくありません。これは、業種ごとの経費構造や、クライアント側が「法人取引のみ」と指定する割合の差が影響しています。

特に中小企業診断士医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)のような専門資格を活かしてコンサルや業務委託を受注する場合、クライアントが法人を求めるケースが増えるため、法人化のメリットは大きくなります。

合同会社費用の投資対効果

設立費用6万円〜10万円という金額は、年商1,000万円規模のフリーランスにとっては「1〜2か月分の利益」程度に過ぎません。問題は設立費用ではなく、設立後の維持費とそれに見合う売上を継続的に作れるかどうかです。

合同会社費用を「投資」と捉えるなら、回収期間は最短1年、現実的には3年程度を見込むべきです。3年間維持できれば、税負担軽減・経費計上の幅・社会的信用などのリターンが累積し、個人事業主時代を上回る手取りが実現できます。逆に、3年以内に廃業すると、設立費用と維持費が単なる損失になります。

設立を検討している方は、まず直近3年間の売上を予測し、年100万円の維持費を負担しても十分なキャッシュフローが残るか、シミュレーションを行ってから判断することを強くおすすめします。

よくある質問

Q. 合同会社の設立費用はいくらですか?

自分で電子定款を使う場合は、登録免許税を中心に7万円から10万円前後が目安です。紙の定款や専門家報酬、印鑑作成費を含めると15万円以上になることもあります。

Q. 合同会社を設立する際、最低いくらくらいの費用が必要ですか?

自分で手続きを行う場合、法定費用として登録免許税が最低6万円必要です。株式会社の設立には約20万円かかるため、初期費用を大幅に抑えられるのが合同会社のメリットですが、これとは別に資本金や実印の作成費用などが必要になる点には注意してください。

Q. 合同会社の設立費用は株式会社よりどのくらい安いですか?

法定費用だけで比較すると、株式会社が約20万円(登録免許税15万円+定款認証5万円)かかるのに対し、合同会社は約6万円(登録免許税のみ)で済みます。電子定款を利用すれば、どちらも印紙代4万円は不要ですが、差額は約14万円と非常に大きいです。

Q. 合同会社の定款に印紙税は必要ですか?

紙の定款を作成する場合は、一律40,000円の収入印紙が必要です。ただし、PDF等による「電子定款」であれば、印紙税法上の「文書」に該当しないため、印紙税は不要になります。一人社長の多くがコスト削減のために電子定款を選択しています。

Q. 合同会社の定款は公証役場で認証が必要ですか?

合同会社の定款は、株式会社と違って公証役場での認証は不要です。ただし、定款そのものの作成は必要で、紙定款か電子定款を選びます。

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朝比奈 蒼

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朝比奈 蒼

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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