IT導入補助金でkintoneを導入!サイボウズ対象ツールと申請の流れ


この記事のポイント
- ✓IT導入補助金を活用してkintone(キントーン)やサイボウズ製品をお得に導入する方法を徹底解説
- ✓通常枠やインボイス枠など対象となる補助枠
- ✓申請スケジュールまで解説します
業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の切り札として、多くの企業が注目しているのがサイボウズ社の「kintone(キントーン)」です。しかし、全社的な導入やカスタマイズにはそれなりの費用がかかるため、コスト面で二の足を踏んでいる担当者の方も多いでしょう。そこで活用したいのが「IT導入補助金」を利用したkintone導入です。国からの補助金を使えば、初期費用や月額料金、さらに周辺ツールの導入費用まで大幅に抑えることが可能です。本記事では、IT導入補助金を使ってkintoneを導入するメリットや、具体的な申請の流れ、採択率を高めるためのポイントを詳しく解説します。
IT導入補助金とは?kintone導入に使える枠と補助率
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化や売上アップをサポートする国の制度です。kintoneはこのIT導入補助金の対象ツールとして認定されており、要件を満たせば費用の大きな部分を補助金で賄うことができます。
kintoneの導入で主に活用されるのは「通常枠」と「インボイス枠(インボイス対応類型)」の2つです。それぞれの特徴と補助率を見てみましょう。
通常枠
自社の課題解決や業務効率化を目的とした幅広いITツール導入に使えるのが通常枠です。kintone単体での導入や、他の業務システムとの連携など、汎用性の高いカスタマイズを行う場合に適しています。
補助率は費用の1/2以内となっており、最大で150万円(または450万円)までの補助が受けられます。顧客管理や案件管理、社内コミュニケーションの活性化など、特定の業務だけでなく全社的なDXを推進したい企業に最適です。
インボイス枠(インボイス対応類型)
インボイス制度への対応を見据え、会計・受発注・決済ソフトを導入する企業を支援する特別枠です。kintone単体では会計ソフトにはなりませんが、インボイス対応の請求書発行プラグインや、外部の会計システム(freeeやマネーフォワードなど)と連携させることで、この枠を利用できるケースがあります。
インボイス枠の最大の魅力は、補助率が最大4/5(小規模事業者の場合は最大4/5〜3/4)と非常に高い点です。補助上限額は機能によって異なりますが、最大350万円まで補助されるため、自己負担を極限まで抑えてシステム改修を行いたい場合に有利です。
kintone(キントーン)をIT導入補助金で導入する3つのメリット
数あるITツールの中で、あえてkintoneを選び、さらにIT導入補助金を活用することには大きなメリットがあります。ここでは、経営者やIT担当者が押さえておくべき3つのポイントを解説します。
1. 初期費用と月額利用料の負担を大幅に削減できる
kintoneのスタンダードコースは1ユーザーあたり月額1,500円かかります。数十人規模で導入すると年間で数十万円の固定費が発生します。しかし、IT導入補助金を活用すれば、最大2年分のクラウド利用料が補助の対象となります。初期の導入費用だけでなく、ランニングコストの1/2〜3/4を国が負担してくれるため、資金繰り(出典:中小企業庁「中小企業白書」)に余裕がない中小企業でも思い切ったシステム投資が可能になります。
2. 専門家(IT導入支援事業者)のサポートを受けられる
IT導入補助金を申請するには、国に認定された「IT導入支援事業者」とパートナーを組む必要があります。これは単なる制約ではなく、実は大きなメリットです。
kintoneは自由にアプリを作れる反面、「どう設計すれば業務が回るのか分からない」という壁にぶつかりがちです。IT導入支援事業者はkintoneの構築やカスタマイズのプロフェッショナルであるため、自社の業務フローに合わせた最適なアプリ設計から導入時の社員研修まで、手厚い伴走支援を受けることができます。自社だけで手探りで進めるよりも、はるかに短期間で実運用に乗せることが可能です。
3. プラグインや連携ツールもまとめて補助対象にできる
kintoneの真価は、豊富な拡張機能(プラグイン)や外部サービスとの連携にあります。帳票出力プラグイン、電子契約システム、CTI連携など、自社の業務を自動化するための追加ツールも、IT導入支援事業者が提供するパッケージに含まれていれば補助の対象になります。
中小企業・小規模事業者におけるデジタル化は、労働生産性の向上において不可欠であり、ITツールの導入は経営基盤を強化する重要な戦略です。
これにより、本来なら予算の都合で諦めていた高度な機能も、初回導入時から一気に構築できます。結果として、部分的なデジタル化ではなく、一気通貫の業務改善を実現しやすくなるのです。
IT導入補助金の対象となるkintone関連ツールと費用
実際にIT導入補助金を申請する際、どのような経費が補助の対象になるのでしょうか。全額が対象になるわけではないため、事前に対象範囲を正しく理解しておくことが重要です。
補助対象になる経費
IT導入補助金の対象となるのは、主に以下の費用です。
- ソフトウェア購入費・クラウド利用料: kintoneのライセンス費用(最大2年分)。プラグインや連携ツールの利用料も含む。
- 導入関連費: IT導入支援事業者による要件定義、アプリ構築・カスタマイズ費用。
- 教育・マニュアル作成費: 導入後の操作研修や、社員向けマニュアルの作成費用。
- 保守サポート費: 導入後のヘルプデスクやトラブル対応などのサポート費用(最大2年分)。
これらの費用が1つのパッケージとしてIT導入支援事業者から提供され、それが事務局に「ITツール」として事前登録されている必要があります。
補助対象外になる経費
一方で、以下のような経費は補助の対象外となるため注意が必要です。
- パソコンやタブレット、スマートフォンなどのハードウェア購入費(※インボイス枠のPC・タブレット等補助を除く)
- インターネット回線やWi-Fiルーターなどの通信インフラ整備費
- 従量課金制のサービス利用料(SMS送信費用など)
- 自社で独自にエンジニアを雇用して開発する場合の人件費
ハードウェアについては、通常枠では対象外ですが、インボイス枠を利用する場合はPCやタブレットの購入費も最大10万円(補助率1/2)まで補助される特例があります。現場での入力用にタブレットも一括手配したい場合は、インボイス枠の詳細を活用を検討しましょう。
IT導入補助金を使ったkintone導入の流れ・スケジュール
IT導入補助金は「採択されてから発注する」のが鉄則です。補助金の交付決定前に契約や支払いをしてしまうと、一切補助を受けられなくなります。ここでは、申請から導入完了までの正しいステップを解説します。
1. gBizIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言
まず最初に、行政サービスを利用するための電子認証アカウント「gBizIDプライム」を取得します。申請から発行まで1〜2週間かかることがあるため、早めの手続きが必須です。 同時に、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言します。これも申請の必須要件です。
2. IT導入支援事業者とITツールの選定
自社の課題を解決できるkintoneの構築プランを提供している「IT導入支援事業者」を探します。単にライセンスを売るだけでなく、業務分析から定着支援まで親身に対応してくれるパートナーを選ぶことが成功の鍵です。
3. 事業計画の策定と交付申請
IT導入支援事業者と相談しながら、どのようなツールを導入し、どのような業務効率化や売上向上を目指すのかという「事業計画」を策定します。計画がまとまったら、IT導入補助金の申請ポータル(マイページ)から必要な情報を入力し、交付申請を行います。申請作業の多くはIT導入支援事業者がサポートしてくれます。
4. 交付決定・ツール発注・支払い
事務局による審査が行われ、無事に「交付決定」の通知を受け取ったら、いよいよITツールの発注・契約・支払いを行います。繰り返しますが、必ず交付決定の連絡を待ってから契約手続きを進めてください。
5. kintoneの導入・アプリ構築
契約完了後、IT導入支援事業者とともにkintoneのアプリ構築やデータ移行を進めます。現場の担当者を巻き込んでテスト運用を行い、使い勝手を調整しながら本稼働を目指します。
6. 事業実績報告と補助金の受領
ツールの導入と支払いがすべて完了したら、その証憑(請求書や振り込み控えなど)を事務局に提出して「事業実績報告」を行います。報告内容が承認されると、指定した銀行口座に補助金が振り込まれます。
7. 事業実施効果報告
補助金を受け取った後も、定められた期間(通常は3年間)、導入したITツールによってどれくらい生産性が向上したか、賃上げの目標は達成できたか等を事務局に報告する義務があります。
kintoneのIT導入補助金申請における注意点・失敗を避けるコツ
補助金は必ずもらえるわけではなく、厳しい審査を通過する必要があります。kintone導入でIT導入補助金を活用する際に、失敗しないための重要なポイントを解説します。
自社の課題とkintoneの機能がリンクしているか
審査において最も重視されるのは、「そのITツールを導入することで、本当に自社の課題が解決し、生産性が向上するのか」というストーリーの整合性です。 「kintoneが便利そうだから導入したい」という曖昧な理由ではなく、「アナログな日報管理により月間40時間の無駄が発生しているため、kintoneでモバイル入力化し、残業時間を20%削減する」といった、具体的かつ数値化された目標を設定することが重要です。
IT導入支援事業者の実績と得意分野を確認する
IT導入支援事業者は全国に多数存在しますが、kintoneの構築実績が豊富かどうかは事業者によって全く異なります。申請のサポートには慣れていても、kintoneの技術的なノウハウが乏しい事業者を選んでしまうと、導入後に「自社の業務に合わない使いにくいシステム」が出来上がってしまうリスクがあります。 過去の導入事例を見せてもらい、自社と同業種・同規模の企業へのサポート実績があるか必ず確認しましょう。
賃上げ要件を満たせるか慎重に検討する
申請する枠や申請額によっては、「事業場内最低賃金の引き上げ」や「給与支給総額の増加」が必須要件となる場合があります。要件を満たせなかった場合、補助金の返還を求められる可能性があるため、経営計画と照らし合わせて実現可能な目標か慎重に検討する必要があります。無理な賃上げ計画は、後々の経営を圧迫することになりかねません。
【体験談】私が担当したkintone導入補助金の成功事例
私自身、過去にITコンサルタントとして複数の中小企業でIT導入補助金を活用したkintone導入を支援してきました。その中で特に印象に残っているのが、従業員30名規模の製造業のクライアントです。
この企業では、受注管理から製造手配、出荷までの情報がExcelと紙の伝票に分散しており、確認作業だけで毎日2時間以上のロスが発生していました。そこでIT導入補助金の通常枠を活用し、kintoneによる全社的な統合データベースを構築しました。
最大の障壁は「現場の職人さんがシステムを使ってくれるか」という点でした。そこで導入費用だけでなく、タブレットからでも簡単に入力できる専用UIプラグインや、丁寧な現場向け研修費用もすべて補助金のパッケージに含めて申請しました。
結果として、補助金により実質負担額を100万円以上削減しつつ、手厚い導入サポートを実現。稼働から半年後には事務作業の時間を40%削減することに成功しました。この事例からも分かるように、補助金を使って「ツールのライセンス」だけを買うのではなく、「確実な定着のためのサポート」ごと購入することが、kintone導入を成功させる最大の秘訣です。
また、システムを内製化したい場合や運用フェーズに入った後、クラウドソーシングを活用して優秀なフリーランスのkintoneエンジニアに継続的なメンテンスを依頼するのも有効な手段です。@SOHOのお仕事ガイドによると、システムエンジニアの仕事内容・スキル・将来性を詳しく見るため、kintoneのカスタマイズや運用保守の案件はフリーランス市場でも非常に活発に取引されています。自社で正社員エンジニアを抱える余裕がない場合でも、外部の専門人材と柔軟に連携することで、導入後のシステムを常に最新の状態に保つことができます。
よくある質問
Q. 開業したばかりの1年目ですが、IT導入補助金を申請できますか?
原則として、開業直後のタイミングでは申請が難しいのが実情です。申請には納税証明 書や直近の確定申告書の控えが必要となるため、少なくとも一度は確定申告を済ませて おり、事業の実態が公的に証明できる状態である必要があります。
Q. 申請手続きが複雑そうなので、専門家に丸投げできますか?
「丸投げ」はできませんが、手続きの大部分を「社会保険労務士(社労士)」に代行してもらうことは可能です(※厚労省管轄の助成金申請代行は、社労士の独占業務です)。 前述の通り、労務管理の適法性も審査されるため、実績のある社労士に計画の立案段階から関わってもらい、就業規則のチェックから申請書類の作成までをサポートしてもらうのが最も確実で安全な方法です。
また、人材育成とあわせてIT導入や省力化を進める場合は、他の補助金スケジュールも確認しておきましょう。
Q. 補助金は導入工事が終わった後からでも申請できますか?
原則として、事前の申請と「交付決定」が必要です。交付決定通知を受け取る前に契約・発注・支払いを行ってしまった設備は、いかなる理由があっても補助金の対象外となります。計画段階から余裕を持ったスケジュールを組むことが必須です。
Q. 複数の補助金を同時に申請できますか?
はい、可能です。ただし、「同じ機械をIT導入補助金とものづくり補助金の両方で申請する」といった重複は厳禁です。対象となる領収書が分かれていれば(例:ソフトウェアはIT補助金、サーバーはものづくり補助金)、複数の支援を同時に受けることができます。2026年は「補助金の併用戦略」が経営の腕の見せ所です。
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この記事を書いた人
久世 誠一郎
元人材コンサル・中小企業支援歴25年
大手人材会社でコンサルティング部門を率いた後、中小企業の業務改善・外注戦略の支援に転身。発注者目線でのクラウドソーシング活用術を発信しています。
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