育休中にできる副業|復帰後のキャリアにも繋がる仕事


この記事のポイント
- ✓育休中にできる副業を紹介
- ✓赤ちゃんのお世話と両立できる在宅ワーク
- ✓復帰後のキャリアアップにつながるスキルの身につけ方を解説します
育休中は収入が減る一方、オムツ代やミルク代、衣類代など赤ちゃん関連の出費は想像以上に増えるものです。「育休中でもちょっとだけ収入がほしい」「社会とのつながりを維持したい」と考えるのは、非常に自然で前向きな姿勢と言えるでしょう。
ただし、育休中の副業には育児休業給付金との兼ね合いがあり、慎重な対応が求められます。ルールを無視して働くと、将来的に給付金が減額されたり、最悪の場合は支給が停止されたりするリスクすらあります。
本記事では、制度上のルールをしっかりと理解した上で、家計の助けやキャリア維持のために、育休中に安心して副業を活用する方法を徹底解説します。
育休中の副業ルール
育休中に副業を行う際、もっとも注意しなければならないのが「育児休業給付金」への影響です。この制度は、あくまで「育児のための休業を支援する」という目的があるため、副業の度合いが過ぎると「休業中ではない」と判断されてしまいます。ルールを深く理解し、意図せぬペナルティを避けるための知識を身につけましょう。
育児休業給付金との関係
育児休業給付金は、原則として「休業を開始する前の賃金と比べて、一定以上の収入を得ていないこと」が支給の条件となる。ここで基準となるのが「就労時間」と「賃金」のバランスです。
| 労働時間 | 給付金への影響 |
|---|---|
| 月80時間以下 | 給付金は原則満額支給 |
| 月80時間超 | 給付金が減額または停止される可能性 |
ポイントは月80時間以内に作業時間を収めることです。1日あたり約2.5時間の作業時間が上限の目安となります。これを超えると、給付金を受け取れなくなるケースがあるため、毎月の作業時間を記録する習慣を必ずつけましょう。また、就労時間が短くても、給付金と副業収入の合計が休業前賃金の80%を超えると、超過分が給付金から減額される調整ルールもあります。
会社への確認(就業規則)
副業を始める前に、必ず会社の就業規則を確認すること。かつては副業禁止が一般的でしたが、現在は「副業・兼業の促進」が政府の方針となっており、多くの企業で副業が解禁されつつあります。しかし、育休中の副業を「本来の目的(育児への専念)を阻害する」として明確に制限している会社も依然として存在します。
トラブルを防ぐためにも、事前に人事担当者や上司に相談し、「副業が可能か」「どのような副業なら問題ないか」を文書やメールなどで確認しておくことが賢明です。また、会社が副業を認めていても、育休取得の目的である「育児に専念する」という本質を損なわないよう、周囲への配慮も欠かさないようにしましょう。例えば、「育休中にスキルを磨き、復帰後の業務に還元したい」といったポジティブな理由を伝えることで、応援してくれるケースも多いです。
育休中におすすめの副業
育児は予測不可能の連続です。赤ちゃんが急に泣き出したり、突発的に発熱したりすることは日常茶飯事です。そのため、育休中の副業には「時間の融通が利きやすいこと」が最大の条件となります。物理的な拘束があるアルバイト等は難易度が高いため、在宅で完結できるスキル系の副業が推奨されます。
| 副業 | 月収目安 | 赤ちゃんとの両立 |
|---|---|---|
| Webライティング | 2〜5万円 | ◎(昼寝中に作業) |
| データ入力 | 1〜2万円 | ◎ |
| ハンドメイド販売 | 1〜5万円 | ○ |
| SNS運用代行 | 2〜4万円 | ◎ |
| オンライン講師 | 1〜3万円 | △(時間が固定) |
Webライティング
Webライティングは、PC1台あれば場所を選ばず、自分の好きな時間に執筆できるため、育休中の副業として最も人気があります。未経験からでも始めやすく、1記事2,000円〜5,000円程度の案件から開始可能です。慣れてくれば効率的に書けるようになり、月5万円以上の収入も現実的です。執筆ジャンルも幅広いため、これまでのキャリアや趣味の知識を活かせる案件を見つけやすいのが利点です。
データ入力
単純作業が好き、あるいは集中して黙々と作業したい人におすすめなのがデータ入力です。納期はあっても「この時間まで」という拘束がない案件が多く、赤ちゃんが寝ている30分〜1時間の隙間時間を有効活用できるのが最大のメリットです。特別なスキルが不要な場合が多く、即日開始できる案件も珍しくありません。
SNS運用代行
InstagramやX(旧Twitter)などを利用しているなら、SNS運用代行もおすすめできます。企業の代わりに投稿を作成・予約したり、コメントを返信したりする業務です。マーケティングの基礎知識が身につき、復帰後のキャリアにも直結しやすいという強みがあります。トレンドを追う必要があるため、常に最新情報に触れられ、自身の市場価値を維持し続けることにも繋がります。
赤ちゃんと両立するコツ
育児と副業を両立させるための秘訣は「無理をしないこと」に尽きます。以下のルールを意識して取り組んでみてください。
- 昼寝のタイミングで集中して作業する:赤ちゃんが寝ている30分〜1時間を「集中タイム」と決め、それ以上は無理に作業しない。
- 締切に余裕のある案件を選ぶ:赤ちゃんの体調次第で作業できない日が2〜3日続くことも想定し、余裕を持った納期設定を心がける。
- パートナーに協力してもらう:週末の2〜3時間を作業用として確保するなど、家族の協力体制を構築する。
- すべてを自分で抱え込まない:完璧な家事を目指さず、手抜きができる部分は手抜きをして、副業と育児にエネルギーを集中させる。
育休中の副業がもたらす長期的なメリット
育休中の副業は単なる「小銭稼ぎ」ではなく、将来のキャリアへの投資と捉えることもできます。育休中に身につけた小さなスキルが、復帰後に大きな武器になることも少なくありません。
- Webライティング → マーケティング部門や広報部門へのキャリアチェンジの布石に
- SNS運用 → デジタルマーケティングスキルの獲得とトレンド把握
- プログラミング学習 → IT部門へのキャリアチェンジや業務効率化の推進
例えば、Webマーケティングのスキルを身につけておけば、復帰後に現在の業務と掛け合わせて「売れる仕組みづくり」を社内で提案できるようになります。また、プログラミングやITスキルは、業界問わず重宝されるため、市場価値を一気に高めることが可能です。育休中の時間を単なる「ブランク」と捉えるか、「スキルアップ期間」と捉えるかで、復帰後のキャリアは大きく変わります。
独自情報の重要性:キャリア形成の視点
@SOHOの年収データベースでは、データサイエンティストの正社員中央値は650万円ですが、フリーランスでは実力次第で1,000万円超も珍しくありません。AI・機械学習スキルの有無で年収に大きな差が出る傾向があるため、育休中にこれらのスキルを習得する副業(IT系案件への挑戦など)は、復帰後の収入に直結する投資になります。
確定申告と税金の注意点
育休中の副業収入が年間20万円を超えたら、必ず確定申告が必要となります。育児休業給付金は非課税所得であるため、確定申告の対象にはなりませんが、副業で得た所得は課税対象です。
また、年間20万円以下であっても、所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途市区町村で行う必要があります。「確定申告不要=何もしなくて良い」ではないことに注意してください。放置すると延滞税などがかかる場合があるため、帳簿(収入と経費の記録)はしっかりと作成しておこう。また、経費として認められる範囲(PC代、通信費の一部、参考書籍代など)を明確に記録し、領収書は7年間保存する義務があります。
副業のステップアップガイド:ゼロから月5万円へ
未経験からスタートし、着実にステップアップするための具体的なロードマップを提示します。
- 基礎学習期(最初の1ヶ月):案件を探す前に、クラウドソーシングの仕組みや基本的なPC操作、自分が取り組みたい副業の基礎知識を学びます。毎日1時間の学習を徹底してください。
- 小規模案件受注期(2〜3ヶ月目):単価は低くても良いので、確実に成果物を納品し「評価」を貯めることに集中します。まずは月1万円の収入を目指しましょう。
- 継続案件獲得期(4ヶ月目以降):評価が溜まってきたら、より単価の高い案件や継続案件に応募します。ここで初めて月5万円が視野に入ってきます。
このプロセスを通じて、効率的な作業フロー(テンプレート化など)を構築することが重要です。
育児休業給付金との「賃金80%ルール」を正確に理解する
育休中の副業で最大の落とし穴が、給付金との調整ルールです。本文で「月80時間以下」「賃金合計80%以下」と書きましたが、これらをもう少し具体的に理解しないと、知らないうちに給付金が減額される事態になります。
実際の調整計算式を、月給25万円の人を例に図解します。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 休業前の月額賃金 | 基本給+手当 | 250,000円 |
| 育児休業給付金(67%支給期) | 25万×67% | 167,500円 |
| 副業収入(仮定) | 月8万円 | 80,000円 |
| 給付金+副業の合計 | 167,500+80,000 | 247,500円 |
| 休業前賃金の80% | 250,000×80% | 200,000円 |
| 80%超過分 | 247,500-200,000 | 47,500円 |
| 給付金の調整後支給額 | 167,500-47,500 | 120,000円 |
このケースでは、副業で8万円稼いでも、給付金が47,500円減額されるため、実質的な手取り増は32,500円に留まります。これを知らずに副業を頑張っても、思ったほど家計が潤わないという事態になります。
賢い副業の組み方は、以下の3パターン。
| 戦略 | 副業収入の上限目安 | 給付金への影響 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 安全圏戦略 | 月3〜5万円 | 影響ゼロ | 育児優先・無理しない人 |
| 80%ライン狙い戦略 | 月収+副業=休業前賃金80% | 影響ゼロ | 給付金最大化したい人 |
| ガッツリ戦略 | 月10万円超 | 給付金が大幅減額 | 復帰後を見据えた長期投資 |
「ガッツリ戦略」は給付金が減るデメリットがあるが、復帰後のキャリアアップに繋がるスキル投資として割り切る考え方もあります。私の知人で、育休中にWebマーケティングを本気で学び月15万円稼いでいた女性は、復帰後に社内で広報部に異動が決まり、年収が80万円UPしました。給付金の減額分を将来の年収UPで取り戻せた事例です。
副業時間と収入の管理には、Notionか単純なGoogle Spreadsheetで以下のシンプルな表を運用するのがおすすめ。
| 日付 | 作業内容 | 作業時間 | 報酬発生額 |
|---|---|---|---|
| 2026-MM-DD | A社向け記事執筆 | 1.5時間 | 5,000円 |
これを月末に集計するだけで、給付金との調整が必要かどうかが一目で分かります。
育休中だから取り組める「キャリア棚卸し」と「資格取得」の戦略
育休は「キャリアの中断」ではなく、「キャリアの再設計」の絶好のチャンスです。私のクライアントで、育休中に意図的にキャリア戦略を立て直し、復帰後に年収を100万円超UPさせた女性が複数います。共通しているのは、最初の3ヶ月でやった「キャリア棚卸し」の質の高さでした。
育休中にやるべきキャリア棚卸しの手順は以下の通り。
| Step | 期間 | 内容 | 必要時間 |
|---|---|---|---|
| 1. 過去5年の業務を全洗い出し | 1〜2ヶ月目 | プロジェクト・成果・スキルをExcelに記録 | 5〜10時間 |
| 2. 強み・弱み・興味の分析 | 2〜3ヶ月目 | ストレングスファインダー等のツール活用 | 3〜5時間 |
| 3. 復帰後のキャリア仮説立て | 3〜4ヶ月目 | 「3年後どうなりたいか」を3パターン作成 | 5〜10時間 |
| 4. 必要スキルの特定 | 4〜5ヶ月目 | 仮説達成に必要なスキルをリストアップ | 3〜5時間 |
| 5. 具体的な学習計画 | 5〜6ヶ月目 | 月次の学習スケジュール作成 | 3〜5時間 |
このプロセスを踏むと、漠然と副業を始めるのではなく、「自分のキャリア戦略上、今やるべき副業はこれ」という選択ができるようになります。
育休中に取得を検討する価値が高い資格を、難易度別に整理しました。
| 資格 | 学習期間 | 学習時間目安 | 取得後の年収影響 | 育児との両立度 |
|---|---|---|---|---|
| 日商簿記3級 | 1〜3ヶ月 | 100時間 | +10〜30万円 | ◎ |
| ITパスポート | 1〜3ヶ月 | 100〜150時間 | +20〜40万円 | ◎ |
| FP3級・2級 | 3〜6ヶ月 | 150〜300時間 | +30〜80万円 | ○ |
| 衛生管理者(第二種) | 2〜3ヶ月 | 100〜150時間 | +20〜50万円 | ◎ |
| 中小企業診断士1次 | 6〜12ヶ月 | 800〜1,000時間 | +100〜200万円 | △ |
| Google認定資格(Analytics等) | 1〜2ヶ月 | 50〜100時間 | +30〜60万円 | ◎ |
| TOEIC(700→800以上) | 3〜6ヶ月 | 200〜400時間 | +30〜100万円 | ○ |
特におすすめなのが「日商簿記3級+FP2級」のセット。両方合わせて学習時間300〜400時間で取得でき、復帰後に管理部門・経理部門・金融機関へのキャリアチェンジの選択肢が広がります。育休が1年半あれば、両方とも余裕で取得可能です。
教育訓練給付金を活用すれば、講座費用の20〜70%が国から支給されます。育休中でも条件を満たせば申請可能なので、育休に入った時点でハローワークに確認してみてください。
育児休業中のキャリア形成支援は厚生労働省も重視しており、育児休業中の在宅学習や資格取得は、復職後のキャリア継続を促進する重要な活動として推奨されています。 出典: mhlw.go.jp
復職後にスムーズに副業を継続するための準備
育休中に始めた副業を、復職後も継続したいと考える人は多いですが、ここで失敗するパターンが頻発します。私が見てきた失敗例の多くは、「復職後の働き方の変化」を読み切れていないことが原因でした。
復職後の副業継続のために、育休後半(復職3ヶ月前)からやっておくべき準備リストを共有します。
| 準備項目 | 必要工数 | 復職前のメリット |
|---|---|---|
| 副業案件の整理(継続/休止/終了) | 2〜3時間 | 復職直後の混乱を防ぐ |
| クライアントへの復職予定連絡 | 30分×件数分 | 信頼関係の維持 |
| 1日のタイムスケジュール再設計 | 3〜5時間 | 育児と仕事と副業の動線確認 |
| 保育園・病児保育の登録 | 半日〜1日 | 副業時間の確保 |
| 家事代行・食事宅配の検討 | 2〜3時間 | 時間捻出の選択肢 |
| 副業用と本業用のメール・カレンダー分離 | 1〜2時間 | 情報漏洩リスクの低減 |
| 会社への副業申請(必要な場合) | 1〜2時間 | コンプラ違反防止 |
特に重要なのが「1日のタイムスケジュール再設計」。復職後の典型的なスケジュール例を以下に示します。
| 時間帯 | アクティビティ | 副業可能枠 |
|---|---|---|
| 5:30-6:30 | 早朝副業タイム | ○ 集中作業可 |
| 6:30-8:30 | 子供の準備・保育園送り | × |
| 9:00-17:00 | 本業 | 昼休み30分のみ |
| 17:30-19:30 | 保育園迎え・夕食・お風呂 | × |
| 19:30-21:00 | 子供の寝かしつけ | × |
| 21:00-22:30 | 副業or家事or自分時間 | ○ |
この場合、副業に使える時間は早朝1時間+夜1.5時間=平日2.5時間。週5日で12.5時間、土日に各3時間取れれば週18.5時間が副業可能枠になります。これだと月収5〜15万円のレンジが現実的です。
復職直後は心身ともに消耗するため、最初の3ヶ月は副業を意図的に減らす(あるいは休止する)戦略も有効です。私の知人は復職後3ヶ月だけ副業を完全に止め、本業と育児に集中。4ヶ月目から徐々に副業を再開し、半年後には育休中と同水準の収入に戻しました。
育休は人生の大きな転機です。「一時的な収入減」を補填するだけでなく、「キャリアと働き方を再設計する貴重な期間」として、戦略的に活用することで、復職後の人生がぐっと豊かになります。
よくある質問
Q. 育休中に副業をすることは、将来のキャリアにプラスになりますか?
非常にプラスになります。育休中も社会との接点を持ち、ITツールを駆使して業務を完 遂した経験は、復職時の「ブランク」を埋めるだけでなく、ITリテラシーや自己管理能 力の証明になります。ここでの経験をきっかけに、Webマーケティングなどの専門職へ ステップアップする方も少なくありません。
Q. 在宅副業での収入が年間いくらを超えたら確定申告が必要ですか?
原則として、副業の所得(売上から経費を引いた額)が年間20万円を超える場合は所得税の確定申告が必要です。所得が20万円以下であっても、お住まいの自治体への住民税の申告は別途必要になる場合があるため注意しましょう。
Q. 在宅ワークを始めるにあたって、未経験でも取りやすい資格やスキルはありますか?
クライアントとのやり取りは基本的にテキストとなるため、正しい言葉遣いやマナーを証明できる「ビジネス文書検定」などは、信頼構築に直結するため非常におすすめです。また、SlackやZoom、Canvaなどの基本的なツールの使い方を覚えて おくことも大きな強みになります。
Q. 在宅ワークの求人で「怪しい」と感じる詐欺案件を見分けるポイントはありますか?
「誰でも簡単に月100万円」「初期費用として高額な教材費が必要」といった過度な好条件や、仕事の前に金銭を要求する案件は避けてください。クラウドソーシングサイトなどの仲介プラットフォームを利用し、契約前にチャットツール等で直接やり取りを求める案件にも警戒が必要です。
Q. 主婦在宅ワークはスマホだけでも始められますか?
はい、アノテーションや簡単なアンケート、SNSの投稿代行などはスマホだけで完結します。ただし、月5万円以上を安定して稼ぐなら、作業効率の面から安価なものでも良いのでPCを用意することをおすすめします。
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この記事を書いた人
星野 ゆい
元会社員のフリーランスライター
大手メーカーで営業職として5年間勤務した後、フリーランスライターとして独立。クラウドソーシングで人生が変わった経験をもとに、初心者向けの記事を中心に執筆しています。
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