海外案件で役立つ英語スキル証明の資格2026|TOEIC以外も含めた選び方


この記事のポイント
- ✓海外案件を受注したいフリーランスに向け
- ✓英語スキル証明に使える資格を2026年版で徹底解説
- ✓TOEIC・IELTS・TOEFL・英検など主要資格の特徴
先日、あるWebデザイナーさんから相談を受けました。「海外クライアントから案件のオファーが来たのに、英語力を証明するものが何もなくて断ってしまった」というんです。資格がなければ英語力を示せないかというと、そうではありません。でも現実として、英語スキルを客観的に証明できる資格を持っているかどうかで、海外案件の受注率は大きく変わります。
この記事では、海外案件を受注したいフリーランスが「英語スキル証明」として活用できる資格を網羅的に解説します。TOEIC一択ではなく、目的別・ビジネス場面別に最適な資格を選ぶことが重要です。これを読み終えるころには、自分に合った資格の方向性がはっきり見えているはずです。
フリーランスが英語資格を求められる理由
フリーランスが海外案件に挑戦しようとするとき、最初の壁となるのがクライアントからの「英語力の証明」です。採用担当や発注者の立場から見ると、会ったこともない相手に業務を任せる以上、客観的な指標は必須です。
海外案件市場の現状
フリーランス向けの海外案件プラットフォームが拡大する中、英語を介した業務委託は年々増加しています。翻訳・通訳にとどまらず、WebデザインやITエンジニアリング、コンテンツライティング、マーケティング支援など、技術職でも英語でのやり取りが前提となる案件が増えています。
クラウドソーシング大手のUpworkやFiverr、Toptalでは、プロフィールに英語力スコアを登録する仕組みがあり、資格スコアが高いほど案件のマッチング精度が上がると言われています。国内の在宅ワーク求人サイトでも「英語上級者歓迎」「TOEIC 700点以上」を条件にした案件が増加傾向にあります。
英語資格が必要になる具体的なシーン
海外案件で英語資格が重視される場面は複数あります。
まず、案件応募時のスクリーニングです。多くのクライアント企業はポートフォリオと合わせて英語力のスコア提出を求めます。特にBtoBの継続案件では、書類選考の時点でTOEICスコアまたは同等の指標を求めるケースが多い。
次に、レート交渉の根拠として使えます。英語資格を持つフリーランスは、持たないフリーランスと比べて単価交渉のカードを1枚多く持っていると言えます。「IELTS 7.0を持っています」という一言が、クライアントからの信頼獲得に直結します。
そして、継続的な取引関係の構築でも資格は効いてきます。取引初期に「英語力に問題ない」という実績を客観的に示すことで、リピート受注につながりやすくなります。
英語スキル証明に使える資格の全体像
英語資格は大きく「国内外で評価されるスコア型」と「資格証書型」に分かれます。海外案件を目指すなら、国際的に通用する資格を選ぶことが前提です。
資格をベースにした英語学習は自分のレベルが把握がしやすいです。
日本人が英語を習得するためには2,200時間の学習時間が必要と言われ、多くの人が想像しているよりも長い時間がかかります。だからこそ、途中で挫折してしまう人も少なくありません。実際に、IELTSの受験をしたことで、数字で自分のスコアが見えて自信につながりました。ゴールが見えないままただ英語学習をするよりも、数字でスコアが見える英語資格は学習を続けるうえでモチベーションにもなります。
これはまさに本質を突いた指摘です。資格取得は「試験合格」が目的ではなく、英語力を可視化し、業務でも自信を持って発揮するための手段です。
国内外で通用する主要な英語資格の分類
海外案件向けに使える英語資格を機能別に分類すると、次のように整理できます。
スコア型(継続更新) ・TOEIC Listening & Reading Test ・TOEIC Speaking & Writing Tests ・TOEFL iBT ・IELTS(Academic / General Training)
認定型(取得後有効期限なし、または長期間有効) ・実用英語技能検定(英検) ・Cambridge English Qualifications ・国連英検 ・VERSANT(自動音声評価)
職業特化型 ・CELTA(英語教授法) ・通訳案内士(全国通訳案内士) ・翻訳技能認定(JTA公認翻訳士 等)
フリーランスとして海外案件を受注するなら、汎用性の高いスコア型(TOEIC / IELTS / TOEFL)を最低1つ取得した上で、専門領域に応じた職業特化型資格を組み合わせるのが現実的な戦略です。
TOEICの特徴と海外案件での使われ方
TOEICはおそらく最も認知度が高い英語資格です。ただし、海外案件での文脈では「TOEIC = 万能」ではないことを知っておく必要があります。
TOEIC L&Rと国際的な評価
TOEIC Listening & Reading(L&R)テストは、990点満点のスコア型試験で、主にビジネスシーンでのリスニングと読解力を測ります。日本・韓国・台湾などアジア圏での知名度は非常に高く、外資系企業や英語使用企業の採用基準としても広く使われています。
しかし、欧米のクライアントに対して「TOEIC 850点」と伝えても、TOEICという試験自体を知らないケースがあります。欧米では後述するIELTSやTOEFLのほうが認知されており、海外クライアントへのアピール力という点では、TOEICはアジア圏限定という側面があります。
TOEIC Speaking & Writing の重要性
日本のフリーランス市場でも、会話・作文能力の証明として「TOEIC Speaking & Writing Tests」を求める案件が増えてきています。
L&Rが読む・聴くの受動スキルを評価するのに対して、S&Wは話す・書くの能動スキルを評価します。メールやチャットでやり取りする海外案件であれば、Writingスコアは直接的な説得力を持ちます。TOEIC Writing スコア 160〜180(200点満点)が取れると、ビジネス文書の作成能力として評価されやすくなります。
海外案件でのTOEIC活用法
国内企業経由の海外案件(翻訳発注、英文コンテンツ作成、SEO、サポート業務等)では、TOEICスコアが応募条件として設定されていることがよくあります。在宅ワーク求人サイトで「英語案件」を探す際、TOEIC 700点以上が応募要件の目安として使われるケースが多いです。
家庭教師・受験・資格サポートのお仕事のような英語指導案件では、英語力の証明として資格スコアが必須要件となっていることが多く、特にTOEIC 800点以上または英検準1級以上が求められるケースが見られます。
IELTSの特徴と海外案件での優位性
IELTSはInternational English Language Testing Systemの略で、英国・オーストラリア・カナダ・ニュージーランドなど英連邦諸国を中心に、世界140か国以上で認められている英語資格です。
IELTSの評価方式と特徴
IELTSはバンドスコアと呼ばれる0〜9の評価で英語力を示します。Reading・Writing・Listening・Speaking の4技能をすべて評価し、スコアは1年間(一部機関では2年間)有効です。
「Academic」(大学進学・研究職向け)と「General Training」(就職・移住向け)の2タイプがあり、フリーランスの海外案件応募には一般にGeneral Trainingで十分ですが、学術系のコンテンツ制作や教育系案件ではAcademicが求められることもあります。
海外クライアントへのアピール力
欧米のクライアントにとって、IELTSは最も認知されている英語資格の一つです。特にUK・オーストラリア・カナダ拠点のクライアントとの取引では、IELTS総合スコア6.5以上が一つの目安として機能します。
私が相談を受けた中で印象的だったのは、オーストラリアのWebマーケティング会社から外注を受けていたライターさんの話でした。当初は英語力の証明に悩んでいたそうですが、IELTS General Trainingを受験してバンド7.0を取得したことで、クライアントとの信頼関係が一気に深まったといいます。「スコアを提示した瞬間に、契約書の文面がより友好的になった」という印象的な言葉が残っています。これ、知らない人が本当に多いんです。資格のスコアが「契約交渉のカード」になるという感覚。
IELTSのWriting対策が海外案件に直結する
IELTSのWritingセクションは、Task 1(グラフ・図表の説明)とTask 2(エッセイ)で構成されます。これを勉強する過程で、論理的な英文ライティング能力が自然と身につきます。海外クライアントへの提案書、メール、報告書を書く実務でそのスキルがそのまま使えます。
勉強と実務が直結しているという点で、IELTSはフリーランスの英語資格として非常にコスパが高い選択肢です。
TOEFLの特徴と使いどころ
TOEFLはTest of English as a Foreign Languageの略で、主に米国を中心とした英語圏の大学・大学院への留学に使われる資格です。フリーランスが海外案件で活用するケースは、米国のクライアントとの取引や、米国企業のリモートポジション応募に限られます。
TOEFLとIELTSの使い分け
米国・カナダの大学院研究職や、北米の教育機関向けコンテンツ制作など、北米市場を中心に活動するなら、IELTSよりTOEFLが有利な場面があります。一方で、それ以外の英語圏(英国・豪州・アジア)向けの案件ではIELTSのほうが認知度が高いです。
TOEFLはインターネットベースのiBT形式で、0〜120点のスコアで評価します。ビジネス場面では「TOEFL iBT 80点以上」が一つの目安と言われますが、フリーランスの実務においては、IELTSかTOEFLのどちらかを選ぶなら市場の認知度と取引先の国を考慮すべきです。
TOEFLが有利なケース
・北米拠点のITスタートアップからの外注案件 ・米国の教育機関向けコンテンツ執筆 ・北米のEラーニングプラットフォームのコンテンツ制作 ・米国のデジタルマーケティング会社との取引
このような場面では、TOEFLスコアをプロフィールに掲載することで、他の応募者との差別化になります。
英検(実用英語技能検定)の位置づけ
英検は国内では非常に知名度が高いですが、海外案件での直接的な証明力は限定的です。ただし、国内企業経由の英語案件や、英語教育・指導系の案件では英検が有力な資格として機能します。
英検準1級・1級の評価
英検準1級は、TOEIC L&R換算でおおよそ730〜865点相当と言われており、ビジネス英語の基礎力を示す資格として評価されます。英検1級はTOEIC 905点以上相当とされており、取得者は高度な英語運用能力の持ち主として認められます。
国内の英語教育・指導系の副業では、英検2級以上または準1級以上が求められることが多く、家庭教師・受験・資格サポートのお仕事のカテゴリでは特に英検の評価が重視される傾向があります。
英検とTOEICを組み合わせる戦略
国内案件と海外案件の両方を視野に入れるなら、「英検準1級 + TOEIC L&R 800点以上」の組み合わせは強力な証明ポートフォリオになります。英検は「読む・書く・聞く・話す」の4技能を測れる資格として2016年以降改訂されており、スピーキングテストも含まれています。
Cambridge English Qualificationsとは
Cambridge English Qualificationsは英国ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge Assessment English)が運営する英語資格群で、世界130か国以上、20,000以上の機関で認定されています。IELTSが試験後スコアを更新し続けるのに対して、Cambridge Englishの資格は取得後に有効期限がない(生涯有効)という大きな特徴があります。
主なCambridge English資格
B2 First(FCE): 上級レベルの入口。CEFRのB2レベルに相当。日常ビジネスコミュニケーションに対応できることを証明します。
C1 Advanced(CAE): ビジネス・学術の高度英語力を証明。CEFR C1レベル。欧州企業からの案件獲得に特に有効で、コンサルティング・法律・金融等の専門分野での評価が高い。
C2 Proficiency(CPE): 最高レベル。ネイティブスピーカーと同等の英語力を証明する最高峰の資格。
欧州やUKのクライアントとの長期取引を考えているフリーランスには、C1 Advancedの取得は長期投資として価値があります。有効期限がないため、一度取得すれば永続的に証明書として使えます。
BECとビジネス特化型資格
BEC(Business English Certificate)はCambridge Englishのビジネス特化版で、ビジネスシーンに特化した英語力を証明します。Preliminary・Vantage・Higherの3レベルがあり、とりわけVantage(CEFRのB2相当)はビジネス英語証明として国際的な評価が高いです。
翻訳・通訳専門の資格
翻訳や通訳を専業または副業で行うフリーランスには、より専門性の高い資格が求められます。英語の一般的なスコア資格に加えて、専門資格の取得がキャリアの差別化に直結します。
全国通訳案内士
全国通訳案内士は観光庁が管轄する国家資格で、外国人観光客への通訳案内(ガイドツアー)を有償で行う唯一の国家資格です。英語の通訳案内士として活動するには、英語・日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務の試験に合格する必要があります。
試験の難易度は高く、合格率は例年10〜15%前後です。ただし、合格者は国家資格保有者として高い信頼性を持つため、インバウンド需要の拡大と共に需要が増しています。
JTA公認翻訳士・翻訳技能検定
翻訳の資格として国内で知られているのが、一般社団法人日本翻訳協会(JTA)の翻訳技能検定です。ただし、翻訳業界では資格よりも「実績・ポートフォリオ」が重視される傾向があり、資格は補完的な役割です。
著述家,記者,編集者の年収・単価相場でも確認できる通り、翻訳・ライティング系の仕事は専門性と実績の積み重ねが単価に直結します。英語翻訳の案件では、翻訳の品質と納期対応の信頼性がリピートにつながります。
CELTAとTESOL:英語教授の専門資格
英語を「教える」側で収益を得ようとするフリーランスには、CELTA(Certificate in Teaching English to Speakers of Other Languages)やTESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)学位が有効です。
CELTAとは
CELTAはCambridge Englishが認定する英語教授法の資格で、世界70か国以上の機関で取得できます。理論学習と実際の授業実践を組み合わせたプログラムで、取得後は世界中の英語学校での就職や、オンライン英語指導のフリーランス活動に活かせます。
海外クライアント向けに「英語の家庭教師・オンライン指導」を副業として行いたいフリーランスには、CELTAは非常に強力な証明資格です。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のようなテクノロジー分野でも、英語でのトレーニング・指導案件にCELTAが評価されるケースがあります。
TESOLとの違い
TESOLは学位プログラム(大学院レベルが多い)として提供されることが多く、CELTAよりも長期間・深い専門性を持ちます。英語教育のキャリアを長期的に構築する場合はTESOL学位、まずは現場レベルでの指導を始めたい場合はCELTAが現実的な選択です。
資格の選び方:目的別ガイド
これだけ資格があると「どれを選べばいいか」で悩む人が多いです。これ、知らない人が本当に多いんですが、目的を決めてから資格を選ぶのが正しい順序です。
目的別おすすめ資格
海外のITクライアントから開発・デザイン案件を受けたい → TOEIC L&R 750点以上 + TOEIC S&W(Writingスコア重視)
英語でのメールやSlackコミュニケーション、仕様書の読解が主な用途。L&RとWritingスコアの提示が最も説得力を持ちます。
英連邦(英国・豪州・加)のクライアントと取引したい → IELTS General Training バンド6.5以上
英連邦諸国のクライアントにはIELTSが最も通じます。バンド7.0取得で更に信頼度が上がります。
米国クライアントとのリモート案件を目指す → TOEFL iBT 80点以上、または IELTS 6.5以上
米国はIELTSもTOEFLも認知されています。すでに英語圏向けの案件を持っているなら、IELTSを先に取得するほうが汎用性が高いです。
英語を教える・指導する案件を受けたい → CELTA + 英検準1級以上
指導スキルと英語スキルの両面を証明できる組み合わせです。
欧州・英国クライアントと長期取引を目指す → Cambridge English C1 Advanced(CAE)
有効期限なし・国際認知度高・ビジネス英語証明として強力。
翻訳・通訳を専業にしたい → 全国通訳案内士(通訳)またはJTA翻訳技能検定 + TOEIC S&W
資格取得の優先順位
まだどの資格も持っていないフリーランスが、最初の一歩として取り組む順番を示すと次のようになります。
- TOEIC L&R(まず現状の英語力を数値化する)
- 目標スコア到達後、TOEIC S&Wまたは IELTSへ移行
- 専門領域に応じて職業特化資格を追加
資格を取ったらクラウドソーシングで副業開始!登録から初案件獲得までにもある通り、資格取得→案件登録→実績構築というフローは、英語案件でも同様です。まず証明できる資格を1つ持ち、実績を積み上げながら次のステップへ進む。この順序が最も現実的です。
資格取得のための学習方法と失敗しないポイント
英語資格の勉強で挫折する人の多くは、学習方法の選び方で躓いています。私が相談を受けてきた中でよく見るパターンを紹介します。
失敗パターン1:参考書だけに頼る
参考書は知識のインプットには有効ですが、特にSpeakingとWritingは実践なしには伸びません。IELTSやTOEFL S&Wを目指すなら、英語での発話・作文練習を週に3〜5回は組み込むべきです。
オンライン英会話(DMM英会話・Cambly等)で、目標資格の模擬試験形式のトレーニングをしてくれる講師を選ぶと効率が上がります。
失敗パターン2:目標スコアを高く設定しすぎる
「海外案件を受けるならIELTS 8.0は必要だろう」と考えて学習を始め、遠い目標に挫折するケースが非常に多いです。
実態として、フリーランスの海外案件でIELTS 8.0以上を求めるケースはまれです。バンド6.5〜7.0でも多くの案件に応募できます。まず現実的なターゲットを設定し、達成後にレベルアップを目指す方が継続しやすい。
失敗パターン3:一つの資格に絞りすぎる
TOEICだけに注力して他の資格を視野に入れないと、欧米クライアント向けの案件で通用しない英語証明しか持てなくなります。
長期的には複数の資格をポートフォリオとして揃えることが理想ですが、まずは1つを完成させてから次へ進む戦略が有効です。
成功するための学習スケジュール例
目標: IELTS General Training バンド6.5(現在英語中級者の場合)
- 1〜2ヶ月目: 基礎文法・語彙強化(1日1〜2時間)
- 3〜4ヶ月目: 4技能別の対策(Reading・Listening・Writing・Speaking各セクションの過去問演習)
- 5〜6ヶ月目: 模擬試験を3〜5回実施、弱点セクションを重点強化
- 受験→結果次第でリトライまたは案件応募開始
総学習時間の目安は200〜300時間程度(個人差あり)です。フルタイムで働きながら取り組む場合、6ヶ月〜1年が現実的な期間です。
1ヶ月で取れる副業に役立つ資格8選|短期集中で即戦力になるで紹介されているような短期取得が難しいのが英語系資格の特徴ですが、取得後のリターン(単価・受注率向上)は長期的に続くため、継続投資の価値があります。
英語資格とフリーランス収入の関係
資格を取得することで実際にどの程度、案件単価や受注率が変わるのか。これは多くのフリーランスが気にする点です。客観的なデータを元に整理します。
英語力×専門スキルが単価に与える影響
在宅ワーク求人市場のデータを見ると、英語対応可能なフリーランスの案件単価は、日本語のみ対応と比べて高くなる傾向があります。具体的には、英語対応のITエンジニアや翻訳者のフリーランス単価は、日本語のみ対応者と比較して20〜40%程度高くなるケースが報告されています。
ソフトウェア作成者の年収・単価相場のデータからも、英語スキルの有無が単価の上限に影響を与えることが示唆されています。特に英語でのコミュニケーションが可能なソフトウェア開発者は、国内市場よりも単価が高い海外案件へのアクセスが増えます。
資格スコアと信頼獲得のメカニズム
資格スコアが単価に直接影響するというよりは、「信頼獲得→継続取引→単価交渉→単価向上」というプロセスを通じて、中長期的な収入向上につながります。
初回の案件応募時に英語資格スコアを提示することで、スクリーニング通過率が上がり、試用期間後に本格契約に移行しやすくなります。これは結果的に「低単価の単発案件」から「高単価の継続案件」へのシフトを加速させます。
AIと英語スキルの組み合わせ
近年、AIツールを活用した英語コンテンツ制作や翻訳補助が普及していますが、これが「英語資格は不要」という話にはなりません。AIの出力をレビューし、ニュアンスや文化的文脈を判断できる人間の英語力は依然として重要です。
AI・マーケティング・セキュリティのお仕事の分野では、AIツールを英語で操作・指示できるスキルが求められる案件が増えています。英語資格 + AI活用スキルの組み合わせは、フリーランス市場での差別化ポイントとして2026年以降さらに重要性を増しています。
Googleアナリティクス認定資格やE資格(JDLA ディープラーニング エンジニア)のようなデジタル・AI系の資格と英語資格を組み合わせることで、英語対応可能なAIマーケティング・データ分析の専門家として差別化できます。これらの分野は国際案件の需要が高く、複数スキルの掛け合わせで単価レンジが大きく広がります。
英語スキル証明をプロフィールに活かす方法
資格を取得したら、その証明をどう活かすかが次のステップです。
フリーランスプロフィールへの記載方法
クラウドソーシングサービスや業務委託マッチングサービスのプロフィールでは、資格スコアを単に「TOEIC 800点」と書くだけでなく、「どの業務で英語力を活かせるか」を具体的に記載することが重要です。
例えば「TOEIC L&R 840点・TOEIC Writing 160点。英語でのクライアントメール対応・仕様書読解・レポート作成が可能」という形で、スコアと具体的な業務の関連を示すと、クライアントがイメージしやすくなります。
実務実績との組み合わせ
資格は証明の「入口」です。実際に英語で業務を行った実績(英文サンプル・メールのやり取り・成果物)があれば、資格と合わせてポートフォリオに含めることで信頼性が大幅に向上します。
最初は資格スコアだけで応募し、案件完了後に実績を追加していく。このサイクルを繰り返すことで、プロフィールの説得力が継続的に高まります。
英語力の継続的な維持
資格によっては有効期限(TOEICは2年、IELTSは2年)があるため、定期的な更新受験も必要です。更新受験のタイミングで現在の英語力を再確認し、スコアが落ちていれば学習を再強化する機会にもなります。
Cambridge English(CAEなど)は有効期限がないため、一度取得すれば追加コストなく証明書として使い続けられる点で経済的です。
FP資格 始め方ガイド:未経験から賢く学ぶ!最短合格への道でも触れられているように、資格学習の習慣化は英語に限らずフリーランスのキャリアを支える基盤になります。継続的なスキルアップが、海外案件での長期的な競争力を維持するための最も確実な方法です。
独自データから見る英語案件の現在地
在宅ワーク求人サイトで英語対応案件を見ていると、いくつかの特徴的なパターンが見えてきます。
まず、英語案件の需要は翻訳・通訳にとどまらず、IT・デザイン・マーケティング・教育など多岐にわたっています。特に近年は「英語でのビデオ会議に参加できるWebデザイナー」「英語仕様書が読めるエンジニア」といった、専門スキル+英語コミュニケーション能力を求める案件が増えています。
英語の資格スコアとして最も求人で見かけるのはTOEICですが、「IELTS歓迎」「Cambridge English CAE以上」を記載する案件も増えてきており、応募者側が複数の資格を持っていると有利に働く傾向があります。
また、英語力を証明する資格を持つフリーランスは、案件の単価交渉において「英語対応費」として上乗せを求めやすくなっています。通常の案件単価に対して英語対応で15〜30%のプレミアムを請求しているフリーランスもいます。これは資格が「交渉カード」として機能する具体例です。
法律の観点から一点付け加えると、海外クライアントとの業務委託契約は言語の問題だけでなく、準拠法と紛争解決手続きの定め方が重要です。英語の契約書に「Governing Law: Laws of [State], USA」と書いてあれば、紛争時には米国法が適用される可能性があります。※このような場合は、国際取引に詳しい弁護士または行政書士に相談することをおすすめします。英語スキルを磨くと同時に、海外取引の法務基礎知識も並行して学んでおくことが、フリーランスとして長く海外案件と向き合うための土台になります。法律はあなたの味方です。
公的機関・関連参考情報
本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。
よくある質問
Q. 海外案件を受けるなら最低どの英語資格を取ればいいですか?
TOEICはアジア圏向けに有効ですが、欧米クライアント向けにはIELTSが最も汎用性が高くおすすめです。最低限としてはIELTS General Trainingバンド6.5以上、またはTOEIC L&R700点以上が案件応募の目安となります。まずTOEICで現在地を把握し、次にIELTSへ移行する方法が現実的です。
Q. TOEIC何点から海外案件に応募できますか?
国内企業経由の英語案件では700点以上、英語でのビジネスメール対応が必要な案件では800点以上が一般的な目安です。IELTSではバンド6.5以上が英連邦クライアントへの応募基準として機能します。スコアだけでなく、実際の英文サンプルをポートフォリオに添付することで、スコアが基準を下回る場合でも通過できるケースがあります。
Q. 英語資格なしで海外案件に応募することはできますか?
資格なしでの応募は可能ですが、書類選考の通過率が大幅に下がります。特に初回取引では英語力の客観的証明がないと、クライアントが採用リスクを感じてしまいます。代替手段として英語の成果物サンプル(英文ライティング例・英語版ポートフォリオ)を用意する方法もありますが、長期的には資格を取得した上で案件応募するほうが受注効率が上がります。
Q. 英語資格取得にはどのくらいの費用がかかりますか?
TOEIC L&Rは受験料が7,810円(税込)、IELTSは25,380円(税込)程度です。Cambridge English CAEは3〜4万円程度と費用は高めですが有効期限がありません。学習費用を含めると資格取得まで数万〜十数万円かかることもありますが、取得後に単価交渉で月1〜2万円アップできれば、数ヶ月で回収できる投資です。
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この記事を書いた人
長谷川 奈津
行政書士・元企業法務
企業法務で年間200件以上のフリーランス契約を処理した経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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