バックオフィス業務の外注完全ガイド|経理・人事・総務【2026年版】


この記事のポイント
- ✓バックオフィス業務(経理・人事・総務)の外注費用相場と依頼範囲を徹底解説
- ✓採用事務の料金目安から
- ✓失敗しない進め方まで紹介します
「経理も人事も総務も、全部社長の私がやっている」。中小企業の経営者なら、この状況に心当たりがあるのではないでしょうか。
バックオフィス業務は、会社の運営に不可欠でありながら、直接売上を生まない業務です。しかし、ミスが許されない。給与計算を間違えれば従業員の信頼を失い、経理を疎かにすれば税務リスクが高まる。だからこそ、コア業務に集中するために、バックオフィスを外注するという選択肢が注目されています。
私が経営コンサルタントとして25年以上支援してきた中小企業の多くが、バックオフィスの外注で経営効率を大きく改善しています。特にコロナ以降、リモートワークの普及でオンラインでの業務委託が当たり前になり、外注のハードルは格段に下がりました。
この記事では、バックオフィス業務の外注費用相場を業務別に整理し、失敗しない外注の進め方をお伝えします。
業務別の外注費用相場
経理業務
| 業務内容 | 月額費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 記帳代行(月100仕訳まで) | 1〜3万円 | 仕訳数に応じて変動 |
| 記帳代行(月300仕訳まで) | 3〜5万円 | 中規模企業向け |
| 経費精算代行 | 2〜5万円 | 件数による |
| 請求書発行・管理 | 2〜5万円 | 取引先数による |
| 売掛金・買掛金管理 | 3〜8万円 | 規模による |
| 月次決算代行 | 5〜15万円 | 試算表の作成含む |
| 年末調整 | 1〜3万円/人 | 年1回のスポット |
| 確定申告サポート | 3〜10万円 | 個人事業主向け |
経理の外注は、記帳代行から始めるのが定石です。私がコンサルしているIT企業(従業員15名)では、月300仕訳の記帳代行を月4万円で外注しています。社長が毎月10時間かけていた作業がゼロになり、その時間を営業に充てたところ、月の売上が30万円増えました。月4万円の外注費で月30万円のリターン。これが外注の本質です。
経理業務の具体的な作業内容や、外注時に求められるスキルレベルを確認したい場合は、お仕事ガイドが役立ちます。記帳代行から決算補助まで、専門家が教える実務のポイントがまとめられています。 経理・記帳代行のお仕事ガイド
給与計算
| 業務内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 基本給与計算 | 1,000〜2,000円/人・月 |
| 社会保険手続き込み | 2,000〜4,000円/人・月 |
| 年末調整込み | 3,000〜5,000円/人(年1回追加) |
従業員10名の会社なら、月1〜2万円で給与計算を外注できます。計算ミスによるトラブルがなくなるだけでも、その価値はあります。
バックオフィス人材の採用や外注を検討する際、コストの目安として市場の年収相場を知ることは欠かせません。年収データベースでは、事務や人事など職種別の平均年収や推移をデータで確認できます。
人事・採用業務
| 業務内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 求人原稿の作成 | 1〜5万円/本 |
| 応募者対応・面接日程調整 | 3〜10万円/月 |
| 採用代行(RPO) | 15〜50万円/月 |
| 入退社手続き代行 | 5,000〜1万円/人 |
| 就業規則の作成・更新 | 10〜30万円(スポット) |
採用業務は、応募者対応だけでも外注する価値が大きい。応募者へのメール返信、面接日程の調整、合否連絡。これらは定型的な作業ですが、対応が遅いと優秀な候補者を逃します。
総務業務
| 業務内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 郵便物・書類管理 | 2〜5万円/月 |
| 契約書管理 | 3〜8万円/月 |
| 備品管理・発注 | 2〜5万円/月 |
| 議事録作成 | 5,000〜1万円/回 |
| オフィス環境整備 | 3〜10万円/月 |
秘書業務(オンラインアシスタント)
| 業務内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| スケジュール管理 | 5〜15万円/月 |
| メール対応 | 含まれる場合が多い |
| 出張手配 | 含まれる場合が多い |
| 資料作成 | 時間単価制の場合あり |
オンラインアシスタント(オンライン秘書)は、月額5〜15万円で「なんでも屋」的に使えるため、小規模企業に人気があります。
依頼先の選び方
BPO(業務プロセスアウトソーシング)会社
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 月10〜50万円 |
| メリット | チーム体制で安定運用。マニュアル化・標準化が得意 |
| デメリット | 最低契約期間がある。柔軟性がやや低い |
| 向いている企業 | 従業員20名以上の成長企業 |
税理士・社労士事務所
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 月2〜15万円(顧問料込み) |
| メリット | 専門知識が確実. 税務・労務のアドバイスも受けられる |
| デメリット | 業務範囲が限定的. 繁忙期は対応が遅れることも |
| 向いている企業 | 経理・労務に特化して外注したい企業 |
フリーランス(個人の経理・事務代行)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 月3〜15万円 |
| メリット | コストが安い. 柔軟に対応してくれる |
| デメリット | 個人のスキルに依存. バックアップ体制がない |
| 向いている企業 | 従業員10名以下の小規模企業 |
私がよくお勧めしているのは、「税理士事務所+フリーランスの経理代行」の組み合わせです。月次の記帳や経費精算はフリーランスに任せ、決算や税務申告は税理士に依頼する。こうすることで、コストを抑えつつ専門性も確保できます。
あるクライアント(従業員8名のWeb制作会社)では、この組み合わせで月額7万円(フリーランス3万円+税理士顧問料4万円)に収まっています。以前は経理の正社員を1名雇っていて月給25万円+社会保険料。年間で200万円以上のコスト削減になりました。
フリーランスの税金事情を見ても、月80万円の売上で所得税が約17万円。経理や税務の知識がないまま自己流で処理していると、必要以上に税金を払ってしまうリスクがあります。バックオフィスの外注は「コスト」ではなく「投資」です。
バックオフィス外注を成功させる5つのステップ
- 現状の業務を棚卸しする
- 外注する業務を選定する
- マニュアルを作る
- 小さく始める
- 定期的にレビューする
ステップ1:現状の業務を棚卸しする
まず、社内のバックオフィス業務を全て書き出します。「誰が」「何を」「月にどのくらいの時間」やっているかを明確にしてください。
ステップ2:外注する業務を選定する
すべてを外注する必要はありません。以下の基準で判断します。
| 外注に向く業務 | 社内に残すべき業務 |
|---|---|
| 定型的な処理(記帳、給与計算) | 経営判断に関わる業務 |
| 専門知識が必要な業務(税務、社保手続き) | 社内コミュニケーションが必要な業務 |
| 繁閑差が大きい業務(年末調整、決算) | 機密性が極めて高い業務 |
ステップ3:マニュアルを作る
外注先にスムーズに業務を引き継ぐためには、マニュアルが不可欠です。完璧である必要はなく、「今やっている手順を書き出す」レベルで十分。
ステップ4:小さく始める
いきなり全業務を外注するのではなく、まずは1つの業務から始めるのが鉄則です。記帳代行だけ、給与計算だけ、など。1ヶ月やってみて問題なければ範囲を広げる。
ステップ5:定期的にレビューする
月1回は外注先との振り返りミーティングを設けてください。「処理が遅れていないか」「ミスはないか」「改善点はないか」を確認する場を持つことで、品質を維持できます。
バックオフィス外注の成功事例
事例1:EC運営会社(従業員5名)
課題:社長が経理・総務・カスタマーサポートを兼任。本来注力すべき商品開発の時間が取れなかった。
外注内容:記帳代行(月3万円)+カスタマーサポート(月8万円)
結果:社長の業務時間が月40時間削減。空いた時間で新商品を3つ開発し、年間売上が1.5倍に。外注費用は月11万円だが、売上増で十分にペイしている。
事例2:コンサルティング会社(従業員12名)
課題:経理担当者が退職。後任の採用が難航し、社長が代わりに経理業務を行っていた。
外注内容:フリーランスの経理代行(月5万円)+税理士顧問(月4万円)
結果:正社員を雇い直すと月給25万円+社保で約35万円のコスト。外注なら月9万円。年間で約300万円のコスト削減。品質も安定し、月次決算が毎月5日以内に完了するようになった。
これらの事例に共通するのは、「人を雇う」以外の選択肢を持つことの重要性です。特に10名以下の会社では、正社員を雇うよりも外注のほうがコスト・品質の両面で合理的なケースが多いのです。
まとめ
バックオフィス業務の外注費用は、業務内容と規模によって変わります。
- 記帳代行:月1〜5万円
- 給与計算:1,000〜2,000円/人・月
- 採用事務:月3〜10万円
- オンラインアシスタント:月5〜15万円
- 税理士顧問:月2〜10万円
大切なのは、「何でも自分でやる」をやめることです。経営者の時間は有限。バックオフィスに10時間かけるより、その10時間を営業や商品開発に充てたほうが、会社の成長に直結します。
もし社内でのリスキリングや資格取得を支援する場合は、国の助成金制度を活用しましょう。教育訓練給付金の対象講座であれば、受講費用の最大70%(上限56万円)が国から支給されるため、少ない自己負担で高度な事務スキルを習得できます。 教育訓練給付金の対象講座を探す
「結局、人なんですよ」。私がいつも言っていることですが、バックオフィスの外注も同じ。信頼できるパートナーを見つけることが成功の鍵です。
よくある質問
Q. 業務委託と雇用契約の違いは何ですか?
契約上の名称ではなく、実態で判断されます。具体的には、指揮命令を受ける関係にあるか、時間的・場所的な拘束があるか、業務の専属性があるかなどが判断材料です。実態が雇用に近い業務委託は「偽装請負」として労働者保護の対象になります。
Q. 業務委託の収入は雑所得と事業所得のどちらですか?
継続的・反復的に一定規模の業務を行っているなら事業所得、単発・小規模なら雑所得になります。開業届を出して事業的規模で活動するなら事業所得、副業で月数万円規模なら雑所得が一般的。事業所得の方が青色申告の65万円控除が使えるなど税務メリットが大きいです。
Q. 業務委託契約書は電子サイン(クラウドサイン等)でも有効ですか?
はい、法律上は有効です。2026年現在、多くの企業で電子契約が標準となっています。ただし、契約書内で「電磁的記録による締結」を認める条項があるか確認しましょう。
Q. クライアントと業務委託契約書を交わさずに口約束で仕事を進めても大丈夫ですか?
大変危険です。2024年秋施行のフリーランス新法により、発注元は業務委託の条件を書面等で明示することが義務付けられています。契約書を交わさないのは法律違反のリスクがあり、報酬の未払いや一方的な仕様変更などのトラブルを防ぐた めにも必ず締結すべきです。
Q. 業務委託を依頼する際の契約期間はどのくらいが一般的ですか?
BtoBマーケティングは成果が出るまでに時間がかかるため、最低でも3ヶ月から6ヶ月程度の継続契約が一般的です。ただし、戦略立案やツール設定などの初期フェーズのみを1〜2ヶ月のスポットで依頼し、その後の運用は内製化するという形もあります。
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この記事を書いた人
久世 誠一郎
元人材コンサル・中小企業支援歴25年
大手人材会社でコンサルティング部門を率いた後、中小企業の業務改善・外注戦略の支援に転身。発注者目線でのクラウドソーシング活用術を発信しています。
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