整体・整骨院の広告で言える範囲はどこまでか|「治る」「骨盤矯正」と表現規制 2026

丸山 桃子
丸山 桃子
整体・整骨院の広告で言える範囲はどこまでか|「治る」「骨盤矯正」と表現規制 2026

この記事のポイント

  • 整体 広告 規制の全体像を解説
  • あはき法・柔道整復師法・景品表示法の違いから
  • 整体院と整骨院で使える表現・NG表現

整体院や整骨院の集客担当になった途端「この広告文言、法律的に大丈夫なのか」と不安になった人は多いはずです。整体 広告 規制と検索してこのページにたどり着いたなら、おそらく「治る」「改善する」といった表現をどこまで使っていいのか、チラシやSNS広告の審査で何を削るべきか、具体的な線引きを知りたいのだと思います。結論から言うと、整体院と整骨院では適用される法律そのものが違い、同じ「肩こりが楽になります」という一文でも、資格の有無によって許容範囲が変わります。この記事では法律の全体像からNG表現・OK表現、費用相場、実際の運用ステップまで、SNS広告運用の現場で整体院クライアントを担当してきた経験を踏まえて整理します。

整体院・整骨院の広告を取り巻く市場環境ーマクロ視点

整体・カイロプラクティック・整骨院を含む「手技療法」市場は、肩こりや腰痛を抱える人口の高止まりと、在宅勤務による姿勢不良の増加を背景に緩やかな拡大が続いています。厚生労働省の統計でも、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の登録者数は年々増加しており、施術所の新規開業も都市部を中心に活発です。一方で開業のハードルが低い「整体」は無資格でも名乗れるため、施術所の数そのものは行政も正確に把握しきれていないのが実情です。

集客の主戦場も紙のチラシからSNS広告・リスティング広告へと明確に移行しました。Instagram・TikTokの動画広告で「ビフォーアフター」を打ち出す施術所が増える一方、消費者庁や自治体消費生活センターへの相談件数も比例して増えています。「広告と実際の施術内容が違った」「治ると言われたのに改善しなかった」という相談は珍しくなく、行政による広告表現のチェックは年々厳しくなる傾向にあります。つまり今、整体 広告 規制というキーワードで情報を探している時点で、すでに正しい方向を向いていると言えます。規制を知らずに広告を出すことは、集客機会の損失だけでなく、行政指導や景品表示法違反による措置命令という実害につながるリスクがあるからです。

整体院と整骨院、広告規制の適用範囲はここが違う

まず整理すべきは「整体院」と「整骨院」は法律上まったく別のカテゴリーだという点です。整骨院・接骨院は柔道整復師という国家資格の保有者が開設する施術所で、柔道整復師法という法律に基づく広告規制が明確に定められています。一方で整体院・カイロプラクティック院は、国家資格を必要としない民間資格・無資格でも開業できる業態です。国家資格に基づく免許制度がないため、柔道整復師法やあはき法の広告規制は直接適用されません。

ここで多くの経営者が誤解するのが「国家資格がないなら広告は自由」という発想です。実際には整体院にも、医師法17条(医業類似行為の禁止)、景品表示法(優良誤認表示・有利誤認表示の禁止)、医薬品医療機器等法いわゆる薬機法(未承認の医薬品的効能効果の標榜禁止)という別の法律が及びます。むしろ国家資格に基づく明確な線引きがない分、何が違法になるかの判断が難しく、結果として広い範囲で表現を慎重にせざるを得ないのが整体院の実情です。整骨院は「柔道整復師法に沿って広告できる項目が限定列挙されている」のに対し、整体院は「医業類似行為とみなされない範囲で、かつ景品表示法・薬機法に抵触しない表現を選ぶ」という、まったく異なる思考プロセスが必要になります。

整体院の集客に大切な施策である「広告」。しかし、整体院が広告できる内容には規制があることをご存知でしょうか。 出典: tokyo-doctors.com

整体院・整骨院の広告に関わる4つの法律

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(あはき法)

あはき法は、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の広告について、施術者の氏名・施術所の名称と所在地・電話番号・施術日と施術時間・その他厚生労働大臣が指定する事項に限り広告してよいと定めています。これは限定列挙であり、リストにない事項は原則として広告できません。整体院がこの資格を持たずに「マッサージ」「あん摩」「はり」「きゅう」という名称を広告に使うと、無資格者による資格詐称とみなされ、あはき法違反として摘発対象になり得ます。厚生労働省は2022年に「あはき・柔整広告ガイドライン」を公表し、SNS広告やホームページも含めた広告物の判断基準を明確化しました。詳細は厚生労働省の公式サイトで確認できます。

柔道整復師法

整骨院・接骨院を運営する柔道整復師にはこの法律が適用されます。広告可能な事項はあはき法とほぼ同じ枠組みで、氏名・名称・所在地・電話番号・施術日時・受領委任に関する事項などに限定されます。「骨盤矯正」「猫背矯正」のような施術メニュー名自体は多くの整骨院で使われていますが、これが「保険適用」であるかのように誤認させる表現になっていないか、効果を保証するかのような文言になっていないかは常にチェックが必要です。

医師法17条と医業類似行為

医師法17条は「医業は医師でなければ行ってはならない」と定めています。整体院が国家資格を持たない以上、施術行為そのものが「医業類似行為」として扱われ、病名を挙げて「治す」「治療する」と広告することは、無資格者が医療行為を行っているかのような誤認を与え、医師法違反に問われるリスクが生じます。「椎間板ヘルニアが治ります」「自律神経失調症を改善します」といった病名と治癒効果をセットにした表現は、整体院にとって最も危険な広告表現の一つです。

景品表示法・薬機法

景品表示法は、実際の効果よりも著しく優良であるかのように見せる表示(優良誤認表示)や、実際より著しく有利な条件であるかのように見せる表示(有利誤認表示)を禁止しています。ビフォーアフター写真で個人差の大きい結果をあたかも標準的な効果であるかのように見せる広告は、この優良誤認表示に該当する可能性が高いとされています。違反した場合、消費者庁や公正取引委員会が所管する措置命令の対象となり、悪質な場合は課徴金納付命令が出されることもあります。薬機法は医薬品・医療機器等の広告規制ですが、整体院の施術が「がんが治る」「糖尿病が改善する」といった医薬品的な効能効果を暗示する場合、薬機法上の未承認医薬品的広告とみなされるリスクも指摘されています。

広告に書いてはいけないNG表現

「治る」「完治」「根本改善」などの治療効果を示す表現

整体院・整骨院どちらにも共通して危険なのが、治療効果を断定する表現です。「必ず治ります」「根本から改善します」「完治率95%」のような数値を伴う保証表現は、たとえ実際の顧客満足度が高くても広告表現としては不適切とされる可能性が高いものです。「楽になった」「すっきりした」という主観的な感想の範囲であれば比較的リスクは下がりますが、それを「治る」という医療的な結論に言い換えた瞬間、規制に触れる表現へと変わります。

資格・実績の誇大表現、資格詐称

整体院のスタッフが「元理学療法士」「医療従事者監修」といった肩書きを使う場合、実態と一致しているかが厳しく問われます。実際には研修を数日受けただけの資格を、あたかも国家資格であるかのように誇張して広告すると、景品表示法の優良誤認表示に該当するおそれがあります。また「病院との提携あり」「医師推薦」といった表現も、実態が伴わない限り使用すべきではありません。

ビフォーアフター写真・体験談の使い方の注意点

姿勢矯正や骨盤矯正の分野では、施術前後の写真を並べた広告がよく見られます。しかし個人の体験を一般化して「誰でもこうなる」という印象を与える使い方は、優良誤認表示のリスクが高いとされています。体験談を使う場合は、効果の個人差がある旨を明記し、極端な変化のみを恣意的に切り取らないことが重要です。SNS広告の審査でも、この種の表現は年々厳しくチェックされるようになっており、Instagram広告やGoogle広告の審査に落ちる原因の多くが、このビフォーアフター表現の扱い方にあります。

広告に書いてよいOK表現と使える情報

規制を過剰に恐れて何も書けなくなるのも本末転倒です。以下のような情報は、整体院・整骨院ともに広告として問題なく使えます。

・施術所の名称、住所、地図、最寄駅からのアクセス ・営業時間、定休日、予約方法、駐車場の有無 ・料金体系(初回料金、回数券の有無、追加メニューの費用) ・施術メニューの名称と内容説明(骨盤矯正、猫背矯正、O脚矯正などのメニュー名自体は使用可能) ・スタッフの紹介(保有資格を正確に記載する範囲) ・院内の写真、施術風景の写真 ・「楽になった」「すっきりした」という主観的な感想(治療効果を断定しない範囲) ・キャンペーン情報(初回2,980円など、実際の料金と一致する範囲)

ポイントは「事実として確認できる情報」と「主観的な感想」は書いてよく、「診断・治療・治癒の保証」は書かないという線引きです。この基準を社内マニュアル化しておくと、広告制作を外部のSNS運用代行会社や広告代理店に依頼する際にも認識のズレを防げます。

整体院・整骨院の広告方法別費用相場比較

広告手法ごとの費用相場と特徴を比較すると、以下のようになります。

広告手法 初期費用目安 月額費用目安 特徴
チラシ・ポスティング 3万円〜10万円 都度発生 地域密着型。表現規制の審査は自己責任
Googleビジネスプロフィール 無料 無料 口コミ・地図表示。優良誤認表示は口コミにも適用
リスティング広告 数万円 3万円〜15万円 クリック単価150円〜400円程度。審査あり
SNS広告(Instagram等) 数万円 3万円〜20万円 ビフォーアフター表現の審査が厳しい
看板・野立て看板 10万円〜 維持費のみ 一度出すと修正しにくい点に注意

チラシや看板は一度印刷・設置すると修正が効かないため、事前の表現チェックが特に重要です。一方SNS広告やリスティング広告はプラットフォーム側の審査があるため、規制に触れる表現は自動的に弾かれることも多いですが、審査をすり抜けても法律違反であることに変わりはなく、後から行政指導を受けるケースもあります。

集客効果を高める広告運用の5ステップ

整体院・整骨院が規制を守りながら成果を出すには、以下の手順が有効です。

  1. 表現チェックリストを作る:治療・治癒・完治・根本改善など使ってはいけない単語をリスト化し、制作前に共有する
  2. メニュー名と効果説明を切り分ける:「骨盤矯正」というメニュー名は使ってよいが、その効果を断定的に説明しない
  3. 主観的な感想と客観的な事実を分ける:「楽になった」はOK、「治った」はNGという基準をスタッフ全員に周知する
  4. プラットフォームの広告ポリシーを確認する:Instagram・Google・LINEなど媒体ごとにヘルスケア関連広告の審査基準が異なる
  5. 公開後も定期的に見直す:法律・ガイドラインは改定されることがあるため、半年〜1年に一度は表現を見直す

このステップを踏むことで、審査落ちによる広告出稿の遅延を防ぎつつ、行政指導を受けるリスクも同時に下げられます。

無料でできる広告施策とその注意点

広告予算が限られている整体院・整骨院にとって、無料で実施できる施策も重要な選択肢です。Googleビジネスプロフィールへの登録、SNSアカウントでの日常投稿、既存顧客からの紹介制度などは費用をかけずに集客につながります。ただし無料施策だからといって規制が緩くなるわけではありません。特にGoogleビジネスプロフィールの口コミ欄は第三者の投稿であっても、施術所側が誘導した内容であれば景品表示法上の問題になり得るとされており、口コミの内容についても一定の配慮が必要です。SNS投稿でビフォーアフターを紹介する場合も、有料広告と同じ基準で表現をチェックすることをおすすめします。

広告規制に違反した場合のリスク

広告表現の規制に違反した場合、行政からの指導・警告にとどまらず、景品表示法違反が認定されれば措置命令の対象となり、違反内容が公表されることもあります。さらに悪質性が高いと判断された場合には、対象商品・サービスの売上額に応じた課徴金納付命令が科されるケースもあります。行政処分に至らなくても、SNS上で「誇大広告だ」と指摘されて拡散し、施術所の信用そのものを損なう炎上リスクも軽視できません。広告表現は一度公開すると完全に取り消すことが難しいため、公開前のチェック体制を整えることが最終的にはコストの節約にもつながります。

独自データ考察:SNS広告運用の現場で見た整体院広告のリアル

私自身はアパレル・EC業態のSNS運用代行を主軸にしてきましたが、業務委託で案件を受ける中で、地域の整体院クライアントのSNS広告文言チェックを任されたことがあります。最初にクライアントから渡されたのは「腰痛が根本から治る」「骨盤矯正で10cmウエストが変わる」という、ファッション業界の誇張コピーに近い感覚で書かれた広告文でした。実際に広告プラットフォームの審査に出したところ、ヘルスケア関連の表現として複数箇所が却下され、そこで初めて医業類似行為や景品表示法という言葉を調べることになったのが、この分野に詳しくなったきっかけです。業界が違っても「効果を断定しない」「主観と客観を分ける」という基準はどの分野の広告にも共通する原則だと痛感しました。

20年この市場を見てきた運営者の立場から言えば、規制の厳しい業種ほど、広告表現よりも施術者個人への信頼が集客を左右する傾向が強くなっています。単発の広告で新規客を集めるよりも、既存顧客が「この人に任せると安心」と感じて紹介したり、リピートしたりする関係づくりに時間を使う施術所ほど長く経営が続いているという実感があります。広告代理店に依頼する際も、間に仲介マージンが何重にも乗る構造だと、施術所側の広告予算が目減りし、結果として審査対応やクリエイティブ制作にかけられる時間まで削られてしまうことがあります。手数料0%で発注者と受注者が直接つながる業務委託の仕組みは、同じ予算でもより多くの制作時間・修正回数を確保できるため、規制を丁寧にクリアした広告を作る余裕にもつながる構造だと運営者として見てきました。

広告制作を外部に依頼する場合、SNS運用や広告動画制作を専門とする人材に発注する選択肢もあります。実際にどのような業務範囲で依頼できるかは、SNS運用代行・SNS広告のお仕事で日々の投稿設計から広告出稿までの一般的な業務範囲がまとめられています。ビフォーアフター動画のような審査対応が難しいクリエイティブについては、PR・CM・SNS広告動画のお仕事で動画広告制作の依頼範囲を確認しておくと、表現チェックを含めた発注イメージがつかみやすくなります。リスティング広告やディスプレイ広告での運用を検討している場合は、リスティング・ディスプレイ広告のお仕事で審査対応も含めた運用代行の実務が紹介されています。

広告制作・運用を発注する際の単価感を把握しておきたい場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、専門職の相場観を確認しておくと予算配分の目安になります。また整体院・整骨院の受付業務を担うスタッフを採用する際には、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)のような資格が実務での信頼につながることもあり、広告表現だけでなく院内体制そのものを整える視点も重要です。経営全体の相談先としては中小企業診断士への相談も選択肢の一つです。

広告費用の負担を軽くしたい整体院・整骨院経営者にとっては、補助金の活用も現実的な選択肢です。SNS運用やWeb広告の費用を実質的に抑える制度については小規模事業者のための広告宣伝補助金2026|SNS運用とWeb広告を実質 1/4 にで申請の流れがまとめられています。高齢者の利用が多い施術所であれば、送迎サービスの安全対策に関する送迎バス安全装置の設置補助金2026|介護施設の義務化対応と申請手順も参考になります。個人で開業する整体師にとっては、一人親方 持続化補助金のように、事業者単位で使える補助金情報を押さえておくことも経営の安定につながります。

規制を正しく理解した上で広告を作ることは、単に行政処分を避けるためだけでなく、患者や利用者との長期的な信頼関係を築くための土台になります。表現を絞り込む作業は一見遠回りに見えますが、事実に基づいた誠実な広告こそが、結果的にリピートや紹介という形で最も費用対効果の高い集客につながっていきます。

よくある質問

Q. 整体院と整骨院で広告規制の内容は同じですか?

異なります。整骨院は柔道整復師法に基づく明確な広告項目の制限があり、整体院は国家資格がないため医師法や景品表示法など別の法律で規制されます。適用される法律の枠組みそのものが違う点に注意が必要です。

Q. 「骨盤矯正」というメニュー名自体は広告に使えますか?

メニュー名として使うこと自体は一般的に問題ないとされています。ただし「骨盤矯正で必ず腰痛が治る」のように治療効果を断定する説明を付け加えると、規制に抵触するリスクが高まります。

Q. ビフォーアフター写真を広告に使う際の注意点はありますか?

個人差がある結果を標準的な効果であるかのように見せると、景品表示法の優良誤認表示に該当するおそれがあります。効果に個人差がある旨を明記し、極端な事例のみを強調しないことが重要です。

Q. SNS広告の審査に落ちた場合はどうすればいいですか?

プラットフォームが指摘した該当箇所を確認し、治療効果を断定する表現や資格を誇張する表現を主観的な感想表現に修正することで再審査を通過しやすくなります。修正の際は社内で表現チェックリストを整備しておくと再発を防げます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月14日最終更新:2026年7月23日
丸山 桃子

この記事を書いた人

丸山 桃子@SOHO編集部

アパレルEC運営支援・SNSコンサル

アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。

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