弥生会計とfreeeを比較|個人事業主・フリーランスはどちらを選ぶべき?【2026年版】


この記事のポイント
- ✓弥生会計オンラインとfreeeの料金・使いやすさ・確定申告機能を個人事業主向けに比較
- ✓簿記の知識レベル別におすすめを解説します
独立して7年。Web制作のフリーランスとして生計を立てています。経理に関しては、最初の2年を弥生、その後3年をfreee、さらにまた弥生に戻って2年、という遍歴があります。どちらも良いソフトですが、合う人・合わない人がはっきり分かれます。
結論を先に言ってしまうと、簿記の基本がわかっている人は弥生、会計の知識ゼロの人はfreee。これがざっくりした選び方です。でも、もう少し掘り下げないと自分に合うかどうか判断できないと思うので、詳しく比較していきます。
基本スペック比較
| 項目 | やよいの青色申告オンライン | freee |
|---|---|---|
| 運営 | 弥生株式会社 | freee株式会社 |
| 歴史 | 1987年〜(オンラインは2014年〜) | 2013年〜 |
| 利用者数 | 300万以上(弥生シリーズ全体) | 有料課金ユーザー50万以上 |
| 最安プラン | セルフプラン: 年8,800円(初年度無料) | スターター: 年17,760円 |
| 確定申告 | ○ | ○ |
| 仕訳入力 | 複式簿記ベース | 独自UI(簿記知識不要) |
| 電子帳簿保存法 | ○ | ○ |
| インボイス対応 | ○ | ○ |
最も目を引くのは料金の差。弥生のセルフプランは初年度無料、2年目以降も年8,800円。freeeのスタータープランは年17,760円。年間で約9,000円の差は、売上が少ないフリーランスにとっては無視できません。
確定申告のしやすさ
弥生の確定申告
弥生は「確定申告」のメニューから、1年間の仕訳データをもとに自動で申告書類を作成してくれます。操作自体はシンプルですが、仕訳が正しく入力されていることが前提。日々の帳簿付けをサボっていると、確定申告の直前にまとめて入力する羽目になります。
税理士事務所との連携が弥生の強み。多くの税理士が弥生を使っているので、データをそのまま渡せる。「確定申告は税理士にお願いしている」という人にとっては、弥生のほうがスムーズです。
freeeの確定申告
freeeは「質問に答えるだけで確定申告が完了する」というコンセプト。「扶養家族はいますか?」「住宅ローン控除はありますか?」といった質問にポチポチ答えていくと、必要な書類が出来上がる仕組み。
これは本当に助かりました。独立初年度、簿記の「ぼ」の字も知らなかった私が3時間で確定申告を終えられたのはfreeeのおかげです。
日常の経理作業
弥生の仕訳入力
弥生は伝統的な複式簿記のインターフェース。借方と貸方を入力する画面が基本で、勘定科目の選択肢もオーソドックス。
「仕訳日記帳」から入力する方法と、「かんたん取引入力」を使う方法の2つがあります。かんたん取引入力は、取引の種類(売上、仕入、経費など)を選んで金額を入れるだけ。裏側では複式簿記の仕訳が自動生成されます。
長年のノウハウが蓄積されているだけあって、仕訳のテンプレートが豊富。「打ち合わせの飲食代」「電車の交通費」「サーバー代」など、フリーランスがよく使う取引パターンがプリセットされています。
freeeの仕訳入力
freeeは「仕訳」という概念を極力見せない設計。「収入」か「支出」を選んで、日付・金額・取引先を入力するだけ。勘定科目はAIが自動判定してくれます。
銀行口座を連携すると、取引データが自動で取り込まれます。「Amazonで3,980円」という明細が出てきたら、freeeが「消耗品費」と推測してくれる。合っていれば確定ボタンを押すだけ。
料金プランの詳細
弥生の料金プラン(やよいの青色申告オンライン)
| プラン | 年額 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| セルフプラン | 8,800円(初年度無料) | 基本機能、操作質問なし |
| ベーシックプラン | 13,800円(初年度6,900円) | チャット・電話サポート付き |
| トータルプラン | 24,000円(初年度12,000円) | 仕訳・確定申告の相談OK |
freeeの料金プラン
| プラン | 年額 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| スターター | 17,760円 | 確定申告、基本経理 |
| スタンダード | 32,160円 | 消費税申告、レシート撮影 |
| プレミアム | 53,760円 | 電話サポート、税務調査補償 |
3年間の総コストで比較すると、弥生セルフプランは17,600円(初年度無料+2年分)。freeeスターターは53,280円。差額は35,680円。これだけあれば新しいキーボードと外部モニターが買えます。
自動仕訳の精度
銀行口座・クレジットカードを連携した際の自動仕訳について。
freee: 自動学習機能が優秀。使い始めて2〜3ヶ月で、取引の8割以上を正しい勘定科目で仕訳してくれるようになりました。
弥生: スマート取引取込機能で自動仕訳に対応。freeeと比べると、学習速度がやや遅い印象ですが、半年も使えば精度は十分。税理士が使い慣れた勘定科目体系がベースになっているので、税理士に見せるときも修正が少ない。
サポート体制
ここは結構差があります。
弥生: セルフプランはサポートなし。ベーシックプラン以上でチャット・電話サポートが使えます。とくにトータルプランの「仕訳相談」は、「この経費はどの科目?」という実務的な質問ができるので、税理士を雇っていない人には心強い。
freee: スタータープランからチャット・メールサポートが使えます。対応は比較的早くて、数時間以内に返事が来ることが多い。ただし、電話サポートはプレミアムプラン(年53,760円)のみ。
レシート・領収書管理
弥生のレシート管理
弥生の「スマート証憑管理」では、レシートをスマホで撮影してアップロード。OCRで金額と日付を読み取って仕訳候補を生成してくれます。電子帳簿保存法にも対応しているので、紙のレシートを捨てられます(データ保存で代替)。
freeeのレシート管理
freeeのファイルボックス機能は、レシート管理ではfreeeが一歩リードしている印象。撮影した画像から自動で仕訳を生成し、確認ボタンを押すだけ。連携のスムーズさはfreeeのほうが上です。
選び方のまとめ
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| 経理は初めて、簿記の知識なし | freee |
| できるだけコストを抑えたい | 弥生(セルフプラン) |
| 税理士に記帳を任せている | 弥生 |
| スマホで経理を完結させたい | freee |
| 簿記3級程度の知識がある | どちらでも |
| 法人成りの可能性がある | freee(法人プランへの移行がスムーズ) |
経理を効率化して案件に集中する
会計ソフトを導入する最大のメリットは「経理にかける時間を減らして、案件に集中できること」です。私の場合、弥生を使い始めてから月末の経理作業は1時間以内で終わるようになりました。
@SOHOの資格ガイドでは、簿記検定や日商簿記の情報が詳しくまとめられています。会計ソフトを使いこなすために簿記3級を取っておくと、経理の理解度が格段に上がるのでおすすめです。
移行を考えるタイミングと実際の手順
私が弥生→freee→弥生と2回引っ越しして痛感したのは、「移行は年度の切れ目以外でやるな」ということです。期中での乗り換えは、どちらのソフトでも残高の引き継ぎでつまずきます。具体的には、勘定科目の名称が微妙に違う(弥生「事業主貸」とfreee「事業主貸」は同じだが、補助科目の構造が違う)、開始残高の入力タイミングを間違えると貸借が合わない、といった事故が起きやすい。
移行のベストタイミングは、確定申告を提出した直後(3月中旬〜4月)です。前年度のデータが確定しているので、新ソフトには「期首残高」だけ入れれば済む。私が2度目に弥生に戻したときは、freeeから「期末残高試算表」をPDFでダウンロードして、弥生の「導入時の残高設定」画面に手で転記しました。所要時間は約2時間。慣れない人でも半日あれば終わります。
過去のデータを引き継ぎたい場合は、両ソフトともCSVエクスポート機能があります。ただし、freeeのCSVは独自フォーマットで、弥生にそのまま取り込めません。マネーフォワード経由で変換する手もありますが、結局手作業で勘定科目を対応付けする工数は発生する。過去データは「参照用」として旧ソフトを契約解除せずに残すのが、結果的にいちばん安全です。弥生のセルフプランなら年8,800円で過去データを閲覧できる状態を維持できます。
インボイス制度後の課税事業者への影響
2023年10月のインボイス制度開始から3年。免税事業者だった私の周りのフリーランスも、半数以上が課税事業者に転換しました。課税事業者になると、消費税の申告書作成という作業が新たに発生します。ここで両ソフトの差が大きく出ます。
freeeのスタータープランは消費税申告に対応していません。スタンダードプラン(年32,160円)以上が必要です。一方、弥生はセルフプラン(年8,800円)でも消費税申告書の作成が可能。この差は大きい。年間で約23,000円違ってきます。
簡易課税を選択している場合、両ソフトとも事業区分(第一種〜第六種)を取引ごとに設定する機能があります。Web制作の私は第五種(サービス業)でみなし仕入率50%。設定さえ済ませれば、あとは売上に対して自動計算してくれるので、消費税申告自体はそれほど難しくありません。
インボイス番号の管理についても触れておくと、取引先ごとに登録番号を保存できる機能は両ソフトとも実装済み。ただし、受領した請求書にインボイス番号が記載されているかをチェックするのは、結局自分の目視確認が必要です。月末にまとめて確認する習慣をつけておかないと、申告時に仕入税額控除を取りこぼします。
インボイス制度開始から1年間(令和5年10月〜令和6年9月)の登録申請件数は約450万件で、そのうち免税事業者からの登録は約105万件。 出典: 国税庁
確定申告以外で会計ソフトを使い倒す方法
会計ソフトを「確定申告のときだけ起動するもの」と捉えていると、年間8,800円〜17,760円のコストが重く感じられます。でも、日々の経営判断ツールとして使い倒せば、コスパは一気に跳ね上がります。
私が毎月見ているのは、月次の損益推移グラフ。弥生もfreeeも、ダッシュボードに「今月の売上・経費・利益」が表示されます。これを前年同月と比較することで、「先月は売上が落ちたな、新規案件の開拓を始めるか」「経費が膨らんでる、サブスクを整理しよう」といった判断が早めにできる。年に1回の確定申告で初めて気づくのと、毎月気づくのとでは、経営の打ち手のスピードが全然違います。
もう一つ便利なのが取引先別の売上集計。freeeは「取引先」タグを付けると、自動で取引先別売上ランキングを出してくれます。私は毎四半期これをチェックして、上位3社で売上の7割を超えていないかを確認している。超えていたら依存度が高すぎるサインなので、新規開拓を強化します。
弥生の場合は「補助科目別集計表」で同じことができます。売掛金の補助科目を取引先名で切っておけば、取引先別の入金状況も把握可能。少し手間はかかりますが、機能としては十分です。
事業主貸・事業主借の管理も、毎月確認しておくとよい項目。プライベートと事業の支出が混ざっている人は、月末に「事業主貸が今月いくら出てるか」を見るだけで、生活費の規模感がつかめます。フリーランスの「どんぶり勘定」を防ぐ最小限の習慣として、月1回ダッシュボードを開く時間を確保することをおすすめします。
よくある質問
Q. 弥生会計個人事業主使い方は未経験でも始められますか?
多くの場合、未経験からでも始められます。最初は小さな案件やシンプルな作業から挑戦し、実績を積みながら少しずつスキルや知識を広げていく進め方が現実的です。公的機関や業界団体が提供する情報を参照し、無理のないペースで取り組むことをおすすめします。
Q. オンラインで確定申告をするために必要なものは何ですか?
マイナンバーカード(署名用および利用者証明用の暗証番号)と、カードを読み取るためのスマートフォン、またはICカードリーダーのいずれかが必要になります。現在ではスマートフォンの活用が主流でおすすめです。
Q. フリーランスと個人事業主にはどのような違いがありますか?
フリーランスは「特定の組織に属さず、案件ごとに契約を結ぶ働き方」というワークスタイルを指す呼称です。一方、個人事業主は税法上の区分を指します。システムエンジニアやライターなどのフリーランスが、税務上の手続きを行うことで個人事業主として活動するケースがほとんどです。
Q. 個人事業主の確定申告はいつまでに行えばよいですか?
原則として、毎年2月16日から3月15日の間に行います。還付申告の場合は、1月から行うことも可能です。期限を過ぎると延滞税が発生する場合があるため、早めの準備を心がけましょう。
@SOHOでキャリアを加速させよう
@SOHOなら、あなたのスキルを求めているクライアントと手数料無料で直接つながれます。
@SOHOで関連情報をチェック
お仕事ガイド
年収データベース
資格ガイド

この記事を書いた人
前田 壮一
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師
看護師の転職・副業・フリーランス・キャリアガイド

薬剤師
薬剤師の転職・副業・キャリアパスガイド

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理







